JP2874697B1 - 熱圧着プリントラミネート用フィルムおよびプリントラミネート体 - Google Patents

熱圧着プリントラミネート用フィルムおよびプリントラミネート体

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JP2874697B1 JP6898098A JP6898098A JP2874697B1 JP 2874697 B1 JP2874697 B1 JP 2874697B1 JP 6898098 A JP6898098 A JP 6898098A JP 6898098 A JP6898098 A JP 6898098A JP 2874697 B1 JP2874697 B1 JP 2874697B1
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Abstract

【要約】 【課題】アンカーコート剤を使用せず、積層したポリプ
ロピレン系樹脂層と接着性樹脂層がプリントラミネート
後、印刷紙の種類にかかわらず、剥がれることのない、
かつ光沢性を維持したプリントラミネート用フィルムお
よびプリントラミネート体を提供する。 【解決手段】少なくとも1層が低融点のポリプロピレン
系樹脂からなる2層以上のポリプロピレン系樹脂層と、
特定のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体とエチ
レン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元重合体
を特定の混合比で混合した樹脂層および特定のエチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂層の2層の接着性樹脂層をあ
わせた少なくとも4層からなることを特徴とする熱圧着
プリントラミネート用フィルムおよびそれからなるプリ
ントラミネート体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱圧着プリントラ
ミネート用フィルムおよびプリントラミネート体に関す
るものである。印刷を施した紙等の印刷物の表面を保護
したり、耐水・耐油性の付与、光沢等を与えて美麗化す
る目的で印刷物等にフィルムを熱圧着でラミネートした
ものが多く、この用途に使われるフィルムを一般にプリ
ントラミネート用フィルムと称している。
【0002】
【従来の技術】プリントラミネート体を得る方法として
は、熱可塑性樹脂フィルム層の上にアンカーコート剤を
塗布しこのアンカーコート剤面にエチレン−酢酸ビニル
共重合体からなる接着性樹脂層を押出しラミネートし、
ついでこのエチレン−酢酸ビニル共重合体の接着性樹脂
層の表面を酸化処理した後、この押出しラミネートされ
酸化処理された接着層面と印刷物の印刷面とを熱圧着し
た構造のプリントラミネート製品とする例(実開昭63
−119639号公報)等が知られている。
【0003】また、2軸延伸ポリプロピレンフィルムの
片面にエチレン−メタクリル酸メチル共重合体からなる
熱接着層を積層し、かつ、熱接着層表面の濡れ張力が3
4dyne/cm以上である熱圧着プリントラミネート
用フィルム(特開平3−73341号公報)および2軸
延伸ポリプロピレンフィルムの片面に少なくとも1軸方
向に延伸されたエチレンアクリル系共重合体層が積層さ
れ、該エチレンアクリル系共重合体層に、未延伸の線状
エチレン系接着性樹脂層を積層したプリントラミネート
用積層フィルム(特開平1−320158号公報)等が
知られている。
【0004】しかしながら、アンカーコート剤を使用す
る方法では、接着剤を塗布し乾燥する工程があり、設備
が大掛かりになるばかりでなく、接着剤の乾燥時に発生
する溶剤臭の飛散に伴う作業環境の悪化、工場周辺への
環境への影響および火災の発生の危険という問題があ
る。また、コーティング能力がネックとなり加工速度が
上げられないといった生産性にかかわる問題もある。
【0005】一方、アンカーコート剤を使用せずに熱接
着層を積層する方法では、プリントラミネート後の印刷
面とフィルム間にエア−が残存しやすいため、接着が悪
く、印刷部分が美麗でなく、さらに光沢も悪くなるとい
う問題(ツブレ性)があるものや、二軸延伸ポリプロピ
レンフィルムとこれに積層される樹脂層の層間接着力が
十分とはいえないものがあった。
【0006】以上の観点よりアンカーコート剤を使用せ
ず、積層したポリプロピレン系樹脂層と接着性樹脂層の
接着性が良好で、しかも、従来通りの光沢性を維持した
プリントラミネート用フィルム(特願平9−81738
号)の開発がなされた。しかし、耐軽油接着力の点で必
ずしも十分でない場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の課題を解消せんとするものであり、アンカーコー
ト剤を使用しないため、溶剤除去装置・回収装置等を必
要とせずに、積層したポリプロピレン系樹脂層と接着性
樹脂層がプリントラミネート後に剥がれることのない、
しかも、従来通りの光沢性を維持し、更に、耐軽油接着
力がより優れたプリントラミネート用フィルムおよびプ
リントラミネート体を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、少
なくとも1層が低融点のポリプロピレン系樹脂からなる
2層以上のポリプロピレン系樹脂層と、メタクリル酸エ
ステルの含有量が5〜35重量%のエチレン−メタクリ
ル酸エステル共重合体にエチレン・アクリル酸エステル
・無水マレイン酸三元共重合体を混合した樹脂層および
酢酸ビニルの含有量が10〜30重量%のエチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂層の2層の接着性樹脂層をあわせ
た少なくとも4層からなることを、特徴とする熱圧着プ
リントラミネート用フィルム、によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】ポリプロピレン系樹脂層に用いら
れるポリプロピレン系樹脂の少なくとも1層の低融点ポ
リプロピレン系樹脂は融点が105℃〜155℃であ
り、プロピレンと他のオレフィン、例えばエチレン、ブ
テン等とのランダム、ブロック等の共重合体、より具体
的にはエチレンプロピレンランダム共重合体とプロピレ
ンブテン共重合体の混合物(エチレン成分1〜7重量
%、ブテン成分3〜30重量%)であることが好まし
い。
【0010】かかる低融点樹脂層を設けることにより、
ポリプロピレン系樹脂層と接着性樹脂層との層間接着力
を十分に保つことができる。
【0011】ベ−スとなる他層のポリプロピレン系樹脂
は、アイソタクチックインデックス(I.I)90〜9
9%、テトラリン中で測定した極限粘度[η]が1.0
〜4.0dl/gの範囲のものが好ましい。さらに、ア
イソタクチックインデックス(I.I)が96〜98%
のポリプロピレン、また結晶化ピーク温度の高い(11
0℃以上)を用いるのが好ましく、かかる両特性を兼ね
備えたポリプロピレンが特に好ましい。
【0012】プロピレン以外の第2成分、例えばエチレ
ン、ブテン、ヘキセン等を少量(3モル%以下)ランダ
ムに共重合したものを用いてもよいが、本発明の場合、
ホモポリプロピレンからなる樹脂層が特に好ましい。
【0013】接着性樹脂層に用いられるエチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体樹脂は、エチレンとメタクリ
ル酸エステルからなる共重合体で、例えばエチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エ
チル共重合体等である。メタクリル酸エステル含有量
は、5〜35重量%であることが必要であり、好ましく
は20〜30重量%である。
【0014】メタクリル酸エステル含有量が5重量%未
満の場合、ポリプロピレン系樹脂層とのラミ接着力が十
分得られず、フィルム剥離が生ずる。一方、35重量%
を越えると樹脂としての取扱いが困難となり通常の溶融
押出しが出来難い。
【0015】また、エチレン・アクリル酸エステル・無
水マレイン酸三元共重合体は、エチレンとアクリル酸エ
ステルと無水マレイン酸からなる共重合体である。アク
リル酸エステル含有量はポリプロピレン系樹脂層とのラ
ミ接着力の観点から5重量%以上が好ましく、より好ま
しくは15重量%以上である。また、樹脂としての取り
扱いの観点から、35重量%以下が好ましく、より好ま
しくは25重量%以下である。無水マレイン酸含有量は
特に限定はなく、通常製造される範囲で良い。
【0016】エチレンーメタクリル酸エステル共重合体
とエチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元
共重合体の混合した樹脂において、エチレン・アクリル
酸エステル・無水マレイン酸三元共重合体の比率は耐軽
油接着力の観点から、5重量%以上であることが好まし
く、より好ましくは10重量%以上である。またエチレ
ン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸を多量に使用
することは経済性に劣るため、通常は50重量%以下で
あり、より好ましくは30重量%以下である。
【0017】また、接着性樹脂層に用いられるエチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂は、エチレンと酢酸ビニルか
らなる共重合体で、その酢酸ビニル含有量は、10〜3
0重量%であることが必要であり、好ましくは15〜2
5重量%である。酢酸ビニル含有量が10重量%未満で
あると、接着性樹脂層の印刷物への熱圧着時における圧
着温度を130℃以上とせざるを得ず、このような高温
であると得られるプリントラミネート体がカールする
等、本来の目的を達成することができない。また、30
重量%を越えると接着性樹脂層の前記ポリプロピレン系
樹脂層への積層(ラミネート)時熱劣化するため問題で
ある。
【0018】なお、エチレン−メタクリル酸エステル共
重合体、エチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン
酸三元共重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体に
おいて、共重合体方式はランダム共重合、グラフト共重
合、高圧法エチレン共重合等、適宜の方法を用いること
ができるが、グラフト共重合体以外の方式が、耐熱性お
よび経済性の観点から幾分優れている。
【0019】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
層の厚みはとくに限定しないが、通常10〜30μmで
あり、接着性樹脂層と合わされる低融点樹脂層の厚みも
とくに限定はしないが、通常0.5〜10μmであり、
好ましくは1〜5μmである。
【0020】一方、接着性樹脂層の厚みは5〜25μm
が好ましく、より好ましくは10〜20μmである。5
μm未満では接着性樹脂層と印刷物との接着力やツブレ
性が十分でない場合があり、逆に、25μmを越える
と、接着力やツブレ性に対して、顕著な効果が得られ
ず、経済性からも実用性に乏しくなる場合がある。
【0021】また、接着性樹脂層のうち、エチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体とエチレン・アクリル酸エ
ステル・無水マレイン酸三元共重合体を混合した樹脂層
の厚みは0.5〜10μmが好ましく、エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂層の厚みは4〜24.5μmが好ま
しい。
【0022】エチレン−メタクリル酸エステル共重合体
とエチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元
共重合体を混合した樹脂層の厚みは、ポリプロピレン系
樹脂層と接着性樹脂層との接着力の観点から0.5μm
以上が好ましく、10μmを越えると経済性から実用性
に乏しくなる。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の
厚みは接着性樹脂層と印刷物の接着力やツブレ性の観点
から、4μm以上が好ましく、24.5μmを越えると
経済性が劣る。
【0023】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
層と接着性樹脂層には、公知の添加剤、例えば結晶核
剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、ブロッ
キング防止剤、石油樹脂、ワックス等がラミ接着力、ツ
ブレ性等を低下させない範囲内で添加されていてもよ
い。
【0024】また、ポリプロピレン系樹脂層の表面は酸
化処理(コロナ放電、オゾン処理、フレーム処理等)さ
れていても構わないが、添加剤が表面にブリードアウト
してポリプロピレン樹脂層と接着性樹脂層間のラミ接着
力を低下させる恐れがあるので、低融点ポリプロピレン
系樹脂層面は未処理であるのが好ましい。
【0025】一方、接着性樹脂層の接着力を強固にする
ため、接着性樹脂層の表面を酸化処理するのが好まし
く、表面の濡れ張力は、34dyne/cm以上になる
ように表面処理するのが好ましい。
【0026】なお、接着性樹脂層をポリプロピレン系樹
脂層の片面に積層する方法は、とくに限定されるもので
はないが、Tダイ法などでポリプロピレンと接着層を共
押出し後二軸延伸する方法、一軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム上に接着層を積層しその後延伸する方法、二軸延
伸されたポリプロピレンフィルムに押出しラミネート機
から接着性樹脂層を押出積層する方法(押出しラミネー
ト法)等がある。接着性樹脂は、延伸により結晶化が進
み融点が上昇するため、押出しラミネート法が好まし
い。
【0027】以下に本発明の熱圧着プリントラミネート
用フィルムの製造方法について述べるが、必ずしもこれ
に限定されるものではない。
【0028】ポリプロピレン系樹脂を押出機Aに、低融
点ポリプロピレン系樹脂を押出機Bにそれぞれ供給し、
溶融ポリマを口金内で積層し、隙間より吐出し、20〜
60℃に保たれたキャスティングドラム上に巻付けて冷
却固化して、未延伸シートを得る。該シートを120〜
160℃に加熱されたオーブン中に導き予熱後、3〜6
倍長手方向に延伸後冷却し、一軸延伸フィルムとし、次
いで140〜170℃に加熱されたテンターに導き、幅
方向に7〜12倍に延伸し、さらに140〜165℃で
数%リラックスさせながら熱処理する。次いで端部をカ
ット除去後巻き取り、ポリプロピレン系二軸延伸フィル
ムを得る。
【0029】次に、エチレン−メタクリル酸エステル共
重合体とエチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン
酸三元共重合体を混合した樹脂を押出機Cに、エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂を押出機Dにそれぞれ供給
し、溶融ポリマを口金内で積層し、隙間より吐出し、前
記フィルムの低融点ポリプロピレン系樹脂層に押し出し
ラミネートする。この時、キャスティングドラム面に接
着するのはエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂面で、ニ
ップロール面に接触するのはポリプロピレン系二軸延伸
フィルム面とするのが好ましい。キャスティングドラム
面はサンドブラスト仕上げのものとするのが好ましい。
【0030】次に、本発明で使用した用語定義及び測定
方法を以下に述べる。
【0031】(1)融点 走査型差動熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下で
10mgの試料を10℃/分の速度で昇温させたときの
得られる結晶の融解にともなう吸熱カーブのピーク温度
(℃)。
【0032】(2)極限粘度[η] ASTM D 1601に従って、テトラリン中で測定
したもので、dl/g単位で表す。値が低いほど結晶性
が高い傾向にある。
【0033】(3)アイソタクチックインデックス沸騰
n−ヘプタン抽出残分 試料を沸騰n−ヘプタンで一定時間抽出を行い、抽出さ
れない部分の重量(%)を求めてアイソタクチックイン
デックスを算出する。
【0034】詳しくは円筒濾紙を110±5℃で2時間
乾燥し、恒温恒湿の室内で2時間以上放置してから、円
筒濾紙中に試料(粉体またはフレーク状)8〜10gを
入れ、秤量カップ、ピンセットを用いて精秤する。
【0035】これをヘプタン約80ccの入った抽出器
の上部にセットし、抽出器と冷却器を組み立てる。これ
をオイルバスまたは電機ヒーターで加熱し、12時間抽
出する。加熱は冷却器からの滴下数が1分間130滴以
上であるように調節する。抽出残分の入った円筒濾紙を
取り出し、真空乾燥器にいれて80℃、100mmHg
以下の真空度で5時間乾燥する。乾燥後恒温恒湿中に2
時間放置した後精秤し、下記で算出する。
【0036】アイソタクチックインデックス(%)=
(P/Po)×100 但し、Poは抽出前の試料重量(g),Pは抽出後の試
料重量(g)である。 (4)MFR(メルトフローレイト) JIS K 7210の条件に従って測定する(230
℃、2.16kgf)。
【0037】(5)濡れ張力 ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテル
との混合液によるJIS K 6768に規定された測
定方法に基づいて測定する。
【0038】(6)ラミ接着力 熱圧着プリントラミネート用フィルムのポリプロピレン
系樹脂層とエチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹
脂層のフィルムとフィルムとの層間ラミ接着力(25℃
の測定雰囲気で、テンシロンを用い200mm/分の速
度でフィルムを180度剥離するに要した力)を次の3
段階で評価した。 ○:300g/cm以上 △:150g/cm以上300g/cm未満 ×:150g/cm未満
【0039】(7)プリントラミネート特性 ブックカバー用に印刷された印刷紙面にプリントラミネ
ート用フィルムの接着性樹脂層とを重ね合わせ、加熱さ
れた鏡面ロール(500mmφ)で線圧60kg/c
m、25m/分の速度で熱圧着ラミネートする。
【0040】イ 熱接着性 この時のフィルムと印刷紙面との層間接着力(25℃の
測定雰囲気で、テンシロンを用い200mm/分の速度
でフィルムを180度剥離するに要した力)が150g
/cm以上となったときの鏡面ロールの表面温度により
次の2段階で評価した。 ○:100℃未満で達成 ×:100℃以上にしなければ達成できないまたは10
0℃以上にしても達成出来ない
【0041】ロ ツブレ性 (プリントラミネート体の印刷面と熱接着した接着性樹
脂層との間にエアーが巻き込まれ、このエアーが白い斑
点として残存する状況)この時の印刷紙面と接着性樹脂
層とのツブレ状態を目視で観察し、その結果を次の2段
階で評価した。 ○:残存エアーが全く無く印刷色が鮮明に見える ×:残存エアーが見えるまたは残存エアーが帯状に残存
し印刷色がボケて見える
【0042】ハ 耐軽油接着力 1g/m2 の軽油をエチレンー酢酸ビニル共重合体層に
塗布し、2日間40℃で印刷紙と重ね合わせた状態で保
管後、次の方法で接着力を測定した。熱圧着プリントラ
ミネート用フィルムのポリプロピレン系樹脂層とエチレ
ン−タクリル酸エステル共重合体とエチレン・アクリル
酸エステル・無水マレイン酸三元共重合体を混合した樹
脂層のフィルムとフィルムとの層間ラミ接着力25℃の
測定雰囲気で、テンシロンを用い200mm/分の速度
でフィルムを180度剥離するに要した力)を次の3段
階で評価した。 ○:150g/cm以上 △: 80g/cm以上150g/cm未満 ×: 80g/cm未満
【0043】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】実施例1 極限粘度[η]が1.9、アイソタクチックインデック
スが96%のポリプロピレン樹脂層(MFR2.2)と
極限粘度[η]が1.6のエチレン成分3.5重量%、
ブテン成分4.0重量%のエチレン−ブテン−プロピレ
ンのブロック共重合体樹脂層(低融点樹脂層、融点:1
38℃)を、280℃に加熱した押出機で溶融して共押
出して、口金の隙間より吐出し、30℃に保たれたキャ
スティングドラム上に巻付けて冷却固化して、未延伸シ
ートを得た。
【0045】該シ−トを140℃に加熱されたオーブン
中に導き予熱後、135℃で5倍長手方向に延伸後冷却
し一軸延伸フィルムとした。次いで160℃加熱された
テンタ−に導き、幅方向に10倍に延伸し、さらに15
5℃で5%リラックスを許しながら熱処理した。次いで
冷却ロール上で冷却し端部をカット除去後巻き取り、ポ
リプロピレン系二軸延伸フィルム(厚さ:15μm)を
得た。
【0046】次いで、メタクリル酸メチルの含有量が2
5重量%のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂
(EMMA)(住友化学株式会社製商品名“アクリフト
WK402”、MFR20)80重量部とエチレン・
アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元共重合体(住
友化学株式会社製商品名“ボンダイン HX814
0”)20重量部を混合した樹脂を押出機aに、酢酸ビ
ニルの含有量が20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂(EVA)(三菱油化株式会社製商品名“三菱
EVA LV570”、MFR15)を押出機bへ、そ
れぞれ供給した。
【0047】該ポリプロピレン系二軸延伸フィルムの片
面に、300℃に加熱した押出機aと240℃に加熱し
た押出機bから樹脂を溶融し、エチレン−メタクリル酸
メチル共重合体とエチレン・アクリル酸エステル・無水
マレイン酸三元共重合体を混合した樹脂層がポリプロピ
レン系フィルム(15μm)に接着するように共押出し
て積層した。接着性樹脂層厚みは、EMMA層2μm、
EVA層13μm、全厚み30μmのフィルムを得た。
該フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の表
面に40W・分/m2のコロナ放電処理を行い、熱圧着
プリントラミネート用フィルムを得た。
【0048】得られた熱圧着プリントラミネート用フィ
ルムのポリプロピレン系樹脂層、接着性樹脂層の各厚み
構成、ポリプロピレン系樹脂層とエチレン−メタクリル
酸メチル共重合体樹脂層のラミ接着力を表1に示す。得
られた熱圧着プリントラミネート用フィルムのラミ接着
力は、○の良好なものであった。
【0049】次にブックカバー用に印刷された印刷紙面
に得られた熱圧着プリントラミネート用フィルムの接着
性樹脂層とを重ね合わせ、加熱された鏡面ロール(50
0mmφ)で線圧60kg/cm、25m/分の速度で
加熱圧着し、プリントラミネート体を得て、熱接着性、
ツブレ性を評価した結果を表1に示す。ラミネート体の
熱接着性、ツブレ性、耐軽油接着性は○の良好なもので
あった。
【0050】実施例2 接着層厚みをエチレン−メタクリル酸メチル共重合体と
エチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元共
重合体を混合した樹脂層が0.5μm、エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂層が14.5μmとした以外は実施
例1と同様に実施した。その評価結果を表1に示す。熱
接着性、ツブレ性のいずれも○の良好なものであった。
ラミ強さ、耐軽油接着力も△〜○のほぼ満足出来る結果
であった。
【0051】実施例3 エチレン−メタクリル酸メチル共重合体とエチレン・ア
クリル酸エステル・無水マレイン酸三元共重合体の混合
比が95:5重量部以外は、実施例1と同様に実施し
た。その評価結果を表1に示す。ラミ接着力、熱接着
性、ツブレ性のいずれも○の良好なものであった。耐軽
油接着力も△〜○のほぼ満足出来る結果であった。
【0052】比較例1 エチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元共
重合体を混合せず、エチレン−メタクリル酸メチル共重
合体のみを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し
た。その評価結果を表1に示す。該フィルムは耐軽油接
着力が不十分でプリントラミネート用には実用性に欠け
るものとなった。
【0053】比較例2 実施例1において、ポリプロピレン系樹脂層に積層する
接着性樹脂層をエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の1
層とした以外は、実施例1と同様に実施して、熱圧着プ
リントラミネート用フィルムを得た。その評価結果を表
1に示す。該フィルムにはラミ接着力、耐軽油接着力が
なく、プリントラミネート用には使用できないものであ
った。
【0054】比較例3 実施例1において、ポリプロピレン系樹脂層に積層する
接着性樹脂層をエチレン−メタクリル酸メチル共重合体
80重量部とエチレン・アクリル酸エステル・無水マレ
イン酸三元共重合体20重量部を混合した樹脂層の1層
とした以外は、実施例1と同様に実施した。その評価結
果を表1に示す。ラミ接着力、耐軽油接着力は合格であ
ったが、熱接着性、ツブレ性のいずれも不合格であり、
プリントラミネート体としては使用できないものあっ
た。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明の熱圧着プリントラミネート用フ
ィルムおよプリントラミネート体は、次のような優れた
効果を奏し、ブックカバー用などに極めて好適である。
【0057】(1)フィルムのラミ接着力が強く、しか
も印刷物等とプリントラミネートしたとき、光沢に優れ
クリアな感じを与える。 (2)耐軽油接着力に優れ、印刷紙の種類にかかわら
ず、ラミ接着力を維持できる。
【0058】(3)印刷物等との熱接着性に優れる。
【0059】(4)基材(ポリプロピレン系樹脂)と押
出ラミネートする際および印刷物等と接着ラミネートす
る際に有機溶剤を使用しないことから、作業環境が良好
でありしかも溶剤除去装置、回収装置等を必要としな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱圧着プリントラミネート用フィルム
およびプリントラミネート体を示す実施例1の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 :熱圧着プリントラミネート用フィルムおよびプリ
ントラミネート体 2 :ポリプロピレン系樹脂層 3 :低融点ポリプロピレン系樹脂層 4 :エチレン−メタクリル酸エステル共重合体とエチ
レン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元共重合
体を混合した樹脂層 5 :エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層 6 :印刷物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1層が低融点のポリプロピレン
    系樹脂からなる2層以上のポリプロピレン系樹脂層と、
    メタクリル酸エステルの含有量が5〜35重量%のエチ
    レン−メタクリル酸エステル共重合体にエチレン・アク
    リル酸エステル・無水マレイン酸三元共重合体を混合し
    た樹脂層および酢酸ビニルの含有量が10〜30重量%
    のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層の2層の接着性
    樹脂層をあわせた少なくとも4層からなることを特徴と
    する熱圧着プリントラミネート用フィルム。
  2. 【請求項2】エチレン−メタクリル酸エステル共重合体
    とエチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元
    共重合体を混合した樹脂層において、エチレン・アクリ
    ル酸エステル・無水マレイン酸三元共重合体の混合比が
    5重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の熱
    圧着プリントラミネート用フィルム。
  3. 【請求項3】接着性樹脂層が5〜25μmの厚みで、か
    つ、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体とエチレ
    ン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元共重合体
    を混合した樹脂層が0.5〜10μm、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体樹脂層が4〜24.5μmの厚みである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の熱圧着プリン
    トラミネート用フィルム。
  4. 【請求項4】接着性樹脂層の表面を酸化処理したことを
    特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の熱圧着プリン
    トラミネート用フィルム。
  5. 【請求項5】請求項1〜4いずれかに記載の熱圧着プリ
    ントラミネート用フィルムの接着性樹脂層面と印刷物の
    印刷面とを熱圧着した構造のプリントラミネート体。
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