JPS5850592B2 - 金属が蒸着されたフィルム - Google Patents

金属が蒸着されたフィルム

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JPS5850592B2
JPS5850592B2 JP12245279A JP12245279A JPS5850592B2 JP S5850592 B2 JPS5850592 B2 JP S5850592B2 JP 12245279 A JP12245279 A JP 12245279A JP 12245279 A JP12245279 A JP 12245279A JP S5850592 B2 JPS5850592 B2 JP S5850592B2
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勤 井坂
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属が蒸着されたプラスチックフィルムに関す
るものである。
プラスチックフィルムに金属蒸着を施したものは、すぐ
れた光線反射能に基づく光輝性や光線遮断能を有するか
ら、デュレーション用途、金銀糸、電気用材料、スタン
ピングホイル用等に広く利用されている。
このような金属蒸着フィルムを汎用プラスチックフィル
ムを基体として製造する場合は、蒸着しようとするフィ
ルム表面にまずインシアネート系又はウレタン系の接着
剤によるアンカーコーティングを施すのが普通である。
これは、無処理あるいはコロナ放電処理程度の表面改質
を行なったフィルム表面に金属蒸着を施しても蒸着膜が
基体フィルムに十分固着されず、剥離しやすいからであ
る。
ところがアンカーコーティングは、その処理作業が煩雑
なことと接着剤が高価なことに加えて、接着剤を硬化さ
せるための高温熱処理(キユアリング)を必要とし、そ
の際フィルムの変形や物性劣化を招ぎやずいという問題
を抱えている。
そこで本発明者らはアンカーコーティングなしに金属蒸
着することのできるフィルムを求めて研究を重ねた結果
遂にこれに成功し、しかも該フィルム上に形成される金
属蒸着層が従来の方法によるものよりもすぐれた特性を
持つことを見いだして本発明を完成するに至ったのであ
る。
本発明による金属が蒸着されたフィルムは、下記A成分
を65〜98重量%、下記B成分を35〜2重量%、そ
れぞれ含有する重合体混合物からなるフィルムが熱可塑
性重合体からなる基体フィルムに接着されてなる積層プ
ラスチックフィルムの上記重合体混合物からなるフィル
ム層の表面の一部又は全部に金属蒸着層を有するもので
ある。
Aff1分:エチレンの共重合比が0.5〜10重量%
でアルエチレン−プロピレン共重合体。
B成分ニブテンの共重合比が70〜99重量%であるブ
テンとブテン以外のα−モノオレフィンとの共重合体。
本発明による金属蒸着フィルムは、上記A、B両成分成
分合物からなるフィルム層(以下被覆層という)を基体
フィルムの片面又は両面に有することにより、該被覆層
の表面にアンカーコーティングせずに金属蒸着を行うこ
とができるという製造上の有利性に加えて、蒸着層と被
覆層の強固な接着、蒸着面のすぐれた印刷性、被覆層非
蒸着部分のすぐれたヒートシール性、及び包装・ヒート
シール等の機械処理における良好な作業性など、特に包
装材料として利用する場合に意味ある特性を持つもので
ある。
そこで本発明のフィルムに特徴的な上記被覆層を構成す
る2戊分につきまず説明する(なお以下の説明において
%とあるのはすべて重量%を意味する。
)。A成分は上記共重合比のエチレン−プロピレン共重
合体であるが、その中でも好ましいものは、エチレン共
重合比が21.3〜6%でメルトインデックスが015
〜101710分(特に好ましくは1〜8.9/10分
)のものである。
なかでもエチレン共重合比が3.6〜6%のものは、金
属蒸着のためにコロナ放電処理を施した場合でも、通常
起こるようなヒートシール性の低下がほとんどなく、非
蒸着部をシール面として、高速自動包装機による低温ヒ
ートシールも容易に行うことができるので特に好ましい
エチレン共重合比が0.5%未満のものを用いた場合は
、金属蒸着膜表面の光沢が悪くなると共に低温ヒートシ
ール性が悪化する。
また同共重合比が10%をこえるときは、蒸着時の溶融
金属の熱による表面の損傷が原因で蒸着膜表面の平滑性
が損なわれ、光輝性が悪化するほか、無蒸着被覆層をヒ
ートシール層としてヒートシールを行う自動包装におい
てひっかき傷が発生し易く、またヒートシール用加熱刃
に付着し易くなり滑りが悪くなるなど、作業性が悪化す
る。
またBe、分のポリブテン系共重合体における共重合成
分であるブテン以外のα−モノオレフィンは、通常炭素
数2〜10のものであることが望ましい。
本発明によるフィルムの被覆層の金属蒸着適性は主とし
てこの共重合体の特性に依存するものであるが、ブテン
の共重合比が70%未満のものを用いたのでは蒸着膜と
フィルムとの強固な接着が期待できない。
またブテン共重合比が99%をこえるものは、蒸着膜の
接着性はよいものの、A成分との混和性が悪くなるため
か、蒸着膜の光沢が悪くなるので好ましくない。
A成分とB成分の混合比は、混合物重量に対し前者が6
5〜98%、後者が35〜2%となるようにする必要が
ある。
Be、分が2%未満のときは、アンカーコーティングな
しでは蒸着膜の接着不良を起こし易く、一方35%をこ
えると、蒸着膜は接着は良くても光沢がなくなってしま
う。
アンカーコーティング剤としては、例えばポリイソシア
ネート系、ウレタン系、メラミン系等の熱硬化タイプの
もののほか、ポリエチレンイミン系、チタン系、アクリ
ル酸エステル系、エチレン酢酸ビニル系、塩化ビニリデ
ン系、塩素化ポリオレフィン系、線状共重合ポリエステ
ル系など、種種のタイプのものを、単独または混合して
使用することができる。
基体フィルムの素材としては、製膜可能な熱可塑性重合
体、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
−1等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート
、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイ
ロン6、ナイロン9、ナイロン6.6等のポリアミド、
その他ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネー
ト、アクリル系樹脂又はこれらの混合物などを、いずれ
も使用することができる。
本発明によるフィルムの被覆層及び基体フィルムには、
必要に応じて着色剤、安定剤、帯電防止剤等の添加物を
含有させてもよいが、有機系添加剤はフィルム表面にブ
リードアウトして金属蒸着膜の接着強度を低下させるこ
とがあるので、その配合量は基体フィルム及び被覆層の
合計重量に対し1%以下とすることが望ましい。
本発明によるフィルムを製造するに当り、基体フィルム
と被覆層は接着剤を用いて接着することもできるが、基
体フィルムと被覆層とを構成する重合体の溶融物をTダ
イから押出す直前に複合する共押出法、あるいは別個に
溶融押出した後冷却固化する前に重ね合わせて接着させ
る方法や、あらかじめ製膜した基体フィルムに被覆層用
の重合体混合物をフィルム状に溶融押出して接着する方
法などによるほうが有利である。
被覆層の厚さは、基体フィルムの厚さにもよるが、通常
0.2〜20μ程度とすることが望ましい。
基体フィルム及び被覆層フィルムは、積層前又は(及び
)積層後に、1軸又は2軸方向に、適宜常法により延伸
して物性の改良を図ってもよいが、蒸着する面の平滑性
が損なわれないように注意することが望ましい。
A、B両成分からなる被覆層形成用重合体混合物の製膜
及び延伸は、ポリエチレンやポリプロピレン等地のポリ
オレフィンと同様に行うことができ、特に困難な点はな
い。
例えば1軸延伸や縦横同時又は逐次の2軸延伸を行うこ
とができ、また熱固定は適宜緊張熱固定又は緩和熱固定
を行うことにより、フィルムに熱収縮性を持たせたり寸
法安定性を持たせたりすることができる。
以上のようにして得られる積層フィルムは、そのまま、
あるいは被覆層表面にコロナ放電処理、酸処理、火炎処
理等の表面酸化処理を施して活性化するだけで、金属蒸
着を施し、本発明の金属蒸着フィルムとすることができ
る。
本発明による金属蒸着フィルムは、その任意の位置に、
製造工程の任意の段階で形成された印刷を有するもので
あってもよい。
アンカーコーティングを施すことなく得られた本発明の
金属蒸着フィルムは、フィルム全体の物性や蒸着膜の光
線反射特性、耐屈曲性、接着強度、印刷性、及びこれら
の特性の耐熱性、耐候性など、あらゆる点で従来法によ
る金属蒸着フィルムと同等又はそれ以上のすぐれた性能
のものであり、しかもその被覆層の非蒸着部分をヒート
シール層にして容易にヒートシールすることができるも
のであるから、種々の商品の上包みや袋にする包装材料
としても極めてすぐれたものである。
以下実施例を示すが、実施例中「部」とあるのは重量部
を意味する。
また蒸着フィルムの評価は次のようにして行なった。
1)透明度及び曇価: 非蒸着部分について、JIS−に6714に従い東洋精
機製「ヘーズテスター」で測定した。
2)光沢: 蒸着面についてJIS−Z8714に従い測定した。
3)ヒートシール強度: 東洋精機製熱傾斜ヒートシーラーにより圧力1に9/C
I?L、1.0秒間の条件下でヒートシールしたものに
つき200@i/mmの速度で剥離強度を測定した。
4)蒸着膜とフィルムとの接着強度(テープ剥離試験) 粘着テープを蒸着面に貼付け、上面をローラーでおさえ
た後引きはがしたときの蒸着膜の剥離の程度を観察して
次のように表示した。
5)自動包装適性 自動包装機による包装に用いた場合、ガイドローラー等
案内具へのフィルムの付着が起こる程度から次のように
3段階評価を行なった。
■=フィルムの付着が全く起こらず、円滑に包装が行わ
れた。
■:フイルムの付着が時々起こった。
■:フイルムの付着が頻発して高速移送が困難であった
6)ウエツチングテンション JIS−に−6768−1971に従い測定した。
実施例 1 基体フィルム用樹脂として固有粘度1.8dl/9(1
35℃テトラリン溶液使用)のアイツタクチイックポリ
プロピレンを選び、その100部に対し、グリセリンの
ステアリン酸エステルを0.1 部、アルキルアミン型
帯電防止剤を0.1部混合した。
一方被覆層用として、エチレン共重合比4−5%のエチ
レン/プロピレン共重合体(メルトインデックス2.0
g/10分)とブテン共重合比97%のブテン−1/工
チレン共重合体との9:1の混合物100部に更にグリ
セリン脂肪酸エステル0.2部、エルカ酸アミド(日本
化成社製、ダイアミドKH)0.1部を混合したものを
用意した。
上記フィルム成形原料を用いて、共押出法により基体フ
ィルムの両面に厚さ各30μの被覆層を有する厚さ96
0μの未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを次いで130℃において縦方向に
4倍延伸し、更に横方向に8倍延伸して厚さ30μの2
軸延伸積層フィルムを得た。
別に上記と同様にして厚さ30μの未延伸フィルムを製
造した。
これらのフィルムの片面にコロナ放電処理をした後、処
理面(表面濡れ張力42 dyne /crn )にア
ルミニウムの真空蒸着(厚さ50mμ)を施し、反対側
面をシール面としてヒートシールした。
比較例 1 実施例1の基体フィルム形成用原料のみで得たポリプロ
ピレン2軸延伸フイルムの片面にコロナ放電処理して濡
れ張力が42 dyne 7cmになるように調節した
後、実施例1と同様にアルミニウムを真空蒸着した。
比較例 2 エチレン共重合比3.0%のエチレン/プロピレン共重
合体(メ/l/トインデックス2.@/10分)を単独
で被覆層とした以外は実施例1と同様にして2軸延伸積
層フィルムを製造し、更にコロナ放電処理と真空蒸着を
行なった。
比較例 3 アイツタクチイックポリプロピレン(固有粘度2.0d
ll& ) 50部とポリブテン−150部との混合物
を被覆層として用いた他は実施例1と同様にして2軸延
伸積層フィルムを得、更にコロナ放電処理と真空蒸着を
行なった。
以上の各側による金属蒸着フィルムの特性をまとめて第
1表に示す。
比較例 4 実施例1における基体フィルム製造用原料を用いて得ら
れたポリプロピレン2軸延伸フイルムにコロナ放電処理
し、濡れ張力が42 dyne/cmになるように調節
したものにインシアネート系下塗剤(日本ポリウレタン
社製コロネートL)を0.29 / m (固形分)塗
布した後、塗布面全面に厚さ50mμのアルミニウム蒸
着を施した。
実施例1による蒸着フィルム及び上記比較例4による蒸
着フィルムの各蒸着面のウエツチングテンションの40
℃における経時変化を調べた結果は第2表のとおりで、
本発明によるフィルムの蒸着膜表面特性が極めて安定し
ていることがわかる。
またこのような表面特性の安定性の相違を反映して、金
属蒸着7日後に蒸着面に対して行なった印刷試験におい
て、本発明によるものは印刷ロールからのインクの転移
がよく印刷層と蒸着面との接着もテープ剥離試験で剥離
しない程強固であったのに対し、比較例のものはインク
をはじいて印刷層が不鮮明なばかりかテープ剥離試験で
60%が剥離してしまった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記A成分を65〜98重量%、下記B成分を35
    〜2重量%、それぞれ含有する重合体混合物からなるフ
    ィルムが、熱可塑性重合体からなる基体フィルムの片面
    又は両面に接着されてなる積層プラスチックフィルムの
    上記重合体混合物からなるフィルム層の表面の一部又は
    全部に金属蒸着層を有することを特徴とする金属が蒸着
    されたフィルム。 A成分:エチレンの共重合比が0.5〜10重量%でア
    ルエチレン−プロピレン共重合体。 B成分ニブテンの共重合比が70〜99重量%であるブ
    テンとブテン以外のα−モノオレフィンとの共重合体。
JP12245279A 1979-09-22 1979-09-22 金属が蒸着されたフィルム Expired JPS5850592B2 (ja)

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