JPH047698B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、金属箔張り積層板の連続製造方法に
関する。

紙やガラスクロス、ガラスペーパー等を基材と
し、これに樹脂液を含浸した複数枚の樹脂含浸基
材を積層し、硬化させてなる積層板、および該積
層板の片面または両面に金属箔を張り合わせてな
る金属箔張り積層板は絶縁板やプリント配線用基
板として使用されている。

従来これら積層板は基材に樹脂ワニスを含浸
し、乾燥して得られるプリプレツグを重ねてプレ
スで加圧加熱して成形するバツチ式製造法によつ
て製造されていたが、最近長尺の基材を連続的に
搬送しながら樹脂の含浸、積層、硬化等を行う連
続式方法が開発され、注目されている。例えば本
出願人による特開昭55−4838、同56−98136号等
参照。

上記連続式方法において、複数枚の樹脂液含浸
基材は搬送下合体され、合体された積層物の上面
に金属箔が、下面にキヤリヤシートがラミネート
ロールによつて張り合わされ、その間に挟持され
た状態で硬化炉を通過し、硬化される。硬化炉に
入つた未硬化の積層板は硬化の初期、すなわち硬
化炉の入口側においては樹脂が未だ流動状態であ
るため積層板の平面に対し垂直方向から殆ど圧力
を受けない。しかしながら含浸樹脂が十分に流動
状態にある硬化の初期において、未硬化積層板が
実質上水平を保つて進行する時に樹脂は積層板の
両端に向かつて流動する傾向を有し、硬化炉を出
た時積層板の厚みが両端部付近で中央部に比し厚
くなり、製品の歩留りが低下することがわかつ
た。

本発明はこの問題を解決することを目的とし、
複数枚のシート状基材を連続的に搬送しながら硬
化性樹脂の含浸、含浸基材の積層、積層物の上面
へ金属箔および板面へキヤリヤシートの張り合わ
せ、および硬化を連続的に行う金属張り張り積層
板の連続製造法において、硬化過程にある積層板
の上面金属箔の外面端部に保護テープをはり、そ
の上からローラーにより該金属箔端部をキヤリヤ
シートに向かつて押し付けることを特徴とする金
属箔張り積層板の製造方法を提供する。

保護テープは、硬化後金属箔から容易に剥離で
きるように、弱い粘着性テープであることが好ま
しい。

前記のように積層板の両端部付近の厚みが中央
部に比し厚くなる問題は、硬化過程において未硬
化積層板の両端部付近を強制的に圧迫し続けるこ
とによつて解決し得るが、そのため押えローラー
により積層物の上面に張つた金属箔の両端部を下
面に張つたキヤリヤシートへ向つて押し続ける
と、押えローラーに接触する金属箔に傷がつき易
い。しかしながら本発明により、該金属箔端部に
保護テープを張り、その上から押えローラーによ
り圧迫すれば、金属箔に傷がつかない。

第１図は本発明方法を実施して片面金属箔張り
積層板を製造するための装置の一例の概略側面図
である。

ロール１に巻かれた基材、例えばセルロース繊
維からなるクラフト紙２は連続的に搬送されて予
備処理室３に入る。図面では３枚の基材が同時に
搬送されるように示されているが、積層板の最終
厚みに応じて基材の枚数は適宜増減し得ることは
勿論である。基材２は次に樹脂液含浸室４へ入
り、樹脂液を含浸され、一対のスクイーズロール
５，５間を通過して合体される。その際ロール７
から繰り出された金属箔８が接着剤を塗布されて
含浸基材の積層物の上面にラミネートされ、また
積層物の下面にはロール９から繰り出されたキヤ
リヤシート１０、例えばポリエステルフイルムが
ロール５によつて張り合わされる。このようにし
て得られる未硬化の状態にある積層板は硬化炉１
２へ入り、その中を進行する間に加熱されて硬化
を受ける。硬化炉１２を出た積層板１４からは下
面のキヤリヤシート１０がロール１３によつて剥
離され、ロール１１として巻き取られる。次に積
層板１４はロータリーカツター１８によつて両耳
端部をトリミングされ、ギロチンカツター１９に
よつて所要長さに切断される。この装置のこれま
での部分は先に引用した本出願人の特開昭55−
4838号、同56−98136号に開示したものと実質的
に同じである。

両面金属箔張り積層板を製造する場合は、下面
にも金属箔をキヤリヤシートとして用い、硬化後
剥離しない。

第２図は、保護テープが張られ、金属箔端部を
キヤリヤシートへ向かつて押さえ付けた状態で硬
化を受けつつある積層板の拡大斜視図である。積
層板は、ロール５，５によつて基材層２０の下面
にキヤリヤシート１０が、上面に金属箔８が張り
合わされ、硬化炉１２へ向かつて搬送される。硬
化炉１２の入口手前または直後に、好ましくは弱
い粘着性テープである保護テープ２４のリール２
２が積層板の金属箔面の両端に設けられる。リー
ル２２から繰り出された保護テープ２４は金属箔
の端部に張られ、その上から押さえローラー２６
により押さえ付けられる。ローラー２６の硬化炉
１２内における設置場所および本数は、含浸基材
層２０中の樹脂液が硬化によつて少なくとも流動
性がなくなる搬送地点まで達していなければなら
ない。このローラー２６は積層板の搬送方向に直
角な方向から外側へ向かつて僅かに下流側へ傾斜
して設置するのが好ましい。

このように本発明によれば、ローラーによつて
金属箔をキヤリヤシートに向かつて押さえ付けた
状態において積層板の硬化を行うので、出来上が
つた積層板の端部と中央部との間の厚みの差が殆
どなくなり、製品の歩留りが向上する。またロー
ラーが金属箔に直接触れることがないので、金属
箔面の損傷、汚れを防止できるばかりでなく、基
材層２０がロール５，５間を通過する間に絞り出
された過剰の樹脂液による金属箔面の汚れを防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法を実施するのに適した装置
全体の概略側面図、第２図は硬化を受ける前の積
層板の拡大斜視図である。 ８は金属箔、１０はキヤリヤシート、２０は基
材層、２２はリール、２４は保護テープ、２６は
押さえローラーである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数枚のシート状基材を連続的に搬送しなが
   ら硬化性樹脂液の含浸、含浸基材の積層、積層物
   の上面へ金属箔および下面へキヤリヤシートを張
   り合わせ、および硬化を連続的に行う金属張り張
   り積層板の連続製造法において、硬化過程にある
   積層板の上面金属箔外面端部に保護テープを張
   り、その上からローラーにより該金属箔端部をキ
   ヤリヤシートに向かつて押し付けることを特徴と
   する金属箔張り積層板の連続製造方法。 ２ 保護テープが弱い粘着性テープである第１項
   の方法。