JPH0244086B2 - - Google Patents

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JPH0244086B2
JPH0244086B2 JP59243507A JP24350784A JPH0244086B2 JP H0244086 B2 JPH0244086 B2 JP H0244086B2 JP 59243507 A JP59243507 A JP 59243507A JP 24350784 A JP24350784 A JP 24350784A JP H0244086 B2 JPH0244086 B2 JP H0244086B2
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Tatsuya Ito
Kenji Tsunashima
Kyoshi Nakayama
Yoshisuke Iwata
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕 本発明は天然または合成繊維を用いてなる電気
絶縁紙と、二軸配向ポリプロピレンフイルムとを
積層してなる油浸ケーブル用絶縁材料に関するも
のである。 〔従来技術〕 本発明者等は先に油浸ケーブル用絶縁材料とし
て、二軸配向ポリプロピレンフイルムの両面に、
セルローズ繊維、プラスチツク合成紙、プラスチ
ツク繊維と天然繊維との混抄紙等の天然または合
成繊維を用いてなる電気絶縁紙を熱硬化型の接着
剤を用いて貼り合せ積層した絶縁材料を提案して
きた。(例えば特願昭57−36509号など) しかし、この絶縁材料では、熱硬化型の接着剤
を用いるために、製造コストが高くなるばかり
か、接着剤の極性基によつて絶縁材料としての誘
電損失やtanδが大きくなり、例えば50万V以上の
超高圧ケーブルでは発熱が多くなつて使用できな
いという欠点があつた。 一方、熱硬化型の接着剤の代りに熱可塑化型ポ
リプロピレンを使うこと、即ち繊維紙と二軸配向
ポリプロピレンフイルムとを押出機より押出した
無延伸ポリプロピレンを接着剤として貼り合せた
絶縁紙も知られている(例えば特公昭54−10712
号等)。 しかし、このものは、押出機から直接押出した
溶融体を接着剤とするために、この接着剤の厚み
を15μmよりも薄くすることができず、このため
該絶縁紙を電気絶縁油に浸漬すると、該絶縁紙が
油で膨潤するために油浸ケーブルとして使用すれ
ば、絶縁層の巻き締りが生じ、絶縁欠陥の原因と
なる問題点があつた。更に接着剤として、溶融状
態のプロピレンホモポリマーを使用しているため
に、冷却過程での結晶化速度が非常に速く、従つ
て冷却過程で接着する場合、十分なアンカー効果
が期待できないうちに結晶化が進行してしまうた
めに強力な接着力を得ることができず、その結果
ケーブルに使用したとき、ケーブルの機械的な折
り曲げ(ベンド)などのときに、絶縁紙に剥離が
生じ、電気的な欠陥をもたらす欠点があつた。 〔発明の目的〕 本発明は、上記従来の油浸による絶縁材料の膨
潤、tanδの悪化、層間接着力の低下等と、それに
伴う欠点を解消するために得られたものであつ
て、その目的とするところは、油浸時の膨潤程度
を極力小さくし、しかもtanδなどの電気特性に優
れ、強力な層間接着力を有した経済性の高い油浸
ケーブル用絶縁材料を提供することにある。 〔発明の構成〕 上記目的を達成する本発明の油浸ケーブル用絶
縁材料は、二軸配向ポリプロピレンフイルムの両
面に、天然または合成繊維紙を用いてなる電気絶
縁紙を接着層を介して積層した絶縁材料におい
て、接着層として、融点が100〜155℃であり、カ
ルボニル基を0.01〜3モル%側鎖に含有するポリ
オレフインを用い、しかも該接着層の厚さが0.5
〜8μmであることを特徴とするものである。 本発明における二軸配向ポリプロピレンフイル
ムの極限粘度〔η〕は1.2〜2.8dl/g、好ましく
は1.3〜2.2dl/gであるのが良い。 〔η〕の値が1.2未満、好ましくは1.3未満の場
合には得られるフイルムが脆く、クラツクが入り
易く、電気絶縁材料として使用に耐えない。 又、〔η〕の値が2.8を越える場合には、得られ
るフイルムの油による膨潤の程度が従来のポリプ
ロピレンフイルムよりほとんど改良されず、大き
な膨潤値、即ち膨潤度にして3%を越える値を示
すために好ましくない。 又、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnと
の比Mw/Mnは3以上であるのが良い。 Mw/Mnの比が前記値より小さくなると油に
よる膨潤の程度が大きくなり、絶縁性も低下する
ので好ましくない。 又、製膜時にフイルム破れが多発するのみなら
ず、厚さむらも大きくなる。 本発明の二軸配向ポリプロピレンフイルムの場
合、アイソタクチツク度は93%以上、好ましくは
96%以上、更に好ましくは98%以上であると、油
による膨潤の程度が小さく好ましい。 又、該ポリプロピレンフイルムには、帯電防止
剤、すべり剤、熱安定剤、ブロツキング防止剤、
核剤、粘度調整剤などの添加剤を含有させない
か、あるいは、含有量を極力少なくすることが大
切である。 ポリプロピレンフイルムの厚さは、10〜1000μ
mの範囲にあるのが好ましい。 本発明における二軸配向ポリプロピレンフイル
ムに積層する電気絶縁紙(以下、紙と云う)と
は、JIS C2301〜2308に定められているようなセ
ルローズを主成分とする天然繊維紙、あるいはセ
ルローズの如き天然繊維とプラスチツクのフイブ
リルとを混抄した混抄紙、あるいはプラスチツク
のみからなる合成紙のいずれでも良いが、特に本
発明に適したものは、セルローズを主成分とする
天然繊維紙である。 電気絶縁紙の表面最大あらさRmaxは、5〜
25μm、見掛け密度は0.6〜1.2g/cm、厚さ15〜
150μmの範囲のものが、電気特性、油通性など
に優れ、よく用いられる。 本発明の場合、電気絶縁紙はカレンダーリング
等で表面を平滑化した紙が耐電圧や層間接着力等
が大きくて好ましい。 層間の接着剤として用いられるポリオレフイン
は、プロピレンを50モル%以上含有したプロピレ
ン共重合体で、例えばエチレン、プロピレン、ブ
テン、ヘキセンなどからなる二元あるいは三元共
重合体(ランダム、グラフト、ブロツク)が代表
的なものであるが、必ずしもこれに限定されるも
のではない。その中でも、特にエチレン・プロピ
レン(エチレン量1〜10モル%)ランダム共重合
体、エチレン・プロピレン(エチレン量10〜50モ
ル%)ブロツク共重合体が好ましい。 ポリオレフインの融点は100〜155℃であること
が必要であり、好ましくは、110〜145℃である。
この融点が上記範囲未満であると、電気的なtanδ
が大きくなり、また油浸時の膨潤度が大きくなつ
て電気的欠陥となり、油浸ケーブル用の絶縁材料
として使用できない。また、融点が上記範囲を越
えるときは、電気絶縁紙と二軸配向ポリプロピレ
ンフイルムとの接着性が劣り、経済的な速度でラ
ミネートできないばかりか、高温で熱圧着するこ
とが必要なため、二軸配向ポリプロピレンフイル
ムの熱収縮が無視できなくなり、結果的に接着強
度が上がらない。 このポリオレフインには、さらに、側鎖として
カルボニル基が0.01〜3モル%含まれていること
が必要であり、好ましくは、0.05〜2.5モル%で
ある。カルボニル基含有量が上記範囲未満である
と、油浸時の接着強度の低下が著しく、油中で紙
とポリプロピレンフイルムが剥離し易くなり、好
ましくない。また、含有量が上記範囲よりも多い
場合には、接着強度は増大するが、電気的tanδが
悪化するため好ましくない。 このようにカルボニル基を側鎖として導入する
方法としては、メチルメタクリル酸、無水マレイ
ン酸などのカルボニル基を有する酸をグラフト重
合するなどの手法があるが、これに限定されるも
のではない。特に、本発明絶縁材料に好ましい手
法は、ポリオレフインに無水マレイン酸をカルボ
ニル基含有量が所定の量となるようにグラフト重
合する方法がある。 また、ポリオレフインの側鎖に付加される極性
基としては、カルボニル基の他にアミノ基、水酸
基、カルボキシル基などを有するコモノマーを共
重合しても良いが、通常カルボニル基を含有して
いれば接着力は良好であり、さらに他種の極性基
は、接着力の向上に比してtanδの増大が著しく、
付加する効果は小さい。 ポリオレフインの極限粘度〔η〕は、0.4〜
2.5、好ましくは0.6〜1.8、更に好ましくは0.7〜
1.4(dl/g)と低粘度であり、油浸時の膨潤を小
さく押え、しかも層間の接着力を向上させること
ができる。 更に、ポリオレフイン層の厚さは0.5〜8μm、
好ましくは0.8〜3.0μmでなければならない。層
の厚さが0.5μm未満、好ましくは0.8μm未満のと
きは、電気絶縁紙と二軸配向ポリプロピレンフイ
ルムとの接着性が劣り、逆に該層の厚さが8μm
を越えるとき、好ましくは3μmを越えるときに
は、電気的tanδが大きくなり、更に油浸中での膨
潤度が大きくなつて電気的な欠陥となる。 又、ポリオレフイン層は無配向であるよりも、
分子鎖が配向しているほうが絶縁油に対する膨潤
性、機械的性質、電気的性質の点から好ましい。
配向の程度は、ポリオレフイン層の長手方向と巾
方向の屈折率(それぞれNmd、Ntdで示す)の
相加平均値(Nmd+Ntd)/2から、厚さ方向
の屈折率Nzdを引いた値が0.01以上あるのが好ま
しい。 次に本発明に係る絶縁材料の製造方法について
説明する。 本発明に使用する二軸配向ポリプロピレンフイ
ルム用原料の製造方法は、特に限定されないが、
好ましい一例を挙げれば、公知の種々の塩化マグ
ネシウムに担持した四塩化チタン触媒と有機アル
ミニウム化合物、およびエステル系化合物等の第
3成分からなる触媒系を用いて、プロピレン自身
を溶媒とする塊状重合法でプロピレンを重合し、
次いでプロピレン等の低沸点炭化水素で、プロピ
レンに可溶の低立体規則性のポリプロピレンを除
去することによつて得られる。 前記ポリプロピレンポリマー原料(A)および接着
ポリマーとしてのプロピレンにエチレンを10〜40
%共重合させたエチレン・プロピレンブロツク共
重合体に無水マレイン酸を1%グラフト重合した
ポリオレフイン(B)とをそれぞれシート押出機に供
給し、(B)/(A)/(B)なる3層積層の溶融体を口金か
ら吐出させ、冷却ドラム上にキヤストする。この
シートを外部加熱法で予熱した後、長手方向に
120〜150℃で4〜8倍延伸し、更に幅方向に120
〜170℃て6〜12倍に延伸し、必要に応じて100〜
170℃で2〜10秒間熱処理し、3層積層の二軸延
伸ポリプロピレンフイルムを得る。 かくして得られた3層積層ポリプロピレンフイ
ルムの全厚さは40〜150μmであり、そのうちエ
チレン・プロピレンブロツク共重合体層の表面は
粗面化されており、その厚さは0.5〜8μmになる
ようにする。表面を粗面化するのは易滑性、耐ブ
ロツキング性のためである。この3層積層フイル
ムの両表面に、電気絶縁紙を重ね合わせ、130〜
220℃に加熱されたホツトプレスロール間に、線
圧0.01〜1t/cmで短時間押圧し、絶縁紙/3層積
層フイルム/絶縁紙からなる絶縁材料を得る。 〔発明の効果〕 本発明の絶縁材料は、電気絶縁クラフト紙と、
二軸配向ポリプロピレンフイルムとを、特定のポ
リオレフインを特定の厚さで接着剤としてラミネ
ートした構造を有するため、次のような作用効果
を奏することができる。 (1) 油による膨潤が極めて小さい。 (2) 油の流通性が優れている。 (3) 誘電率、誘電正接ともに小さく、絶縁破壊電
圧は極めて高い。 (4) 絶縁材料の機械的性質が優れている。 (5) 油浸時の相間接着強度が極めて大きく、剥離
する心配がない。 (6) 製造コストが安価であり、経済性に優れてい
る。 従つて、本発明の油浸ケーブル用絶縁材料は油
浸ケーブル絶縁層用として極めて有用なものであ
る。 次に、本発明に用いる測定法を以下に纏めて示
す。 (1) アイソタクチツク度 試料のフイルムを約1cm平方の大きさに切断
し、これをソツクスレー抽出器に入れ、沸騰メ
チルアルコールで6時間抽出する。抽出した試
料を60℃で6時間真空乾燥する。これから重量
W(mg)の試料を取り、これを再びソツクスレ
ー抽出器に入れて、沸騰n−ヘプタンで6時間
抽出する。次いで、この試料を取り出し、アセ
トンで充分洗浄した後、60℃で6時間真空乾燥
した後、重量を測定する。 その重量をW′(mg)とすると、アイソタクチ
ツク度は次式で求められる。 アイソタクチツク度(%)=100×W′/W (2) 複屈折 アツベの屈折計を用いて、フイルムの長手方
向の屈折率(Ny)及び幅方向の屈折率(Nx)
を測定し、NyとNxの差の絶対値を該フイルム
の複屈折とする。なお、測定時の光源は、ナト
リウムD線を用い、マウント液はサリチル酸メ
チルを用いる。 (3) 電気絶縁油による膨潤度 100mm平方の試料を切り取り、120℃の恒温槽
にて20時間乾燥後、すぐにその厚さを測定し、
D(μm)とする。 この試料を100℃のドデシルベンゼン油中に
浸して24時間放置後、取り出してすぐに試料の
厚さを測定し、これをD′(μm)とする。膨潤
度は次式で求められる。 膨潤度(%)=100×(D′−D)/D (4) 紙〜フイルム間の油浸後の接着強度 積層材料を110℃のドデシルベンゼン中に3
日間浸漬した後、これを取り出してアセトンで
充分に洗浄した後、20℃の室温に1日間放置す
る。これを試料として紙とフイルムの間の接着
の剥離強さを、JIS K 6854−1973記載のたわ
み性材料同志のT型剥離試験の方法に準じて測
定し、これを接着強度とする。 (5) 重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの
測定法は次の通りである。 装置:ゲル浸透クロマトグラフGPC−150C カラム:Shodex A80M 溶媒:o−ジクロルベンゼン (0.1%アイオノール添加) 速度:1ml/分 温度:135℃ 試料濃度:0.1(wt/vol)% 濾過:0.1μm焼結フイルター 注入量:0.4ml 検出器:示差屈折率検出器 分子校正:ポリスチレン基準 (6) 極限粘度〔η〕は、ASTM D1601にそつて
測定したもので、135℃テトラリン中で測定す
る。単位dl/g。 (7) 絶縁破壊電圧(BDV)はASTM D149に従
つて測定した(20℃)。 (8) 電気的tanδは、ASTM D150に従い周波数
50Hz、温度100℃で、日新電極を使用して測定
した。 (9) 融点Tmは、走査型熱量計(DSC)によつて
求めた結晶の融点に伴う平衡温度であり、吸熱
ピークという。吸熱ピーク温度が2個以上であ
る場合は、最も吸熱ピーク高さの高いものを採
用するが、ほぼ同じ場合は、これらの数の平均
温度を用いる。DSCの測定条件は、試料重量
5mg、昇温速度20℃/分、窒素気流下で行う。 (10) 表面粗さRmaxは、JIS B0 601−1976に従
つて測定した。 実施例 1 ポリプロピレンとして、極限粘度〔η〕=2.0
(dl/g)、アイソタクチツクインデツクスII=98
%のチツプと、エチレンを20モル%ブロツクに共
重合させたエチレン・プロピレンブロツク共重合
体さらに無水マレイン酸を1モル%グラフト重合
した接着性ポリオレフイン(〔η〕=1.4、DSCに
よる融解ピーク温度は130℃、150℃に出るが融点
としては平均として140℃)とを、それぞれ別の
口金に導入し、ブロツク共重合体層/ポリプロピ
レン層/共重合体層からなる3層積層シートを口
金から押出した。このシートを45℃に保たれた冷
却ドラムに、エアー圧で密着させ冷却固化させ、
続いて145℃に加熱された熱風オーブン中で加熱
し、長手方向に5倍延伸し、直ちに15℃の冷却ロ
ールに接着させて冷却した。このシートを160℃
に加熱されたステンター式幅出機に送り込み、幅
方向に10倍延伸し、次いで幅方向に7%のリラツ
クスを許しながら2秒間熱処理し、厚さ90μmの
3層積層ポリプロピレンフイルムを得た。ここで
ブロツク共重合体層の厚さは、それぞれ2μmづ
つであり、ポリプロピレン層の厚さは86μm、重
量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比は
Mw/Mn=4.2であつた。この3層積層ポリプロ
ピレンフイルムには、すべり剤、ブロツキング防
止剤などの添加剤を加えていないにもかかわら
ず、特定のポリマーを用いたため、摩擦係数が
0.6とすぐれた易滑性を示していた。この3層積
層ポリプロピレンフイルムの両面に、厚さ25μm
の電気絶縁クラフト紙(比重0.92g/cm3、表面粗
さRmax=15μm)を重ね合わせ、実施例1と同
一の加熱プレスロールを用いて180℃で線圧400
Kg/cmで0.1秒間押圧してラミネートし、クラフ
ト紙/3層積層ポリプロピレンフイルム/クラフ
ト紙からなる厚さ140μmの電気絶縁材料を得た。
二軸配向ポリプロピレンフイルムの厚み分率は61
%であつた。 かくして得られた絶縁材料の20℃でのドデシル
ベンゼン中での特性を示すと、 誘電率:2.5 tanδ:0.04(%) 膨潤率:4(%) 絶縁破壊電圧:66(KV/mm) 層間接着力:140(g/cm)〔油浸前〕 135(g/cm)〔油浸後〕 油流通性:良好 長手方向の破断強さ:35(Kg/15mm巾) 長手方向の破断のび:150(%) このように油浸超高圧ケーブル絶縁材料として
は、優れた特性として用いることがわかる。 比較例 1 〔η〕=1.85dl/g、アイソタクチツクインデ
ツクスII99%のポリプロピレンを250℃で溶融し、
この溶融体を口金からシート状に押し出し、常法
により50℃に冷却されたキヤステイングドラム上
にキヤストし、冷却固化させた。 この冷却固化シートを146℃に加熱した後、長
手方向に6倍延伸し、つづいて160℃に加熱され
たステンター内に送り込み、幅方向に10倍延伸
し、更に165℃で4秒間幅方向に5%のリラツク
スを許しながら熱処理して、厚さ90μmの二軸配
向ポリプロピレンフイルムを作つた。 かくして得られたフイルムの〔η〕は1.80dl/
g、Mw/Mnは3.9、IIは99%、複屈折は0.016で
あつた。 ここで、ポリプロピレンフイルムの両面に、
3600J/m3の強度で空気雰囲気中でコロナ放電処
理をほどこした後に、次の溶液型熱硬化性接着剤
を用いて実施例1で用いた電気絶縁紙を該フイル
ムの両面に常法により貼り合わせた。接着剤厚さ
は、それぞれ3μmであつた。 〔接着剤溶液の組成〕 飽和ポリエステル共重合体※:15重量部 テリレンジイソシアネート:3.5重量部 メチルエチルケトン:81.5重量部 ※ 酸成分として、テレフタル酸72モル%、セ
バシン酸28モル%、ジオール成分として、エ
チレングリコール35モル%、ネオベンチルグ
リコール65モル%からなる飽和ポリエステル
共重合体、粘度平均分子量約18000。 かくして得られた電気絶縁紙/二軸配向ポリプ
ロピレンフイルム/電気絶縁紙からなる厚さ
146μmの絶縁材料を実施例1と同様にして諸物
性を測定し、表1に結果をまとめて示した。表1
から明らかなように、超高圧ケーブル用絶縁材料
としては用いられないことがわかる。 比較例 2 実施例1で用いた電気絶縁クラフト紙と、比較
例2と同様にして製膜した厚さ66μmの二軸配向
ポリプロピレンフイルムとを、実施例1で用いた
エチレン・プロピレンブロツク共重合体において
無水マレイン酸をグラフト重合しないものを接着
剤として用いて、紙とフイルムとを260℃で溶融
押出しラミネートして、紙/ブロツク共重合体/
フイルム/ブロツク共重合体/紙からなる厚さ
156μmの絶縁材料を得た。ここでブロツク共重
合体層の厚さは、それぞれ15μmであり、二軸配
向ポリプロピレンフイルムの厚み分率は42%であ
つた。 比較例 4、5 実施例1において、無水マレイン酸を0.005モ
ル%グラフト重合した以外は実施例1と同様に絶
縁材料を製造した(比較例4)。 また、実施例1において、無水マレイン酸を
3.5モル%グラフト重合した以外は実施例1と同
様に絶縁材料を製造した(比較例5)。 かくして得られた絶縁材料を実施例と同様にし
て諸物性を測定し、表1に結果をまとめて示し
た。 表1から明らかなように、絶縁材料の構成は実
施例1と同じであるが、構成厚さが異なるために
tanδが大きいのみならず、膨潤度も大きく、油浸
時の接着強度の低下も大きく油浸ケーブル材料と
しては用いられないことがわかる。
【表】 実施例2および比較例3 下記に示す表2の仕様で第1図に示すケーブル
構造の実施例2および比較例3として、実施例1
および比較例2の絶縁材料を用いた電力ケーブル
を製造し、諸特性を調べた。 なお、第1図において、1は銅を素材とした6
分割導体、2は油通路、3は例えばステンレステ
ープとカーボン紙とを合せ巻きして形成した導体
バインダー層、4は油浸絶縁層、5は金属化紙と
アルミニウムテープを合せ巻きしてなる金属遮蔽
層、6は例えば銅線織込布テープなどの巻回によ
るコアバインダー層、7は鉛被シース、そして8
は塩化ビニル被膜シースである。 各々のケーブルについて得られた諸特性を表3
に示す。 表2および表3の結果によれば、比較例2の絶
縁材料を用いたOFケーブルに比べ、本発明にな
る絶縁材料を用いたOFケーブルでは、低静電容
量、高破壊ストレスが実現できていることが判
る。すなわち、従来より薄い絶縁層で従来以上の
電気絶縁特性を実現できることが判る。
【表】
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の絶縁材料を用いたケーブルの
実施例を示す断面図である。 1……導体、2……油通路、4……油浸絶縁
層、5……金属遮蔽層、6……コアバインダー
層、7……鉛被シース、8……塩ビシース。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 二軸配向ポリプロピレンフイルムの両面に、
    天然または合成繊維を用いてなる電気絶縁紙を接
    着層を介して積層した絶縁材料において、接着層
    として、融点が100〜155℃であり、カルボニル基
    を0.01〜3モル%側鎖に含有するポリオレフイン
    を用い、しかも該接着層の厚さが0.5〜8μmであ
    ることを特徴とする油浸ケーブル用絶縁材料。
JP24350784A 1984-11-20 1984-11-20 油浸ケ−ブル用絶縁材料 Granted JPS61131309A (ja)

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JPS5133279A (ja) * 1974-07-15 1976-03-22 Caterpillar Tractor Co
JPS575218A (en) * 1980-06-10 1982-01-12 Furukawa Electric Co Ltd Composite electric insulating sheet

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