JPH0477766B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ニユーマチツクケーソンの刃口下
の土砂を掘削するための掘削機に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

この種、ニユーマチツクケーソンにおいて、ケ
ーソンを沈下させるために刃口下の土砂を掘削す
る手段として、従来は、ケーソン下部に形成した
圧気室の作業空間で作業員により人力で掘削する
手段や、或いはケーソン下面の土砂を掘削する底
掘り掘削機を利用して刃口下を掘削する手段が採
られていた。（特公昭60−22132号公報、実公昭60
−3150号公報参照。） 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記前者の場合は、人力掘削の
ため、圧気内での作業は重労働となり極めて能率
が悪いものである。又後者の場合は、掘削機のシ
ヨベルの高さが天井の低い作業空間に邪魔されて
薄く掘削する事ができないので、間引きして残柱
を残して掘削するため、刃口下の土砂の抵抗値の
算出が難かしくケーソンの沈下量の制御が困難で
あつた。

そこで、この発明は、上記従来の問題点に鑑
み、これを解決したものであつて、刃口下の掘削
量を微妙に調整でき、ケーソンの沈下を容易に制
御することができる上、作業能率が良く、重労働
を軽減できる刃口下掘削機を得るにある。

〔問題点を解決するための手段〕

これを達成する手段として、この発明のニユー
マチツクケーソンの刃口下掘削機は、ケーソン下
面の刃口傾斜面に刃口下掘削機を移動可能に取付
け、刃口下掘削機の本体フレームに中央部旋回軸
受を形成し、旋回フレームに設けた旋回軸を中央
部旋回軸受に回転自在に嵌合し、旋回フレームの
ガイド面に伸縮フレームを摺動自在に嵌合し、伸
縮フレームに切削フレームをピン接合し、伸縮フ
レームと切削フレームとの間に俯仰用シリンダを
取付け、さらに、本体フレームと旋回フレームと
の間に旋回シリンダを取付け、旋回フレームと切
削フレームとの間に伸縮シリンダを取付け、切削
フレームに刃口下を薄く切削可能なジブカツタを
装着して成ることを特徴とする。

〔実施例〕

この発明の具体的構成を図面に示す実施例につ
いて以下詳細に説明する。

第１図乃至第３図はニユーマチツクケーソン全
体の概略図であつて、 １はケーソンで、下部には作業空間の圧気室２
が形成されている。３はマテリアルロツクであつ
て、二重扉になつていて交互に開閉して圧気が逃
げないように構成され、この内部を揚土用バケツ
ト４が昇降してケーソン１下面の掘削した土砂が
排土される。５は作業員が出入昇降するマンロツ
クであつて、マテリアルロツク３と同様圧気が逃
げないように二重扉に構成されている。６は底掘
り掘削機であつて、圧気室２の天井であるケーソ
ン１底壁面１ａに設置したガイドレール７に移動
可能に取付けられており、ケーソンの大きさに応
じて必要台数を設置する。８は操作用カプセル
で、内側は大気圧に通じ、外面は圧気室２とシー
ルされており、このカプセル８は視界が利くよう
に透明ガラス張りであつて、圧気室２内に設置し
た底掘り掘削機６および刃口下掘削機９の台数に
対応する数のカプセル８を設置し、夫々のカプセ
ル８中に作業員が入つて遠隔操作で各掘削機を作
動する。

９は刃口下掘削機であつて、ケーソン１の刃口
傾斜面１ｂに取付けたガイドレール３３に移動可
能に設置されており、その構成を第４図以下に示
す。

１０は刃口下掘削機９の本体フレームで、中央
部旋回軸受１１が形成され、両側にはガイドロー
ラー１２が枢着されていて、該ガイドローラー１
２はガイドレール３３を構成する上側ガイドレー
ル３３ａおよび下側ガイドレール３３ｂを夫々挟
み込むように回転自在に取付けられている。又中
央上側には走行減速機１３が設置され、これに取
付けたピニオン１４を上側ガイドレール３３ａに
形成したラツク３４に噛合して、走行減速機１３
の駆動により本体フレーム１０をガイドレール３
３に沿つて移動可能に取付ける。

１５は旋回フレームで、上面には上記旋回軸受
１１に回転自在に嵌合した旋回軸１６が取付けら
れ、下側にはリツプ溝形状のガイド面１７が形成
されている。

１８は伸縮フレームで、上記ガイド面１７に摺
動自在に嵌合し、該フレーム１８の前方に切削フ
レーム２０をピン接合すると共に、伸縮フレーム
１８と切削フレーム２０に突設したアーム２１間
に俯仰用シリンダ１９を取付ける。

切削フレーム２０は上面に駆動用油圧モーター
２２が取付けられて小平歯車２３、大平歯車２４
を介してスプロケツトホイール２５に動力伝達さ
れる。切削フレーム２０の先端にはジブ２６が突
設され、これにガイドされるチエーン２７をスプ
ロケツトホイール２５に掛け渡し、スプロケツト
ホイール２５によつてチエーン２７を回転して、
チエーン２７に取付けたピツク２８で土砂を切削
する。

２９は旋回シリンダで、本体フレーム１０と旋
回フレーム１５間に取付けられ、該シリンダ２９
の作動で旋回軸１６を中心として旋回フレーム１
５を回動させ、稼働休止中は右又は左に旋回して
ジブ２６先端を刃口より離して保持し、ケーソン
１の沈下に支障のないようにする。

３０は伸縮シリンダで、旋回フレーム１５と切
削フレーム２０との間に取付けられ、ジブ２６先
端を刃口下に切り込ませるよう動作する。

３１は油圧ポンプ駆動用の電動モーターで、本
体フレーム１０にフランジ接合され、このモータ
ー３１で油圧ポンプ３２を駆動し各部の動力源と
している。

この様に構成されているので、旋回シリンダ２
９を作動してジブ２６の先端を刃口面に直角にな
るように切削フレーム２０を回動し、次いで駆動
用油圧モーター２２を駆動してスプロケツトホイ
ール２５に掛け渡したチエーン２７を回転すると
共に、伸縮シリンダ３０を作動して伸長し、切削
フレーム２０を前進させ、回転するチエーン２７
に取付けたピツク２８によつて刃口下の土砂を薄
く切削しつつ押し込み、所定の切込み深さに達し
たならば伸縮シリンダ３０の作動を停止し、走行
減速機１３を駆動させて上側ガイドレール３３ａ
のラツク３４に噛合するピニオン１４によつて刃
口下掘削機９全体をガイドレール３３に沿つて走
行させ、ピツク２８によつて刃口下を横方向に掘
削する。刃口下全長の掘削が終了したならば上記
切込みと逆の操作によりジブ２６先端を抜き出
す。さらに刃口下の切削幅の寸法が小さい時は、
俯仰用シリンダ１９を作動して切削フレーム２０
を下方向に俯するように回動し、ジブ２６先端を
上記掘削部分の下方に位置させ、再びチエーン２
７を回転してピツク２８により土砂を掘削する。
そして所定の切削幅に切削したならば、圧気室２
の圧力とケーソン１の重量との釣合を保ちつつケ
ーソン１を沈下させ、沈下力が不足の場合はケー
ソン１内に水を入れて加重させて沈下させる。

〔発明の効果〕 (1) 旋回シリンダ２９を伸縮させることにより旋
回フレーム１５を旋回させ、俯仰用シリンダ１
９を伸縮させることにより切削フレーム２０を
俯仰させ、伸縮シリンダ３０を伸縮させること
によりジブカツタＪを伸縮させ、ジブカツタＪ
の位置及び姿勢を微調整することができる。

(2) ジブカツタＪにより刃口下を薄く切削するこ
とができ、したがつて、ケーソン１を少しずつ
水平に沈下させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のニユーマチツクケーソンの
全体の概略縦断正面図、第２図は同じく第１図Ａ
−Ａ線に沿つた断面図、第３図はケーソン下方部
分の縦断側面図、第４図はこの発明の刃口下掘削
機の一部切欠側面図、第５図は第４図Ｂ−Ｂ線に
沿つた矢視図、第６図は同じくＣ−Ｃ線に沿つた
矢視図、第７図は同じくＤ−Ｄ線に沿つた矢視
図、第８図は同じくＥ−Ｅ線に沿つた矢視図を示
す。 １……ケーソン、１ｂ……刃口傾斜面、９……
刃口下掘削機、１０……本体フレーム、１１……
中央部旋回軸、１５……旋回フレーム、１６……
旋回軸、１７……ガイド面、１８……伸縮フレー
ム、１９……俯仰用シリンダ、２０……切削フレ
ーム、２９……旋回シリンダ、３０……伸縮シリ
ンダ、Ｊ……ジブカツタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ケーソン下面の刃口傾斜面に刃口下掘削機を
   移動可能に取付け、刃口下掘削機の本体フレーム
   に中央部旋回軸受を形成し、旋回フレームに設け
   た旋回軸を中央部旋回軸受に回転自在に嵌合し、
   旋回フレームのガイド面に伸縮フレームを摺動自
   在に嵌合し、伸縮フレームに切削フレームをピン
   接合し、伸縮フレームと切削フレームとの間に俯
   仰用シリンダを取付け、さらに、本体フレームと
   旋回フレームとの間に旋回シリンダを取付け、旋
   回フレームと切削フレームとの間に伸縮シリンダ
   を取付け、切削フレームに刃口下を薄く切削可能
   なジブカツタを装着して成るニユーマチツクケー
   ソンの刃口下掘削機。