JPH048184Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、バルコニー、ベランダ、窓、プール
サイド、高架式歩道橋の階段などに目隠し対策や
安全対策などとしてパネルを取り付けるときに使
用されるパネルの取付装置に関する。

〔従来の技術〕

例えばバルコニーに目隠し用のパネルを取り付
ける場合、従来は、支柱に設けられた板状の取付
部とパネルの端部とを頭付き取付ボルトとナツト
を用いて取り付けていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の技術によると、支柱の取付部の
外面側へ露出した取付ボルトの頭部又はナツトが
目立つて外観が見苦しくなるという欠点があつ
た。

本考案はこのような問題点を解決するもので、
外観がすつきりとした感じに仕上がるパネルの取
付装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案の取付装置
は、板状の受部を備える受け部材と、上記受部の
内面側において上記受け部材に取り付けられ、か
つ、上記受部との間でパネルの端部を保持する押
え部材とからなる点に要旨を有する。

〔作用〕

上記構成によると、パネルの端部が上記受部と
押え部材との間に保持されるのでパネルの取り付
けに頭付き取付ボルトやナツトを用いる必要がな
い。また、取付状態では、パネルの端部が受け部
材の受部によつて外側から覆い隠される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１〜２図はバルコニーＢに目隠し用のパネル
１００を取り付けたときの各部の状態、第３図は
その外観を示している。

１はバルコニーＢの床面に所定間隔おきに立設
された支柱であり、これらの支柱１の相互間に
は、外枠２と内枠３が配置されている。

外枠２は矩形状に配置された四つの受け部材４
によつて構成されている。第１図に示すように左
右に配置された受け部材４は相対向する一対の溝
部５，６を備えた取付部７と板状の受部８とを一
体に備え、上記取付部７の所定箇所が支柱１の側
面にビス９により固着されている。また、第２図
に示すように上部に配置された受け部材４は取付
部７が前後方向に延出されて笠木受けを形成し、
その笠木受けにカバーを兼用するする笠木１０が
ビス１１により固着されている。さらに、下部に
配置された受け部材４は取付部７が前後方向に延
出されて下弦材を形成し、その下弦材が、隣合う
支柱１の下端部に設けられたＬ字形の取付金具１
２にビス１３により固着されている。なお、上部
の受け部材４及び下部の受け部材４についてのそ
の他の構成は上述した左右の受け部材４と同様で
ある。

内枠３は矩形状に配置された四つの押え部材１
４によつて構成されている。これらの押え部材１
４は四つとも同じ構成であつて、一対の係合部１
５，１６と、凸条１７とを備えている。そして、
上記係合部１５，１６が受け部材４の溝部５，６
に嵌着されている。

これらの押え部材１４の各端部は45度に切除さ
れ、その切除した端部同士が直角に突き合わされ
て内枠３が構成されている。

パネル１００は、その端部１０１が上記受け部
材４の受部８と押え部材１４との間に保持されて
いる。図示例では、パネル１００の端部１０１と
受部８との間にゴム製のシール材２０が介在され
ていると共に、上記端部１０１と押え部材１４と
の間に軟質のコーキング材２１が充填されてい
る。また、パネル１００の端部１０１に形成され
た折れ曲り状のリブ１０２が押え部材１４の凸条
１７と受け部材４の溝部５との間の隙間に嵌め込
まれている。

以上の構成によると、受け部材４の受部８によ
つてパネル１００の端部１０１が外側から完全に
覆い隠され、しかも受部８の表面には目立つもの
が何も無い上、四つの受け部材４によつて矩形の
外枠２が構成されているので、外観がすつきりと
した感じになる。

また、パネル１００の端部１０１がシール材２
０とコーキング材２１とによつて弾性的に挟み付
けられているので、パネル１００が風圧を受けて
もばたつきにくくなるにもかかわらず、気温の変
化によるパネル１００の熱伸縮が許容される。風
圧によるパネル１００の振動についても同様の抑
制作用が発揮される。

ところで、上記パネル１００はポリカーボネー
ト樹脂などの合成樹脂を圧空又は真空成形するこ
とにより成形されるが、この際、パネル１００の
周囲に上記リブ１０２を容易に形成することがで
きる。こうすると、パネル１００がリブ１０２に
よつて補強され、その剛性が高めされるので、上
記シール材２０とコーキング材２１との共働によ
る挟み付け作用と相まつて、風圧によるパネル１
００のばたつきや振動を一層効果的に抑制するこ
とに役立ち、上記リブ１０２が有効に作用する。
さらに、このリブ１０２は、パネル１００の表面
又は裏面に作用する大きな外圧によつてパネル１
００が彎曲して外方又は内方へ迫り出そうとした
ときに、上記凸条１７と係合してその迫り出しを
阻止することにも役立つ。そのため、従来のよう
に頭付き取付ボルトやナツトを用いなくても、パ
ネル１００の端部１０１が上記受部２と押え部材
８との間から抜け出すといつた事態が確実に防止
される。

この実施例のようにパネル１００でバルコニー
を目隠しする場合、例えばパネル１００に第１
図、第２図及び第３図に示すような外方へ突出し
た膨出部１０３を設けておくと、これらの膨出部
１０３がパネル１００の補強に役立ち、上記した
ばたつきや振動が一層抑制される上、第１図に示
したバルコニーＢやこのバルコニーＢが設けられ
た住宅の室内から見たときに、上記膨出部１０３
が外側へ付き出している分だけバルコニーＢが広
く感じられる利点がある。また、この膨出部１０
３の表面に凹条１０４を設けると、この凹条１０
４によつてもパネル１００が補強され、ばたつき
や振動が抑制される。さらに、上記膨出部１０３
と凹条１０４によつて発揮される装飾効果によつ
て外観が美麗になる利点もある。

第４図は第１図及び第２図に示した凸条１７を
持たない押え部材１４の使用状態を示している。
この例においては、上述したパネル１００のリブ
１０３が凸条１７と係合するという作用は発揮さ
れないが、その他の作用は上述したものと全く同
様である。従つて、同一部分には同一符号を付し
て詳細な説明を省略する。なお、第４図の取付状
態は、パネル１００が大きな風圧などの外力を受
けない箇所に設けられる場合に適する。

次に、バルコニーＢをパネル１００で目隠しす
る場合の手順の一例を説明する。

まず、隣合う支柱１，１の内側にそれぞれ受け
部材４を固着すると共に、それらの受け部材４の
上部間に亘つて受け部材４を配設し、さらに取付
金具１２にも受け部材４を固着して外枠２を構成
する。なお、上部の受け部材４は各支柱１間に連
続したものであつてもよい。そして、シール材２
０を四つの受け部材４…の受部８…の裏面に配設
し、外枠２に嵌め込んだパネル１００の端部１０
１をシール材２０の上に配置する。次に、受け部
材４の係合部５，６に押え部材１４の係合部１
５，１６を押し込んで嵌着する。この後、パネル
１００の端部１０１と押え部材１４との間へコー
キング材２１を入れる。なお、第３図に示したよ
うに、バルコニーＢの彎曲縁に沿つてパネル１０
０を取り付けるときは、その彎曲縁と同一形状に
彎曲したパネル１００をその部分に取り付ける。
また、上部の受け部材４が複数の支柱１間に亘る
連続したものである場合は、第１図及び第２図に
示すように支柱１のビスポケツト２２にビス２３
をねじ込むことにより受け部材４を各支柱１…に
固着する。

なお、上記した支柱１、受け部材４、押え部材
１４、笠木１０などはアルミニウムの引き抜き成
形品であつても、鉄製や木製であつてもよい。

以上ではバルコニーＢをパネル１００で目隠し
する場合を説明したが、本考案の取付装置は、プ
ールサイドをパネルで目隠ししたり、高架式歩道
橋の階段に目隠し兼用の囲いを取り付ける場合な
どにも使用できることは勿論である。

〔考案の効果〕

本考案の取付装置によると、従来必要であつた
頭付き取付ボルトやナツトを使わずにパネルを確
実に取り付けることができ、しかも、パネルの端
部がその外側から受け部材の受部によつて覆い隠
されるので、すつきりとした感じの仕上がりとな
る。従つて、近時の高層マンシヨンのように美麗
な外観が要求される場合の目隠し用パネルの取付
装置や安全囲い用パネルの取付装置などに最適な
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の使用状態を示す要部
横断平面図、第２図は同要部縦断側面図、第３図
は同部分概略斜視図、第４図は変形例の使用状態
を示す要部横断平面図である。 ４……受け部材、８……受部、１４……押え部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状の受部を備える受け部材と、上記受部の内
   面側において上記受け部材に取り付けられ、か
   つ、上記受部との間でパネルの端部を保持する押
   え部材とからなるパネルの取付装置。