JPH07266516A - 金属蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルム - Google Patents

金属蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルム

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JPH07266516A
JPH07266516A JP6061328A JP6132894A JPH07266516A JP H07266516 A JPH07266516 A JP H07266516A JP 6061328 A JP6061328 A JP 6061328A JP 6132894 A JP6132894 A JP 6132894A JP H07266516 A JPH07266516 A JP H07266516A
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layer
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polypropylene
metal vapor
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Masayoshi Asakura
正芳 朝倉
Shigeru Tanaka
茂 田中
Yoshio Tanaka
善雄 田中
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリプロピレン重合体を主成分とする基層(A
層)の少なくとも片面に、シンジオタクチックポリプロ
ピレン重合体樹脂層あるいはシンジオタクチックポリプ
ロピレン重合体とアイソタクチックポリプロピレン重合
体との混合樹脂層(B層)を積層してなるフイルムにお
いて、B層表面の中心線表面粗さ(Ra)が0.03〜
0.15μmであることを特徴とする金属蒸着用二軸配
向ポリプロピレン複合フイルム。 【効果】本発明のフイルムは金属蒸着した後のフイルム
の大幅なガス遮断性、防湿性の向上ができ、各種包装用
途に適する金属蒸着用ポリプロピレンフイルムとするこ
とができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着用二軸配向ポ
リプロピレン複合フイルムに関するものである。更に詳
しくは、二軸配向ポリプロピレン複合フイルムに金属蒸
着を施し、フイルムのガス遮断性、防湿性の向上に適し
た金属蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルムに関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来、ポリプロピレンフイルムは、透明
性、機械的特性、防湿性などに優れ、包装用途などに広
く用いられ、さらにフイルムのガス遮断性、防湿性を向
上するため金属蒸着膜を設ける加工が施されるが、ポリ
プロピレンフイルムの表面が不活性のため、満足なガス
遮断性、防湿性が得られない欠点がある。そこで金属蒸
着ポリプロピレンフイルムのガス遮断性、防湿性の改良
が従来からおこなわれている。例えば、従来技術とし
て、ポリプロピレンフイルムの表面にコロナ放電処理、
特に窒素ガス雰囲気中でコロナ放電する方法(特公昭5
6−18381号)、あるいはポリプロピレンフイルム
の表面に低融点のエチレン−α−オレフィン共重合体を
積層する方法(特公昭63−54541号)が挙げられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術によるポリプロピレンフイルムでは、近年の包
装業界のポリプロピレンフイルムへのガス遮断性、防湿
性の要求が高まり、満足できなくなっている。たとえば
ポテトチップスの包装では、風味を維持し、長期保存性
が要求される。また、蒸着フイルムに透明性が要求さ
れ、かつ電子レンジ対応のできる蒸着フイルムが望まれ
ている。例えば窒素ガス雰囲気中でコロナ放電する方法
では、アルミニウム金属を蒸着したポリプロピレンフイ
ルムのガス遮断性、防湿性が不十分であり、さらなる性
能向上がのぞまれており、またシリカ、アルミニウムな
どの金属酸化物を蒸着した透明な蒸着ポリプロピレンフ
イルムでは、その性能が不十分であるのが現状である。
またポリプロピレンフイルムの表面に低融点のエチレン
−α−オレフィン共重合体を積層する方法では、蒸着金
属の接着性は向上するが、ポリプロピレンフイルム表面
が蒸着金属の凝縮熱で軟化しやすい欠点(熱負け現象)
があり、ガス遮断性、防湿性の向上は望めない。本発明
は、かかる課題を解消せしめ、ポリプロピレンフイルム
に金属蒸着を施して大幅なガス遮断性、防湿性を向上し
うる金属蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルムを
提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】精鋭検討した結果、上記
課題を解決するためには、ポリプロピレン重合体を主成
分とする基層(A層)の少なくとも片面に、シンジオタ
クチックポリプロピレン重合体樹脂層あるいはシンジオ
タクチックポリプロピレン重合体とアイソタクチックポ
リプロピレン重合体との混合樹脂層(B層)を積層して
なるフイルムにおいて、B層表面の中心線表面粗さ(R
a)が0.03〜0.15μmであることを特徴とする
金属蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルムとす
る。
【0005】本発明のポリプロピレン重合体を主成分と
する基層(A層)に用いるポリプロピレン重合体(以下
iPP−1と略称する)とは結晶性ポリプロピレンであ
り、プロピレンの単独重合体、あるいはエチレン、ブテ
ン−1などのα−オレフィンを10重量%以下、好まし
くは6重量%以下、より好ましくは4重量%以下共重合
した共重合体も含まれる。好ましくはプロピレン単独重
合体である。ポリプロピレン重合体のメルトフロ−イン
デックス(MFI)は1.0〜10g/10分の範囲が
好ましく、より好ましくは2.5〜6g/10分であ
る。またアイソタクチックインデックス(II)は9
5.0〜99.5%が好ましく、さらに97.0〜9
9.0%の範囲がフイルムの結晶化度を高くすることが
でき、フイルムの防湿性からより好ましい。またフイル
ム製造上、フイルムの端部などが切り除かれ、これらを
回収原料として本発明を構成するA層に再利用すると、
フイルムの製造コストダウンができて好ましい。この場
合本発明のポリプロピレン重合体に、積層するB層樹脂
が15重量%以下混合したものも本発明のA層に含まれ
る。
【0006】本発明のB層を構成するシンジオタクチッ
クポリプロピレン重合体(以下sPPと略称する)は、
実質的にシンジオタクチック構造を有する単独重合体あ
るいは10重量%以下、好ましくは5重量%以下のα−
オレフィンを共重合した共重合体である。好ましくはs
PP単独重合体である。このようなsPPは、一般に立
体剛性メタロセン触媒を用いて重合され、その公知な方
法として特開平2−41303号、特開平2−4130
5号あるいは特開平4−25514号が挙げられる。本
発明のsPP単独重合体は13C−NMRで測定される
シンジオタクチックペンタッド分率が0.7以上、好ま
しくは0.8以上である。また、sPP共重合体のシン
ジオタクチックペンタッド分率は0.5以上が好まし
い。sPPに共重合するα−オレフィンモノマーとして
は、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等があげら
れ、エチレン、ブテン−1が特に好ましい。sPPの好
ましい分子量としては、135℃テトラリン溶液で測定
した極限粘度として0.5〜3.0の範囲が好ましい。
またsPPの融点は125〜160℃の範囲が好まし
く、さらに135〜155℃の範囲が金属蒸着時の熱負
けしににくなるのでより好ましい。またsPPのMFI
は1.0〜10.0g/10分の範囲が好ましく、さら
に2.5〜6.0g/10分の範囲が積層押出性の点か
らより好ましい。本発明のB層は、sPP単独重合体が
好ましく用いるが、さらにsPPとアイソタクチックポ
リプロピレンの混合樹脂とすることができる。sPPと
iPPの混合樹脂とすると、本発明のフイルムに金属蒸
着したときに、フイルムのガス遮断性、防湿性がより一
層向上する。
【0007】本発明のB層のsPPと混合するアイソタ
クチックポリプロピレン(以下iPP−2と略称する)
は、実質的にアイソタクチック構造を有するポリプロピ
レン単独重合体、あるいはエチレン、ブテン−1などの
α−オレフィンモノマ−を10重量%以下、好ましくは
6重量%以下、さらによりこのましくは4重量%以下共
重合した共重合体も含まれる。好ましくはアイソタクチ
ックポリプロピレン単独重合体である。ポリプロピレン
重合体のメルトフロ−インデックス(MFI)は1.0
〜10.0g/10分の範囲が好ましく、より好ましく
は2.5〜6.0g/10分である。またアイソタクチ
ックインデックス(II)は95.0〜99.5%の範
囲が好ましい。sPPとiPPの混合比が9:1〜1:
9の範囲が好ましく、より好ましくは9:1〜2:8の
範囲であり、さらにより好ましくは8:2〜4:6の範
囲である。sPPとiPPの混合比をこの範囲とするこ
とで、金属蒸着後のフイルムのガス遮断性、防湿性がよ
り一層向上するので好ましい。
【0008】本発明の複合フイルムは二軸方向に延伸し
た二軸配向ポリプロピレン複合フイルムであり、二軸配
向することで、フイルムのガス遮断性、防湿性が未配向
より良くなるので好ましい。また本発明の複合フイルム
の構成は、A層/B層、あるいはB層/A層/B層であ
り、好ましくはA層/B層であり、この場合B層/A層
/ヒートシール層となるようにヒートシール層を積層す
ることもできる。複合フイルムの全厚みは限定されるも
のでないが、好ましくは10〜40μm、より好ましく
は15〜25μmの範囲である。また、B層の厚みは
0.2〜2.5μmが好ましく、より好ましくは0.3
〜1.5μmである。B層の厚みがこの範囲未満では、
B層表面に積層むらによる表面あれがおこり、ガス遮断
性、防湿性などの特性にバラツキが生じるので好ましく
ない。またこの範囲を超える場合は、ガス遮断性、防湿
性のより一層の向上が望めないので好ましくなく、また
金属蒸着時に金属蒸気がフイルム面に凝縮するときに、
その凝縮熱でフイルム表面が軟化し、フイルムの蒸着面
の光沢が低下するので好ましくない。
【0009】本発明の二軸配向ポリプロピレン複合フイ
ルムのB層表面の中心線表面粗さ(Ra)は0.03〜
0.15μm、好ましくは0.03〜0.12μm、さ
らに好ましくは0.04〜0.8μmの範囲である。本
発明の範囲未満では、フイルムが平滑し過ぎるためか金
属蒸着後のフイルムの滑り性が悪く、またガス遮断性、
防湿性が劣るので好ましくない。またこの範囲を超える
場合は金属蒸着後のフイルムの表面の光沢性が劣り、ガ
ス遮断性、防湿性が劣るので好ましくない。
【0010】本発明の二軸配向ポリプロピレン複合フイ
ルムのB層表面の濡れ張力は、好ましくは31〜60d
yne/cm、より好ましくは35〜60dyne/c
m、さらにより好ましく40〜55dyne/cmであ
る。濡れ張力が本発明の範囲未満では金属蒸着膜との密
着性が不十分となり、金属蒸着膜にクラックが入り易く
なり好ましくない。またこの範囲を超える場合はフイル
ム表面の親水性が大きくなり、防湿性が劣りやすくなる
ので好ましくない。
【0011】本発明の二軸配向ポリプロピレン複合フイ
ルムのB層表面の酸素と炭素の原子数比(O/C)が好
ましくは0.02〜0.40の範囲、さらに好ましくは
0.05〜0.35の範囲、より好ましくは0.1〜
0.30の範囲である。O/Cが本発明の範囲とするこ
とで、ガス遮断性、防湿性が向上し好ましい。
【0012】B層表面の酸素と炭素の原子数比の中で、
検出されると炭素と酸素の官能基の種類のうち、カルボ
ン酸基(−COO−)として検出される原子数比(−C
OO−/C)が好ましくは1/100以上、より好まし
くは2/100以上である。このカルボン酸基は、フイ
ルム表面と蒸着金属の界面で金属結合体が形成され、蒸
着フイルムのガス遮断性、防湿性が向上するので好まし
い。
【0013】本発明のフイルムは、必要に応じて、少量
の熱安定剤、酸化防止剤、無機の滑剤などが含有せしめ
ることが好ましい。例えば熱安定剤としては2,6−ジ
−第3ブチル−4−メチルフェノール(BHT)などが
0.5重量%以下、酸化防止剤としてはテトラキス−
(メチレン−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ハイドロ
オキシ−ハイドロシンナメート))ブタン(Irgan
ox 1010)などを0.1重量%以下で添加される
のが好ましい。また有機の滑剤、例えばステアリン酸ア
ミドなどは添加せず、シリカ、ゼオライトなどの無機粒
子の滑剤あるいは架橋スチレンなどのような有機架橋粒
子を用いるのが好ましい。
【0014】本発明の二軸配向ポリプロピレン複合フイ
ルムは、該B層面に金属蒸着膜を付設して、フイルムの
ガス遮断性、防湿性に優れたフイルムとして、包装用フ
イルムなどに好適に用いられるものとする。ここで金属
蒸着膜とは、アルミニウム、亜鉛、チタンなどの金属
類、また不完全酸化アルミニウム、不完全酸化ケイ素な
どの金属酸化物の皮膜である。これらの蒸着方法は公知
な方法で行なうことができ、例えば、金属類の蒸着は、
高度な真空容器内でフイルムを走行させ、金属あるいは
一酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物などを加熱溶融し
蒸発させ、フイルム面に凝縮堆積させ、蒸着膜を付設す
る。また不完全酸化アルミニウム膜の場合は、アルミニ
ウム金属を加熱溶融し、蒸発させ、蒸発箇所に少量の酸
素ガスを供給し、アルミニウムを不完全酸化させなが
ら、フイルム面に凝縮堆積させ、蒸着膜を付設する。蒸
着膜の厚みとしては、金属類の蒸着膜の場合は300〜
800オングストロームの範囲が好ましく、また不完全
金属酸化物の場合は50〜200オングストロームの範
囲が好ましい。
【0015】次に、本発明のフイルムの製造方法につい
て説明する。
【0016】まず、本発明のポリプロピレン重合体を主
成分とするA層樹脂とsPP、あるいはsPPとiPP
の混合樹脂からなるB層樹脂を準備し、該原料を別々の
押出機に供給し、230〜280℃の温度で溶融押出
し、瀘過フルターを経た後、短管内、あるいは口金内
で、A層/B層、あるいはB層/A層/B層となるよう
に合流せしめ、スリット状口金から押出し、金属ドラム
に巻き付けてシ−ト状に冷却固化せしめ、未延伸フイル
ムとする。この場合冷却用金属ドラムの温度は30〜7
0℃とし、フイルムを結晶化させるのが好ましい。
【0017】この未延伸フイルムを二軸延伸し、二軸配
向せしめる。延伸方法は、逐次二軸延伸法、又は同時二
軸延伸法を用いることができ、特に逐次二軸延伸法がフ
イルムの防湿性の点で好ましい。逐次延伸方法として
は、まず、未延伸フイルムを120〜150℃の温度に
加熱し、長手方向に4〜7倍延伸した後、冷却し、次い
で、テンター式延伸機に導き、140〜165℃の温度
に加熱し、幅方向に6〜10倍に延伸した後、155〜
170℃の温度で弛緩熱処理し、冷却する。熱処理温度
からの冷却過程において、70〜120℃の温度で、1
〜20秒の範囲で保持した後、室温に冷却するのが、フ
イルムのB層表面の滑性が向上するので好ましい。
【0018】本発明の複合フイルムのB層面の中心線表
面粗さの変更はsPPのMFIの変更、あるいはsPP
のMFIとiPPのMFIの組み合わせ、あるいは混合
比率を変更することで達成できる。得られた二軸配向ポ
リプロピレン複合フイルムのB層表面の濡れ張力及び酸
素と炭素の原子数比(O/C)を本発明の範囲とするに
は、B層面にコロナ放電処理あるいは減圧下において希
薄ガス中でのプラズマ処理を施して行なわれる。ここで
コロナ放電処理時の雰囲気ガスは空気、窒素(酸素濃度
が3vol%以下)、炭酸ガスあるいは窒素/炭酸ガス
の混合系のいずれでも良く、好ましくは窒素/炭酸ガス
の混合ガス(体積比=95/5〜50/50)である。
またプラズマ処理は10−4 torr程度の真空度の容
器内に少量のアルゴン、ヘリウム、炭酸ガスなどを導入
しながら高電圧を印加した電極からフイルムB層面に向
けてグロー状放電させながら処理する。この時炭酸ガス
が処理効果、経済性の点で好ましい。処理強度は電圧×
電流×電極幅×フイルム走行速度(W/m2 /min)
から算出するが、処理強度としては好ましくは5〜40
0W/m2 /min、さらに好ましくは10〜200W
/m2 /min、より好ましくは20〜100W/m2
/minである。B層表面に表面処理を施して、その表
面に金属蒸着する場合の好ましい組み合わせは特に限定
されないが、例えばアルミニウムなどの金属類の蒸着の
場合は窒素/炭酸ガスの混合ガス雰囲気中でのコロナ放
電処理、あるいはプラズマ処理が好ましい。また不完全
酸化アルミニウム、又は不完全酸化ケイ素などの金属酸
化物の場合はプラズマ処理、または窒素/炭酸ガスの混
合ガス雰囲気中でのコロナ放電処理とプラズマ処理の重
ね合わせ処理が有効に用いことができる。
【0019】
【特性値の測定法】本発明の特性値は次の測定法によ
る。
【0020】(1)中心線表面粗さ(Ra) 小坂研究所製、三次元表面粗さ計を用いて下記の条件で
3サンプルを測定し、その平均値で示した。
【0021】測定長 : 2mm 縦倍率 :500倍 横倍率 :50倍 測定ピッチ:10μm(30本) 0.1mm/s c/o :0.25
【0022】(2)シンジオタクチックペンタッド分率 複合層ポリマについて、13C−NMRでトリクロロベ
ンゼン中で135℃で測定した時テトラメチルシランを
基準として、約20.2ppmに現われるシンジオタク
チックペンタッド構造に帰属されるメチル基のピークを
全メチル基のピークの総和で除した値で示した。
【0023】(3)フイルムの積層厚み フイルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で下記の
条件を用い写真撮影し、積層厚みを測定した。
【0024】 装 置:日本電子製JEM−1200EX 観測倍率:10000倍 加速電子:100kV 切片厚さ:1000オングストローム
【0025】(4)アイソタクチックインデックス(I
I) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W
(mg)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ、沸
騰n−ヘプタンで12時間抽出する。次にこの試料を取
り出しアセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間乾
燥しその後重量W’(mg)を測定し次式で求める。
【0026】II=(W’/W)×100(%)
【0027】(5)フイルム表面の濡れ張力 JIS K−6768の方法で測定した。
【0028】(6)メルトフローインデックス(MF
I) JIS K−6758ポリプロピレン試験方法(230
℃、2.16kgf)で測定した値を示した。
【0029】(7)水蒸気透過率(防湿性) JIS Z−0208に従い、40℃、90%RHの測
定した値で、g/m2・日/厚み18μmシート当たり
の単位で示した。
【0030】(8)フイルムの表面のO/C原子数比 ESCAスペクトロメータ(島津製作所製、ESCA7
50)を用い、励起X線MgKα 1.2線(284.
6eV)、光電子脱出角度90°で炭素1S軌道
(C1S)スペクトルと酸素1S軌道(O1S)スペクトル
を測定し、各々のピークの積分強度比をもとに、炭素原
子数と酸素原子数の比を求めた。
【0031】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0032】実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例3 本発明のポリプロピレン重合体を主成分とするA層樹脂
として、アイソタクチックポリプロピレン単独重合体
(II=97.0%、MFI=2.5g/10分、iP
P−1)とB層を構成する樹脂として、シンジオタクチ
ックペンタッド分率0.92のシンジオタクチックホモ
ポリプロフピレン樹脂(MFI=3.5g/10分、s
PP−1)及びsPP−1とアイソタクチックポリプロ
ピレン単独重合体(II=96.5%、MFI=3.5
g/10分、iPP−2)を表1の組成に混合した樹脂
を準備し、これらA層樹脂とB層樹脂を別々の押出機に
供給し、260℃の温度で溶融押出し、瀘過フィルター
を経た後、短管内でA層/B層となるように合流せし
め、スリット状口金から押出し、40℃の温度に加熱し
た金属ドラムに巻き付けてシート状に成形した。このシ
ートを135℃の温度に加熱し長手方向に5倍延伸し冷
却した後、引き続きテンタ式延伸機に導き、165℃の
温度に加熱し、幅方向に9倍延伸後、165℃の温度で
幅方向に8%の弛緩を与えつつ12秒間熱処理して、1
00℃に冷却保持(6秒間)し、次いで常温に冷却して
巻き取った。フイルムの全厚さは18μm、B層の厚さ
は1μmになるように調節した。得られたフイルムの特
性を表1、表2に示す。実施例6は実施例3のB層樹脂
のiPP−2のみをエチレン量3.2重量%共重合アイ
ソタクチックポリプロピレン(MFI=4.5g/10
分、iPP−3)に変更して、他の条件は実施例3と同
様にしてフイルムを得た。また比較例1として、実施例
1のB層樹脂(sPP−1)をiPP−2樹脂のみに変
更し、また比較例2は実施例2のB層のiPP−2をア
イソタクチックインデックス96.5%のアイソタクチ
ックポリプロピレン(MFI=0.3g/10分、iP
P−4)に変えた以外は実施例1と同様にして、二軸配
向複合フイルムを得た。また比較例3は実施例6の積層
厚みを3.5μmとした以外は実施例4と同様にして得
られた二軸配向複合フイルムを得た。フイルムの特性を
表1、表2に示す。
【0033】得られたフイルムのB層に表1、表2に示
した方法で表面処理を施し、B層表面の濡れ張力、O/
Cの向上を行なった。それらのフイルムの特性を表1、
表2に示した。更に本発明の二軸配向複合フイルムの金
属蒸着後の水蒸気透過率を評価するため、表1、表2に
示した金属を真空蒸着した。この蒸着フイルムの水蒸気
透過率は表1、表2に示した通りである。
【0034】
【表1】
【表2】 本発明の範囲内の複合フイルムは金属蒸着した後の優れ
たガス遮断性、防湿性が発揮できる二軸配向ポリプロピ
レン複合フイルムとすることができた(実施例1〜実施
例6)。特にB層表面にコロナ放電処理あるいは/又は
プラズマ処理を施し、B層表面の濡れ張力、あるいはO
/Cを本発明の範囲とすることで、さらなる特性の向上
ができる。
【0035】しかし、比較例1、比較例2はB層の樹
脂、表面粗さが本発明の範囲外となり、金属蒸着した後
のフイルムのガス遮断性、防湿性の著しい向上がなく。
また表面処理の効果も小さく、本発明の目的を満足する
ことができない。また比較例3はガス遮断性、防湿性の
特性は十分であるが、金属蒸着後の蒸着面の光沢が悪化
し、フイルムの品位が低下して好ましくない。
【0036】
【発明の効果】本発明のフイルムは特定のsPP樹脂
層、あるいはsPPとiPPとの混合樹脂層を積層した
二軸配向ポリプロピレン複合フイルムとして、フイルム
のB層表面粗さを特定の範囲としたことで、金属蒸着膜
を付設して、ガス遮断性、防湿性の優れたフイルムとな
る金属蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルムを得
ることができた。特にB層表面に表面処理を行ない、フ
イルムのB層表面の濡れ張力、あるいは酸素と炭素の原
子数比(O/C)を制御することで金属蒸着膜を付設し
て、ガス遮断性、防湿性に特に優れたフイルムとなる金
属蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルムを得るこ
とができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン重合体を主成分とする基
    層(A層)の少なくとも片面に、シンジオタクチックポ
    リプロピレン重合体樹脂層あるいはシンジオタクチック
    ポリプロピレン重合体とアイソタクチックポリプロピレ
    ン重合体との混合樹脂層(B層)を積層してなるフイル
    ムにおいて、B層表面の中心線表面粗さ(Ra)が0.
    03〜0.15μmであることを特徴とする金属蒸着用
    二軸配向ポリプロピレン複合フイルム。
  2. 【請求項2】 シンジオタクチックポリプロピレン重合
    体とアイソタクチックポリプロピレン重合体との混合比
    が9:1〜1:9であることを特徴とする請求項1に記
    載の金属蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルム。
  3. 【請求項3】 B層の積層厚みが0.2〜2.5μmで
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    金属蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルム。
  4. 【請求項4】 B層表面の表面濡れ張力が31〜60d
    yne/cmの範囲であることを特徴とする請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載の金属蒸着用二軸配向ポリプ
    ロピレン複合フイルム。
  5. 【請求項5】 B層表面の酸素と炭素の原子数比(O/
    C)が0.02〜0.40であることを特徴とする請求
    項1〜請求項4のいずれかに記載の金属蒸着用二軸配向
    ポリプロピレン複合フイルム。
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WO2001034389A1 (en) * 1999-11-08 2001-05-17 Mobil Oil Corporation Metallized multi-layer film
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