JPH0461453B2 - - Google Patents

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JPH0461453B2
JPH0461453B2 JP60023068A JP2306885A JPH0461453B2 JP H0461453 B2 JPH0461453 B2 JP H0461453B2 JP 60023068 A JP60023068 A JP 60023068A JP 2306885 A JP2306885 A JP 2306885A JP H0461453 B2 JPH0461453 B2 JP H0461453B2
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JP
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paper
oil
insulating material
layer
polypropylene film
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JP60023068A
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Kenji Tsunashima
Tatsuya Ito
Yoshisuke Iwata
Kyoshi Nakayama
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕 本発明は改良された天然または合成繊維を用い
てなる電気絶縁紙と、二軸配向ポリプロピレンフ
イルムとを貼り合せ積層してなる油浸ケーブル用
絶縁材料に関するものである。 〔従来技術〕 油浸ケーブル用絶縁材料として、二軸配向ポリ
プロピレンフイルムの両面に、セルローズ繊維、
プラスチツク合成紙、プラスチツク繊維と天然繊
維との混抄紙等の天然または合成繊維を用いてな
る電気絶縁紙を、熱硬化型の接着剤を用いて貼り
合せ積層した絶縁材料が知られている(例えば特
開昭58−153644号など)。 しかし、この絶縁材料では、熱硬化型の接着剤
を用いるために、製造コストが高くなるばかり
か、接着剤の極性基によつて絶縁材料としての誘
電損失やtanδが大きくなり、例えば50万V以上の
超高圧ケーブルでは発熱が多くなつて使用できな
いという欠点があつた。 また、熱硬化型の接着剤の代りに熱可塑化型ポ
リプロピレンを使うこと、即ち繊維紙と二軸配向
ポリプロピレンフイルムとを押出機より押出した
無延伸ポリプロピレンを接着剤として貼り合せた
絶縁紙も知られている(例えば特公昭54−10712
号など)。 しかし、このものは、押出機から直接押出した
溶融体を接着剤とするために、この接着剤の厚み
を15μmよりも薄くすることができず、このため
該絶縁紙を電気絶縁油に浸漬すると、該絶縁紙が
油で膨潤するために、油浸ケーブルとして使用す
れば、絶縁層の巻き締りが生じ、絶縁欠陥の原因
となる問題点があつた。 更に接着剤として、溶融状態のプロピレンホモ
ポリマーを使用しているために、冷却過程での結
晶化速度が非常に速く、従つて冷却過程で接着す
る場合、十分なアンカー効果が期待できないうち
に結晶化が進行してしまうために、強力な接着力
を得ることができず、その結果ケーブルに使用し
たとき、ケーブルの機械的な折り曲げ(ベンド)
などのときに、絶縁紙に剥離が生じ、電気的な欠
陥をもたらす欠点があつた。 〔発明の目的〕 本発明は、上記従来の油浸による絶縁材料の膨
潤、tanδの悪化、層間接着力の低下等と、それに
伴う欠点を解消するために得られたものであつ
て、その目的とするところは、油浸時の膨潤程度
を極力小さくし、しかもtanδなどの電気特性に優
れ、強力な層間接着力を有した経済性の高い油浸
ケーブル用絶縁材料を提供することにある。 〔発明の構成〕 上記目的を達成する本発明の油浸ケールブ用絶
縁材料は、二軸配向ポリプロピレンフイルムの両
面に、天然または合成繊維を用いてなる電気絶縁
紙を貼り合せ積層した絶縁材料において、該ポリ
プロピレンフイルムと該電気絶縁紙との接着に、
融点100〜150℃のポリオレフインを用い、しかも
該ポリオレフイン層の表面から100Åまでの表層
部に、イミノ型および/またはアミノ型の窒素原
子を炭素原子100個当り3個以上有することを特
徴とするものである。 本発明における二軸配向ポリプロピレンフイル
ムの極限粘度〔η〕は1.2〜2.8dl/g、好ましく
は1.3〜2.2dl/gであるのが良い。 〔η〕の値が1.2未満、好ましくは1.3未満の場
合には、得られたフイルムが脆く、クラツクが入
り易く、電気絶縁材料として使用に耐えない。 また、〔η〕の値が2.8を越える場合には、得ら
れたフイルムの油による膨潤の程度が従来のポリ
プロピレンフイルムよりほとんど改良されず、大
きな膨潤値、即ち膨潤度として3%以上の値を示
すために好ましくない。 また、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
との比Mw/Mnは3以上であるのが良い。 Mw/Mnの比が前記値より小さくなると油に
よる膨潤の程度が大きくなり、絶縁性も低下する
ので好ましくない。 また、製膜時にフイルム破れが多発するのみな
らず、厚さむらも大きくなる。 本発明における二軸配向ポリプロピレンフイル
ムの場合、アイソタクチツク度は93%以上、好ま
しくは96%以上、更に好ましくは98%以上である
と、油による膨潤の程度が小さく好ましい。 また、該ポリプロピレンフイルムには、帯電防
止剤、すべり剤、熱安定剤、ブロツキング防止
剤、核剤、粘度調整剤などの添加剤を含有させな
いことが好ましいが、電気特性を低下させない範
囲内で小量添加しても良い。 ポリプロピレンフイルムの厚さは、10〜1000μ
mの範囲にあるのが好ましい。 本発明における二軸配向ポリプロピレンフイル
ムに積層する電気絶縁紙(以下、紙と云う)と
は、JIS C2301〜2308に定められているようなセ
ルローズを主成分とする天然繊維紙、あるいはセ
ルローズの如き天然繊維とプラスチツクのフイブ
リルとを混抄した混抄紙、あるいはプラスチツク
のみからなる合成紙のいずれでも良いが、特に本
発明に適したものは、セルローズを主成分とする
天然繊維紙である。 電気絶縁紙の表面最大あらさRmaxは、5〜
25μm、見掛け密度は0.6〜1.2g/cm、厚さ15〜
150μmの範囲のものが、電気特性、油通性など
に優れ、よく用いられる。 本発明の場合、電気絶縁紙はカレンダーリング
等で表面を平滑化した紙が耐電圧や層間接着力等
が大きく好ましいが、必ずしもこれに限定されな
い。 層間の接着剤として用いられるポリオレフイン
は、プロピレンを50モル%以上含有したプロピレ
ン共重合体で、例えばエチレン、プロピレン、ブ
テン、ヘキセンなどからなる二元あるいは三元共
重合体(ランダム,グラフト、ブロツク)が代表
的なものであるが、必ずしもこれに限定されるも
のではない。 本発明に用いるポリオレフインとしては、特に
エチレン、プロピレン(エチレン量1〜10モル
%)ランダム共重合体、エチレン・プロピレン
(エチレン量10〜50モル%)ブロツク共重合体が
好ましい。 該ポリオレフインの融点は100〜150℃、好まし
くは110〜145℃でなければならない。 この融点が100℃未満、好ましくは110℃未満で
あると、電気的なtanδが大きくなり、また油浸中
での膨潤度が大きくなつて電気的欠陥となり、油
浸ケーブル用の絶縁材料として使用できない。 また、該融点が150℃、好ましくは145℃を越え
るときは、電気絶縁紙と二軸配向ポリプロピレン
フイルムとの接着力が劣り、油浸中で剥離し、更
に経済的な速度でラミネートできない。 該ポリオレフインの極限粘度〔η〕は、0.4〜
2.5、好ましくは0.6〜1.8、更に好ましくは0.7〜
1.4(dl/g)と低粘度であれば、油浸時の膨潤を
小さく押え、しかも層間の接着力を向上させるこ
とができる。 更に本発明においては、該ポリオレフイン層の
少なくとも片面は、表面から100Åまでの表層部
に、イミノ型および/またはアミノ型の窒素原子
を炭素原子100個当り3個以上、好ましくは7個
以上有さなければならない。 上記窒素原子数が3個未満、好ましくは7個未
満のときは、電気絶縁紙と二軸配向ポリプロピレ
ンフイルムとの接着開始温度が高く、しかも接着
に必要なラミネート圧力も大きくなり、ラミネー
ト経済性も悪くなるのみならず、得られたラミネ
ート物が熱変形によりカールしやすくなつたり、
シワが発生したりして電気絶縁用ラミネート物と
しては種々の欠陥を含むようになるばかりか、油
浸すると電気絶縁紙と二軸配向ポリプロピレンフ
イルムとの層間接着力が低下し、クリーズの発生
やシワの発生を誘引し、電気的性質、特に耐電圧
が大巾に低下する。 なお、窒素原子数の上限は、特に限定されない
が、接着性の点から30個以下が好ましく、25個以
下がより好ましい。 該ポリオレフイン表面の表面ぬれ張力は、
45dyn/cm以上、好ましくは50dyn/cm以上であ
るのが本発明には好ましい。 該ポリオレフイン層の厚さは0.5〜8μm、好ま
しくは0.8〜3.0μmであるのが良い。この層の厚
さが0.5μm未満、好ましくは0.8μ未満のときは、
電気絶縁紙と二軸配向ポリプロピレンフイルムと
の接着性が劣り、逆に該層の厚さが8μmを越え
るとき、好ましくは3μmを越えるときには、電
気的tanδが大きくなり、更に油浸中での膨潤度が
大きくなつて電気的な欠陥となることが多い。 また、該ポリオレフイン層は無配向であるより
も、分子鎖が配向しているほうが絶縁油に対する
膨潤性、機械的性質、電気的性質の点から好まし
い。配向の程度は、該ポリオレフイン層の長手方
向と巾方向の屈折率(それぞれNmd、Ntdで示
す)の相加平均値(Nmd+Ntd)/2から、厚
さ方向の屈折率Nzdを引いた値が0.01以上あるの
が好ましい。 〔製造方法〕 次に本発明に係る絶縁材料の製造方法について
説明する。 〔I法〕 本発明に使用する二軸配向ポリプロピレンフイ
ルム用原料の製造方法は、特に限定されないが、
好ましい一例を挙げれば、公知の種々の塩化マグ
ネシウムに担持した四塩化チタン触媒と有機アル
ミニウム化合物、およびエステル系化合物等の第
3成分からなる触媒系を用いて、プロピレン自身
を溶媒とする塊状重合法でプロピレンを重合し、
次いでプロピレン等の低沸点炭化水素で、プロピ
レンに可溶の低立体規則性のポリプロピレンを除
去することによつて得られる。 前記ポリプロピレンポリマー原料Aおよび接着
ポリマーとしてのポリオレフインにエチレンを10
〜40%ブロツク共重合させたエチレン・プロピレ
ンブロツク共重合体Bとをそれぞれシート押出機
に供給し、BABなる三相積層の溶融体を口金か
ら吐出させ、冷却ドラム上にキヤストする。 このシートを外部加熱法で予熱したのち、長手
方向に120〜150℃で4〜8倍延伸し、更に幅方向
に120〜170℃で6〜12部に延伸し、100〜170℃で
2〜10秒間熱処理し、炭酸ガスpと窒素ガスqと
の混合ガス(体積比率p/qが1/99ないし10/
90のもの)下でコロナ放電処理し、三層積層の二
軸延伸ポリプロピレンフイルムを得る。 かくして得られた三層積層ポリプロピレンフイ
ルムの全厚さは40〜250μmであり、そのうちエ
チレン・プロピレンブロツク共重合体層の表面は
窒素と酸素が取り込まれており、しかも粗面化さ
れており、その厚さは0.5〜8μmになるようにす
るのが好ましい。 表面を粗面化するのは、易滑性、耐ブロツキン
グ性のためである。この三層積層フイルムの両表
面に、電気絶縁紙を重ね合せ、100〜220℃に加熱
されたホツトプレスロール間に、線圧0.01〜1t/
cmで短時間押圧し、絶縁紙/三層積層フイルム/
絶縁紙からなる絶縁材料を得る。 〔法〕 また別の製造方法としては、絶縁紙の上に、接
着剤となるポリオレフイン、例えばエチレン・プ
ロピレンランダム共重合体をホツトメルトコーテ
イング法によつて0.5〜8μm厚さに均一にコーテ
イングし、窒素ガス下でコロナ放電処理をする。
このコーテイングされた二枚の絶縁紙の間に、二
軸配向ポリプロピレンフイルム単膜を包み込むよ
うにして上記と同様にホツトプレスロール間にて
押圧し、絶縁紙/二軸配向ポリプロピレンフイル
ム/絶縁紙からなる絶縁材料を得る。 本発明の絶縁材料の場合、接着ポリマーとして
のポリオレフイン層が配向を有する点において
〔法〕の製造が特に好ましい。 〔発明の効果〕 本発明の絶縁材料は、電気絶縁クラフト紙と、
二軸配向ポリプロピレンフイルムとを、特定の表
面構造と融点を有するポリオレフイン接着剤とし
てラミネートした構造を有するため、次のような
作用効果を奏することができる。 (1) 油による層間接着力の低下や膨潤が極めて小
さい。 (2) 油の流通性が優れている。 (3) 誘電率、誘電正接ともに小さく、絶縁破壊電
圧は極めて高い。 (4) 絶縁材料の機械的性質が優れている。 (5) 油への溶解分が少ないので、油を汚染する程
度が極めて小さい。 (6) 製造コストが安価であり、経済性に優れてい
る。 (7) ラミネート時の温度や圧力が小さくてすみ、
ラミネート時の経済性が高い。 従つて、本発明の油浸ケーブル用絶縁材料は油
浸ケーブル絶縁層用として極めて有用なものであ
る。 次に、本発明に用いる測定法を以下に纏めて示
す。 (1) アイソタクチツク度 試料のフイルムを約1cm平方の大きさに切断
し、これをソツクスレー抽出器に入れ、沸騰メ
チルアルコールで6時間抽出する。抽出した試
料を60℃で6時間真空乾燥する。これから重量
w(mg)の試料を取り、これを再びソツクスレ
ー抽出器に入れて、沸騰N−ヘプタンで6時間
抽出する。次いで、この試料を取り出し、アセ
トンで十分洗浄した後、60℃で6時間真空乾燥
した後、重量を測定する。 その重量をW′(mg)とすると、アイソタクチ
ツク度は次式で求められる。 アイソタクチツク度(%)=10×W′/W (2) 複屈折 アツベの屈折計を用いて、フイルムの長手方
向の屈折率(Ny)および幅方向の屈折率
(Nx)を測定し、NyとNxの差の絶対値を該フ
イルムの複屈折とする。なお、測定時の光源
は、ナトリウムD線を用い、マウント液はサリ
チル酸メチルを用いる。 (3) 電気絶縁油による膨潤度 100mm平方の試料を切り取り、120℃の恒温槽
にて20時間乾燥後、すぐにその厚さを測定し、
D(μm)とする。 この試料を100℃のドデシルベンゼン油中に
浸して24時間放置後、取り出してすぐに試料の
厚さを測定し、これをD′(μm)とする。 膨潤度は次式で求められる。 膨潤度(%)=100×(D′−D)/D (4) 紙〜フイルム間の油浸後の接着強度 積層材料を110℃のドデシルベンゼン中に3
日間浸漬した後、これを取り出してアセトンで
十分に洗浄した後、20℃の室温に1日間放置す
る。これを試料として紙とフイルムの間の接着
の剥離強さを、JIS K 6854−1973記載のたわ
み性材料同志のT型剥離試験の方法に準じて測
定し、これを接着強度とする。 (5) 重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mn
測定方法は次のとおりである。 装置:ゲル浸透クロマトグラフGPC−150C カラム:Shodex A80M 溶媒:o−ジクロルベンゼン (0.1%アイオノール添加) 速度:1ml/分 温度:135℃ 試料濃度:0.1(wt/vol)% 濾過:0.1μm焼結フイルター 注入量:0.4ml 検出器:示差屈折率検出器 分子校正:ポリスチレン基準 (6) 極限粘度〔η〕 ASTM D1601により、135℃テトラリン中
で測定する。単位dl/g。 (7) 絶縁破壊電圧(BDV) ASTM D149に従つて測定する。(雰囲気;
20℃) (8) 誘電損失〔tan δ〕 ASTM D150に従つて周波数50Hz、温度100
℃で絶縁紙測定電極MED−C型(日新電機株
式会社製)を使用して測定する。 (9) 融点〔Tm〕 融点は、走査型熱量計(DSC)によつて求
めた結晶の融点に伴う平衡温度であり、吸熱ピ
ーク温度が2個以上である場合は、最も吸熱ピ
ーク高さの高いものを採用するが、ほぼ同じ場
合は、これらの数の平均温度を用いる。 DSCの測定条件は、試料重量5mg、昇温速
度20℃/分、窒素気流下で行う。 表面粗さ〔Rmax〕 JIS B 0601−1976に従つて測定する。 (11) イミノ型および/またはアミノ型の窒素原子
はポリプロピレンポリマー鎖の炭素に直接結合
しており、その量はESCA法の測定値を用い
る。 本発明で云うESCA法とは、軟X線励起光電
子分光法の略称であつて、軟X性の照射によつ
て試料化合物中の原子から叩き出された光電子
の分光スペクトルから試料の表面近傍の元素の
種類および化学結合状態を分析する方法であ
る。ESCA法では炭素水素系高分子物質に対し
て光電子の透過能が小さく、該高分子物質の
ESCAによる測定はその表面から100Å以内、
特に極表層部の情報が相対的に強く得られる特
徴を有する。 本発明で云うアミノ型および/またはイミノ
型窒素とはESCA法によつて同定される結合窒
素であつて、アミノ基、イミノ基に代表される
ESCAで測定される結合窒素のIS軌道(N)スペク
トルの結合エネルギーが397.0〜402.5eVの範囲
(但しポリプロピレンにおけるCのメインピー
クを285.0eVとする)にピークを有するもので
ある(以下、単にアミノ型および/またはイミ
ノ型窒素と云う)。 具体的には、国際電機株式会社製のESCAス
ペクトロメーターES−200型を用い、処理フイ
ルムの処理面のN スペクトルとC スペクト
ルを測定し、N スペクトルのうち、アミノ型
および/またはイミノ型窒素の結合エネルギー
に対応するピークの積分強度と、C スペクト
ルの積分強度の比を算出した。 本発明におけるアミノ型および/またはイミ
ノ型窒素と炭素原子の個数比N/Cは、前述の
積分強度比をもとに算出される。 (12) 表面ぬれ張力 JIS K6768ポリエチレン及びポリプロピレン
フイルムのぬれ試験方法に従う。 以下、本発明の実施例を述べる。 〔実施例〕 実施例 1 エチレンを6モル%ランダム共重合したエチレ
ン・プロピレン共重合体(極限粘度〔η〕0.8
dl/g、融点129℃)をホツトメルトコーターに
供給し、窒素シール下で260℃に加熱後、加圧し、
スリツト間〓0.4mmの口金から押出し、厚さ30μm
の電機絶縁クラフト紙(比重0.90g/m3、表面粗
さRmax=18μm)の片面上に厚さ3μmになるよ
うにホツトメルトコートし、窒素気流下でコロナ
放電処理後、巻取つた。 該ポリオレフインフイルム表面から100Åまで
の炭素原子数100個当りのアミノ型およびイミノ
型の窒素原子は4個含んでいた。 一方、極限粘度1.85dl/g、重量平均分子量
Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn=4.0、
アイソタクチツクインデツクス=99%のポリプ
ロピレンを250℃で溶融し、この溶融体を口金か
らシート状に押し出し、常法により50℃に冷却さ
れたキヤステイングドラム上にキヤストし、冷却
固化させた。 該冷却固化シートを146℃に加熱した後、長手
方向に6倍延伸し、つづいて160℃に加熱された
ステンター内に送り込み、幅方向に10倍延伸し、
更に165℃で4秒間幅方向に5%のリラツクスを
許しながら熱処理して、厚さ90μmの二軸配向ポ
リプロピレンフイルムを作つた。 かくして得られたフイルムの〔η〕は1.80dl/
g、Mw/Mnは3.9、は99%、複屈折は0.016で
あつた。 次に絶縁紙にコーテイングしたエチレン・プロ
ピレン共重合体面が上記二軸配向ポリプロピレン
フイルムの両面に重なり合うようにした後、190
℃に加熱された外径250mmφのクロムメツキロー
ル間に送り込み、線圧300Kg/cmで0.1秒間押圧し
て絶縁紙/二軸配向ポリプロピレンフイルム/絶
縁紙からなる厚さ156μmの3層の絶縁材料を得
た。かくして得られた絶縁材料の二軸配向ポリプ
ロピレンフイルムの厚み分率は57%であつた。 続いて該絶縁材料をドデシルベンゼン油に浸漬
させて物性を測定した。 膨潤度:3% 誘電率:2.5(20℃)、2.5(100℃) tan δ:0.04%(20℃)、0.05%(100℃) 接着力:380g/cm 以上のように、本発明の絶縁材料は優れた電気
的性質のみならず、接着力、耐膨潤性にも優れて
いるため、油浸ケーブル用絶縁材料として優れた
特性を示すことがわかる。 比較例 1 実施例1で電気絶縁クラフト紙にエチレン・プ
ロピレン共重合体をホツトメルトコーターで塗布
する代りに、次の溶液型熱硬化性接着剤を用いて
電気絶縁紙を二軸配向ポリプロピレンフイルムの
両面に常法により貼り合せた。なお、この場合、
接着性を向上さすために二軸配向ポリプロピレン
フイルムの両表面を、3600J/m2の電気エネルギ
ーでコロナ放電処理をした。 接着厚さは、それぞれ3μmであつた。 接着剤溶液の組成は次のとおりである。 飽和ポリエステル共重合体*:15重量部 テリレンジイソシアネート:3.5重量部 メチルエチルケトン:81.5重量部 *酸成分として、テレフタル酸72モル%、セバ
シン酸28モル%、ジオール成分として、エチレン
グリコール35モル%、ネオベンチルグリコール65
モル%からなる飽和ポリエステル共重合体、粘度
平均分子量約18000 かくして得られた電気絶縁紙/二軸配向ポリプ
ロピレンフイルム/電気絶縁紙からなる厚さ
156μmの絶縁材料を実施例1と同様にして諸物
性を測定し、表1に結果をまとめて示した。 表1から明らかなように、接着剤として極性基
を有した化合物を用いると電気的tan δが大きく
なり、超高圧ケーブル用絶縁材料としては用いら
れないことがわかる。 比較例 2 実施例1で用いた電気絶縁クラフト紙と、実施
例1と同様にして製膜した厚さ66μmの二軸配向
ポリプロピレンフイルムとを、実施例1で用いた
エチレン・プロピレンランダム共重合体を接着剤
として用いて、紙とフイルムとを260℃で溶融押
出しラミネートして、紙/ランダム共重合体/フ
イルム/ランダム共重合体/紙からなる厚さ
156μmの絶縁材料を得た。 ここでランダム共重合層の厚さは、それぞれ
15μmであり、二軸配向ポリプロピレンフイルム
の厚み分率は42%であつた。 比較例 3 実施例1で行つたポリオレフイン層に窒素ガス
下でのコロナ放電処理をしない以外は、実施例1
と全く同様に処理して同様の絶縁材料を得た。な
お、窒素ガス下でのコロナ放電処理をしなかった
ポリオレフイン層の表面から100Åまでの表層部
の炭素原子数100個当りのイミノ型および/また
はアミノ型の窒素原子数は0個であつた。 かくして得られた絶縁材料を実施例と同様にし
て諸物性を測定し、表1に結果をまとめて示し
た。 表1から明らかなように、比較例1〜3で得ら
れた絶縁材料の構成は実施例1と同じであるが、
構成厚さが異なるために誘電率、tan δが大きい
のみならず、膨潤度も大きく、油浸ケーブル材料
としては不適である。また、特定の表面処理をし
ないと、これもまた油浸ケーブル材料としては用
いられないことがわかる。 比較例 4 実施例1における窒素気流下でのコロナ放電処
理を行う際の、放電電力を実施例1より小さくし
て処理し、ポリオレフインフイルムの表面から
100Åまでの炭素原子数100個当りのアミノ型およ
びイミノ型の窒素原子の数を1.5個とする以外は、
実施例1と全く同様にして絶縁材料を得た。 かくして得られた絶縁材料を実施例1と同様に
して評価した結果を表1に示した。この結果から
明らかなように、この絶縁材料は層間接着力が不
足し、絶縁破壊電圧も低く油浸ケーブル用材料と
しては不適当なものであつた。
【表】 実施例 2 ポリプロピレンとして、〔η〕=2.0、アイソタ
クチツクインデツクス=98%のチツプと、エチ
レンを20モル%ブロツクに共重合させたエチレ
ン・プロピレンブロツク共重合体(〔η〕=1.4、
DSCによる融解ピーク温度は118℃、147℃、160
℃に出るが融点としては前二者の平均として133
℃)とを、それぞれ別の口金に導入し、ブロツク
共重合体層/ポリプロピレン層/共重合体層から
なる三層積層シートを口金から押出した。このシ
ートを45℃に保たれた冷却ドラムに、エアー圧で
密着させて冷却固化させ、続いて145℃に加熱さ
れた熱風オーブン中で加熱し、長手方向に5倍延
伸し、直ちに15℃の冷却ロールに接着させて冷却
した。このシートを160℃に加熱されたステンタ
ー式幅出機に送り込み、幅方向に10倍延伸し、次
いで幅方向に7%のリラツクスを許しながら2秒
間熱処理し、炭酸ガス/窒素=2/98容積比の混
合ガス下でコロナ放電処理して厚さ90μmの三層
積層ポリプロピレンフイルムを得た。 ここでブロツク共重合体層の厚さは、それぞれ
2μmづつであり、ポリプロピレン層の厚さは86μ
mであつた。また、該ブロツク共重合体層の表層
から100Åまでの炭素原子数100個当り窒素原子数
を8個含んでいた。 この三層積層ポリプロピレンフイルムには、す
べり剤、ブロツキング防止剤などの添加剤を加え
ていないにもかかわらず、特定のポリマーを用
い、しかも特定の表面処理をしたため、摩擦係数
が0.6とすぐれた易滑性と、表面ぬれ張力65dyn/
cmと高い接着性とを示していた。 この三層積層ポリプロピレンフイルムの両面
に、厚さ25μmの電気絶縁クラフト紙(比重0.92
g/cm2、表面粗さRmax=15μm)を重ね合せ、
実施例1と同一の加熱プレスロールを用いて200
℃で線圧400Kg/cmで0.1秒間押圧してラミネート
し、クラフト紙/三層積層ポリプロピレンフイル
ム/クラフト紙からなる厚さ140μmの電気絶縁
材料を得た。二軸配向ポリプロピレンフイルムの
厚み分率は61%であつた。 かくして得られた絶縁材料の20℃でのドデシル
ベンゼン中での特性を表2に示した。 同表から、特性が優れていることがわかる。 比較例 5 実施例2で行つたコロナ放電処理をしない以外
は、全て実施例2と同様にして絶縁材料を得、特
性を測定して表2に示した。
【表】
【表】 実施例3および比較例6 下記に示す表3の仕様で図に示すケーブル構造
の実施例3および比較例6として、実施例2およ
び比較例5の絶縁材料を用いた電力ケーブルを製
造し、諸特性を調べた。 なお、図において、1は銅を素材とした6分割
導体、2は油通路、3は例えばステンレステープ
とカーボン紙とを合せ巻きして形成した導
【表】
【表】 体バインダー層、4は油浸絶縁層、5は金属化紙
とアルミニウムテープを合せ巻きしてなる金属遮
蔽層、6は例えば銅繊維込布テープなどの巻回に
よるコアバインダー層、7は鉛被シース、そして
8は塩化ビニル被膜シースである。 各々のケーブルについて得られた諸特性を表4
に示す。 表3および表4の結果によれば、比較例5の絶
縁材料を用いたOFケーブルに比べ、本発明にな
る絶縁材料を用いたOFケーブルでは、低静電容
量、高破壊ストレスが実現できていることが判
る。即ち、従来より薄い絶縁層で従来以上の電気
絶縁特性を実現できることが判る。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の絶縁材料を用いたケーブルの実施
例を示す断面図である。 1……導体、2……油通路、3……導体バイン
ダー層、5……金属遮蔽層、6……コアバインダ
ー層、7……鉛被シース、8……塩ビシース。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 二軸配向ポリプロピレンフイルムの両面に、
    天然または合成繊維を用いてなる電気絶縁紙を貼
    り合せ積層した絶縁材料において、該ポリプロピ
    レンフイルムと該電気絶縁紙との接着に、融点
    100〜150℃のポリオレフインを用い、しかも該ポ
    リオレフイン層の表面から100Åまでの表層部に、
    イミノ型および/またはアミノ型の窒素原子を炭
    素原子100個当り3個以上有することを特徴とす
    る油浸ケーブル用絶縁材料。
JP2306885A 1985-02-08 1985-02-08 油浸ケ−ブル用絶縁材料 Granted JPS61183819A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61176013A (ja) * 1985-01-30 1986-08-07 東レ株式会社 油浸ケ−ブル用絶縁材料

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