JPH07329259A - 金属蒸着用未延伸ポリプロピレン複合フイルム - Google Patents

金属蒸着用未延伸ポリプロピレン複合フイルム

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JPH07329259A
JPH07329259A JP6123995A JP12399594A JPH07329259A JP H07329259 A JPH07329259 A JP H07329259A JP 6123995 A JP6123995 A JP 6123995A JP 12399594 A JP12399594 A JP 12399594A JP H07329259 A JPH07329259 A JP H07329259A
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JP6123995A
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Kokichi Hashimoto
幸吉 橋本
Masayoshi Asakura
正芳 朝倉
Yoshio Tanaka
善雄 田中
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アイソタクチックポリプロピレン共重合体を主
成分とする基層(A層)の少なくとも片面に、シンジオ
タクチックポリプロピレン重合体あるいはシンジオタク
チックポリプロピレン重合体とアイソタクチックポリプ
ロピレン重合体の混合樹脂あるいはアイソタクチックポ
リプロピレン重合体を主成分とする樹脂層(B層)を積
層してなることを特徴とする金属蒸着用未延伸ポリプロ
ピレン複合フイルム。 【効果】本発明のフイルムは金属蒸着した後のフイルム
の大幅なガス遮断性、防湿性の向上ができ、各種包装用
途に適する金属蒸着用未延伸ポリプロピレン複合フイル
ムとすることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着用未延伸ポリ
プロピレン複合フイルムに関するものである。更に詳し
くは、未延伸ポリプロピレン複合フイルムに金属蒸着を
施し、フイルムのガス遮断性、防湿性の向上に適した金
属蒸着用未延伸ポリプロピレン複合フイルムに関するも
のである。
【0002】
【従来技術】従来、未延伸ポリプロピレン共重合体フイ
ルムは、透明性、機械的特性、防湿性及びヒートシール
性に優れ、二軸配向ポリプロピレンフイルムあるいはポ
リエチレンテレフタレートフイルムなどの耐熱基材とラ
ミネートして、包装材料のヒートシール層として、広く
包装用途などに用いられ、さらにフイルムのガス遮断
性、防湿性を向上するため金属蒸着膜を設け、耐熱フイ
ルム/印刷層/接着層/蒸着膜/未延伸ポリプロピレン
共重合フイルムの構成で好ましく用いられている。しか
し未延伸ポリプロピレン共重合フイルムの表面は不活性
のため、満足な密着性が得られないばかりか、ヒートシ
ール性という機能からフイルムの耐熱性、強度が不足し
ているため、金属蒸着加工時に伸び変形などが起こりや
すく、また金属蒸着したフイルムを耐熱フイルムなどと
ラミネート加工する場合に、熱によるフイルムの伸縮で
金属蒸着膜にクラックなどが生じて、ガス遮断性、防湿
性が低下するのが現状である。そこで金属蒸着ポリプロ
ピレンフイルムのガス遮断性、防湿性の改良が従来から
おこなわれている。例えば、従来技術として、ポリプロ
ピレンフイルムの表面にコロナ放電処理、特に窒素ガス
雰囲気中でコロナ放電する方法(特公昭56−1838
1号)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術によるポリプロピレンフイルムでは、近年の包
装業界のポリプロピレンフイルムへのガス遮断性、防湿
性の要求が高まり、満足できなくなっている。たとえば
ポテトチップスの包装では、風味を維持し、長期保存性
が要求される。また、蒸着フイルムに透明性が要求さ
れ、かつ電子レンジ対応のできる蒸着フイルムが望まれ
ている。例えば窒素ガス雰囲気中でコロナ放電する方法
では、アルミニウム金属を蒸着したポリプロピレンフイ
ルムのガス遮断性、防湿性が不十分であり、さらなる性
能向上がのぞまれており、またシリカ、アルミニウムな
どの金属酸化物を蒸着した透明な蒸着ポリプロピレンフ
イルムでは、その性能が不十分であるのが現状である。
本発明は、かかる課題を解消せしめ、ポリプロピレンフ
イルムに金属蒸着を施して大幅なガス遮断性、防湿性を
向上しうる金属蒸着用未延伸ポリプロピレン複合フイル
ムを提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】精鋭検討した結果、上記
課題を解決するためには、アイソタクチックポリプロピ
レン共重合体を主成分とする基層(A層)の少なくとも
片面に、シンジオタクチックポリプロピレン重合体ある
いはシンジオタクチックポリプロピレン重合体とアイソ
タクチックポリプロピレン重合体の混合樹脂あるいはア
イソタクチックポリプロピレン重合体を主成分とする樹
脂層(B層)を積層してなることを特徴とする金属蒸着
用未延伸ポリプロピレン複合フイルムとする。
【0005】本発明のアイソタクチックポリプロピレン
共重合体を主成分とする基層(A層)に用いるアイソタ
クチックポリプロピレン共重合体(以下iCPPと略称
する)とは、実質的にアイソタクチック構造をするプロ
ピレンとα−オレフィンとの共重合体である。共重合す
るα−オレフィンモノマーとしては、エチレン、ブテン
−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1等があげられ、エチレン、ブテン
−1が特に好ましい。α−オレフィンモノマーの共重合
量としては3〜15重量%の範囲が好ましく、エチレン
モノマーの場合は2〜6重量%、ブテン−1モノマーの
場合は3〜10重量%の範囲が好ましい。具体的な実施
対応としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−ブテン−1−プロピレン共重合体などが挙げられ
る。iCPPの融点はヒートシール性の付与の観点から
125〜145℃の範囲が好ましい。iCPPのメルト
フローインデックス(MFI)は1.0〜10g/10
分の範囲が好ましく、より好ましくは2.5〜6g/1
0分である。
【0006】本発明のB層を構成するアイソタクチック
ポリプロピレン重合体(以下iPPと略称する)とは、
実質的にアイソタクチック構造を有するポリプロピレン
単独重合体、あるいはエチレン、ブテン−1などのα−
オレフィンモノマーを好ましくは6重量%以下、さらに
好ましくは4重量%以下、より好ましくは2重量%以下
共重合した共重合体も含まれる。iPPの融点は、好ま
しくは140℃以上、さらに好ましく150℃以上の範
囲が金属蒸着時の熱負けしににくなるのでより好まし
い。iPPのメルトフローインデックス(MFI)は
1.0〜10g/10分の範囲が好ましく、より好まし
くは2.5〜6g/10分の範囲が積層押出性の点から
より好ましい。
【0007】本発明のB層を構成するシンジオタクチッ
クポリプロピレン重合体(以下sPPと略称する)と
は、実質的にシンジオタクチック構造を有する単独重合
体あるいは10重量%以下、好ましくは5重量%以下の
α−オレフィンを共重合した共重合体である。好ましく
はsPP単独重合体である。このようなsPPは、一般
に立体剛性メタロセン触媒を用いて重合され、その公知
な方法として特開平2−41303号、特開平2−41
305号あるいは特開平4−25514号が挙げられ
る。本発明のsPP単独重合体は13C−NMRで測定さ
れるシンジオタクチックペンタッド分率が0.7以上、
好ましくは0.8以上である。また、sPP共重合体の
シンジオタクチックペンタッド分率は0.5以上がが好
ましい。sPPに共重合するα−オレフィンモノマーと
しては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メ
チルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等があ
げられ、エチレン、ブテン−1が特に好ましい。sPP
の好ましい分子量としては、135℃テトラリン溶液で
測定した極限粘度として0.5〜3.0の範囲が好まし
い。またsPPの融点は130〜160℃の範囲が好ま
しく、さらに140〜155℃の範囲が金属蒸着時の熱
負けしににくなるのでより好ましい。またsPPのMF
Iは1.0〜10g/10分の範囲が好ましく、さらに
2.5〜6.0g/10分の範囲が積層押出性の点から
より好ましい。本発明のB層は、sPPが好ましく用い
るが、さらにiPPとsPPの混合樹脂とすることがで
きる。iPPとsPPの混合樹脂とすると、理由はさだ
かでないが、本発明のフイルムに金属蒸着すると、フイ
ルムのガス遮断性、防湿性がより一層向上する。
【0008】本発明のB層のiPPとsPPの混合樹脂
の混合比率は9:1〜1:9の範囲が好ましく、より好
ましくは8:2〜2:8の範囲であり、さらにより好ま
しくは6:4〜3:7の範囲である。sPPとiPPの
混合比をこの範囲とすることで、金属蒸着後のフイルム
のガス遮断性、防湿性がより一層向上するので好まし
い。
【0009】本発明の複合フイルムにおいて、B層を構
成する樹脂の融点が、A層を構成するiCPPの融点よ
り好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上高い
ことが、金属蒸着時の蒸着熱により複合フイルムの熱負
けが起こりにくくなるので好ましい。
【0010】ここでA層樹脂とB層樹脂の融点とは、D
SC法で測定される融解ピーク温度であり、混合樹脂の
ときに2個以上の融点が検出された場合は、A層とB層
を構成する主成分樹脂の融点に帰属される融点をいう。
【0011】本発明の複合フイルムはA層樹脂とB層樹
脂を共押出し、フイルム状に成形された未延伸複合フイ
ルムである。本発明の複合フイルムの構成は、A層/B
層、あるいはA層/B層/A層であり、好ましくはA層
/B層である。複合フイルムの全厚みは限定されるもの
でないが、好ましくは15〜100μm、より好ましく
は20〜70μmの範囲である。また、B層の厚みは1
μm以上、好ましく2μm以上であり、A層の厚みとB
層厚みの積層比率は20:1〜1:2、好ましくは1
0:1〜1:1の範囲である。B層厚みがこの範囲未満
では、金属蒸着加工後のガス遮断性、防湿性(特に耐熱
フイルムとのラミネート後の加工品)が劣るので好まし
くない。
【0012】本発明の未延伸ポリプロピレン複合フイル
ムのB層表面の酸素と炭素の原子数比(O/C)が好ま
しくは0.02〜0.35の範囲、さらに好ましくは
0.04〜0.30の範囲、より好ましくは0.07〜
0.25の範囲である。O/Cが本発明の範囲とするこ
とで、ガス遮断性、防湿性がさらに向上し好ましい。
【0013】本発明の未延伸ポリプロピレン複合フイル
ムのB層表面の濡れ張力は、好ましくは31〜60dy
ne/cm、さらに好ましくは35〜60dyne/c
m、より好ましく40〜55dyne/cmである。濡
れ張力が本発明の範囲未満では金属蒸着膜との密着性が
不十分となり、金属蒸着膜にクラックが入り易くなり好
ましくない。またこの範囲を超える場合はフイルム表面
の親水性が大きくなり、防湿性が劣りやすくなるので好
ましくない。
【0014】本発明の複合フイルムは、必要に応じて、
少量の熱安定剤、酸化防止剤、無機の滑剤、有機の滑剤
などを含有せしめるのが好ましい。例えば熱安定剤とし
ては2,6−ジ−第3−ブチル−4−メチルフェノール
(BHT)などが0.5重量%以下、酸化防止剤として
はテトラキス−(メチレン−(3,5−ジ−第3−ブチ
ル−4−ハイドロオキシ−ハイドロシンナメート))ブ
タン(“Irganox”1010)などを0.1重量
%以下で添加されるのが好ましい。
【0015】本発明の未延伸ポリプロピレン複合フイル
ムは、該B層面に金属蒸着膜を付設して、フイルムのガ
ス遮断性、防湿性に優れたフイルムとして、包装用フイ
ルムなどに好適に用いられるものとする。ここで金属蒸
着膜とは、アルミニウム、亜鉛、チタンなどの金属類、
また不完全酸化アルミニウム、不完全酸化ケイ素などの
金属酸化物の皮膜である。これらの蒸着方法は公知な方
法で行なうことができ、例えば、金属類の蒸着は、高度
な真空容器内でフイルムを走行させ、金属あるいは一酸
化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物などを加熱溶融し蒸発
させ、フイルム面に凝縮堆積させ、蒸着膜を付設する。
また不完全酸化アルミニウム膜の場合は、アルミニウム
金属を加熱溶融し、蒸発させ、蒸発箇所に少量の酸素ガ
スを供給し、アルミニウムを不完全酸化させながら、フ
イルム面に凝縮堆積させ、蒸着膜を付設する。蒸着膜の
厚みとしては、金属類の蒸着膜の場合は300〜800
オングストロームの範囲が好ましく、また不完全金属酸
化物の場合は50〜200オングストロームの範囲が好
ましい。
【0016】次に、本発明のフイルムの製造方法につい
て説明する。
【0017】まず、本発明のiCPPを主成分とするA
層樹脂とiPPあるいはsPPあるいはsPPとiPP
の混合樹脂からなるB層樹脂を準備し、該原料を別々の
押出機に供給し、230〜280℃の温度で溶融押出
し、瀘過フィルターを経た後、短管内、あるいは口金内
で、A層/B層、あるいはB層/A層/B層となるよう
に合流せしめ、スリット状口金から押出し、金属ドラム
に巻き付けてシート状に冷却固化せしめ、未延伸フイル
ムとする。この場合冷却用金属ドラムの温度は好ましく
は40〜60℃とし、フイルムの温度が40℃前後の状
態でロール状に巻とり、8時間程度放置して徐冷して、
B層を結晶化させるのが好ましい。得られた未延伸ポリ
プロピレン複合フイルムのB層表面の濡れ張力あるいは
酸素と炭素の原子数比(O/C)を本発明の範囲とする
には、B層面にコロナ放電処理あるいは減圧下において
希薄ガス中でのプラズマ処理を施しておなわれる。ここ
でコロナ放電処理時の雰囲気ガスは空気、窒素(酸素濃
度が3vol%以下)、炭酸ガスあるいは窒素/炭酸ガ
スの混合系のいずれでも良く、好ましくは窒素/炭酸ガ
スの混合ガス(体積比=95/5〜50/50)であ
る。またプラズマ処理は10−4 torr程度の真空度
の容器内に少量のアルゴン、ヘリウム、炭酸ガスなどを
導入しながら高電圧を印加した電極からフイルムB層面
に向けてグロー状放電させながら処理する。この時炭酸
ガスが処理効果、経済性の点で好ましい。処理強度は電
圧×電流×電極幅×フイルム走行速度(W/m2 /mi
n)から算出するが、処理強度としては好ましくは5〜
400W/m2 /min、さらに好ましくは10〜20
0W/m2 /min、より好ましくは20〜100W/
2/minである。B層表面に表面処理を施して、そ
の表面に金属蒸着する場合の好ましい組み合わせは特に
限定されないが、例えばアルミニウムなどの金属類の蒸
着の場合は窒素/炭酸ガスの混合ガス雰囲気中でのコロ
ナ放電処理、あるいはプラズマ処理が好ましい。また不
完全酸化アルミニウム、又は不完全酸化ケイ素などの金
属酸化物の場合はプラズマ処理、または窒素/炭酸ガス
の混合ガス雰囲気中でのコロナ放電処理とプラズマ処理
の重ね合わせ処理が有効に用いことができる。
【0018】
【特性値の測定法】本発明の特性値は次の測定法によ
る。
【0019】(1)シンジオタクチックペンタッド分率13 C−NMRでトリクロロベンゼン中で135℃で測定
した時テトラメチルシランを基準として、約20.2p
pmに現われるシンジオタクチックペンタッド構造に帰
属されるメチル基のピークを全メチル基のピークの総和
で除した値で示した。
【0020】(2)フイルムの積層厚み フイルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で下記の
条件を用い写真撮影し、積層厚みを測定した。
【0021】 装 置:日本電子製JEM−1200EX 観測倍率:10000倍 加速電子:100kv 切片厚さ:1000オングストローム (3)アイソタクチックインデックス(II) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W
(mg)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ沸騰
n−ヘプタンで12時間抽出する。次にこの試料を取り
出しアセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間乾燥
しその後重量W’(mg)を測定し次式で求めた。
【0022】II=(W’/W)×100(%) (4)フイルム表面の濡れ張力 JIS K−6768の方法で測定した。
【0023】(5)メルトフロ−インデックス(MF
I) JIS K−6758ポリプロピレン試験方法(230
℃、2.16kgf)で測定した値を示した。
【0024】(6)水蒸気透過率(防湿性) JIS Z−0208に従い、40℃、90%RHの測
定した値で、g/m2・日/シート当たりの単位で示し
た。
【0025】(7)フイルムの表面のO/C原子数比 ESCAスペクトロメータ(島津製作所製、ESCA7
50)を用い、励起X線MgKα 1.2線(284.
6eV)、光電子脱出角度90°で炭素1S軌道
(C1S)スペクトルと酸素1S軌道(O1S)スペクトル
を測定し、各々のピークの積分強度比をもとに、炭素原
子数と酸素原子数の比を求めた。
【0026】(8)融点 示差走査熱量計(DSC−2型、パーキンエルマ社製)
を用い、サンプル5mgを室温より20℃/分の昇温温
度で昇温していった際、結晶の融解に伴う融解吸熱ピー
ク温度を融点とした。
【0027】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0028】実施例1〜実施例5、比較例1 本発明のポリプロピレン共重合体を主成分とするA層樹
脂として、アイソタクチックポリプロピレン共重合体
(エチレン共重合量=2重量%、ブテン−1共重合量=
4重量%、MFI=3.5g/10分、融点=133
℃、iCPP−1)とB層を構成する樹脂として、アイ
ソタクチックポリプロピレン単独重合体(II=96.
5%、MFI=3.5g/10分、融点=165℃、i
PP−1)、アイソタクチックポリプロピレン共重合体
(エチレン共重合量=2重量%、MFI=3.5g/1
0分、融点=152℃、iPP−2)、シンジオタクチ
ックペンタッド分率0.92のシンジオタクチックホモ
ポリプロフピレン樹脂(MFI=3.0g/10分、融
点=145℃、sPP−1)を用い、表1、表2、表
3、表4の通りに準備し、これらA層樹脂とB層樹脂を
別々の押出機に供給し、260℃の温度で溶融押出し、
瀘過フィルターを経た後、短管内でA層/B層となるよ
うに合流せしめ、スリット状口金から押出し、45℃の
温度に加熱した金属ドラムに巻き付けてシート状に成形
し、30μmの未延伸複合フイルムを得た。ロール状に
巻とったフイルム温度は35℃であり、24時間放置
後、小幅に再スリットした。B層の厚さは5μmになる
ように調節した。得られたフイルムの特性を表1、表
2、表3に示す。また比較例1として、実施例1のB層
樹脂の押出を停止し、他の条件は実施例1と同様にし
て、iCPP−1の単膜フィルムを得た。フイルムの特
性を表4に示す。
【0029】得られたフイルムのB層に表1、表2、表
3、表4に示した方法で表面処理を施し、B層表面のO
/Cの向上を行なった。それらのフイルムの特性を表
1、表2、表3、表4に示した。更に本発明の未延伸複
合フイルムの金属蒸着後の水蒸気透過率を評価するた
め、表1、表2、表3、表4に示した金属を真空蒸着し
た。この蒸着フイルムの水蒸気透過率は表1、表2、表
3、表4に示した通りである。
【0030】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 本発明の範囲内の複合フイルムは金属蒸着した後の優れ
たガス遮断性、防湿性が発揮できる未延伸ポリプロピレ
ン複合フイルムとすることができた(実施例1〜実施例
5)。特にB層表面にコロナ放電処理あるいは/又はプ
ラズマ処理を施し、B層表面のO/Cを本発明の範囲と
することで、さらなる特性の向上ができる。
【0031】しかし、比較例1は本発明のB層を複合し
ないので、金属蒸着した後のフイルムのガス遮断性、防
湿性の著しい向上がなく。また表面処理の効果も小さ
く、本発明の目的を満足することができない。
【0032】
【発明の効果】本発明のフイルムは特定のiPP樹脂層
あるいはsPP樹脂層、あるいはsPPとiPPとの混
合樹脂層を積層した未延伸ポリプロピレン複合フイルム
としことで、金属蒸着膜を付設して、ガス遮断性、防湿
性の優れたフイルムとなる金属蒸着用未延伸ポリプロピ
レン複合フイルムを得ることができた。特にB層表面に
表面処理を行ない、フイルムのB層表面の濡れ張力、あ
るいは酸素と炭素の原子数比(O/C)を制御すること
で金属蒸着膜を付設して、ガス遮断性、防湿性に特に優
れたフイルムとなる金属蒸着用未延伸ポリプロピレン複
合フイルムを得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイソタクチックポリプロピレン共重合
    体を主成分とする基層(A層)の少なくとも片面に、シ
    ンジオタクチックポリプロピレン重合体あるいはシンジ
    オタクチックポリプロピレン重合体とアイソタクチック
    ポリプロピレン重合体の混合樹脂あるいはアイソタクチ
    ックポリプロピレン重合体を主成分とする樹脂層(B
    層)を積層してなることを特徴とする金属蒸着用未延伸
    ポリプロピレン複合フイルム。
  2. 【請求項2】 B層のアイソタクチックポリプロピレン
    重合体とシンジオタクチックポリプロピレン重合体との
    混合樹脂の混合比が9:1〜1:9であることを特徴と
    する請求項1に記載の金属蒸着用未延伸ポリプロピレン
    複合フイルム。
  3. 【請求項3】 B層を構成する樹脂の融点が、A層を構
    成するアイソタクチックポリプロピレン共重合体の融点
    より5℃以上であることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の金属蒸着用未延伸ポリプロピレン複合フ
    イルム。
  4. 【請求項4】 B層の積層厚みが1.0μm以上であ
    り、A層とB層の積層厚さ比が20:1〜1:2の範囲
    であることることを特徴とする請求項1〜請求項3のい
    ずれかに記載の金属蒸着用未延伸ポリプロピレン複合フ
    イルム。
  5. 【請求項5】 B層表面の酸素と炭素の原子数比(O/
    C)が0.02〜0.35であることを特徴とする請求
    項1〜請求項4のいずれかに記載の金属蒸着用未延伸ポ
    リプロピレン複合フイルム。
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