JPH047994B2 - - Google Patents

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JPH047994B2
JPH047994B2 JP61296584A JP29658486A JPH047994B2 JP H047994 B2 JPH047994 B2 JP H047994B2 JP 61296584 A JP61296584 A JP 61296584A JP 29658486 A JP29658486 A JP 29658486A JP H047994 B2 JPH047994 B2 JP H047994B2
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JP
Japan
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film
adhesive
layer
laminate
adhesive layer
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JP61296584A
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Inventor
Tatsuya Ito
Shinichi Watanabe
Kenji Yabe
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、セルロースを主成分とする紙と熱圧
着して使用される熱接着性2軸配向ポリプロピレ
ンフイルム(以下PP−BOと略称する)の改良に
関するものであり、更に溶剤や鉱油、油脂類に接
触したり、浸漬されても、紙との接着力の低下が
小さく、耐溶剤性、耐油性に優れた熱接着性2軸
配向ポリプロピレンフイルムに関するものであ
る。 [従来の技術] 従来より、PP−BOと紙とを熱接着層を介して
積層一体化する技術が知られている(特開昭56−
24161、特開昭57−146653等)。 しかしながら、最近になつて該技術の上述の様
な広い用途展開の結果、該積層体に対する要求品
質は高まり、この結果、熱接着性PP−BOの特性
の改良の必要がでてきた。 [発明が解決しようとする問題点] すなわち、紙とPP−BOとの積層体が有機溶剤
や鉱油、油脂類等に接触あるいは浸漬されて使用
される場合、次の様な問題点があつた。 PP−BOが膨潤して、積層体にしわ、カール
が発生したり、あるいは、これらが著しい場合
には、紙との接着界面で剥離が生じる。 有機溶剤や鉱油、油脂類により熱接着層が部
分溶解して接着力が低下する。 本発明は、以上の問題点を解決し、紙との熱接
着性が良好でかつ、耐溶剤性、耐油性に優れた熱
接着性2軸配向ポリプロピレンフイルムを提供せ
んとするものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明は上記問題点解決のために、次の構成を
とることを特徴とする。すなわち、 アイソタクチツクインデツクスが93%以上、極
限粘度が1.4〜2.0dl/g、平均屈折率が1.509以上
である2軸配向ポリプロピレンの少なくとも片面
に熱接着層として、融解ピーク温度が100〜150
℃、アイソタクチツクインデツクスが60〜92%で
あるプロピレン共重合体が0.5〜6μm積層されて
なる複合フイルムであつて、該フイルムの120℃
及び140℃の熱収縮率が0〜5%であることを特
徴とする熱接着性2軸配向ポリプロピレンフイル
ムであることを特徴とする。 本発明に用いられるポリプロピレン(以下PP
と略称する)とは、プロピレン単量体を95モル%
以上、好ましくは98モル%以上含有する重合体で
あつて、また、他の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、結晶性ポリスチレン等のα−オルフインがブ
レンドされていても良いが、耐溶剤性を良好とす
る上で、ブレンド率は5重量%以下としておくこ
とが好ましい。 次に本発明熱接着性PP−BOのPP層のアイソ
タクチツクインデツクス(以下IIと略称する)
は、93%以上であることが必要であり、好ましく
は96%以上、さらに好ましくは98%以上であるこ
とが好ましい。IIが上述の範囲に満たない場合、
フイルム製造条件をいかに変更しても、フイルム
の平均屈折率(以下と略称する)が充分にあが
らず、耐油性、耐溶剤性の改善が認められず、従
来のフイルムと特性が変わらなくなつてしまう。 また、該PP層の極限粘度(以下[η]と略称
する)は、1.4〜2.0dl/gであることが必要であ
り、好ましくは、1.6〜1.9dl/gである。[η]が
上述の範囲に満たない場合、フイルムが脆く、ま
た劈開し易くなり使用に耐えない。また、[η]
上述の範囲を越える場合、膨潤率が大きく、溶剤
コーテイング時に紙とフイルムとの積層体にカー
ル、しわの発生が著しい。 また、該PP層の平均屈折率(以下と略称す
る)は、適正な製造条件を選ぶことにより、
1.509以上とすることが必要であり、好ましくは
1.510以上としておくことが好ましい。が1.509
未満、好ましくは1.510未満であるとフイルムと
紙との積層体を溶媒あるいは鉱油等に浸漬した際
の形状変化が大きく、接着部が剥離したり、また
溶媒乾燥後まで大きな変形が残留し、実用上問題
を生じる。 以上の現象は、次のような考え方で説明される
と思われる。 すなわち、平近屈折率の高いPPフイルムの場
合、PPの結晶形態の中でも規則度の高い結晶が
形成されていると考えられる。この結果、トルエ
ン等のPPのソルビリテイーパラメータ(以下Sp
と略称する)に近い値を持ち、分子がフイルムに
含浸することにより膨潤等を生じ易い液体に対
し、含浸性を低く抑えることができる。すなわ
ち、本発明は、トルエンに限らず、SpがPPに近
い他の液体に対し適用可能である。このような液
体としては、例えば、キシレン、鉱物油等が挙げ
られる。 また、該PP層の面配向係数が10〜18×10-3
好ましくは11〜16×10-3の範囲であると、機械特
性、耐油性共に良好となるので好ましい。 さらに、該PP層には、目的に応じて造刻剤、
帯電防止剤等の添加剤を添加しても良いことはも
ちろんである。 次に、本発明フイルムの熱接着層について説明
する。 該接着層を形成するプロピレン共重合体とは、
プロピレン単量体を40モル%以上含有するポリマ
ーである。具体的には、プロピレンとα−オレフ
インとのランダムあるいはブロツク共重合体ある
いはブレンド体であつて、これらの中でも、エチ
レンプロピレンランダム(あるいはブロツク)共
重合体(前者をrEPC、後者をbEPCと略称する)
あるいはrEPCとポリブテン−1のブレンド体が
本発明に好ましい。また、必要に応じ、無水マレ
イン酸、メタアクリル酸等を0.1〜10モル%グラ
フトしてやるとさらに紙との接着性が良好となる
ので好ましい。 次に該接着層の融解ピーク温度(以下Tmと略
称する)は100〜150℃であることが必要であり、
好ましくは、110〜145℃であることが好ましい。
Tmが上述の範囲に満たない場合、溶剤浸漬で容
易に溶解し接着部が剥離しやすくなるので好まし
くない。また、Tmが上述の範囲を越える場合に
は、熱圧着時に高温が必要となり、この結果フイ
ルムの収縮が大きくなり、熱接着ができなくな
る。また該接着層のIIは、60〜92%であることが
必要であり、好ましくは70〜85%である。IIが上
述の範囲に満たない場合、溶剤浸漬時に容易に溶
解して接着部が剥離してしまう。また、IIが上述
の範囲を越える場合には、熱接着に必要な熱容量
が大きくなるために、接着速度が上がらず製造コ
ストが増大したり、また、結晶化速度が大きくな
るために、充分なアンカー効果が得られず接着力
が低下する。 また、該接着層の[η]は特に限定しないが、
1.0〜1.9dl/g、更には1.2〜1.7dl/gであると接
着性が良好となり、かつ、耐溶剤性が良好となる
ので好ましい。 さらに、該接着層の厚みは、0.5〜6μmである
ことが必要であり、好ましくは1〜4μmである。
接着層の厚みが上述の範囲に満たない場合、接着
条件をいかに検討しても接着力が充分でなく使用
に耐えない。また、上述の範囲を越える場合に
は、接着力は良好となるものの、該接着層がベー
スPP層に比較して膨潤し易いために、溶剤浸漬
時の変形が大きく、シワ、カール等の発生が著し
くなる。また、本観点から、接着着層の厚みは、
トータル厚みの20%を越えないとさらに好まし
い。 また、該接着層の面配向係数は、0〜10×10-3
であると溶融に必要なエネルギーが小さくなり、
熱接着特性が良好となるので好ましい。 また、該接着層表面には、コロナ放電処理、低
温プラズマ処理等により、ヌレ張力を38dyne/
cm以上、好ましくは40dyne/cm以上としておく
と接着力が良好となるので好ましい。また、該表
面処理の安定性指数は、0.8以上であると溶剤浸
漬後の接着強度が低下しにくいので好ましい。 更に、表面処理により形成される極性基として
は、特に溶剤浸漬後の接着強度を良好とする上で
アミノ型及び/又はイミノ型窒素原子が炭素原子
数比(以下、N/Cと略称する)で0.01〜0.07結
合されていることが好ましい。 もちろん、該接着層には、すべり性、耐ブロツ
キング性を良好とする上で、無機、有機のすべり
剤、アンチブロツキング剤等を目的に反しない範
囲で添加してもよい。 次に、本発明接着性PP−BOの120℃及び140℃
における熱収縮率は0〜5%であることが必要で
あり、好ましくは0.5〜4%である。ここで熱収
縮率とは、フイルムの屈折率の最も大きい方向の
熱収縮率をいうものとする。熱収縮率が上述の範
囲に満たない場合、溶剤浸漬時に、紙との積層体
のフイルム部分が著しく伸長するために、カール
が大きくなり、接着部が剥離し易くなる。また、
逆に、熱収縮率が上述の範囲を越える場合には、
熱圧着時に収縮が大きくなり接着力が低下してし
まう。 また、本発明ポリプロピレンフイルムの構成
は、PP−BO層/熱接着層、または、熱接着層/
PP−BO層/熱接着層である。 次に、本発明フイルムの製造方法の一例につい
て述べる。 ベース層としてポリプロピレンペレツトと、熱
接着層としてプロピレン共重合体とをそれぞれ別
の押出機より溶融押出し、口金内で積層し一体化
シート状に押出しキヤステイングドラム上で冷却
固化する。次に該シートは120〜160℃で3〜7倍
に縦方向に延伸した後、直ちに冷却ロールで冷却
し、引続き、ステンターに導き140〜170℃で5〜
15倍に横方向に延伸し、さらに、140〜170℃で2
〜15%幅方向にリラツクスしながら熱処理しフイ
ルムを得る。この結果、少なくとも片面に熱接着
層を0.5〜6μm有し、熱収縮率が0〜5%である
2軸配向ポリプロピレンフイルムを得る。特に熱
収縮率をコントロールする上で、熱処理における
リラツクス率、温度の選択は重要である。 また、本発明フイルムを得る方法としては、上
述の方法に限らず、例えばPPとプロピレン共重
合体とをチユーブ状に押出し冷却固化し、該チユ
ーブを110〜160℃に予熱しエアー圧で同時2軸延
伸する方法でも良い。 以上のようにして得られるポリプロピレンフイ
ルムの厚みは、通常10〜150μmである。 特性の測定方法並びに効果の評価方法 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方
法は次の通りである。 (1) 極限粘度([η]) 試料0.1gを135℃のテトラリン100mlに完全溶
解させ、この溶液を粘度計で135℃の恒温層中で
比粘度Sを測定し、次式に従い求める。 [η]=S/0.1×(1+0.22×S) (2) アイソタクチツクインデツクス(II) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。これから
重量W(mg)の試料をとり、ソツクスレー抽出器
に入れ、沸騰n−ヘプタンで12時間抽出する。次
に、この試料を取り出しアセトンで十分洗浄した
後、130℃で6時間真空乾燥し、その後、重量
W′(mg)を測定し次式で求める。 II(%)=W′/W×100 (3) 平均屈折率() アツベの屈折率計を用いて、フイルム長手方向
の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)及び厚
さ方向の屈折率(Nz)を測定し、 =(Nx+Ny+Nz)/3 より求められる。尚、光源はナトリウムD線を用
いて、マウント液はサリチル酸メチルを用いる。
測定温度は25℃とする。 (4) 面配向係数(△n) アツベの屈折率計を用い、先と同様にしてNx、
Ny、Nzを測定し次式で求める。 △n=(Nx+Ny)/2−Nz (5) 融解ピーク温度(Tm) 試料5mgを走査型熱量計DSC−型(perkin
Elmer社製)にセツトし、窒素気流下で昇温速度
20℃/分にて室温より測定し、融解に伴う吸熱ピ
ーク温度を融解ピーク温度Tm(℃)とする。こ
のとき、融解ピークが複数個観測される場合に
は、それらのピーク温度のピーク面積の平均値を
Tmとする。 (6) 熱収縮率(Ts) フイルムより、長さ200mm、幅10mmのサンプル
を切り取る。この際、サンプリング方向は、屈折
率の最も大きい方が、サンプルの長手となるよう
にする。該サンプルを3gの荷重下で所定の温度
にて、熱風循環オーブン中で15分間放置した後、
室温で長さlを測定し、次式で計算する。 Ts(%)=l−200/200×100 なお、この時オーブンの温度は120℃、140℃に
2点について測定する。 (7) 表面ヌレ張力(γ) JIS K6768ポリエチレン及びポリプロピレンフ
イルムのヌレ試験方法に従う。 (8) 表面処理の安定性指数(S) フイルムのヌレ張力を測定し、これをγaとす
る。次に、室温にてクロロホルムに15分間浸漬
し、これを室温に15分間真空乾燥した後のヌレ張
力をγbとする。また、フイルムを熱接着層の融
点で、15分間熱風オーブン中で熱処理した後のヌ
レ張力をγcとする。この時、安定性指数Sは、 S=γb−γc/γa−γc で求める。 (9) アミノ型及び/又はイミノ型窒素の炭素原子
数比(N/C) 本発明で言うアミノ型及びイミノ型窒素原子は
ポリプロピレンポリマー鎖の炭素に直接接合して
おり、ESCA法により測定する。 ESCA法とは、軟X線によつて励起された光電
子のエネルギー分析によつて、物質表面の原子種
及び化学状態を測定する方法であつて、特に炭化
水素系高分子物質では、軟X線の透過特性から、
表層から100Å以内の情報である。 アミノ型及びイミノ型窒素原子は、ESCA法に
より、該原子1S軌道のエネルギースペクトルが
397.0〜402.5eVに特徴づけられるものをいう。但
し、この時にポリプロピレンにおける炭素のピー
クのメインピークを285.0eVとする。 N/Cは、該窒素原子のピークの積分強度と該
炭素原子のピークの積分強度の比により計算され
る。 本発明においては、島津X線光電子分光
ESCA750を用い、励起X線はMg Kα1.2線によ
り測定した。 (10) トルエン中での変形度 フイルムより100×100mmのサンプルを切り取
り、50℃のトルエンに1時間浸漬後、120℃で4
時間真空乾燥を行なう。 この時、フイルムの変形度を次のようにして定
義する。 ランクA:ほとんど変形のないか、もしくは、
若干のカールは生じるが平面性は良好であ
るもの。 ランクB:フイルムに凹凸は生じるが、浸漬前
の形状はほぼ保つているもの。このランク
では、条件さえ選べば使用可能である。 ランクC:収縮、凹凸等の変形が著しいもの。
このランクでは使用に耐えない。 (11) 紙との貼り合せ 熱接着性フイルムとクラフト紙とを金属ロール
と紙ロール間に送り込み熱圧着した。貼り合せ条
件は以下の通りである。 金属ロール温度:190℃ 貼り合せ圧力 :60Kg/cm 貼り合せ速度 :5m/分 (12) 積層体の浸漬テスト 紙とPPフイルムの積層体は、以下の条件にて
浸漬テストを行なつた。 条件 :トルエン中 50℃ 6時間 なお、浸漬中サンプルには荷重はかけず、また
浸漬後は、エチルアルールで充分に洗浄し、乾燥
空気中に1日放置した後、評価を行なつた。 (13) 積層体の紙〜フイルム間の接着強度 積層体より、幅20mmのサンプルを切り取り、紙
とフイルム間の接着強度をJIS K6854−73記載の
たわみ性材料同志の180度剥離試験の方法に準じ
て測定し、これを接着強度とする。なお、剥離速
度は100mm/分で行ない、接着強度はg/cmで表
わす。 (14) 積層体の耐溶剤性 積層体を浸漬テストして、次の判断基準により
ランクを付ける。 ランク1:浸漬前後で全く外観上変化のないも
の。 ランク2:若干カール、シワを生じるものの使
用上問題ないもの。 ランク3:カール、シワが著しく使用できない
もの。 ランク4:積層体の接着部分が剥離したもの。 [実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例 1 ポリプロピレンとして、II=97%、[η]=
1.9dl/gのペレツト、プロピレン共重合体とし
てII=73%、[η]=1.6dl/g、Tm=141℃のエ
チレンプロピレンランダム共重合体(rEPC)を
用意し、2台の押出機を用い、前者を260℃、後
者を240℃にて溶融押出し、口金内で積層一体化
し、PP/rEPCのシートを押出キヤステイングド
ラム上で冷却固化した。引続き該シートを150℃
にて4.5倍の延伸倍率で長手方向(MD)に延伸
し、直ちに冷却ロールにて冷却した。さらに、該
フイルムをステンターに送り込み、幅方向
(TD)に160℃で9倍に延伸し、5%のリラツク
スを許しながら165℃で5秒間熱処理した。 このようにして得られた2軸配向フイルムは厚
さ30μmであり、諸特性は以下に示すようなもの
である。 ベース層[η]:1.8dl/g :1.512 ラミ層厚み:2μm 熱収縮率120℃:05% 140℃:3.0% 次に本フイルムとクラフト紙とを貼り合せトー
タル厚み60μの積層体を製造し評価した結果、以
下のようになつた。尚、フイルムには、窒素雰囲
気中でコロナ放電処理を行ない、表面ヌレ張力を
40dyne/cmとした。またこのとき、表面処理の
安定性指数S=1.0、N/C=0.03であつた。 接着強度 浸漬前 200g/cm 浸漬後 195g/cm 耐溶剤性 ランク1 以上のように、浸漬後でのクラフト紙との接着
強度は十分に強く、また、外見上も変化がなく極
めて良好な品質を示していることがわかる。 比較例 1 実施例1においてフイルムベース層のポリプロ
ピレンとして、II=97%、[η]=2.31dl/gのペ
レツトを用いた以外は同様にして厚さ30μmのフ
イルムを製造し、実施例1と同様にして評価した
結果をまとめて第1表に示す。 第1表から明らかなように、が小さいために
積層体にシワが発生し、耐溶剤性はランク3とな
り使用に耐えない。また、熱収縮率が大きいため
に熱接着時に接着境界面にひずみが残留してお
り、接着強度も浸漬前で100g/cmと小さい。 以上のように、実施例1、比較例1の比較から
明らかなように、本発明の構成をとることによ
り、紙との接着性、耐溶剤性共に優れたフイルム
が得られる。 実施例 2 ポリプロピレンとしてII=98(%)、[η]=
2.0dl/gのペレツト、プロピレン共重合体とし
てII=89(%)、[η]=1.7dl/gのエチレンプロピ
レンブロツク共重合体[bEPC](Tmは、130℃
と148℃のダブルピークであり、その面積平均を
とり138℃)を用い、実施例1と同様な製膜方法
によりPP/bEPCからなる厚み60μmの2軸配向
フイルムを得た。 本フイルムには、窒素雰囲気中でコロナ放電処
理を行ないヌレ張力を43dyne/cmとした。安定
指数S=0.9、N/C=0.04であつた。評価結果
を第1表にまとめて示すが、接着強度、耐溶剤性
共に優れていた。 比較例 2 プロピレン共重合体として、II=50%、Tm=
120℃のエチレンプロピレンブテンランダムコポ
リマー[EPBC]を使用した以外は、実施例2と
同様に製膜し、PP/EPBCからなる60μmの2軸
配向フイルムを得た。 本フイルムの評価結果を第1表にまとめて示す
が、熱接着層のIIが50%と低いために、浸漬によ
り容易に熱接着層が溶解し、浸漬前は強固な接着
力を示していても、浸漬により著しく接着強度が
低下し、積層体は剥離してしまい使用に耐えな
い。 実施例 3 ポリプロピレンとして、II=98%、[η]=
1.85dl/gのペレツト、プロピレン共重合体とし
てTm=145℃、II=76%のEPCを用い、実施例1
と同様に製膜し、厚み40μmのフイルムを得た。 本フイルムを用い、クラフト紙と熱圧着し
70μmの積層体を得た。なお、このときフイルム
にはコロナ放電処理等の表面処理は行なわなかつ
た。 以上のようにして得られた、フイルムおよび積
層体の評価結果を第1表にまとめて示す。積層体
の接着力は表面処理をしていないために、浸漬前
で150g/cmと小さいものの浸漬後で100g/cm以
上あり十分な強度を示した。また、耐溶剤性もラ
ンク1と優れていた。 比較例 3 EPC厚みを0.4μmとした以外は、実施例3と同
様にフイルムを製膜し評価を行なつた。 評価結果を第1表にまとめて示すが、EPC厚
みが0.4μmと薄いために積層体の接着強度が小さ
く、浸漬により容易に剥離してしまつた。 比較例 4 ポリプロピレンとしてII=98%、[η]=1.85
dl/gのペレツトを用い、押出機により単層でシ
ート状に押出しキヤステイングドラムで冷却固化
した。該シートを150℃にて5倍にMDに延伸し、
ステンターに入る前でホツトメルトコーターによ
りTm=145℃、II=76%のEPCを片面にコートし
た。引続き、ステンターにて延伸温度160℃、倍
率9倍の条件でTDに延伸し、163℃にて4%の
リラツクスを許しながら熱処理した。このように
して得られたフイルムは、厚み45μmであり、ク
ラフト紙と熱圧着し厚さ75μmの積層体を得た。
なおこのときフイルムにはコロナ放電処理等の表
面処理は行なわず、表面ヌレ張力は31dyne/cm
であつた。 評価結果を第1表にまとめて示すが、接着力は
良好なもののトルエン浸漬により、積層体にシワ
が発生しランク3となつた。これは、耐溶剤性が
PPに比して劣るEPC層が8.2μmと厚いためであ
る。
【表】
【表】 実施例 4 実施例1のフイルムと30μmのクラフト紙とを
熱圧着し、さらにPPフイルム側にトルエン溶媒
のアクリル系粘着剤を塗布し、15μmの粘着層を
形成し、また、クラフト紙側にはシリコーン離型
層を形成し、離型層/クラフト紙/熱接着層/
PP層/粘着層からなる粘着テープを形成した。
該粘着テープは、平面性が良好であり、PP層と
クラフト紙との接着力も強く、テープカツト時に
剥離することもなかつた。 比較例 5 比較例2のフイルムを用い、実施例4と同様に
粘着テープを形成した。こうして得られた粘着テ
ープは平面性が悪く、いたるところに細かいシワ
が観測された。また、クラフト紙との接着性も悪
く、テープカツト時に剥離する部分があつた。 以上のように、本発明熱接着性2軸配向ポリプ
ロピレンフイルムを用いることにより、品質の優
れた粘着テープを製造することができる。 [発明の効果] 本発明は、ベースのPP−BO層の平均屈折率を
1.509以上とし、かつ、フイルムの熱収縮率を0
〜5%とすることにより、有機溶剤あるいは油等
に浸漬した場合にフイルムの変形が小さいため
に、紙との積層体を形成した時に後加工時にシ
ワ、カールの発生がないばかりか、接着力も良好
である。また、熱接着層のIIを60〜92%とし、か
つ、厚みを0.5〜6μmとすることにより、接着特
性を低下させることなく、耐溶剤性を良好にする
ことができる。 かくして得られた本発明の熱接着性2軸配向ポ
リプロピレンフイルムは、セルロースを主体とす
る紙と熱圧着し、溶剤あるいは、鉱油等に接触す
る用途、例えば、該積層体に粘着剤を塗布し粘着
テープとして使用するのに好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アイソタクチツクインデツクスが93%以上、
    極限粘度が1.4〜2.0dl/g、平均屈折率が1.509以
    上である2軸配向ポリプロピレンの少なくとも片
    面に熱接着層として、融解ピーク温度が100〜150
    ℃、アイソタクチツクインデツクスが60〜92%で
    あるプロピレン共重合体が0.5〜6μm積層されて
    なる複合フイルムであつて、該フイルムの120℃
    及び140℃の熱収縮率が0〜5%であることを特
    徴とする熱接着性2軸配向ポリプロピレンフイル
    ム。
JP61296584A 1986-12-15 1986-12-15 熱接着性2軸配向ポリプロピレンフイルム Granted JPS63149149A (ja)

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