JPH0510095U - 車両のミラー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 構造簡単で部品点数か少なくかつ安価で、ミ
ラーを視認性を損なわないように安定的に支持すること
ができるトラック等のミラー装置を提供する。 【構成】 車体のルーフ３０内部に収容された電動式駆
動装置によって往復駆動される駆動レバー２４に、ミラ
ーを支持するミラーステー１４の上端を連結し、同ミラ
ーステーの下端はウインドシールド１２下端縁付近の車
体部分に廻動可能に支持する。駆動レバーには、ガスス
プリング装置２６の一端を枢着すると共に、その他端は
駆動装置の出力軸より前方のルーフ部分又は同出力軸を
囲むブラケットに枢着する。駆動レバーは、出力軸の中
心とガススプリング装置の他端枢支中心とを通る中心線
の一側におけるミラー使用位置と、同中心線の他側にお
けるミラー格納位置との間を廻動し、ミラー使用位置及
びミラー格納位置の何れかに選択的に位置させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両特にキャブオーバ型トラック、バス等車両用のミラー装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

比較的大型のキャブオーバ型トラック等においては、キャブのウインドシール ド側方に、車体外方に張り出した弓形或いはコ字状をなし通常鋼管で作られたミ ラーステーが設けられ、同ステーには、後方視界を得るためのバックミラーや車 体周辺の下方視界を得るためのアンダミラー等が装着されている。上記ミラー類 を車体前端部の前方かつ側方に配置するために、上記ミラーステーは、その上端 部を、ウインドシールドの車巾方向側端上方のルーフ部分に脚部後端を支持され たＶ字状をなす支持リンクの他端頂点部分にボルト等の緊締部材によって支持さ れ、かつ下端部は上記ウインドシールドの下端縁付近の車体部材例えばフロント パネルに装着された取付金具に同じくボルト等の緊締部材によって支持されてい るのが通例である。また、上記ミラー類は、エンジン等から伝達される振動によ って微振動を起すと、視認性を失ないミラーとして役立たなくなるため、上記ミ ラーステーの上下両端部は、上記Ｖ字状支持リンク及び取付金具に対して、ミラ ーが微振動を生起しない程度の十分な締付力をもって緊締されている。 一方、トラック等の場合、屡々、上記ミラーが道路添いの家屋や電柱等に接触 する危険性がある狭い道路や作業現場を走行しなければならないことがあり、こ の際ミラー類やミラーステー及びその支持構造、更に家屋等の破損を防止するた めに、従来は同ミラーステーの上下両端部を上記支持リンク及び取付金具に連結 するボルト等の緊締部材を弛めミラーステーを内方に廻動させて接触を回避し、 走行後再びミラーステーを通常の位置に戻して、上記緊締部材を予め設定された トルクをもって締付ける面倒な作業が行なわれていた。 そこで、近来、上記ミラーステーの廻動及び再設定の面倒な作業を省くために 、運転席からのスイッチ操作によって遠隔作動する電動式往復駆動装置を利用し てミラーステーをその上下端支持軸線の周りに廻動させることができるようにし たミラー装置が種々提案されているが、これらは何れも構造複雑で部品点数が多 いため高価となるだけでなく、ミラーが振動しやすい欠点があり、また電動式往 復駆動装置が車体前面に突設された構造のものでは、同駆動装置が突起物となる ため安全上好ましくないだけでなく、外部に露出しているため破損しやすく、か つ錆付きやすい等の問題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記事情に鑑み創案されたもので、電動式往復駆動装置によってミ ラーステーを車体側方に張出した通常の使用位置及び同使用位置から車体内方に 廻動した格納位置に遠隔的に変位させることができるようにした構造簡単で部品 点数が少なくしかも安価であり、かつミラーが視認性を損なうような振動を起す ことなく安定的に支持されるようにした車両のミラー装置を提供することを目的 とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、ウインドシールドの車巾方向側端上方の ルーフ部分に収容された電動式往復駆動装置、その後端を上記電動式往復駆動装 置のルーフ外側に突出した出力軸にユニバーサルジョイントを介し連結された駆 動レバー、上記ウインドシールドの側方に配設されその上端を上記駆動レバーの 前端に連結されると共に下端を同ウインドシールドの下端縁付近の車体部分に廻 動可能に支持されたミラーステー、同ミラーステーに支持された一個以上のミラ ー、及び一端を上記駆動レバーの前端に枢着されかつ他端を上記電動式往復駆動 装置の出力軸より前方のルーフ部分又は上記出力軸を囲むブラケットに枢支され たガススプリング装置を具備し、上記駆動レバーが、上記出力軸の中心とガスス プリング装置の他端枢支中心とを通る中心線に対し車巾方向外方のミラー使用位 置と上記中心線に対し車巾方向内方のミラー格納位置との間を廻動するように構 成されたことを特徴とする車両のミラー装置を提案するものである。

【０００５】

【実施例】

以下本考案の実施例を添付図面について具体的に説明する。図中符号１０はそ の一部のみを概念的に示したキャブオーバ型トラックのキャブ、１２は同キャブ １０の前面に装着されたウインドシールド、１４は上記ウインドシールド１２の 側方に配設された弓形又はコ字状をなす鋼管製のミラーステーであって、同ミラ ーステー１４は、その下端をウインドシールドの下端縁付近の車体部材例えばフ ロントパネル１６に固着された支持部材１８にボールジョイント装置２０を介し て廻動可能に支持されている。また上記ミラーステー１４は、その上端をボルト 等の緊締部材２２によって駆動レバー２４の前端に連結され、同駆動レバー２４ の前端には、自体周知のガススプリング装置２６の前端がボールジョイント装置 ２８を介し枢着されている。更に、同ガススプリング装置２６の後端は、上記駆 動レバー２４の後端部分において後述する電動式往復駆動装置３８の出力軸４０ を囲みルーフ３０上に装着されたブラケット又はカバー３２上に（又は直接ルー フ３０上に）ボールジョイント装置３４を介し枢着されている。また同ボールジ ョイント装置３４は図示のように上記出力軸４０の前方に配置される。

【０００６】 図２の拡大断面図に良く示されているように、上記駆動レバー２４の後端は、 総括的に符号３６で示されているユニバーサルジョイントを介して公知の電動式 往復駆動装置３８の出力軸４０に連結されている。上記ユニバーサルジョイント ３６は、ハブ４２を具えたトルクチューブ４４と、ボール４６を介して上記トル クチューブ４４に外嵌された外輪４８とからなる自体公知の構造のものであって 、上記ハブ４２が出力軸４０にスプライン連結され、また外輪４８が駆動レバー ２４の後端にボルト等により固着されている。 上記電動式往復装置３８は、前記ウインドシールド１２の車巾方向側端上方部 分におけるルーフ３０の内部に収容されてルーフバウ、ルーフレール等のルーフ を支持し或いは補強する車体部材に取付けられ、上記出力軸４０を収容する出力 端ハウジング５０がルーフ３０を貫通して上方に突出している。同出力端ハウジ ング５０は、防水用のゴムパッキング５２及びナット５４を介してルーフ３０及 び前記ブラケット３２に固定されている。また、上記ユニバーサルジョイント３ ６は、その外側に配設された防塵用のブーツ５６によって外部の粉塵や雨水等か ら保護されている。

【０００７】 上記構成において、ミラーステー１４の縦辺の部分にバックミラーＭｂ及びア ンダーミラーＭｕが夫々取付けられており、通常の使用位置では図１及び図３に 実線で示されているように、車体の前方かつ側方に張出している。この使用位置 において、駆動レバー２４はその後端をユニバーサルジョイント３６を介し停止 している電動式往復駆動装置の出力軸４０に連結されて同出力軸の軸線の周りに 廻転しないように固定されており、また前端をガススプリング装置２６によって 予め設定された力で弾性的に外向きに押されており、また同駆動レバー２４の前 端はミラーステー１４によって上下方向に関し支持され、後端は勿論上記ユニバ ーサルジョイント３６によって上下方向に固定されているので、エンジンの振動 及び走行中の車体振動によって駆動レバー２４に水平方向及び上下方向の振動が 励起されるようなことがない。従って、下端をボールジョイント装置２０を介し て支持部材１８に取付けられているミラーステー１４の上端を予め設定された締 付トルクをもって緊締部材２２により駆動レバー２４の先端に緊締することによ って、同ミラーステー１４及び同ステーに取付けられたバックミラーＭｂ及びア ンダミラーＭｕが安定的に支持され、各ミラーＭｂ及びＭｕの視認性が損なわれ る不具合がない。

【０００８】 次に、狭い道路や作業現場での走行のために、ミラーステー１４を車体内方に 格納したい場合は、運転者が運転席付近に設置された操作スイッチ（図示せず） を格納側に操作することによって、電動式往復駆動装置３８が格納方向に作動し 、その出力軸４０にユニバーサルジョイント３６を介し連結された駆動レバー２ ４が図１及び図３において矢印Ａで示した方向に廻動される。この結果、同駆動 レバー２４に連結されたミラーステー１４が、図１に示した軸線Ｏ_１−Ｏ_１即ち ユニバーサルジョイント３６の回転中心とボールジョイント装置２０の回転中心 とを結んだ上下方向の軸線の周りに廻動して図３に点線で示されているように内 方に格納され、車体の有効全巾が相応して減少することとなる。 また、狭い道路等の走行が終った場合は、上記操作スイッチを操作して電動式 往復駆動装置３８を上記と逆方向に作動させることによって駆動レバー２４が上 記矢印Ａと逆方向に廻動し、図１に示した使用位置において停止する。従ってミ ラーステー１４がミラーＭｂ及びＭｕと共に軸線Ｏ_１−Ｏ_１の周りを外向きに廻 動して再び通常の使用位置に張り出されることとなる。

【０００９】 さて、上記駆動レバー２４が出力軸４０の軸線の周りに矢印Ａ方向に廻動し（ 往路）、その後矢印Ａと反対方向に廻動する（復路）際に、上記ガススプリング 装置２６が、出力軸４０の前方に配置されたボールジョイント装置３４を中心と して廻動し当然伸縮することとなるが、図３の平面図において、上記駆動レバー ２４が、その回転中心即ち電動式往復駆動装置３８の出力軸４０の中心と上記ボ ールジョイント装置３４の中心とを通る中心線Ｏ_２−Ｏ_２の左側の実線で示した 使用位置から同中心線Ｏ_２−Ｏ_２を通過してその右側の点線で示した格納位置ま で廻動するように配置されているために、駆動レバー２４の所要の回転角に対し ガススプリング装置２６の伸縮量を小さく抑制することができる。また上記配置 を採用することによって、ガススプリング装置２６自体の全長を小さくすること ができるので、上記伸縮量が小さいことと相俟って、ガススプリング装置２６の 小型軽量化及びコスト低減並びにスペースの減少を同時に達成することができる 利点がある。更に、上記配置を採用することによって、小型のガススプリング装 置２６が駆動レバー２４に対して小さい角度θをなして取付けられているので、 同駆動レバー２４が使用位置において振動を起さないようにするためにはガスス プリング装置２６の押圧力を十分に大きく設計する必要があるが、ガススプリン グ装置の製造技術上の事情から、押圧力が小さい場合より大きい場合の方が性能 的にばらつきが少ない良品質の装置を安価に製造し得る利点がある。なおまた、 駆動レバー２４が上記中心線Ｏ_２−Ｏ_２の一側から他側にわたって廻動されるの で、同駆動レバーを往復廻動させる電動式往復駆動装置３８の往路及び復路のモ ータ負荷を略等しくすることができ、従って、モータ容量を小さくすることがで きると共に、往路及び復路の所要時間を略等しくし得る利点がある。

【００１０】 なお、不注意等によりミラーステー１４が電柱等の障害物に接触した場合は、 同ミラーステー１４の上端を駆動レバー２４の前端に連結している緊締部材２２ に設定値以上のトルクが作用するので、ミラーステー１４が同緊締部材２２の軸 線とボールジョイント装置２０の回転中心とを結んだ軸線Ｏ_３−Ｏ_１（図１参照 ）の周りに廻動することによって、ミラーステー１４及びこれを支持する各部材 及び車体に大きな損傷を与えることがないように構成されている。換言すれば、 上記緊締部材２２は、通常時はミラーステー１４の上端が駆動レバー２４に対し 一体的に固定されて、独立に振動せずかつ軸線Ｏ_１−Ｏ_１の周りに一体的に廻動 することができるが、ミラーステー１４に設定値以上の外力が作用した場合は、 駆動レバー２４に対し同ミラーステー１４が相対廻動し得るような締付トルクを もって緊締されるのである。

【００１１】 叙上のように、本考案に係る車両のミラー装置は、ウインドシールドの車巾方 向側端上方のルーフ部分に収容された電動式往復駆動装置、その後端を上記電動 式往復駆動装置のルーフ外側に突出した出力軸にユニバーサルジョイントを介し 連結された駆動レバー、上記ウインドシールドの側方に配設されその上端を上記 駆動レバーの前端に連結されると共に下端を同ウインドシールドの下端縁付近の 車体部分に廻動可能に支持されたミラーステー、同ミラーステーに支持された一 個以上のミラー、及び一端を上記駆動レバーの前端に枢着されかつ他端を上記電 動式往復駆動装置の出力軸より前方のルーフ部分又は上記出力軸を囲むブラケッ トに枢支されたガススプリング装置を具備し、上記駆動レバーが、上記出力軸の 中心とガススプリング装置の他端枢支中心とを通る中心線に対し車巾方向外方の ミラー使用位置と上記中心線に対し車巾方向内方のミラー格納位置との間を廻動 するように構成されたことを特徴とし、ミラーステーを支持する部品の点数が少 なく構造簡単であり、また小型軽量で高品質のガススプリング装置を使用するこ とができるので、所要スペースか小さく、しかも安価な利点がある。また、ミラ ーの視認性を損なうような振動を生起することなく安定的にミラーステーを支持 し得る利点があり、なおまたミラーステーを廻動させるためのアクチュエータで ある電動式往復駆動装置が外部に露出せずルーフの内部に収容されるので、外部 突起物とならない点で安全であり、錆付き等の問題が少なく耐久性に富む利点が ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】図１における駆動レバーの駆動機構を示す要部
断面図である。

【図３】図１の要部平面図である。

【符号の説明】

１０ キャブ、 １２ ウインドシールド、 １４ ミラーステー、 ２４ 駆動レバー、 ２６ ガススプリング装置、 ３０ ルーフ、 ３２ ブラケット、 ３８ 電動式往復駆動装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 ウインドシールドの車巾方向側端上方の
   ルーフ部分に収容された電動式往復駆動装置、その後端
   を上記電動式往復駆動装置のルーフ外側に突出した出力
   軸にユニバーサルジョイントを介し連結された駆動レバ
   ー、上記ウインドシールドの側方に配設されその上端を
   上記駆動レバーの前端に連結されると共に下端を同ウイ
   ンドシールドの下端縁付近の車体部分に廻動可能に支持
   されたミラーステー、同ミラーステーに支持された一個
   以上のミラー、及び一端を上記駆動レバーの前端に枢着
   されかつ他端を上記電動式往復駆動装置の出力軸より前
   方のルーフ部分又は上記出力軸を囲むブラケットに枢支
   されたガススプリング装置を具備し、上記駆動レバー
   が、上記出力軸の中心とガススプリング装置の他端枢支
   中心とを通る中心線に対し車巾方向外方のミラー使用位
   置と上記中心線に対し車巾方向内方のミラー格納位置と
   の間を廻動するように構成されたことを特徴とする車両
   のミラー装置