JPH0510162B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電縫管製造設備におけるロール組替
装置に関するものである。

（発明が解決すべき従来技術の問題点） 最近電縫管製造設備では、生産されるパイプサ
イズの変更に伴うロール組替の時間を短縮するた
めに、スタンド交換方式とインナーハウジング交
換方式のロール組替装置が開発されている。しか
し、スタンド交換方式では、ブレークダウンスタ
ンド、フインパススタンド、サイジングスタンド
等を各スタンド群ごとにそれぞれ独立のコモンベ
ース上に設置し、このコモンベースにより同一の
ベース上に設置しておき、予めロール組替及び芯
出しの完了したスタンド群とスタンド群ごと交換
するようにしている。このため、スタンド交換作
業が大変となる。交換した旧スタンド群について
はさらにロール組替が必要となる。ロール組替を
要するミルスタンドがあれば、ロール組替を要し
ないミルスタンドがあつても、同一のスタンド群
である限り交換しなければならず、無駄である。
また、極めて高価な設備となるという欠点があつ
た。また、インナーハウジング交換方式では、ミ
ルスタンドを圧下装置を備えたアウターハウジン
グと、ロール装置を備えたインナーハウジングと
から構成し、インナーハウジングをミルラインと
直角方向の操作側に引出し可能にしてアウターハ
ウジングに装着すると共に、ミルラインの操作側
に新旧のインナーハウジングを移載可能な台車を
ミルラインと平行方向に横行可能に設けておき、
予めロール組替の完了したインナーハウジングと
交換するようにしている。このため、ミルスタン
ドが極めて複雑なものとなつて、全体として極め
て高価な設備とならざるを得ない。また既存設備
には容易に適用し難いという欠点があつた。

ところで、従来ほとんどの既存設備では、第１
図に示すように、ロール組替に際して、まずウオ
ームジヤツキ８を作動して圧下スクリユ９と駆動
側、操作側上ロールチヨツク７，１９と上ロール
軸１１を介して上ロール１３を下降して下ロール
１３′上に載置した後、上下ロール軸１１，１
１′の操作側端に設けた締付ナツト２０を外し、
かつミルベース６に操作側スタンド１４を固定し
ている取付ボルト１７を取外すと共に、駆動側ス
タンド５と操作側スタンド１４を連結している連
結軸１８の操作側カツプリングで、ウオームジヤ
ツキ８のウオーム軸との接続を外す。次いでスク
リユ締付ナツト１０を弛めた後、図示しない天井
クレーンにより操作側スタンド１４を図示左方向
に移動して上下ロールチヨツク１９，１９′を含
め上下ロール軸１１，１１′から取外す。次いで
天井クレーンにより上ロール１３を図示左方向に
水平移動して上ロール軸１１から抜取る。同様の
方法により下ロール１３′を下ロール軸１１′から
抜取る。

ロールの組込みは前記したロール引出し手順と
逆の手順により行なう。

既設のほとんどの電縫管製造設備では、以上述
べた通り天井クレーンを用いて上下ロールを交換
している。しかし、このようなロール組替方式で
は、上下ロールのみを交換すればよいという利点
がある反面、限られた台数の天井クレーンだけに
よるため、多数のスタンドにつきロール組替を行
なう場合に時間がかかりすぎ、生産能率がどうし
ても低下してしまうという欠点があつた。

（発明の目的） 本発明は上下ロールのみを交換する前記従来の
ロール組替方式の問題点を解決するために創案さ
れたもので、ミルスタンドの上下ロールを搬入出
可能なロール組替台車を設け、このロール組替台
車と天井クレーンを併用してロール組替作業の能
率を大巾に向上させうるようにした電縫管製造設
備におけるロール組替装置を提供することを目的
とする。

（発明の構成） 本発明は、操作側スタンド１４を取外し可能に
したミルスタンド３を有する電縫管製造設備にお
いて、ミルスタンド３に対してミルラインと直角
方向にて前後進可能なロール支持機構を搭載した
ロール組替台車２２をミルラインの操作側にミル
ラインと平行に横行可能に設け、前記ロール支持
機構はミルラインと直角方向に平行に突出する左
右の上ロールリフトフオークと下ロールリフトフ
オークからなり、各々のリフトフオーク組は個別
に昇降機構を備えていることを特徴とする。

（実施例） 以下本発明の一実施例を第２図〜第５図により
説明する。

第２図に概略的にそのレイアウトを示すように
電縫管製造設備はブレークダウンスタンド１、ク
ラスタサイドスタンド２、フインパススタンド
３、サイジングスタンド４等のスタンド群から構
成されており、各スタンドは第１図にフインパス
スタンド３につき示した如く、操作側スタンドが
ミルラインの操作側への移動により取外し可能と
なつている。これを第１図を参照して説明する
と、図中５は駆動側スタンドで、ミルベース６上
に固定されている。７は駆動側上ロールチヨツク
で、駆動側スタンド５の上部に設置したウオーム
ジヤツキ８の圧下スクリユ９下端がスクリユ締付
ナツト１０により回転可能に連結されると共に、
駆動側スタンド５に沿つて昇降可能に装着されて
いる。７′は駆動側下ロールチヨツクで、駆動側
上ロールチヨツク７の直下に位置する駆動側スタ
ンド５の下部に装着されている。１１は上ロール
軸で、駆動側上ロールチヨツク７に回転可能に装
着支持されている。１２はこの上ロール軸１１に
装着したキーである。１３は上ロールで、内面に
キー溝を備えており、該キー溝をキー１２に係合
させて上ロール軸１１上所定位置に嵌着されてい
る。また１１′は下ロール軸で、駆動側下ロール
チヨツク７′に回転可能に装着支持されている。
１２′はこの下ロール軸１１′に装着したキーであ
る。１３′は下ロールで、内面にキー溝を備えて
おり、該キー溝をキー１２′に係合させて下ロー
ル軸１１′上所定位置に嵌着されている。１４は
操作側スタンドで、該スタンド下部にて駆動側、
操作側がそれぞれミルベース６に固定したスタン
ドベース１５にクランパー１６と取付ボルト１７
により固定されると共に、スタンド上部にて駆動
側スタンド５と連結軸１８により連結されてい
る。１９は締付ナツト２０により外止めして上ロ
ール軸１１を回転可能に支持せしめた操作側上ロ
ールチヨツクで、操作側スタンド１４の上部に設
置したウオームジヤツキ８の圧下スクリユ９下端
がスクリユ締付ナツト１０により回転可能に連結
されると共に、操作側スタンド１４の内面に沿つ
て昇降可能に装着されている。１９′は締付ナツ
ト２０により外止めして下ロール軸１１′を回転
可能に支持せしめた操作側下ロールチヨツクで、
操作側上ロールチヨツク１９の直下に位置する操
作側スタンド１４の下部に装着されている。

本発明のロール組替装置はかかる電縫管製造設
備において所定のスタンド群、例えば第２図に示
すようにフインパススタンド群用として、ミルラ
インの操作側に、ミルラインと平行に敷設したレ
ール２１上を横行可能なロール引出し用とロール
組込み用の２台の組替台車２２を配設している。

第３図、第４図はロール組替台車２２を示す。

第４図に明らかなようにロール組替台車２２は
台車フレーム２３に設けたモータ２４により鎖歯
車２５とチエーン２６と鎖歯車２７を介して車輪
２８を回転することによつて自走可能な構成とな
つている。

また、第３図に明らかなようにロール組替台車
２２の台車フレーム２３上には、ミルラインと直
角方向水平に延びる左右のレール２９が設けられ
ており、逆Ｔ形状のシフトフレーム３０は、後部
車輪３１がレール２９に移動可能に係合し、かつ
前部車輪３２がミルベース６の上面に転接してお
り、モータ３３により台車フレーム２３に設けた
ラツク３４にかみ合うピニオン３５を回転するこ
とによつて、ミルラインに対して前後進可能な構
成となつている。このシフトフレーム３０の立上
り部内には上下方向に延びる左右のガイドレール
３６が設けられ、またシフトフレーム３０の上部
にはモータ３７により作動可能なウオームジヤツ
キ３８が設置されている。上ロールリフトフレー
ム３９と下ロールリフトフレーム３９′はそれぞ
れガイドレール３６と係合すると共に、ウオーム
ジヤツキ３８のスクリユ４０とカツプリング４１
によりロツド４２を介して懸吊されており、モー
タ３７によりウオームジヤツキ３８を作動するこ
とによつて昇降可能な構成となつている。上ロー
ルリフトフレーム３９と下ロールリフトフレーム
３９′の下部にはそれぞれ、ミルラインと直角方
向に平行に突出する左右の上ロールリフトフオー
ク４３と下ロールリフトフオーク４３′が設けら
れ、これら上ロールリフトフオーク４３と下ロー
ルリフトフオーク４３′のそれぞれの左右対向部
にはローラ４４と４４′が装着されると共に、そ
れぞれのフオーク先端部には引掛爪４５と４５′
がロール引出し時上ロールリフトフオーク４３、
下ロールリフトフオーク４３′上の上ロール１３、
下ロール１３′に引掛け可能に装着されている。

以上のようにロール組替台車２２に搭載された
ロール支持機構はフインパススタンド３に対して
ミルラインと直角方向にて操作側から前後進可能
で、かつ、昇降によりロール径に合わせて高さを
調整可能な構成となつている。

更に、第３図に明らかなようにロール組替台車
２２の台車フレーム２３には、シリンダ４６によ
りフインパススタンド３のスタンドベース１５の
側に突出可能な位置決め金物４７が設けられると
共に、ミルベース６の各フインパススタンド位置
には位置決めストツパー４８が設けられている。

そして、第２図に示すように、ロール組替台車
２２を横行可能に支持するレール２１の両端側に
はそれぞれ、ロール組替台車２２を90゜水平旋回
可能なターナー４９と、ロール搬送用のローラコ
ンベヤ５０と、第５図に示すようにターナー４９
上のロール組替台車２２とローラコンベヤ５０間
で上ロール１３と下ロール１３′をフツク５１に
より移載可能なホイスト装置５２が設置されてい
る。

（作用） 所定のフインパススタンド３のロール引出しに
際しては、ロール引出し用のロール組替台車２２
をモータ２４による横行後シリンダ４６により位
置決め金物４７を前記スタンド用の位置決めスト
ツパー４８に係合することによつて定置する。次
いでロール径に合わせてウオームジヤツキ３８に
より上ロールリフトフオーク４３と下ロールリフ
トフオーク４３′を昇降しそれぞれの高さ位置を
調整する。他方、従来公知の手順で操作側スタン
ド１４を取外す。しかる後、モータ３３によりロ
ール組替台車２２上のシフトフレーム３０をフイ
ンパススタンド３側へ前進してシフトフレーム３
０に設けてある上ロールリフトフオーク４３と下
ロールリフトフオーク４３′をそれぞれ上ロール
１３と下ロール１３′の下側に挿入した後、ウオ
ームジヤツキ３８により上ロールリフトフオーク
４３と下ロールリフトフオーク４３′を寸動リフ
トして上ロール１３と下ロール１３′を保持し、
かつこれらにそれぞれ引掛爪４５，４５′を引掛
ける。次いでモータ３３によりロール組替台車２
２上のシフトフレーム３０を元の位置まで後退し
て上ロール１３と下ロール１３′を上ロール軸１
１と下ロール軸１１′から抜取つてその引出しを
完了する。

ロール引出し後、ロール組替台車２２をモータ
２４により第２図の右方向に横行させてターナー
４９上に載置し、このターナー４９により第２図
の時計回り方向に90゜水平旋回する。ホイスト装
置５２のフツク５１を上ロールリフトフオーク４
３上の上ロール１３へ挿入後寸動上昇、後退、下
降によりローラコンベヤ５０上へ移載する。次に
ローラコンベヤ５０を１ピツチ運転した上で下ロ
ール１３′を同様の方法でローラコンベヤ５０上
へ移載する。これらの上ロール１３と下ロール１
３′はローラコンベヤ５０により点検補修のため
運び出す。

ロール引出しの完了後、ターナー４９は90゜逆
転旋回し、ロール引出し用のロール組替台車２２
は次のフインパススタンド３に対して定置する。
そして前記と同一のロール引出し動作を繰返す。

ロール組込みに際しては、第２図の左側のロー
ラコンベヤ５０上に準備してある下ロール１３′
をホイスト装置５２のフツク５１により持上げ後
前進により、ターナー４９上に載せてあるロール
組込み用のローラ組替台車２２上の下ロールリフ
トフオーク４３′上に移載する。同様の方法で上
ロール１３を上ロールリフトフオーク４３上に移
載する。しかる後ロール組替台車２２をターナー
４９により90゜水平旋回し、モータ２４により横
行させてロール引出し済みのフインパススタンド
３に対して定置した後、ロール引出しと逆の手順
に従い上ロール１３と下ロール１３′を上ロール
軸１１と下ロール軸１１′に挿入する。この場合
上下ロール軸１１，１１′におけるキー１２，１
２′に上下ロール１３，１３′におけるキー溝を合
わせておくことは勿論である。その合せは、上ロ
ール１３について言えば、上ロール１３を上ロー
ルリフトフオーク４３上でローラ４４により回転
すればよい。

ロール組込みの完了後、ロール組込み用のロー
ル組替台車２２は横行させてターナー４９上に戻
した後ターナー４９により第２図の反時計回り方
向に90゜逆転旋回する。そして前記と同一のロー
ル組込み動作をロール引出し済みのフインパスス
タンド３に対して繰返す。前記したロールの引出
しと組込みを順次行なうためには、２台のロール
組替台車２２が効率良く動くよう順位をつけ、こ
れにローラコンベヤ５０によるロール搬入出の順
位も合わせておけばよい。

また２台のロール組替台車２２が衝突するのを
防止するためには、電気的制御方法等によつて対
処すればよい。

（発明の効果） 以上の通り本発明は上下ロールのみを交換する
従来のロール組替方式をそのまま生かし、天井ク
レーンによりロール組替を行なうと共に、新たに
別設したロール組替装置によつてもロール組替を
行なうことができる構成であるため、クレーンネ
ツクを生じることなく、ロール組替作業の能率を
前記ロール組替装置がない従来のものに比して大
巾に向上させることができる。またロール組替装
置の別設で足りるから、既設設備に容易に適用で
きるし、ミルスタンドの改造等に比べて安く済
む。

【図面の簡単な説明】

第１図は既設の電縫管製造設備におけるフイン
パススタンドの正面図、第２図は本発明の実施例
を概略的に示す平面図、第３図は操作側スタンド
を外した状況で示す第２図の−線に沿う拡大
正断面図、第４図は第３図の−線に沿う断面
図、第５図は第２図の−線に沿う拡大断面図
である。 １…ブレークダウンスタンド、２…クラスタサ
イドスタンド、３…フインパススタンド、４…サ
イジングスタンド、５…駆動スタンド、６…ミル
ベース、１１…上ロール軸、１１′…下ロール軸、
１２，１２′…キー、１３…上ロール、１３′…下
ロール、１４…操作側スタンド、１５…スタンド
ベース、２１…レール、２２…ロール組替台車、
２４…モータ、２５，２７…鎖歯車、２６…チエ
ーン、２８…車輪、２９…レール、３０…シフト
フレーム、３１…後部車輪、３２…前部車輪、３
３…モータ、３４…ラツク、３５…ピニオン、３
６…ガイドレール、３７…モータ、３８…ウオー
ムジヤツキ、３９…上ロールリフトフレーム、３
９′…下ロールリフトフレーム、４０…スクリユ、
４１…カツプリング、４２…ロツド、４３…上ロ
ールリフトフオーク、４３′…下ロールリフトフ
オーク、４４，４４′…ローラ、４５，４５′…引
掛爪。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 操作側スタンド１４を取外し可能にしたミル
   スタンド３を有する電縫管製造設備において、ミ
   ルスタンド３に対してミルラインと直角方向にて
   前後進可能なロール支持機構を搭載したロール組
   替台車２２をミルラインの操作側にミルラインと
   平行に横行可能に設け、前記ロール支持機構はミ
   ルラインと直角方向に平行に突出する左右の上ロ
   ールリフトフオークと下ロールリフトフオークか
   らなり、各々のリフトフオーク組は個別に昇降機
   構を備えている」ことを特徴とする電縫管製造設
   備におけるロール組替装置。