JPH0475879B2 - - Google Patents

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JPH0475879B2
JPH0475879B2 JP61179348A JP17934886A JPH0475879B2 JP H0475879 B2 JPH0475879 B2 JP H0475879B2 JP 61179348 A JP61179348 A JP 61179348A JP 17934886 A JP17934886 A JP 17934886A JP H0475879 B2 JPH0475879 B2 JP H0475879B2
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polycrystalline material
polycrystalline
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JPS6335490A (ja
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Yoshinari Kozuka
Ryuichi Oochi
Katsunori Okamoto
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
    • H01F1/342Oxides
    • H01F1/344Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
    • H01F1/346[(TO4) 3] with T= Si, Al, Fe, Ga

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は、分解溶融を示す単結晶体の製造法に
関するものであり、更に詳しくは、多結晶体を溶
融することなく単結晶化することからなる単結晶
体、時に単結晶ガーネツトの製造法に関するもの
である。 (従来技術とその問題点) 従来から、単結晶ガーネツトなどの単結晶体の
製法としては、原料を溶融点以上の高温で溶融せ
しめて得られる液相より、目的とする単結晶を育
成する手法が採用されてきており、例えば鉄ガー
ネツト系単結晶体は、フラツクス法、フローテイ
ングゾーン(FZ)法、液相エピタキシヤル
(LPE)法等に製造されている。 しかしながら、フローテイングゾーン(FZ)
法による単結晶の製造法は、ハロゲンランプの光
を回転楕円面鏡により集光して、棒状の多結晶体
を局部的に加熱、溶融せしめ、単結晶を成長させ
る手法があるが、この方法では、10mmφ程度の小
さな棒状の単結晶体しか得ることが出来ず、しか
も単結晶の育成に長時間を要し、著しく生産性の
悪いものであつた。そして、当然のことながら、
その得られた単結晶体のコストも著しく高いもの
であつた。 さらに、フラツクス法は、PbO、B2O3等の融
剤を含んだ溶液を徐冷し、種子結晶を結晶成長さ
せ、目的とする単結晶体を得るようにした方法で
あるが、この方法では、結晶成長に際し、前記し
た融剤が単結晶中に取り込まれたり、異相の析出
があり、得られる単結晶体の品質を低下せしめる
等といつた問題点があつた。 また、LPE法は、例えばガドリニウムガリウ
ムガーネツト(GGG)基板上に結晶成長させ、
目的とする単結晶体を得る方法であるが、薄膜し
か得られないこと、及び高価な基板を必要とした
り、量産性が劣るといつた問題点があつた。 このように、従来の単結晶体の各種の製造手法
においては、何れも、製造コスト上において、ま
た設備的に、更には生産性の面において、或いは
品質的に、何等かの問題を有するものであつたの
である。 (発明の目的) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に
して為されたものであつて、その目的とするとこ
ろは、多結晶体を溶融することなく単結晶化せし
め、目的とする単結晶体を容易に製造する方法を
提供することにあり、また、本発明の他の目的と
するところは、量産性に富み、均質な単結晶体、
特に単結晶ガーネツトの製造手法を提供すること
にある。 (発明の構成) そして、本発明は、かかる目的を達成するため
に、単結晶化されるべき多結晶材として、一般
式:3R2O3・5R′2O3で示され、そしてRがY、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、
Lu、La、Pr、Nd、Bi、Caのうちの少なくとも
1種からなり、R′がFe、Al、Ga、In、V、Snの
うちの少なくとも1種からなるガーネツト型酸化
物である育成単結晶を与え、且つ下式: 62.5mol%<R′2O3≦63.5mol% を満足する割合のR′2O3成分を有する多結晶材を
用いると共に、鉄ガーネツト系種単結晶材を用
い、前記多結晶材を、かかる種単結晶材の110
面に対して接触せしめた状態下において、共晶温
度以上、分解溶融温度未満の温度で加熱せしめ、
前記多結晶材を溶融させることなく、前記一般式
にて示される単結晶を前記単結晶材より前記多結
晶材方向に結晶成長させ、単結晶を育成すること
により、分解溶融を示す単結晶体を得ることを特
徴とするものである。 なお、このような本発明において、好適には、
前記多結晶材と単結晶材(種)との接触体(接合
物)は加圧下において加熱せしめられて、単結晶
の育成が図られ、以て品質の良好な単結晶体とさ
れるのである。 また、本発明の好ましい態様によれば、前記多
結晶材の組成は、共晶温度以上、分解溶融温度未
満の温度において固相の体積比率が95%以上とな
る組成とされることとなる。 更に、多結晶材としては、本発明においては、
R2O3成分としてY2O3を有し、且つR′2O3成分と
してFe2O3を有するものを用いることが出来、こ
れによつて育成単結晶としては、YIG(イツトリ
ウム鉄ガーネツト)単結晶を得ることが出来る。
なお、このような多結晶材と前記種単結晶材との
接触体は、好適には、500Kg/cm2以上の圧力下で
加熱し、所定の単結晶が有利に育成せしめられる
のである。 (構成の具体的説明) ところで、本発明は、単結晶化原料たる前述の
如き多結晶材と鉄ガーネツト系の単一の結晶から
なる種単結晶材とを接触させ、一般に接合状態下
において、かかる単結晶材の単結晶を、それらの
接触界面を乗り越えさせて多結晶材側に成長せし
め、かかる多結晶材を単結晶化めしめる、該多結
晶材の固体状態下における単結晶体の育成、特に
単結晶ガーネツトの育成に際し、かかる多結晶材
を溶融させることなく、該多結晶材の結晶粒界に
液相を生成させることにより、単結晶が多結晶材
方向に効果的に成長し得る事実を見い出したこと
に基づいて、完成されたものである。 加えて、本発明者らの検討によれば、かかる本
発明手法に従う単結晶の成長に際して、単結晶に
成長面の異方性があり、鉄ガーネツト系の成長面
は(110)面であることが判つた。従つて、種子
単結晶を(110)面とすることにより、換言すれ
ば単結晶材の多結晶材に対する接合面を(110)
面とすることにより、均一な単結晶成長を行なわ
せることが出来、これによつて、その後の加工に
おける結晶の有効利用を図り得る利点を生ずるの
である。 なお、前述のような液相を生成させるには、種
単結晶材に接触せしめられた原料多結晶材を、そ
の共晶温度以上、分解溶融温度未満の温度で加熱
する必要がある。 例えば、イツトリウム鉄ガーネツト(YIG)材
料にあつては、その相図[J.H.Van Hook;J.
Am.Ceram.Soc.45,162(1962)]において、材料
組成が、Y2O3,=37.5mol%の化学量論組成より、
Fe2O3の多い組成について液相を生成せしめるこ
とが可能であり、またその際の加熱温度として
は、1469℃±2℃(共晶温度)〜1555℃±3℃
(分解溶融温度)であり、この加熱温度領域にお
いて、ガーネツトと液相が共存しているのであ
る。なお、この領域内において、温度の高い程、
また温度保持時間の長い程、単結晶の成長長さは
長くなる。また、加熱温度が1470℃よりも低くな
ると、単結晶が実質的に成長しなくなり、一方、
1555℃より高くなると、結晶が分解する等の不都
合が惹起される。 また、かかる本発明に従つて単結晶化せしめら
れる多結晶材としては、一般に、共晶温度以上、
分解溶融温度未満の温度において、固相の体積比
率が95%以上となる組成からなる材料が好適に用
いられることとなる。けだし、加熱時において多
結晶材中の液相量が多くなり過ぎると、単結晶の
成長が妨げられる等の不都合が惹起されるからで
ある。 ところで、本発明手法において育成される単結
晶は、一般式:3R2O3・5R′2O3で示され、そして
RがY、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、
Tm、Yb、Lu、La、Pr、Nd、Bi、Caのうちの
少ないとも1種からなり、R′がFe、Al、Ga、
In、V、Snのうちの少なくとも1種からガーネ
ツト型酸化物、例えば前記したYIG単結晶などで
あるが、それには、このような単結晶を与えるよ
うに原料多結晶材が調整されねばならない。而し
て、かかる育成単結晶を与える多結晶材として
は、次式:62.5mol%<R′2O3≦63.5mol%を満足
する割合のR′2O3成分(従つて、R2O3成分として
は、36.5mol%≦R2O3<37.5mol%の範囲となる)
を有する組成となるように調整されることとな
る。なお、このR′2O3の代表的なものは、Fe2O3
であるが、このFe2O3の他にも、またこのFe2O3
と共に、前示の各種の元素の酸化物が単独に或い
は複数で用いられ、更にR2O3としては、代表的
にはY2O3が用いられるものである。 なお、多結晶材の組成に関して、Fe2O3などの
R′2O3量が多い程、多結晶体中の液相量は多く、
単結晶成長開始温度は低くなる。しかし、R′2O3
量が63.5mol%以上となると、多結晶体内部で不
連続結晶粒成長が惹起され易く、そしてそれによ
つて巨大な粒子となり、単結晶の成長を妨げる等
の不都合を惹起するところから、余りにも多くの
R′2O3量の存在は避けることが望ましく、特に好
適には、63.0mol%までとすることが望ましい。
一方、Fe2O3などのR′2O3量が62.5mol%以下で
は、単結晶の成長は認められないのである。尤
も、このようなR′2O3と共に多結晶材の主成分と
なるR2O3は、かかるR′2O3量に対応して、
36.5mol%以上、望ましくは37.0mol%以上、
37.5mol%未満とされる必要がある。 また、使用する原料多結晶材中に気孔が存在す
ると、単結晶の成長後、かかる気孔が単結晶体内
部に残留し、また気孔と同様に、液相を構成した
元素が単結晶中に異相(第2相)として残留する
ようになる。本発明者らの検討によれば、原料多
結晶材を高密度にすることにより、成長した単結
晶中に異相が取り込まれることが効果的に阻止乃
至は抑制され得ることが見い出された。即ち、気
孔の実質的に存在しない多結晶材であれは、単結
晶の成長に際し、単結晶成長界面に存在する液相
の殆んど大部分を多結晶側に移動せしめることと
なり、実質的に、異相を単結晶中に取り込まない
のである。従つて、実用的には、かかる多結晶体
中の気孔率は1%まで、望ましくは0.1%まで、
更に望ましくは0.01%までとすることが、上記し
た目的を達成する上においては、必要となるので
ある。 そして、こうした原料多結晶材の低気孔化は、
かかる多結晶材の製造プロセスの制御により可能
であり、またかかる多結晶材を単独で、或いは種
単結晶材との接触体とした後に、加圧せしめるこ
とにより、好ましくは加圧下に単結晶の育成を行
なわしめることにより、特に熱間静水圧プレス法
(HIP)にて加圧、加熱せしめることにより、か
かる多結晶材中に内在する気孔を除去せしめ、そ
して気孔が実質的になくなつた後、単結晶を成長
せしめるようにすることも可能である。 特に、本発明にあつては、R2O3成分として
Y2O3を有し且つR′2O3成分としてFe2O3を有する
多結晶材を用いて、イツトリウム鉄ガーネツト
(YIG)単結晶を製造する場合におけるHIP条件
としては、500Kg/cm2以上の圧力が採用され、ま
た加熱温度としては、好適には、1350℃〜1500℃
の温度範囲が採用され、そのような条件下の加
熱・加圧操作にて緻密化が行なわれることとな
る。なお、圧力の上限としては、一般に2000Kg/
cm3程度とされ、あまりにも高圧力のHIP装置は、
量産用としては不適当となる。 また、単結晶が成長する温度は、多結晶材の多
結晶成分比により異なるが、何れも、上記の如き
HIP処理として1350〜1500℃で緻密化を施した
後、1470〜1550℃の温度に昇温し、種単結晶材側
より単結晶を成長させることにより、該多結晶材
を単結晶化せしめて、実質的に気孔・異相を含ま
ない単結晶(体)を得ることが出来るのである。
なお、この単結晶化工程における圧力としては、
前記緻密化工程と同様な、500Kg/cm2以上の圧力
が採用され、またその上限は、一般に2000Kg/cm2
程度とされることとなる。 なお、本発明において、気孔率とは、試料の任
意の切断面における気孔の占める面積を百分率に
て示したものであり、具体的には、次のようにし
て求められた値である。即ち、所定の試料の任意
の切断面に対して研磨を施し、その研磨面を金属
顕微鏡を用いて1000倍の倍率にて検査し、視野中
の気孔径:dと、その個数:nを測定して、全視
野面積に対する気孔面積により、下式に従つて気
孔率Pが求められるのである。 P(%)= 〓i π(di/2)2ni/測定面積×100 但し、 di:気孔径(長径) ni:気孔径diの気孔数 また、本発明手法に従つて製造される単結晶体
としては、ガーネツト単結晶体が対象とされ、ま
たそのようなガーネツト単結晶自体としても、幾
つかのものが存在するが、なかでも、鉄ガーネツ
ト系のように、分解溶融する単結晶体の製造に本
発明を適用するのが有効なのである。更に、鉄ガ
ーネツト系でも、固溶体の種類、組成により、分
解溶融温度、共晶温度が異なるが、何れも本発明
手法を適用することが可能である。 更に、本発明において、原料多結晶材と種単結
晶材とを接触させて、所定の単結晶を育成せしめ
るに際しては、それら多結晶材及び単結晶材は、
それらの接触に先立つて相互の密着のために、そ
れらの接触面に対して充分な鏡面研磨が施される
こととなる。また、かかる多結晶材と単結晶材の
突合わせによる接触は、それらの当接部分に、そ
れらを溶解する酸、例えば塩酸、硝酸、硫酸等を
介在せしめて突き合わせ、それら多結晶材及び単
結晶材を仮接着させることが望ましい。その理由
は、単結晶材と多結晶材の相互の位置を、そのよ
うな酸によつて形成されるそれら材料成分の塩に
より固定せしめることが望ましいからであり、特
に単結晶の成長面である(110)面を固定して多
結晶材に接触せしめることが望ましいからであ
る。 そして、このように、種単結晶材を原料多結晶
材に接触せしめた状態において、加熱することに
より、前記したように、単結晶が育成せしめられ
て、多結晶材の単結晶化が行なわれることとなる
のである。 (実施例) 以下に、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の幾つかの実施例を示すが、本発明
が、そのような実施例の記載によつて何等制限的
に解釈されるものでないことは、言うまでもない
ところである。 なお、本発明は、上述した本発明の具体的な説
明並びに以下の実施例の他にも、各種の態様にお
いて実施され得るものであり、それ故本発明の趣
旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基
づいて実施され得る種々なる態様のものが、何れ
も本発明の範疇に属するものと、理解されるべき
である。 実施例 1 純度:99.99%の酸化イツトリウムと純度:
99.9%の酸化第二鉄を原料として用いて得られた
Y2O3=37.4mol%、Fe2O3=62.6mol%の組成の
調合物を成形し、そしてその成形体を1350℃の温
度で4時間焼成することにより、多結晶体を得
た。 次いで、この多結晶体から10mm×10mm×10mmの
大きさの試料(原料多結晶材)を切り出す一方、
10mm×10mm×0.5mmの大きさで、10mm×10mmの面
が(111)、(110)面を有する二種類のYIG単結晶
(種単結晶材)を切り出し、そしてそれら単結晶
材及び多結晶材の接合面をダイヤモンド砥粒を用
いてスズ盤で研磨し、平滑度:Rmaxが0.03μm
の平滑面とした後、その接合面に硝酸を塗布し
て、それら単結晶材と多結晶材を重ね合わせて、
1300℃の温度で1時間加熱することにより、それ
らを接合しめ、次いで昇温速度:300℃/Hrで
1530℃の温度まで昇温し、そしてその温度で4時
間保持することにより、単結晶育成操作を施した
後、冷却した。 そして、かかる冷却の後、得られた二種類の単
結晶化物について、その種子単結晶材からの成長
の様子を調べたところ、第1図a及びbに示され
るように、単結晶の成長面は、何れも(110)面
であつた。従つて、単結晶材の(110)面を種子
とすることにより、有効に単結晶を活用出来るこ
とが判つた。 実施例 2 純度:99.99%の酸化イツトリウム(Y2O3)原
料と、純度:99.9%の酸化第二鉄(Fe2O3)原料
とを用い、下記第1表に示した組成(mol%)の
Y2O3及びFe2O3の調合物を調整し、次いで、そ
の調合物を所定のブロツク形状に成形して、1350
℃の温度で4時間焼成を行なうことによより、各
種の多結晶体を得た。これら得られた多結晶体を
観察すると、Y2O3の組成が37.5mol%と37.6mol
%のものは異相が認められなかつたが、Y2O3
38.0mol%のものにおいては異相が認められた。
一方、Y2O3の割合が36.0〜37.4mol%のものは、
何れも異相が粒界に存在し、そしてY2O3含有量
の少ない程、多く存在していることが認められ
た。 また、これらの多結晶体とFZ法により作られ
たYIG単結晶から、それぞれ、10mm×10mm×10mm
の多結晶材(原料)と、10mm×10mm×0.5mmの単
結晶材(種)の試料を切り出し、そしてそれぞれ
の接合面を、ダイヤモンド砥粒を用いたスズ盤に
よる研磨によつて、Rmax:0.03μmの平滑な面
と為した。なお、単結晶材の接合面としては、
(110)面を採用した。次いで、それらの接合面に
硝酸を塗布した後、それら単結晶材と多結晶材を
重ね合わせて、1300℃で1時間加熱することによ
り、接合せしめた後、昇温速度300℃/Hrで、下
記第1表に示した温度まで昇温し、そして4時間
温度保持して単結晶の育成を行なつた後、冷却し
た。 かかる冷却の後、単結晶育成の行なわれた各接
合物における単結晶の成長長さ(mm)を調べたと
ころ、下記第1表の如くであり、Y2O3の割合が
36.0〜37.4mol%の何れの調合物からの多結晶体
も、1470℃以上で単結晶が成長していることが認
められた。また、1560℃の温度に保持した場合に
あつては、全ての材料(接合物)が分解溶融し
た。
【表】
【表】 また、第1表の結果から明らかなように、調合
物組成において、Y2O3の割合が37.5mol%以上の
ものでは、殆ど単結晶の成長が認められず、また
36.5m0l%未満のものには、多結晶体内で不連続
粒成長による結晶粒の粗大化が認められ、単結晶
成長長さは僅かであつた。 以上の温度・組成変化実験結果を相図と照らし
合わせてみると、単結晶の育成を行ない得る多結
晶体は、組成がY2O3:37.5mol%未満、温度が
1469℃±2℃〜1555℃±3℃のガーネツト相及び
液相に相当すると推定された。 さらに、上記のY2O3の割合が37.3mol%の多結
晶材に対して、同様にして、YIG種子単結晶を接
合し、温度:1500℃で温度保持し、その保持時間
と単結晶の成長長さの関係を調べたところ、下記
第2表の結果が得られた。この第2表から明らか
なように、YIGの単結晶は、時間と共に成長して
いくことが理解されるのである。
【表】 実施例 3 純度:99.99%の酸化イツトリウム、純度:
99.9%の酸化テルビウム、純度:99.9%の酸化鉄
を原料として使用して、Y2O3=30.3mol%、
Tb2O3=7.1mol%、Fe2O3=62.6mol%の組成の
調合物を調整した後、かかる調合物を用いてブロ
ツク体を形成し、そしてこのブロツク体を1400℃
の温度で4時間焼成することにより、多結晶体を
得た。 かくして得られた多結晶体と別途準備したYIG
単結晶体とから、それぞれ、10mm×10mm×10mmの
多結晶材と10mm×10mm×0.5mmの単結晶材とを試
料として切り出した。次いで、この切り出された
単結晶材の(110)面を接合面として、前記切り
出された多結晶材と共に、それらの接合面をダイ
ヤモンド砥粒を用いてスズ盤で研磨して、平滑
度:Rmaxが0.03μmの面と為した後、その接合
面に硝酸を塗布し、そしてそれら単結晶材と多結
晶材を重ね合わせて、1300℃の温度で1時間加熱
せしめることにより接合した後、昇温速度:300
℃/Hrで1540℃の温度まで昇温し、続いて4時
間温度保持して、単結晶の育成をした後、冷却し
た。 この単結晶化操作の施された接合体を観察した
ところ、単結晶が種子単結晶より5mmの長さにお
いて成長していることが認められた。 実施例 4 純度:99.99%の酸化イツトリウム、純度:
99.9%の酸化第二鉄を原料として用いて得られ
た、Y2O3=37.2mol%、Fe2O3=62.8mol%の調
合物を整形し、1350℃の温度で4時間焼成するこ
とにより、多結晶体を得た。この多結晶体は、気
孔率:0.5%を有するものであり、これを加圧媒
体にArガスを使用して、下記第3表に示す熱間
静水圧プレス(HIP)条件下において、その圧
力、温度を1時間保持し、その後、冷却したとこ
ろ、下記第3表に示される気孔率となり、かかる
HIP処理が気孔率を0.1%以下と為す上において
効果のあることが判つた。
【表】 一方、上記HIP処理する前の多結晶体を10mm×
10mm×10mmの大きさに切断し、単結晶育成用の多
結晶材とする一方、所定のYIG単結晶体を、その
接合面が(110)面となるように、10mm×10mm×
0.5mmの大きさに切断して、種単結晶材を得、そ
してこれら多結晶材及び種単結晶材を接合面を
Rmax:0.03μmの平滑面に研磨し、次いでその
接合面に硝酸を塗布して、それら単結晶材と多結
晶材を重ね合わせた後、1300℃の温度に1時間加
熱せしめることにより、接合した後、冷却した。 次いで、このようにして得られた接合体をHIP
炉中に入れ、上記の検討結果で得られた圧力:
1500Kg/cm2、温度:1450℃、保持時間:1時間の
条件下で一次処理(緻密化処理)した後、更に圧
力を1500Kg/cm2としたまま、昇温速度:30℃/
Hrで昇温し、そして下記第4表に示される1450
〜1560℃の温度で4時間、二次の加圧、加熱処理
(単結晶育成処理)を施した。なお、比較のため、
前記一次処理なしで、1550℃で5時間加圧、加熱
処理することにより、単結晶育成工程のみを経た
試料も調整した。 かくして得られた各種接合体の単結晶育成物に
ついて、それぞれの単結晶成長長さと、生成した
単結晶中の異相を観察し、その結果を、下記第4
表に示した。
【表】 これらの実験の結果より、単結晶は、二次処理
温度:1470℃未満では成長していないことが判つ
た。また、加熱処理温度が1560℃のものは、分解
溶融しており、更に一次処理をせずに、1550℃の
温度で保持したものは、種子単結晶側より1mmの
箇所まで異相が0.06%残留しており、それ以上成
長した箇所は、0.01%以下であつた。これは一次
処理による高密度化が進まないまま、単結晶化し
たため、異相が残つたことによると推定された。 なお、比較のため、先の実施例2で育成した、
Y2O3=37.2mol%、Fe2O3=62.8mol%の組成の
多結晶体を育成温度:1550℃で単結晶を育成した
ものの、異相を測定したところ、含有率は、0.10
体積分率であつた。 また、本実施例のように、気孔率を0.01%まで
に高密度化した後、単結晶を育成したものは、第
2図の写真に示されるように、異相が多結晶側だ
けにあり、成長した単結晶内には認められないの
である。即ち、単結晶の成長が、この異相(育成
温度においては、液相)を介して起こり、結果的
に多結晶側に異相を排除した結果であると推定さ
れるのである。 さらに、上記の製法で得た単結晶体のフアラデ
ー回転角:θFを測定したところ、波長:633nmに
おいてθF=950°/cmの値を得た。また、50μmの
厚さまで研磨し、偏光顕微鏡にて迷図模様を観察
したところ、鮮明であつた。 (発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従え
ば、単結晶化原料たる所定の多結晶材を鉄ガーネ
ツト系種単結晶材の(110)面に接触させて、単
結晶の育成を行なわしめることにより、該多結晶
材を溶融させることがなく、単結晶の育成を有利
に行なうことが出来るものであるところから、量
産性に著しく富み、しかも従来の装置の如く、単
結晶材や多結晶材を回転させつつ、単結晶化せし
める必要が全くないために、装置的にも極めて簡
略化され、また大型装置を必要とせず、コスト的
に他の手法に比べて安価であり、しかも工程とし
ても簡単である等の特徴を有しているのであり、
以て安価な単結晶体、特にガーネツト単結晶を有
利に提供し得ることとなつたのである。 そして、このようにして得られた均質な単結晶
体、特にガーネツト単結晶は、光アイソレータや
電流(磁界)センサー用フアラデー素子等の磁気
光学材料として、有利に用いられることとなつた
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図a及びbは、それぞれ、実施例1におい
て結晶面の異なる種単結晶を用いて得られた単結
晶化物の説明図であり、第2図は、実施例4にお
いて、気孔率を0.01%まで低下させた高密度化原
料(接合体)を単結晶育成して得られたYIG単結
晶化体の断面顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 単結晶化されるべき多結晶材として、一般
    式:3R2O3・5R′2O3で示され、そしてRがY、
    Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、
    Lu、La、Pr、Nd、Bi、Caのうちの少なくとも
    1種からなり、R′がFe、Al、Ga、In、V、Suの
    うちの少なくとも1種からなるガーネツト型酸化
    物である育成単結晶を与え、且つ下式: 62.5mol%<R′2O3≦63.5mol% を満足する割合のR′2O3成分を有する多結晶材を
    用いると共に、鉄ガーネツト系種単結晶材を用
    い、前記多結晶材を、かかる種単結晶材の(110)
    面に対して接触せしめた状態下において、共晶温
    度以上、分解溶融温度未満の温度で加熱せしめ、
    前記多結晶材を溶融させることなく、前記一般式
    にて示される単結晶を前記単結晶材より前記多結
    晶材方向に結晶成長させて、単結晶を育成するこ
    とを特徴とする分解溶融を示す単結晶体の製造
    法。 2 前記多結晶材と種単結晶材の接触体を加圧下
    で加熱し、前記所定の単結晶を育成する特許請求
    の範囲第1項記載の単結晶体の製造法。 3 前記多結晶材の育成が、共晶温度以上、分解
    溶融温度未満の温度において、固相の体積比率が
    95%以上となる組成である特許請求の範囲第1項
    または第2項に記載の単結晶体の製造法。 4 前記多結晶材が、R2O3成分としてY2O3を有
    し、且つR′2O3成分としてFeO3を有するものであ
    り、そして該多結晶材と前記種単結晶材との接触
    体を、500Kg/cm2以上の圧力下で加熱し、所定の
    単結晶を育成することを特徴とする特許請求の範
    囲第2項または第3項記載の単結晶体の製造法。
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