JPH048907Y2

JPH048907Y2 -

Info

Publication number: JPH048907Y2
Application number: JP1987189697U
Authority: JP
Priority date: 1987-12-14
Filing date: 1987-12-14
Publication date: 1992-03-05
Also published as: JPH0193033U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］この考案は患者に処方すべき薬剤が１回分ずつ
分割して包装される複数の分包袋からなる薬包体
に関するものである。

［従来の技術］一般にこの種の薬包体は、錠剤分包機、散剤分
包機等の各種の薬剤分包機で使用されているが、
従来の薬剤分包機は予製調剤用を別にすれば主と
して入院患者用に利用されているため、分包機で
分包処理された薬包体はまとめて患者に手渡され
ることなく、たとえば看護婦が各分包袋ごとに切
離して、毎日決まつた投薬時間になるとそのとき
投薬すべき１包（もしくは数包）の分包袋だけを
患者に手渡すことが多く、そのため入院患者は、
服用すべき薬剤の管理を看護婦すなわち病院側に
委ねればよいから、看護婦から手渡される分包袋
に入つた薬剤を指示にしたがつて安心して服用す
ることができる。

一方、最近では各種薬剤分包機の性能向上や病
院薬局における調剤業務の合理化にともなつて、
外来患者用にも薬剤分包機とりわけ錠剤分包機が
次第に利用されるようになつてきていて、このよ
うな用途に使用される薬包体は、各分包袋ごとに
切離して患者に手渡されるのではなく、少なくと
も１処方分の薬剤が１回分ずつ分割して包装され
た複数の分包袋が一連にまとめられて、この連続
したひとまとまりの薬包体が薬袋に入れて患者に
手渡されるものである。そして、このように一連
の分包袋がひとまとまりとなつて構成された薬包
体は、各分包袋の内容薬を服用する際、まず薬包
体を薬袋から取出したうえ、今回服用すべき１包
の分包袋だけを切離さなければならないが、その
切離した分包袋の内容薬が本当にその日に服用す
べきものであるかどうかについては、従来、各分
包袋には全く表示されていないか、または表示さ
れるとしても何月何日という服用日付で表示され
ているのみである。

［考案が解決しようとする問題点］しかしながら、各分包袋にその内容薬の服用す
べき日に関する情報が全く表示されていない場合
は、薬袋から取出して切離した分包袋を見ても、
その分包袋の内容薬が本当にその日に服用すべき
ものであるかどうか全く不明であり、そのため、
その日に服用すべき薬剤を服用し忘れたり、ある
いは間違つて翌日の分まで服用してしまう等の服
用ミスが生じることがある。

また、各分包袋に服用日付が表示されている場
合は、薬袋から取出して切離した分包袋を見れ
ば、その分包袋の内容薬が何月何日に服用すべき
ものであるかを読取ることができる。しかし、病
気で静養している人にとつては、一般に、静養中
の娯楽として欠くことのできないテレビの番組等
の影響から、日付についての関心よりはむしろ曜
日についての関心の方が高いものであり、また、
たとえば就学児童をもつ家庭の主婦等にとつて
も、子供の学習時間割等の影響から、日付よりも
曜日の方により高い関心があり、そのため各分包
袋に服用日付が表示されていても、わざわざカレ
ンダーで確かめない限り、その服用日付がその日
の日付でなくても全く気がつかず、したがつて、
その日に服用すべき薬剤を服用し忘れたり、ある
いは間違つて翌日の分まで服用してしまう等の服
用ミスが生じることがある。

そして、このような服用ミスは所定の服用期間
中に１度だけでなく、何度も生じる可能性がある
等の問題点があつた。

この考案は上記従来のもののもつ問題点を解決
して、薬袋がなくても各分包袋を見れば、その内
容薬を誰がどの日に服用すべきものであるかを容
易に確かめることのできる薬包体を提供すること
を目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］この考案は上記目的を達成するため、患者に処
方すべき薬剤が１回分ずつ分割して包装される複
数の分包袋のおのおのに、患者IDと、内容薬の
服用日または服用曜日とを明示したものである。

［作用］この考案は上記手段を採用したことにより、各
分包袋には、患者IDと、内容薬の服用日または
服用曜日が明示されるため、その内容薬を、誰
が、どの日に服用すべきかが、容易に確かめられ
ることとなる。

［実施例］以下、図面に示すこの考案の実施例について説
明する。

第１図はこの考案の一実施例を示し、１は処方
箋に基づいて患者に処方すべき薬剤が１回分ずつ
分割して包装される一連の分包袋２，２、…から
なる薬包体であつて、薬包体１は、透明または半
透明のプラスチツクフイルムを２つ折りし、熱溶
着部３，３、…によつて切取線４，４、…を境界
に連続して形成される分包袋２，２、…の外表面
に、白色で印字に適した表示部５が所定の幅で帯
状に形成されたものである。表示部５の幅は漢字
の文字が少なくとも上下に２行表示できるもので
あつて、各分包袋２の表示部５の上の行には、患
者名（たとえば「竹下陽子」）６が漢字で明示さ
れている。この患者名６は、患者の姓名が漢字の
みからなるとき漢字だけで明示され、また患者の
姓名が漢字とかなもしくはカナとからなるとき、
その漢字とかなもしくはカナとを含む文字で明示
されるようになつている。また、各分包袋２の表
示部５の下の行には、服用日付（たとえば「12月
10日」）７と、服用曜日（たとえば「木曜」）８
と、服用時期（たとえば「朝食後服用」）９とが
漢字および数字で明示されている。このうち服用
時期９は各分包袋２ごとにたとえば「昼食後服
用」「夕食後服用」と切換えられたのち再び「朝
食後服用」となつて以下順番に繰返されるが、そ
のときは服用日付７がたとえば「12月11日」「12
月12日」と切換えられ、また服用曜日８もたとえ
ば「金曜」「土曜」と切換えられるため、服用日
付７、服用曜日８および服用時期９の全体として
みれば、すべての分包袋２，２、…を通じて１つ
として同じものはなく、すべて異なつた内容とな
る。

つぎに上記のものの作用について説明する。

この薬包体１は、すべての分包袋２，２、…の
各表示部５に、それらの内容薬の服用曜日８が漢
字で明示されるため、各分包袋２の内容薬がその
日に服用すべきものであるかどうかが一目で容易
に確かめられ、しかも服用曜日８がたとえばカナ
で表示される場合に比べて読取りやすいうえ、服
用日付７と組合せてたとえば「12／13ニチヨウ」
のように日付と曜日との紛らわしさに基づく誤認
が生じることがなく、そのためその日に服用すべ
き薬剤を服用し忘れたり、あるいは間違つて翌日
の分まで服用してしまう等の服用ミスの発生が未
然に防止されることとなる。

また、各分包袋２にはそれらの表示部５に、内
容薬の服用時期９が漢字で明示されるため、各分
包袋２の内容薬をその日のいつ服用すべきかが一
目で容易に確かめられ、しかも服用時期９がたと
えばカナで表示される場合に比べて読取りやすい
うえ、たとえば「チヨウシヨクゴ」と「チユウシ
ヨクゴ」のように「ヨ」の字と「ユ」の字との紛
らわしさに基づく混同が生じることがないし、
「チユウシヨクゴ」と「ユウシヨクゴ」のように
「チ」の字が一部欠けたり消えたりしたことに基
づく混同が生じることがなく、そのため「朝食
後」と「昼食後」と「夕食後」とがそれぞれ確実
に判別されることとなる。

さらに、すべての分包袋２，２、…を通じてそ
れらの各表示部５に、患者名６が、患者の姓名が
漢字のみからなるとき漢字だけで明示され、また
患者の姓名が漢字とかなもしくはカナとからなる
とき、その漢字とかなもしくはカナとを含む文字
で明示されるため、各分包袋２の内容薬を誰が服
用すべきかが一目で容易に確かめられ、しかも患
者名がカナで表示される場合に比べて読取りやす
いうえ、たとえば「ヨウコ」と「ユウコ」のよう
に「ヨ」の字と「ユ」の字との紛らわしさに基づ
く混同が生じることがなく、そのため「陽子」と
「裕子」とが確実に判別されることとなる。

なお、上記実施例であ各分包袋２の表示部５に
服用曜日８のほか服用日付７、服用時期９および
患者名６を明示したが、これに限定するものでな
く、たとえば服用日付７を省略して服用曜日８だ
けで内容薬がその日に服用すべきものであるかど
うかを明示するようにしてもよいし、患者名９に
ついては省略することもできる。また、上記実施
例では患者名６、服用日付７、服用曜日８および
服用時期９をいずれも漢字（日付の数字を含む）
で明示したがこれに限定するものでなく、また上
記実施例では表示部５の幅を漢字の文字が少なく
とも上下に２行表示できるものとしたがこれに限
定するものでなく、その他この考案は上記実施例
の種々の変更、修正が可能であることはいうまで
もない。

［考案の効果］この考案は上記のように構成したので、薬袋が
なくても各分包袋を見れば、そこに明示された患
者IDによつて、その内容薬を、誰が服用すべき
かを容易に確かめることができ、そのため、たと
えば家族の中に病院から投薬を受けている人が２
人以上いる場合にも、それらの間で分包袋の取違
いを生じることがなく、したがつて、患者が他人
の服用すべき薬剤を間違つて服用してしまうとい
う事故の発生を未然に防止することができる。

また、薬袋がなくても各分包袋を見れば、そこ
に明示された服用日または服用曜日によつて、そ
の内容薬を、どの日に服用すべきかを容易に確か
めることができ、そのため、たとえば、静養中の
娯楽として欠くことのできないテレビの番組等の
影響から、日付についての関心よりはむしろ曜日
についての関心の方が高いことが避けられない病
気静養中の人や、または子供の学習時間割等の影
響から、日付よりも曜日の方により高い関心があ
る就学児童をもつ家庭の主婦等にとつても、わざ
わざカレンダーで確かめるまでもなく、明示され
た服用曜日がその日の曜日であることに容易に気
がつくこととなり、そのため、その日に服用すべ
き薬剤を服用し忘れたり、あるいは間違つて翌日
の分まで服用してしまう等の服用ミスの発生を未
然に防止することができる。

そして、その結果、正規の患者が、正規の日
に、内容薬を正しく服用することができる等のす
ぐれた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す説明図であ
る。１……薬包体、２……分包袋、３……熱溶着
部、４……切取線、５……表示部、６……患者
名、７……服用日付、８……服用曜日、９……服
用時期。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

患者に処方すべき薬剤が１回分ずつ分割して包
装される複数の分包袋のおのおのに、患者IDと、
内容薬の服用日または服用曜日とを明示してなる
薬包体。