JPH0593A - 光学活性3−メチルアジピン酸の製造方法 - Google Patents

光学活性3−メチルアジピン酸の製造方法

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JPH0593A
JPH0593A JP3222835A JP22283591A JPH0593A JP H0593 A JPH0593 A JP H0593A JP 3222835 A JP3222835 A JP 3222835A JP 22283591 A JP22283591 A JP 22283591A JP H0593 A JPH0593 A JP H0593A
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squalene
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Akira Tsubokura
章 坪倉
Hisashi Yoneda
久 米田
Takashi Kiyota
隆 清田
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    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/14Fungi; Culture media therefor
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    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
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    • C12P7/44Polycarboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • Y10S435/921Candida
    • Y10S435/923Candida lipolytica

Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて光学純度の高い光学活性3−メチルア
ジピン酸の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 キャンディダ(Candida) 属に属しスクアレン
を次の式(I): 【化1】 (式中、*印は不斉炭素原子であることを示す)で表わ
される光学活性3−メチルアジピン酸に変換することが
できる微生物を用いてスクアレンを光学活性3−メチル
アジピン酸に転換し、そして該光学活性3−メチルアジ
ピン酸を採取することを特徴とする光学活性3−メチル
アジピン酸の製造方法。 【効果】 本発明によれば、特定の微生物を用いてスク
アレンから高純度の光学活性3−メチルアジピン酸を製
造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性ジカルボン酸で
ある光学活性3−メチルアジピン酸の製造方法に関す
る。本発明の方法により製造される光学活性ジカルボン
酸は不斉炭素上にメチル基を有するキラル化合物として
医薬、農薬、その他の生理活性物質の合成原料として、
また液晶ポリマーの原料としても有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性な3−メチルアジピン酸
を製造する方法としては、例えば光学活性天然化合物で
ある(S)−(−)−シトロネロールの酸化により
(S)−(−)−3−メチルアジピン酸を合成する方法
(J.Chem.Soc.Commum.,803,1984) 、あるいは同じく光学
活性天然化合物である(R)−(+)−プレゴンの酸化
により(R)−(+)−3−メチルアジピン酸を合成す
る方法 (Bull.Soc.Chim.Fr.〔5〕,1355, 1939) な
どが知られているが、どちらも光学活性天然化合物を原
料としており原料コストが高いことおよび酸化反応時の
ラセミ化による光学純度の低下など工業生産において不
利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は極めて光学純
度の高い光学活性3−メチルアジピン酸の製造方法を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光学活性3
−メチルアジピン酸を微生物的に製造する方法を開発す
べく種々検討した結果、キャンディダ(Candida) 属に属
する微生物を用いることによりスクアレンから光学活性
3−メチルアジピン酸を通常光学純度95%、好ましく
は98%、最も好ましくは100%の高純度で生産する
ことができることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、キャンディダ(Candi
da) 属に属しスクアレンを次の式(I):
【化2】 (式中、*印は不斉炭素原子であることを示す)で表わ
される光学活性3−メチルアジピン酸に変換することが
できる微生物を用いてスクアレンを光学活性3−メチル
アジピン酸に転換し、そして該光学活性3−メチルアジ
ピン酸を採取することを特徴とする光学活性3−メチル
アジピン酸の製造方法に関する。
【0006】
【具体的な説明】本発明において使用するキャンディダ
(Candida) 属に属する微生物は例えば次のような方法に
より得ることができる。すなわちスクアレンを唯一の炭
素源とした培地に自然界に存在する分離源を添加して培
養を行い、その培養液よりスクアレンを炭素源として利
用可能な菌株を分離する。
【0007】ここで用いられる培地はスクアレンを唯一
の炭素源とする他は、通常使用されているいずれの培地
を使用することができ、菌株が生育に必要とする窒素
源、無機塩、および必要に応じ特殊な要求物質(例えば
ビタミン、アミノ酸、核酸塩基等)を含む。炭素源はス
クアレンを唯一の炭素源として培地1Lに対し0.1〜
100g、好ましくは1〜10g添加する。
【0008】窒素源としては、例えば硝酸カリウム、硝
酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、アンモニア、尿素等の1種ま
たは2種以上が用いられる。添加割合は窒素源の種類に
より異なるが、通常培地1Lに対し、0.1〜10g、
好ましくは1〜3gである。無機塩としてはリン酸カリ
ウム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸鉄、
塩化鉄、塩化カルシウム等の1種または2種以上が用い
られる。添加割合は無機塩の種類により異なるが、通常
培地1Lに対し0.001〜10g、好ましくは0.0
1〜5gである。
【0009】必要に応じて特殊な要求物質としてビタミ
ン類、酵母エキス、ペプトン、コーンスチープリカー等
の1種または2種以上が用いることができる。添加割合
は物質の種類により異なるが、通常培地1Lに対し10
g以下、例えば0.05〜10g、好ましくは0.1〜
5gである。培地のpHは通常、2〜11、好ましくは3
〜6に調整する。
【0010】また特定の菌株を選択的に増殖させるため
に抗生物質、殺菌剤等を添加するのが好ましい。例を挙
げると酵母を選択的に増殖させるために細菌の増殖を抑
える目的でストレプトマイシンを0.1〜100mg/
L、好ましくは10〜50mg/L添加することができ
る。
【0011】分離源は微生物が存在していると思われる
環境の物質、例えば土壌、排水、腐った果実等を用いる
ことができる。分離源は培地1Lに対して1〜100
g、好ましくは30〜50g添加する。培養温度は15
〜80℃、好ましくは20〜35℃で行う。培養時間は
通常1日〜30日間、好ましくは4〜7日間培養を行
い、次いで新鮮な培地に植え継ぎ、同様に1〜30日
間、好ましくは4〜7日間培養を行い、これを2〜5回
繰り返す。通気条件は通常の好気性条件下で培養を行
う。
【0012】菌株の増殖は培地の濁度の測定、および顕
微鏡観察により行う。OD610 0.1〜10、好ましく
は0.2〜1になったら分離操作を行うのが好ましい。
すなわち培養液中より当該菌株を純粋分離する。方法は
通常の純粋分離法である平板培養法を用いるのが好まし
い。平板培地としては寒天が0.1〜10%含有した培
地であればいずれの培地でもよく、例えば寒天2%含有
の酵母エキス麦芽エキス寒天培地(YM寒天培地)等が
用いられる。
【0013】上記の方法により得られた、本発明の化合
物の製造に使用することができる微生物の1例として、
酵母SQL349株を挙げることができる。この微生物
株SQL349は工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第11653号(FERM P−11653)
として寄託されている。この微生物は下記の菌学的性質
を有する。
【0014】(a)形態 栄養細胞 球〜楕円形で多極出芽により増殖する。 液体培養 沈澱及び産膜を認める。(25℃、3日
間) 偽菌糸 形成する。(25℃、3日間) 真菌糸 形成する。(25℃、6日間) 子のう胞子 アダムス、ゴロドコバ、麦芽、YM、V−
8、ポテトデキストロースの各培地で形成を認めず。
【0015】(b)生理学的性質 糖の発酵性 グルコース − シュークロース − マルトース − ラクトース − ラフィノース − ガラクトース −
【0016】 資化性 硝酸塩 − イノシトール − エリスリトール + ガラクトース − グルコース + シュークロース − セロビオース − トレハロース − マルトース − ラクトース − ラフィノース −
【0017】 生育温度 25℃ + 30℃ + 37℃ − DBB呈色反応 − 油脂の分解 +
【0018】以上の結果SQL349株はキャンディダ
・リポリティカ(Candida lipolytica) と同定された。
なおキャンディダ・リポリティカ(Candida lipolytic
a) はIFOで分類されているサッカロミコプシス・リ
ポリティカ (Saccharomycopsis lipolytica) の不完全世
代およびATCCで分類されているヤローウィア・リポ
リティカ(Yarrowia lipolytica)の不完全世代を示し
これらの菌は分類学上全く同一のものである。
【0019】本発明の方法においては、前記の微生物の
ほかに、例えばサッカロミコプシス・リポリティカ (Sa
ccharomycopsis lipolytica) IFO 0746(ATCC 20114),I
FO 1209(ATCC 8662),IFO 1542(ATCC 20306),IFO 1632,I
FO 1741,IFO 10073(ATCC 48436),IFO 1742(ATCC 9773),
IFO 1195,IFO 1548(ATCC 18942),IFO 1549(ATCC 1894
5),IFO 1550(18943),IFO 1746,ATCC 20237,ATCC 20255,
ATCC 20362,ATCC 20363,ATCC 20460,ATCC 20461,ATCC 2
0496,ATCC 22421,ATCC 22422,ATCC 22423,ATCC 34922,A
TCC 44601,ATCC 46330,ATCC 46482,ATCC 46483,ATCC 46
484等を使用することができ、これらの菌株はIFO,ATC
C、等から自由に入手することができる。
【0020】前記化合物を製造するための培地は、例え
ば次の通りである。すなわち、生産菌が生育に必要な炭
素源、窒素源、無機塩、および必要であれば特殊な要求
物質(例えばビタミン、アミノ酸、核酸塩基等)を含
む。唯一の炭素源としてスクアレンを使用することがで
きるが、必要に応じて炭素源としてグルコース、エリス
リトール等の糖類、n−パラフィン等の炭化水素、エタ
ノール、プロパノール等のアルコール類を用いることが
できる。
【0021】添加割合は炭素源の種類により異なるが通
常100g以下、例えば0.1〜100g、好ましくは
0.5〜10gである。窒素源としては、例えば硝酸カ
リウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム、リン酸アンモニウム、アンモニア、尿素等
の1種または2種以上が用いられる。添加割合は窒素源
の種類により異なるが、通常培地1Lに対し、0.1〜
10g、好ましくは1〜3gである。
【0022】無機塩としてはリン酸カリウム、リン酸ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、硫酸鉄、塩化鉄、塩化カ
ルシウム等の1種または2種以上が用いられる。添加割
合は無機塩の種類により異なるが、通常培地1Lに対し
0.001〜10g、好ましくは0.01〜5gであ
る。必要に応じて特殊な要求物質としてビタミン類、核
酸類、酵母エキス、ペプトン、コーンスチープリカー等
の1種または2種以上が用いることができる。添加割合
は物質の種類により異なるが、通常培地1Lに対し10
g以下、例えば0.05〜10g、好ましくは0.1〜
5gである。
【0023】培地のpHは通常、2〜11、好ましくは3
〜6に調整する。培養時間と共に培養液のpHが低下する
ので必要に応じて例えばNaOH水溶液などのアルカリ
を添加することによりpHを調整する。上記の培地の他に
公知の細菌用のブイヨン培地、カビ・酵母用の酵母エキ
ス・麦芽エキス培地(YM培地)等を用いることができ
る。
【0024】上記の生産培地には出発原料としてのスク
アレンを添加するがこれは培養の開始時から培地中に存
在してもよく、あるいは培養中に間欠的または連続的に
添加してもよい。スクアレンの使用総量は培地1L当
り、例えば0.1〜100g、好ましくは2〜20gで
ある。
【0025】目的物質を多量に製造するためには、大規
模な培養を行う必要があり、そのためには本培養(生産
培養)の前に前培養を行って生産菌をあらかじめ増殖さ
せておくことが好ましい。このための前培養培地として
は前記の培地を用いることができるが、出発原料として
のスクアレンを含有することは必ずしも必要でない。
【0026】前培養及び本培養(生産培養)のための培
養条件は、15℃〜80℃、好ましくは20〜35℃の
温度であり、通常1日〜20日間、好ましくは2〜5日
間、振盪培養あるいは通気かくはん培養を行う。
【0027】本発明によればまた、生産菌を一旦培養し
た後、培養菌体を水性媒体中、例えばリン酸バッファー
中で、好気条件下、例えば上記の培養の場合と同様の条
件下で、スクアレンと接触せしめることによっても目的
化合物を製造することができる。
【0028】培養液または反応液から本化合物を得るた
めの方法は特に限定されないが例えば以下の通りであ
る。すなわち、まず培養液または反応液から溶剤抽出し
て本発明の化合物が含まれる混合物を得る。その際、培
養液のpHを1〜6、好ましくは1〜3に調整して行うの
が好適である。
【0029】ここで用いる溶剤は本発明の化合物が溶解
する化合物であればいずれの溶剤を使用することができ
る。例えば四塩化炭素、トリクロロエチレン、トルエ
ン、ベンゼン、ジクロルメタン、クロロホルム、ジエチ
ルエーテル、酢酸エチル等の有機溶媒が用いられ、好ま
しくはジクロルエタン、クロロホルム、ジエチルエーテ
ル、酢酸エチルが用いられる。
【0030】以上の抽出により得られた混合物より本発
明の化合物を分離精製するには吸着、溶出溶解、蒸留等
の通常の方法を用いることができる。例えば抽出混合物
を含む有機溶剤を留去後、シリカゲル、活性炭、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合ポリマー樹脂などを用いた
吸着クロマトグラフィー、強塩基性陰イオン交換樹脂、
弱塩基性陰イオン交換樹脂などを用いたイオン交換クロ
マトグラフィーなどにより精製を行うことができる。
【0031】また溶剤により抽出した混合物を通常のメ
チルエステル化の方法、例えば酸性触媒下、メタノール
で還流する方法によりメチルエステル化し、そのエステ
ル混合物を蒸留することにより本発明の化合物をメチル
エステル化物として分離精製することができる。
【0032】本発明において、光学活性3−メチルアジ
ピン酸の同定および光学純度の測定法は以下の方法に従
って行った。すなわち、本化合物が3−メチルアジピン
酸であることの確認は赤外吸収スペクトル法、 1H核磁
気共鳴スペクトル法、13C核磁気共鳴スペクトル法、及
び質量分析法により行った。
【0033】また本化合物の絶対配置および光学純度は
比旋光度の文献値との比較およびL−メントールとのジ
アステレオマーの13C核磁気共鳴スペクトルの解析によ
り行った。すなわち、(R)−(+)−3−メチルアジ
ピン酸の比旋光度の文献値〔α〕22 D +8.6°(c
5.0g/100ml、水)(Am.Soc. 69,2568,(1947))
より、得られたメチルコハク酸の絶対配置および光学純
度を求めた。
【0034】また得られた化合物をL−メントールとp
−トルエンスルホン酸存在下で反応させジアステレオマ
ーを合成し、その13C核磁気共鳴スペクトルを測定し3
−メチルアジピン酸部分のR体、S体それぞれの2位の
炭素のシグナルの面積比より正確な光学純度を測定し
た。
【0035】本発明の化合物はカルボキシル基を有し、
従って塩を形成することができる。これらの塩として、
例えば、アルカリ金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウ
ム塩、及びカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカ
ルシウム塩およびマグネシウム塩、並びにアンモニウム
塩、等が挙げられる。これらの塩は、遊離化合物から常
法に従って得ることができ、例えば遊離化合物を所望の
塩基で、中和することにより得ることができる。
【0036】また本発明の化合物はカルボキシル基を有
し、従って通常の方法例えば還元剤にリチウムアルミニ
ウムヒドリドなどを用いることによりアルデヒド、又は
アルコールに変換することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、特定の微生物を用いて
スクアレンから高純度の光学活性3−メチルアジピン酸
を製造することができる。
【0038】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。実施例1. 第1表の組成からなる培地50mlを、500
ml容量の坂口フラスコに入れ121℃、20分間蒸気殺
菌した。同培地に土壌(神奈川県三浦地区)を1g添加
し5日間、30℃で振盪培養を行い増殖の認められた培
養液より寒天2%を含んだ表2の組成からなるYM平板
培地により菌株SQL349株(微工研菌寄第1165
3号)を分離した。
【0039】この菌株をYM液体培地で24時間、30
℃で振盪培養し、その培養液を1容量%の割合で第1表
の組成からなる培地50mlに植菌し4日間30℃で振盪
培養を行った。ついで培養液を塩酸でpH2に調整し、ジ
エチルエーテルにより抽出を行い、無水硫酸ナトリウム
で脱水後、溶媒を留去した。ついでこの固形物をシリカ
ゲルカラムに吸着させヘキサン:ジエチルエーテル(1
00:10)、ヘキサン:ジエチルエーテル(80:2
0)、ヘキサン:ジエチルエーテル(60:40)の順
に溶出した。
【0040】ヘキサン:ジエチルエーテル(60:4
0)の画分を集め溶媒を留去した後、HP−2MG(三
菱化成社製)樹脂を担体としたカラムに吸着させ、水:
メタノール(100:10)で溶出し、本化合物の
(S)−(−)−3−メチルアジピン酸の画分を得た。
本化合物は白色の固体であり収量は培養液1L当り46
mgであった。
【0041】この化合物が3−メチルアジピン酸である
ことの確認は赤外吸収スペクトル法、 1H核磁気共鳴ス
ペクトル法、13C核磁気共鳴スペクトル法、質量分析法
により行った。得られた3−メチルアジピン酸の赤外吸
収スペクトルを図1に、そして13C核磁気共鳴スペクト
ルを図2に示す。
【0042】得られた化合物の絶対配置および光学純度
は比旋光度の文献値との比較およびL−メントールとの
ジアステレオマーの13C核磁気共鳴スペクトルの解析に
より行った。すなわち得られた化合物の比旋光度は
〔α〕22 D −8.9°(c5.0g/100ml、水)で
あり(R)−(+)−3−メチルアジピン酸の文献値
〔α〕22 D +8.6°(c5.0g/100ml、水)と
の比較よりS体と決定され光学純度は100%と計算さ
れた。
【0043】また得られた化合物をL−メントールとp
−トルエンスルホン酸存在化で120℃、3時間反応さ
せジアステレオマーを合成し13C核磁気共鳴スペクトル
を測定し、3−メチルアジピン酸のR体、S体各々の2
位の炭素のシグナルの面積比より求めた鏡像異性体過剰
率は98% e.e. 以上と確認された。
【0044】 第 1 表 組 成 添 加 量 スクアレン 2.0g/L NH4NO3 2.5g/L KH2PO4 1.5g/L Na2HPO4 1.5g/L MgSO4 ・7H2O 0.5g/L FeSO4 ・7H2O 0.01g/L CaCl2 ・2H2O 0.01g/L 酵母エキス 0.2g/L pH 5.0
【0045】 第 2 表 組 成 添 加 量 酵母エキス 3.0g/L 麦芽エキス 3.0g/L ペプトン 5.0g/L グルコース 10.0g/L 寒天 20.0g/L pH 6.0
【0046】実施例2.菌株SQL349株(微工研菌
寄第11653)をYM液体培地で16時間、30℃で
振盪培養し、その培養液を1容量%の割合で第1の組
成、但し、スクアレンは10.0g/Lおよびグルコー
スを1.0g/L添加した培地3Lが入った5L容量の
小型発酵槽に植菌し30℃、500rpm 、0.8VVM の
好気培養を64時間行った。本化合物(S)−(−)−
3−メチルアジピン酸の精製は実施例1の方法を反復し
た。これにより培養液1L当り0.85gの(S)−
(−)−3−メチルアジピン酸を得た。
【0047】この化合物が(S)−(−)−3−メチル
アジピン酸であることは赤外吸収スペクトル法、 1H核
磁気共鳴スペクトル法、13C核磁気共鳴スペクトル法、
質量分析法、旋光度測定、L−メントールとのジアステ
レオマーの13C核磁気共鳴スペクトルの解析により確認
し、光学純度は98%以上であることがわかった。
【0048】実施例3.菌株SQL349株(微工研菌
寄第11653)をYM液体培地10mlで72時間、3
0℃で振とう培養し、培養液を遠心分離することにより
菌体を得た。この菌体を0.1Mリン酸バッファー(pH
7)で洗浄した後、同バッファー10mlに懸濁し、グル
コース10mg、スクアレンを20mg加え48時間、30
℃で振とうした。本化合物の(S)−(−)−3−メチ
ルアジピン酸の精製は実施例1の方法を反復した。これ
により培養液1L当り69mgの(S)−(−)−3−メ
チルアジピン酸を得た。
【0049】この化合物が(S)−(−)−3−メチル
アジピン酸であることは赤外吸収スペクトル法、 1H核
磁気共鳴スペクトル法、13C核磁気共鳴スペクトル法、
質量分析法、旋光度測定、L−メントールとのジアステ
レオマーの13C核磁気共鳴スペクトルの解析により確認
し、光学純度は98%以上であることがわかった。
【0050】実施例4.第3表に示した菌株を実施例2
と同様の方法により培養し第3表のように光学活性3−
メチルアジピン酸を生産した。ただし小型発酵槽培養時
間は第3表に示したように菌株ごとに変えた。本化合物
の精製および光学純度の決定は実施例1の方法と反復し
た。
【0051】 第 3 表 培養時間 3−メチルアジピン酸 立体配置 光学純度 (hr) 生産量(g/L) (%) IFO 10073 72 0.7 S体 99 以上 IFO 1209 99 0.6 S 99 以上 IFO 1741 90 1.0 S 99 以上 IFO 1742 163 0.5 S 99 以上 IFO 0746 100 0.1 S 99 以上
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により得た(S)−(−)−3−
メチルアジピン酸の赤外吸収スペクトルを示す。
【図2】本発明の方法により得た(S)−(−)−3−
メチルアジピン酸の13C核磁気共鳴スペクトルを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 キャンディダ(Candida) 属に属しスクア
    レンを次の式(I): 【化1】 (式中、*印は不斉炭素原子であることを示す)で表わ
    される光学活性3−メチルアジピン酸に変換することが
    できる微生物を用いてスクアレンを光学活性3−メチル
    アジピン酸に転換し、そして該光学活性3−メチルアジ
    ピン酸を採取することを特徴とする光学活性3−メチル
    アジピン酸の製造方法。
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