JPH047195B2 - - Google Patents

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JPH047195B2
JPH047195B2 JP27027284A JP27027284A JPH047195B2 JP H047195 B2 JPH047195 B2 JP H047195B2 JP 27027284 A JP27027284 A JP 27027284A JP 27027284 A JP27027284 A JP 27027284A JP H047195 B2 JPH047195 B2 JP H047195B2
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JP
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halo
asymmetric reduction
group
acid ester
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Satomi Takahashi
Yoshibumi Yanagida
Yukio Yamada
Yasuyoshi Ueda
Yoshio Shimada
Kyoshi Watanabe
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、γ−ハロ−アセト酢酸エステルの微
生物的不斉還元を利用した光学活性(S)−γ−
ハロ−β−ヒドロキシ酪酸エステルの製造法に関
し、医薬、農薬などとして有効な生理活性を示す
光学活性化合物ないしはその合成中間体の合成原
料を極めて有利に製造することを目的とする。 〔従来の技術〕 光学活性なβ−ヒドロキシ酸またはそのエステ
ルの製造法として、1,3−ジオール類の微生物
酸化、β−ケト酸類の微生物による不斉還元、脂
肪酸のβ−酸化などの方法が知られている。アセ
ト酢酸エステル類の微生物、特にパン酵母を用い
た不斉還元によるβ−ヒドロキシ酪酸エステル合
成については種々検討され、簡便な二官能性光学
活性化合物の調製法として、生理活性化合物の有
用な合成中間体合成手法として利用されている。
しかし、こうした検討にもかかわらず、従来、γ
−位置換体、特にハロゲン原子の置換したγ−ハ
ロ−β−ヒドロキシ酪酸およびそのエステルの合
成研究はほとんど行なわれることなく、わずかに
チヤールズ・ジエイ・シー(Charles J.Sih)ら
により、γ−置換(ハロゲン原子、或いは水酸
基)アセト酢酸誘導体の酵素的不斉還元を利用し
た光学活性(R)−γ−置換−β−ヒドロキシ酪
酸誘導体の合成が報告されているのみである(J.
Am.Chem.Soc.1988、105、5925.および特開昭59
−118093)。彼らはL−カルニチンの効率的な合
成を目的に、特異的に(R)体のγ−置換−β−
ヒドロキシ酪酸誘導体を生成するL−β−ヒドロ
キシアシルCoAデヒドロゲナーゼ〔EC.1.1.1.35〕
産生微生物を見いだし、L−カルニチンの合成前
駆体と考えられる(R)−γクロル−β−ヒドロ
キシ酪酸エステルなどの合成に有効に利用できる
ことを明らかにしている。また、その際、エステ
ル鎖長を長くする程、目的とする(R)−体の光
学純度が向上し、C6以上ではほぼ100%光学純度
のものが得られるが、鎖長を短かくするにつれ、
光学純度が低下し、エステル鎖の炭素数が1〜4
の場合には、目的とは反対の低光学純度の(S)
体が生成することを報告している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明者らは、光学活性γ−ハロ−β−ヒドロ
キシ酪酸エステルが、L−カルニチンの合成原料
としてのみならず三官能性の光学活性合成原料と
して、抗コレステロール剤などの医薬およびフエ
ロモン類などの農薬の合成に極めて有用な化合物
群であることに着目した。生理活性化合物の合成
検討においては、(R)体のみならず(S)体も
必要である。特に生体との親和性の面では(S)
体が有効な場合が多く、効率的な(S)体の製法
が望まれている。一般に、γ−ハロ−β−ヒドロ
キシ酪酸誘導体においては、γ−位のハロゲン原
子が塩基に対して不安定なため、通常の化学的合
成法で得られるラセミ体を光学分割することは困
難で、現在まで有効な(S)−γ−ハロ−β−ヒ
ドロキシ酪酸エステルの合成法はない。 〔問題を解決するための手段〕 本発明者らは、上述の背景のもとに効率的な
(S)−γ−ハロ−β−ヒドロキシ酪酸エステルの
製造法を開発することを目的に生化学的な手法に
ついて鋭意検討を行なつた。その結果、微生物の
中にはγ−ハロ−アセト酢酸エステルを基質に
(S)−立体特異的な還元作用を示して、対応する
極めて高い光学純度の(S)−γ−ハロ−β−ヒ
ドロキシ酪酸エステルを効率的に生成する能力を
有する微生物が存在することを見いだし、本反応
が(S)−γ−ハロ−β−ヒドロキシ酪酸エステ
ルの有効な工業的製造法となることを明らかにし
て本発明を完成した。本発明の概略は次の式で表
わされる。 すなわち、本発明は一般式()(式中、Xは
塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、Rはアル
キル基、アリール基またはそれらの置換体を表
す)で示されるγ−ハロ−アセト酢酸エステル
に、β−位カルボニル基に対して、(S)−立体特
異的な還元能を示す微生物を作用させて、(S)
配位を有するβ−ヒドロキシル化合物〔一般式
()〕に変換する光学活性(S)−γ−ハロ−β
−ヒドロキシ酪酸エステルの製造法である。以
下、本発明を詳細に説明する。 本発明で、基質として用いられるγ−ハロ−ア
セト酢酸エステルのハロゲン原子としては、塩
素、臭素、ヨウ素等が用いられるが、操作性、反
応性等から塩素原子が好ましい。又、上記一般式
中、Rで表わされるアルキル基としては、いずれ
をも使用できるが、収率よく高純度の(S)体を
得るには炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプ
ロピル基等が望ましい。またアリール基として
は、フエニル基、トリル基、等が、またこれらの
置換体としてはフルオロフエニル基、クロロフエ
ニル基等が用いられる。 γ−ハロ−アセト酢酸エステルは、ジケテン
()を出発化合物として、これにハロゲンを作
用させγ−ハロ−アセト酢酸クロライド()と
した後、これにアルコールを作用させるか、或い
はアセト酢酸エステル()の直接γ位ハロゲン
化などにより極めて容易に合成することができ
る。 本発明で使用する微生物は、γ−ハロ−アセト
酢酸エステルの3位カルボニル基に対して(S)
−立体特異的な不斉還元能を有するものであれば
何でもよく、こうした能力をもつ微生物の分布は
相当広範囲の種属にわたつていることが判明し
た。例えば酵母に属するものとして、キヤンデイ
ダ属(Candida)、デバリオマイセス属
(Debaryomyces)、デイポダスカス属
(Dipodascus)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、ピ
チア属(Pichia)、サツカロマイセス属
(Saccharomyces)、トルロプシス属
(Torulopsis)、トリコスポロン属
(Trichosporon)属などがある。 これら微生物の培養は通常液体栄養培地で行な
われる。培地には、資化し得る炭素源、窒素源、
生育に必須のビタミン及び無機栄養素を含有させ
た培地、たとえばグルコース、ポリペプトン、酵
母エキス等からなる培地を用い、通気下、20〜40
℃、PH4〜9の条件で培養を常法通り行なうこと
ができる。 γ−ハロ−アセト酢酸エステルの微生物的不斉
還元は、通常上記培養条件で得た微生物生菌体
を、0.5〜10%(w/v)の基質を含む緩衝液
(培養液量の1/10量)に懸濁し、PH5〜8で20℃
〜40℃の条件下2〜18時間反応することによつ
て、ほぼ定量的に行うことができる。また、微生
物の培養液に基質とグルコースを添加して、PHを
5〜8に保ちつつ20〜40℃の条件下、20〜30時間
培養することによつても定量的に不斉還元を行う
ことができる。また反応系に基質を逐次添加する
ことにより高濃度に(S)体を蓄積させることも
できる。 これらの不斉還元能を有する微生物を、架橋
法、物理的吸着法、包括法等公知の固定化方法で
固定化した固定化微生物をもちいて反応を行うこ
とも可能である。また、上記の不斉還元反応を行
う際、エネルギー源として、反応液にグルコー
ス、シユクロース等を数%〜10%程度添加するこ
とにより酵素活性の維持等を行うこともできる。
また微生物の培養中にγ−ハロ−アセト酢酸エス
テルを添加して、培養と酵素反応を同時に行なう
こともできる。 反応後、生成したγ−ハロ−β−ヒドロキシ酪
酸エステルは、たとえば遠心分離等による除菌
後、反応液よりクロロホルム、ジエチルエーテル
などを用い抽出した後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフイーなど通常の分離操作を行ない、純品
として単離することができる。 生成物の光学純度は、光学活性な有機酸(例え
ば、(+)−a−メトキシ−a−トリフルオロメチ
ルフエニル酢酸(MTPA)、或いはメントールな
ど)とのエステルを合成し、ジアステレオアイソ
マー化合物とした後、高速液体クロマトグラフイ
ーにより光学異性体を分離、定量して容易に測定
することができる。また更に簡便には、純品の比
旋光度の明らかなγ−ハロ−β−ヒドロキシ酪酸
エステルについては、生成物の比旋光度を求める
ことにより光学純度を知ることができる。 〔実施例〕 以下に実施例をあげて本発明を説明する。本発
明はもとよりこれに限定されるものではない。 基質の製造例 1 ジケテン45.7gを塩化メチレン500mlに溶解後、
内温を−20℃に保つて攪拌しつつ、塩素ガス38.7
gを導入吸収させた。ついで、同温度で1時間攪
拌を続けた後、エタノール25.1gを注ぎ入れ、室
温で一晩攪拌した。塩化メチレンを減圧下留去
後、残渣を減圧蒸留し、γ−クロロアセト酢酸エ
チル62.3gを得た。 基質の製造例 2 ジケテン4.57gを塩化メチレン50mlに溶解後、
内温を−20℃に保つて攪拌しつつ、塩素ガス3.87
gを導入吸収させた。ついで同温度で1時間攪拌
を続けた後、メタノール1.75gを注ぎ入れ、室温
で一晩攪拌した。塩化メチレンを減圧下溜去後、
残渣を減圧蒸溜し、γ−クロロアセト酢酸メチル
4.56gを得た。 基質の製造例 3 ジケテン4.57gを塩化メチレン50mlに溶解後、
内温を−20℃に保つて攪拌しつつ塩素ガス3.87g
を導入吸収させた。ついで、同温度で1時間攪拌
を続けた後、n−プロピルアルコール3.8gを注
ぎ入れ室温で一晩攪拌した。塩化メチレンを減圧
下溜去後、残渣を減圧蒸溜し、γ−クロロアセト
酢酸n−プロピル3.28gを得た。 基質の製造例 4 ジケテン22.0gを四塩化炭素60mlに溶解後、内
温を約−10℃に保つて攪拌しつつ、臭素42.0gを
四塩化炭素20mlに溶かした溶液を滴下した。つい
で同温度で30分間攪拌を続けた後、エタノール
12.2gを注ぎ入れ、室温で一晩攪拌した。四塩化
炭素を減圧下留去後、残渣を減圧蒸留し、γ−ブ
ロムアセト酢酸エチル35.1gを得た。 基質の製造例 5 アセト酢酸エチル41.2gを二硫化炭素80mlに溶
解後、内温を約10℃に保つて攪拌しつつ臭素50.7
gを1時間かけて滴下した。ついで室温で約3時
間攪拌を続けた後、二硫化炭素を減圧下留去し
た。残渣を減圧蒸留し、γ−ブロムアセト酢酸エ
チル45.9gを得た。 実施例 1 下記組成からなる栄養液体培地を調製し、綿栓
した500ml容肩付フラスコに50mlずつ分注後、120
℃で20分間蒸気殺菌を行なつた。 培地組成: ポリペプトン 0.5%(重量%以下同じ) 酵母エキス 0.3% 粉末麦芽エキス 0.3% グルコース 2.0% (PH6.5) 予め、麦汁寒天スラントで30℃、24時間培養し
た表−1に示す酵母を上記栄養液体培地に一白金
耳接種して30℃で22時間好気的に培養を行なつ
た。これらの培養液40mlを用い、遠心分離して得
た生菌体を更に同量の0.9%食塩水で洗浄したの
ち、再び遠心分離して集菌し、洗浄生菌体を得
た。この生菌体に、γ−クロロ−アセト酢酸エチ
ルを3.0%(w/v)含む0.1M−リン酸緩衝液
(PH6.5)4.0mlを加え、よく混合した後、30℃に
て振盪しつつ3時間反応させた。なお対照として
基質溶液に生菌体を加えないものを同様に反応条
件下においた。反応後、反応液全体に10mlのクロ
ロホルムを加え、充分攪拌混合後、クロロホルム
層を分離した。このクロロホルム抽出操作を2回
繰り返し、抽出液を減圧乾固後、再びクロロホル
ムを加え全体量を5mlに調整した。このクロロホ
ルム溶液を用い、ガスクロマトグラフイーにより
生成γ−クロロ−β−ヒドロキシ酪酸エチルを定
量するとともに(測定条件:カラム、
Chromosorb W(AW−DMCS)H3PO4、4.0mm
ID×1.0m;カラム温度、140℃;キヤリアーガ
ス、窒素;検出、FID)旋光度を測定し、比旋光
度を算出した。結果を表−1に示す。
【表】
【表】 実施例 2 500ml容肩付フラスコ中に、グルコースを別殺
菌して加えた下記組成より成る栄養液体培地50ml
を調製した。 培地組成: グルコース 4.0% 酵母エキス 0.3% (NH42HPO4 1.3% KH2PO4 0.7% MgSO4・7H2O 0.1% 微量成分(ZnSO4・7H2O 60ppm、FeSO4
7H2O 90ppm、CuSO4・5H2O 5ppm、MnSO4
4H2O 10ppm、NaCl 1000ppm) (PH7.2) 上記培養フラスコ10本に、それぞれ予め麦汁寒
天スラントで30℃、24時間培養したキヤンデイ
ダ・パラプシロシス IFO 0708(Candida
parapsilosis)を一白金耳接種して30℃で22時間
培養を行なつた。 培養液を合せ遠心分離して得た生菌体を0.9%
食塩水で洗浄した後、再び遠心分離して集菌し洗
浄生菌体を得た。この生菌体にγ−クロロ−アセ
ト酢酸エチルを3.0g、およびグルコース2.0gを
含む0.1M−リン酸緩衝液(PH6.5)100mlを加え
よく混合した後、30℃にて振盪しつつ18時間反応
させた。反応後、遠心分離して上清を得た後、再
び菌体を同量の0.1M−リン酸緩衝液(PH6.5)で
洗浄、遠心分離して洗浄液を得た。この上清と洗
浄液をあわせ、200mlのクロロホルムを用い抽出
操作を2回繰り返した。抽出クロロホルム相を飽
和食塩水400mlで洗浄した後、無水硫酸ソーダ上
で乾燥し、ついでクロロホルムを減圧下溜去して
油状残渣2.7gを得た。こうして得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフイー(カラム:
5.5×30cm、溶出溶媒、ベンゼン:酢酸エチル=
7:2)により精製して2.3gの油状目的物質
(S)−γ−クロロ−β−ヒドロキシ酪酸エチルを
得た。 〔α〕25 D=−21.1(c=1.5、CHCl2) NMRδppm(CDCl3):1.3(3H、t、CH3)、2.6
(2H、d、CH2)、3.3(1H、d、OH)、3.6
(2H、d、CH2)、4.0〜4.4(3H、m、CH+
CH2) IRcm-1(neat):3450、2970、1720、1370、1300、
1260、1190、1150、1090、1050、1030 なお、(+)−α−メトキシ−α−トリフルオロ
メチルフエニル酢酸とのジアステレオマーエステ
ルを形成させ高速液体クロマトグラフイーにより
分離・定量するMTPA法(カラム:PARTISIL
−5(5μm)、ガスクロ工業株式会社、4.6×250
mm、移動相、ヘキサン−エテル20:1、流速2.0
ml/min)による本品の光学純度は94.7%e.e.で
あつた。 実施例 3 培地組成がポリペプトン0.5%、酵母エキス0.3
%、粉末麦芽エキス0.3%、グルコース2.0%、PH
6.5からなる栄養液体培地を調製し、、綿栓した
500ml容肩付フラスコに50ml分注後、120℃で20分
間蒸気殺菌を行つた。予め、麦汁寒天スラントで
30℃、24時間培養したデイポダスカス・テトラス
ペルマ(Dipodascus tetrasperma)CBS 765.70
を上記栄養液体培地に一白金耳接種して、30℃で
振盪培養しつつ、培養開始後16時間目に、この培
養液に、別殺菌しておいた50%(w/v)グルコ
ース水溶液1mlとγ−クロロ−アセト酢酸エチル
0.5gをそれぞれ添加し、培養と酵素反応を同時
に進行させた。その後、6時間おきに2回、グル
コース水溶液1mlとγ−クロロ−アセト酢酸エチ
ル0.5gをそれぞれ1回目と同様に添加して28時
間反応を行なわせた。なおその際、培養液のPHが
5.5以下にならないよう10%NaOH水溶液を用い
調整しながら行つた。反応液の抽出、精製は、実
施例2の操作に従い、目的とする油状物質(S)
−γ−クロロ−β−ヒドロキシ酪酸エチル1.2g
を得た。 〔α〕25 D=21.0(c=1.5、CHCl3) MTPA法による光学純度 94.2%e.e. 実施例 4 デイポダスカス・テトラスペルマ
(Dipodascus tetrasperma)CBS 765.70を実施
例1と同様に培養し、培養液500mlを得た。この
培養液を遠心分離して得た生菌体にγ−クロロ−
アセト酢酸メチル1.5gを含む0.1M−リン酸緩衝
液(PH6.5)50mlを加え混合した後、30℃にて振
盪しつつ5時間反応させた。反応後、遠心分離し
て得た上清をクロロホルム抽出し、抽出クロロホ
ルム相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ソー
ダ上で乾燥し、ついで減圧下クロロホルムを溜去
して油状残渣1.1gを得た。こうして得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(カラ
ム:3.0×30cm、溶出溶媒ベンゼン:酢酸エチル
=7:2)により精製して0.85gの油状目的物質
(S)−γ−クロロ−β−ヒドロキシ酪酸メチルを
得た。 〔α〕25 D=−22.3(c=1、CHCl3) MTPA法による光学純度 94.9%e.e. 実施例 5 基質にγ−クロロ−アセト酢酸−n−プロピル
を用い実施例3と同様の操作により(S)−γ−
クロロ−β−ヒドロキシ酪酸−n−プロピル1.05
gを得た。 〔α〕25 D=−19.8(c=1、CHCl3) MTPA法による光学純度 92.1%e.e. 実施例 6 微生物にキヤンデイダ・パラプシロシス
(Candida parapsilosis)IFO 0708、基質として
γ−ブロム−アセト酢酸エチルを用いたほかは、
実施例3と同様にして目的とする(S)γ−ブロ
ム−β−ヒドロキシ酪酸エチルを得た。 (発明の効果) 本発明によれば、従来有効な手段のなかつた光
学活性(S)−γ−ハロ−ヒドロキシ酪酸エステ
ルを、微生物の有する立体特異的不斉加水分解能
を利用して高純度に製造することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式() (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
    子であり、Rはアルキル基、アリール基またはそ
    れらの置換体である。) で示されるγ−ハロ−アセト酢酸エステルのβ位
    カルボニル基に対して、(S)−立体特異的な不斉
    還元能を有するキヤンデイダ(Candida)属、デ
    バリオマイセス(Debaryomyces)属、デイポダ
    スカス(Dipodascus)属、ハンゼヌラ
    (Hansenula)属、ピチア(Pichia)属、サツカ
    ロマイセス(Saccharomyces)属、トルロプシ
    ス(Torulopsis)属及びトリコスポロン
    (Trichosporon)属からなる群から選ばれる酵母
    を該γ−ハロ−アセト酢酸エステルに作用させ、
    一般式() (式中、XおよびRは前記に同じ) で示される(S)−γ−ハロ−β−ヒドロキシ酪
    酸エステルに微生物不斉還元することを特徴とす
    る(S)−γ−ハロ−β−ヒドロキシ酪酸エステ
    ルの製造法。 2 Rが炭素数1〜4の低級アルキル基である特
    許請求の範囲第1項記載の製造法。 3 Xが塩素原子であり、Rがエチル基である特
    許請求の範囲第1項または第2項記載の製造法。 4 微生物不斉還元を単離した生菌体を用いて行
    う特許請求の範囲第1項ないし第3項いずれかの
    項記載の製造法。 5 培養系にγ−ハロ−アセト酢酸エステルを添
    加しつつ、培養と不斉還元を同時に行う特許請求
    の範囲第1項ないし第3項いずれかの項記載の製
    造法。
JP27027284A 1984-12-20 1984-12-20 (S)−γ−ハロ−β−ヒドロキシ酪酸エステルの製造法 Granted JPS61146191A (ja)

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