JPH0510202Y2

JPH0510202Y2 -

Info

Publication number: JPH0510202Y2
Application number: JP14096988U
Authority: JP
Priority date: 1988-10-28
Filing date: 1988-10-28
Publication date: 1993-03-12
Anticipated expiration: 2003-03-12
Also published as: JPH0262378U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案はバン型車、特に食品等の物品を冷凍ま
たは保冷して輸送できるバン型車に関するもので
ある。

［従来技術］物品を冷凍または保冷状態で輸送する車両にお
いて、適温の異なる複数種の物品を同時に輸送で
きることが要望されている。

この要望に応えるものとして、冷凍車において
は、荷室の中央を断熱仕切壁で仕切り、一方の部
屋には冷凍機のエバポレータを設けて冷凍室とな
し、他方の部屋を保冷室となし、仕切壁には両部
屋を連通する通気孔を設けてこれを開閉可能とな
し、冷凍室の冷気を適時、保冷室へ送給して保冷
室温を所定に維持する構造としたものがある。

しかしながら冷凍車は一般に大型で冷凍機を搭
載しており、多量遠距離輸送に用いられ、比較的
少量の物品を近距離に配送する手段としては適し
ていない。

一方、バン型車では、荷室の室壁内面に蓄冷板
を設けて冷凍または保冷する構造としたものがあ
る。しかしながら、この構造は荷室全体を所定温
度域に保持するものであつて、適温の異なる複数
の物品輸送のための異温度管理はできない。

［本考案が解決しようとする課題］本考案は上記の実情に鑑みてなされたもので、
バン型車において、その荷室内を複数に分割し、
分割室を異温度管理して複数種の物品を同時に適
温輸送できるようにすることを目的とする。

［課題を解決するための手段］本考案は断熱構造としたバン型車の荷室壁に、
上下複数段に水平方向のガイドレールを設け、ガ
イドレール間に棚板を兼ねる仕切板をなす蓄冷板
を、凍結または非凍結状態でスライドかつ引出し
可能に挿置し、荷室を複数の分割室に分割したこ
とを特徴とする。

［作用］荷室は引出して交換可能な蓄冷板で囲まれた複
数の分割室に分割される。従つて、各分割室を囲
む蓄冷板として、凍結状態とした蓄冷板を用い、
あるいは非凍結状態とした蓄冷板を用い、あるい
は一部の蓄冷板は凍結状態で、他の蓄冷板は非凍
結状態で用いることで、各分割室の温度を同一ま
たは異つた温度とすることができる。

［実施例］第１図に示すように、バン型車の荷室には枠組
み１が構成してある。そして、この枠組み１は、
第４図に示すように金属内板２１および金属外板
２２間に断熱材２３を充填した荷室壁２内に組込
まれて荷室壁２と一体となつている。荷室後面は
開放され、縦横の枠体で仕切られた４つの開口は
それぞれ小扉３で開閉されるようになつている。
また、左右両側面の前部も開放され、枠体で仕切
られた上下の開口はそれぞれ小扉３で開閉される
ようになつている。

荷室内には荷室壁２に沿い、また左右の壁面間
にかけ渡すように、上下複数段にガイドレール４
が水平方向に設けてある。第２図に枠組み（実
線）１およびガイドレール（破線）４の配置を示
す。ガイドレール４は第４図に示すように水平方
向に向くガイド面と縦方向に向くガイド面を有し
ており、荷室壁２に固定せしめてある。そして水
平方向対応位置にあるガイドレール４間および縦
方向対応位置にあるガイドレール４間には蓄冷材
を封入した蓄冷板５が嵌挿される。蓄冷板５はガ
イドレール４に沿つてスライド可能であるととも
に、荷室壁２の開口から差入れ、引出し可能であ
る。そして荷室は上記蓄冷板５により、左右に開
口を有する荷室前部の上下２室と、後端に開口を
有する上下左右の４室の、最大６室に分割され得
る。

また蓄冷板５としては凍結状態としたもの、非
凍結状態としたもの、またその両方が併用され
る。蓄冷板５にて仕切られる仕切面はすべて同一
形状寸法に設定してある。従つて蓄冷板５は共通
の形状寸法のものが用いられ、適時交換され得
る。

第３図は蓄冷板５の取付態様を示すもので、ハ
ツチングを施したものは凍結状態とした蓄冷板５
ａである。第３図Ａでは荷室後半部の４室はすべ
て凍結状態とした蓄冷板５ａにて囲み、かつ仕切
つてあり、前半部の２室は非凍結状態とした蓄冷
板５ｂにて囲み、かつ仕切つてある。これにより
後半部の４室は冷蔵室、前半部の２室は常温室と
なる。また第３図Ｂは蓄冷板５ａ，５ｂを上記と
は逆に配したもので、前半部の２室が冷蔵室、後
半部の４室が常温室となる。勿論、全蓄冷板を凍
結または非凍結とすれば、各室すべてが冷蔵また
は常温室となる。また、一室についてその４面の
一部を凍結の蓄冷板とし、他を非凍結の蓄冷板と
することで、上記冷蔵と常温の中間温度となる。

［考案の効果］このように本考案のバン型車荷室は、分割室を
構成する凍結または非凍結の蓄冷板を差しかえる
ことで、分割室を異温とすることができ、従つて
適温の異なる多種物品を混載輸送できる。また、
水平方向の蓄冷板は棚板となり、かつ差入れ引出
し可能であるから、物品の収納、取出しが容易に
行ない得る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
バン型車の荷室の後視図、第２図は枠組み構造お
よびガイドレールの配置を模式的に示す図、第３
図Ａおよび第３図Ｂはそれぞれ蓄冷板の取付態様
を示す図、第４図は第１図の−線に沿う断面
図である。１……枠組み、２……荷室壁、３……小扉、４
……ガイドレール、５……蓄冷板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

断熱構造の荷室壁に、上下複数段に水平方向の
ガイドレールを設け、ガイドレール間に棚板兼用
の仕切板をなす蓄冷板を、凍結または非凍結状態
でスライドかつ引出し可能に挿置し、荷室内を複
数室に分割したことを特徴とする多室式冷凍バン
型車。