JPH0473512B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、階下または地下の駐車空間に循環移
動して車両の格納を行う複数の車両搭載用パレツ
トを設け、階上または地上に入出庫口を設け、入
出庫口に対面する車両乗入空間と駐車空間の側部
との間に昇降路を形成し、昇降路内を昇降してパ
レツトの搬送を行う昇降リフトを備えた機械式駐
車設備に関する。

（従来の技術） 本出願人は先に特開昭58−160477号公報におい
て前述機械式駐車設備を開示した。この機械式駐
車設備は、昇降リフト上に垂直軸線まわりに回転
自在に搭載体を支持し、該搭載体は昇降リフトが
駐車装置に接舷した際駐車装置との間で相互にパ
レツトの移載を可能となし、また昇降路と車両乗
入空間との境界開口部の固定床には垂直軸線まわ
りに回転可能にターンテーブルを配置し、該ター
ンテーブルは中央部にパレツト嵌入用の開口を形
成し、昇降リフトが上昇した際搭載体に載置せる
パレツトが前記開口に嵌入し、該嵌入状態のまま
ターンテーブル、パレツト、搭載体、および搭載
車両が一体的に回転し得るようになつている。

（発明が解決しようとする問題点） 前述機械式駐車設備では、昇降路と車両乗入空
間との境界開口部の固定床にパレツトの全長より
大きな直径をもつターンテーブルが設けられるた
め、ターンテーブルは大形重厚となる上、水平回
転支持および調心機構が複雑となる。また、入出
庫口の乗入床と前記固定床との段差、即ちターン
テーブル設置のためのピツト深さが深くなり、車
両乗入空間の床構造が特別重厚且つ強固なものと
しなければならず、前述ターンテーブルの大形重
厚と合わせて設備費の高騰を招く。さらに、ター
ンテーブルは中央開口部にパレツトを嵌入させた
状態で回転するが、パレツトに搭載される車両の
荷重のかかり具合によつては、昇降リフト全体が
僅かに傾斜しパレツトを載置した搭載体の回転中
心はターンテーブルの回転中心から若干偏心する
ことがある。従つて、ターンテーブルは水平維持
のまま回転するものの、パレツトは若干傾斜状態
で回転されることになり、パレツト側面とターン
テーブルの中央開口部内側面とが擦れ合い、振動
および騒音が大きくなる恐れもある。

（問題点の解決手段） 本発明による機械式駐車設備は、昇降リフト上
に垂直軸線まわりに回転可能に支持し駐車装置と
の間で相互にパレツトの移動を可能とした旋回フ
レームを設け、昇降リフトが上昇した際、旋回フ
レーム並びに該旋回フレームに載置せるパレツト
および搭載車両が昇降路と車両乗入空間との境界
部固定床に形成せる開口部より車両乗入空間に突
出した状態で一体に回転し得るごとくしたことを
特徴とする。従つて前記境界部固定床には大形重
厚のターンテーブルを設ける必要がないので設備
費が安価となり、旋回フレームおよびパレツトは
固定床およびこれに付属する物体に全く接触する
ことなく車両乗入空間で空転するのみで車両方向
転換時の振動および騒音の軽減を果たし得る。

（実施例） 以下、図面を参照しながら本発明の一実施例に
つき詳述する。説明の便宜上、第１，２図におけ
る左・右を「左」・「右」、第３図における左・右
を「前」・「後」と呼称する。

１は建物２の地下に形成した駐車空間３内に配
置せる所謂「多層円形循環」方式の駐車装置で、
以下の構成より成る。４は車両Ｗ搭載用のパレツ
ト、５，５′は地下床６に左右水平に離間して適
宜ブラケツト（図示せず）により支承した１対の
スプロケツトホイール（但し右側のスプロケツト
５′図示せず）で、前・後部に対応して設けてあ
り、該スプロケツトホイール５，５′はそれぞれ
前・後対向して等間隔にアタツチメントプレート
７を取付けた前後２条の無端鎖８によつて連結し
てある。

そして前後に対応する前記アタツチメントプレ
ート７，７の先端間にはハンガー軸９を連結して
あり、該ハンガー軸９はパレツト４の右側部下面
前・後に固設した下向きＶ溝付受金具１０と係合
して、該パレツト４の右側を上方に向つて抜取可
能に支承している。

また前記パレツト４の左側前・後面には上・下
２個のガイドローラ１１，１２を軸支してあり、
このうちガイドローラ１１は無端鎖８の上方にお
いて前後平行に離間して付設した１対の上部ガイ
ドレール１３と、他方のガイドローラ１２は地下
床６に前後平行に離間して敷設した１対の下部ガ
イドレール１４とそれぞれ係合して、前記ハンガ
ー軸９による支承と相俟つてパレルト４の上・下
層部における左右方向の直線移動を行い得るごと
くしてある。

１５，１５′は前記左・右スプロケツトホイー
ル５，５′より水平左方に適宜間隔をもつて図示
しないブラケツトにより地下床６に基部を軸支し
た前後１対のハンガーアーム（但し、右側のハン
ガーアーム１５′図示せず）で、先端部内側に軸
支したローラ１６，１６′（但し、ローラ１６′図
示せず）がパレツト４の左側部下面前・後に固設
した孤状受金具１７と係合することにより、パレ
ツト４が駐車装置１の左・右両端部において反転
移行を行う際の該パレツト４の左側の支持を行
い、アタツチメントプレート７およびハンガー軸
９によるパレツト４右側の支持と相俟つてパレツ
ト４の水平状態を保持するごとくしてある。

１８は前記駐車装置１の左側反転部より地上に
向つて形成した昇降路で、該昇降路１８上方の地
上床１９に境界開口部として削設した矩形穴１９
ａを介して地上の車両乗入空間としての車両乗入
室２０に連通している。前記矩形穴１９ａは前記
パレツト４が嵌入できる大きさとしてある。さら
に前記車両乗入室２０は建物２の右側壁２ａに設
けた開閉扉２１ａを具備せる入出庫口２１を介し
外部に通じている。２２は入出庫口２１の地上床
１９に設けた乗入床で、車両乗入室２０に臨む左
端縁部に車両Ｗ通行用の可動デツキ２３を取付
け、該可動デツキ２３は不使用時は常時上方に直
立して車両Ｗの進入阻止板としての役目を兼ね
る。

２４は前記昇降路１８内を昇降可能に設置した
昇降リフトで、昇降路１８の左方に前後離間して
立設した１対の柱２５の左・右側部に垂直部材２
４ａの左上部および右下部に軸支した支持ローラ
２６を転動自在に係合させ、片持で支持してあ
る。２７は昇降路１８の左側壁に固設し前記柱２
５を垂直状に保持するためのブラケツトである。

２８は昇降路１８の地下床に据付けた昇降リフ
ト２４の昇降駆動用モータで、前記垂直部材２４
ａとの間に連係したチエン・スプロケツト昇降機
構２９を介し昇降リフト２４を前記柱２５に沿つ
て昇降させるごとくしてある。

３０は前記昇降リフト２４の水平部材２４ｂ中
央部において前記矩形穴１９ａの中心を通る垂直
軸線Ｍまわりに回転自在に支承した回転円筒軸、
３１は前記回転円筒軸３０の上端面に中央部を固
定した矩形水平状の旋回フレーム、３２は前記水
平部材２４ａに据付けた減速機およびブレーキ付
の可逆モータで、上向き出力軸に固定した駆動小
歯車３２ａを前記回転円筒軸３０の中間部外周面
に形成した大歯車３０ａに噛合わせてあり、前記
モータ３２の駆動により回転円筒軸３０を介し旋
回フレーム３１を垂直軸線Ｍまわりに旋回するご
とくしてある。３１ａは前記旋回フレーム３１の
４隅上面に固設したパレツト４の位置決め載置用
の当板である。

３３は前記水平部材２４ａ上に前記回転円筒軸
３０を狭んで前・後に配置した水平状の床で、該
床３３の上面は前記旋回フレーム３１の直下に位
置し、該床３３の右方部は昇降リフト２４の昇降
時前記ハンガー軸９に干渉しないように短くして
ある。３４は前記各床３３の右側面凹所（図示せ
ず）に左右方向水平に摺動自在に取付けた可動補
助床で、常時は前記右側面凹所に収納された状態
にある。

次に作用につき説明する。

いま昇降リフト２４は駐車装置１の左側反転部
下方に待機し、旋回フレーム３１は前後方向水平
に延びており、可動補助床３４は床３３の右側面
凹所内に引込んでいる。また入出庫口２１の開閉
扉２１ａは閉じており、可動デツキ２３は直立し
いる。

この状態から出庫させたい場合、入出庫口２１
外に設けられた操作盤（図示せず）において所望
パレツト４に相当する出庫押釦（図示せず）を押
動操作すると、先ず駐車装置１の作動によりパレ
ツト４群が長円形の循環移動を行つて所望パレツ
ト４が左側反転部に配置されて停止する（第１図
二点鎖線）。

この状態から、昇降リフト２４はモータ２８の
上昇方向への駆動により上昇する。この上昇途中
で、前記当板３１ａの突起（第３図に図示）が左
側反転部に待機せるパレツト４の下面テーパ穴
（図示せず）に嵌入するとともに当板３１ａに衝
接することにより該パレツト４を旋回フレーム３
１上に位置決め保持する。前記昇降リフト２４は
なおも地上に向つて上昇し、旋回フレーム３１・
パレツト４および該パレツト４に搭載の車両Ｗが
矩形穴１９ａを通過して上方に突出し、床３３が
矩形穴１９ａに嵌入し地上床１９と面一になつた
ところで上昇を停止する（第１，２，３図の実線
の状態）。これと同時に可動補助床３４が右方に
突出して矩形穴１９ａの右方部を封鎖する。次い
で、可逆モータ３２の駆動により旋回フレーム３
１・パレツト４および車両Ｗを第２図における時
計回り方向に90°回転させる（第２図二点鎖線）。
これにより、車両Ｗは90°の方向転換を行われ、
前部が入出庫口２１に対面する（第１図二点鎖
線）。そして、可動デツキ２３が水平状に揺動し、
パレツト４の車両乗入面は該可動デツキ２３を介
し入出庫口２１の乗入床２２と面一且つ接続状態
となる。したがつて、開閉扉２１ａを開き、運転
者は入出庫口２１より車両乗入室２０に入り、地
上床１９および床３３を通つて車両Ｗに乗り込
み、前進運転により入出庫口２１より外部に退出
する。その後、出庫を終えた空パレツト４は先と
逆の順次動作により駐車装置１に復帰する。即
ち、第２図二点鎖線の状態から、旋回フレーム３
１が反時計回り方向に90°回転し、昇降リフト２
４が下降し、下降の最終段階で空パレツト４のみ
をアタツチメントプレート７およびハンガーアー
ム１５に載置して残し、昇降リフト２４は元の最
下降位置に復帰する。

入庫に際しては、第２図二点鎖線の状態で、車
両Ｗが入出庫口２１より前進運転によりパレツト
４に乗り込み、その後旋回フレーム３１を90°反
時計回り方向に回転させ、前述出庫操作の復帰動
作と同様に駐車装置１内へ収容させればよい。

本発明は前述実施例以外に下記する変形もまた
実施可能である。

（Ｉ） 前述実施例では、旋回フレーム３１を
90°回転させて入出庫を行うとき、パレツト４
は地上床１９より若干高位置に位置する。勿
論、この程度の段差を生じても、パレツト４お
よび搭載車両Ｗに対する乗降にはほとんど支障
を来たさないが、この段差を実質上皆無とする
ことも可能である。即ち、乗入床２２を地上床
１９自体となし、該地上床１９に前記矩形穴１
９ａと共に十字形穴を形成するように該矩形穴
１９ａと同形且つ左右方向に長い補助矩形穴を
削設する。そして前述旋回フレーム３１の90°
回転後、旋回フレーム３１を若干下降させてパ
レツト４を補助矩形穴に嵌入させ該パレツトの
車両乗入面を地上床１９と面一にすればよい。
この場合、前述可動デツキ２３は不要である。

（） 前述実施例では、旋回フレーム３１を
90°回転させて入出庫を行うが、車両乗入室２
０の前壁または後壁に入出庫口が設けられてい
る場合は、乗入床を地上床１９自体となし、旋
回フレーム３１を180°回転させた後、旋回フレ
ーム３１を若干下降させてパレツト４を矩形穴
１９ａに嵌入させ該パレツトの車両乗入面を地
上床と面一にすればよい。

（） 前述旋回フレーム３１は前記大歯車３０
ａと駆動小歯車３２ａの直接的噛合による歯車
伝動機構を採用したが、チエンスプロケツト機
構等他の伝動機構でもよい。

（） 前述駐車装置１は、「多層円形循環」方
式のものとして説明したが、「多層箱形循環」
方式や「水平循環」方式等も実施できる。

（発明の効果） 以上説明した通り、本発明の機械式駐車設備に
よるときは、昇降リフト自体に旋回フレームを設
置し、該旋回フレームはパレツトを位置決め載置
した状態で車両乗入室内で回転しパレツトに搭載
の車両の方向転換を行うようにしたため、従来の
ように地上床に大形重厚で複雑なターンテーブル
を設ける必要がなく設備費が安価となり、しかも
旋回フレームの回転中車両乗入室の固定部のどの
部分にも接触しないため車両方向転換時の振動お
よび騒音も小さくなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は昇降路および車両乗入室付近の縦断面図、第２
図は第１図の〜矢視平面図（但し、車両削
除）、第３図は第１図の〜矢視側面図である。 図中、１は駐車装置、４はパレツト、１８は昇
降路、１９は地上床、１９ａは矩形穴、２０は車
両乗入室、２１は入出庫口、２２は乗入床、２４
は昇降リフト、３１は旋回フレームである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 階下または地下の駐車空間に循環移動して車
   両の格納を行う複数の車両搭載用パレツトを設
   け、階上または地上に入出庫口を設け、該入出庫
   口に対面する車両乗入空間と前記駐車空間の側部
   との間に昇降路を形成し、該昇降路内を昇降して
   パレツトの搬送を行う昇降リフトを備えた機械式
   駐車設備において、前記昇降リフト上に垂直軸線
   まわりに回転可能に支持し前記駐車装置との間で
   相互にパレツトの移載を可能とした旋回フレーム
   を設け、昇降リフトが上昇した際、旋回フレーム
   並びに該旋回フレームに載置せるパレツトおよび
   搭載車両が昇降路と車両乗入空間との境界部固定
   床に形成せる開口部より車両乗入空間に突出した
   状態で一体に回転し得るごとくしたことを特徴と
   する、機械式駐車設備。