JP2563074B2 - 天然型β−フェネチルアルコールの製造法 - Google Patents
天然型β−フェネチルアルコールの製造法Info
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- JP2563074B2 JP2563074B2 JP21715093A JP21715093A JP2563074B2 JP 2563074 B2 JP2563074 B2 JP 2563074B2 JP 21715093 A JP21715093 A JP 21715093A JP 21715093 A JP21715093 A JP 21715093A JP 2563074 B2 JP2563074 B2 JP 2563074B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】β−フェネチルアルコールはバラ
様の香料として現在世界各国で年間5000トン程度製
造されており、汎用性の香料として、洗剤、食品、化粧
品などに広範に使用されている。しかし、天然の香料と
しては、極少量が香水などの原料として使用されている
に過ぎず、天然香料としてのβ−フェネチルアルコール
が求められている。
様の香料として現在世界各国で年間5000トン程度製
造されており、汎用性の香料として、洗剤、食品、化粧
品などに広範に使用されている。しかし、天然の香料と
しては、極少量が香水などの原料として使用されている
に過ぎず、天然香料としてのβ−フェネチルアルコール
が求められている。
【0002】
【従来の技術】現在、合成β−フェネチルアルコールは
スチレンオキシドの接触還元法もしくは石油化学工業の
副産物として生成したものを利用している。しかし、こ
うした方法においては精製が非常に繁雑であるという問
題がある。また、これらの製品は化学合成品であり、天
然香料としては使用できない。また、植物に存在するβ
−フェネチルアルコールは極微量であり、栽培、抽出、
精製に時間と労力を要し、産業としては成立しがたい。
一方、微生物によるβ−フェネチルアルコールの製造に
ついては、スチレン代謝産物としてβ−フェネチルアル
コールが検出されたという報告(Appl.Environ.Microbi
ol.,35,124(1978))、シュードモナス細菌においてスチ
レンからβ−フェネチルアルコールを生産する方法(特
公昭61-5394、Agric.Biol.Chem.,43,1399(1979))があ
るが、実用化されるまでには至っていない。
スチレンオキシドの接触還元法もしくは石油化学工業の
副産物として生成したものを利用している。しかし、こ
うした方法においては精製が非常に繁雑であるという問
題がある。また、これらの製品は化学合成品であり、天
然香料としては使用できない。また、植物に存在するβ
−フェネチルアルコールは極微量であり、栽培、抽出、
精製に時間と労力を要し、産業としては成立しがたい。
一方、微生物によるβ−フェネチルアルコールの製造に
ついては、スチレン代謝産物としてβ−フェネチルアル
コールが検出されたという報告(Appl.Environ.Microbi
ol.,35,124(1978))、シュードモナス細菌においてスチ
レンからβ−フェネチルアルコールを生産する方法(特
公昭61-5394、Agric.Biol.Chem.,43,1399(1979))があ
るが、実用化されるまでには至っていない。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】前記のβ−フェネチル
アルコールの製造において、微生物を使用して発酵生産
する場合にはその製造物は天然香料と見なされる。従っ
て、微生物を利用して効率的にスチレンもしくはスチレ
ンオキシドからβ−フェネチルアルコールを製造する技
術の確立が望まれていた。また、前記のシュードモナス
細菌を使用した例では生産量が必ずしも十分ではない。
アルコールの製造において、微生物を使用して発酵生産
する場合にはその製造物は天然香料と見なされる。従っ
て、微生物を利用して効率的にスチレンもしくはスチレ
ンオキシドからβ−フェネチルアルコールを製造する技
術の確立が望まれていた。また、前記のシュードモナス
細菌を使用した例では生産量が必ずしも十分ではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はこうした背景
において、スチレン系化合物を代謝する微生物を鋭意検
索し、新たにスチレン系化合物を代謝するコリネバクテ
リウム属細菌を発見した。さらに、この発見をもとに、
スチレン化合物の微生物による分解除去法(特願平第4
−244444号)並びにスチレンオキシド還元酵素及
び製造法(特願平第4−244445号)を確立した。
スチレン資化性のコリネバクテリウム細菌は、スチレン
からスチレンオキシドさらにスチレンオキシド還元酵素
により、β−フェネチルアルコールへと変換する能力を
有することが明らかになった(特願平第4−24444
5号)。そこで、本発明者はスチレンオキシドからβ−
フェネチルアルコールを生産する能力の高い微生物をさ
らに検索し、いくつかのコリネバクテリウム細菌がスチ
レンオキシドからβ−フェネチルアルコールを生産する
ことを発見し、本発明を完成したのである。
において、スチレン系化合物を代謝する微生物を鋭意検
索し、新たにスチレン系化合物を代謝するコリネバクテ
リウム属細菌を発見した。さらに、この発見をもとに、
スチレン化合物の微生物による分解除去法(特願平第4
−244444号)並びにスチレンオキシド還元酵素及
び製造法(特願平第4−244445号)を確立した。
スチレン資化性のコリネバクテリウム細菌は、スチレン
からスチレンオキシドさらにスチレンオキシド還元酵素
により、β−フェネチルアルコールへと変換する能力を
有することが明らかになった(特願平第4−24444
5号)。そこで、本発明者はスチレンオキシドからβ−
フェネチルアルコールを生産する能力の高い微生物をさ
らに検索し、いくつかのコリネバクテリウム細菌がスチ
レンオキシドからβ−フェネチルアルコールを生産する
ことを発見し、本発明を完成したのである。
【0005】本発明において使用される微生物は、コリ
ネバクテリウム属に属し、スチレンもしくはスチレンオ
キシドを分解する能力を有し、かつ、スチレンオキシド
からβ−フェネチルアルコールを生産するものであれ
ば、いずれのものでも用いられる。このうち特に好まし
くは、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属新菌A
C-5株、同菌ST-5株(微工研菌寄第13151号)、コ
リネバクテリウム・シュードジフテリティカム(Coryne
bacterium pseudodiphteriticum)ST-21 株(微工研菌寄
第13149号)、同亜種ST-10 株(微工研菌寄第13
150号)である。
ネバクテリウム属に属し、スチレンもしくはスチレンオ
キシドを分解する能力を有し、かつ、スチレンオキシド
からβ−フェネチルアルコールを生産するものであれ
ば、いずれのものでも用いられる。このうち特に好まし
くは、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属新菌A
C-5株、同菌ST-5株(微工研菌寄第13151号)、コ
リネバクテリウム・シュードジフテリティカム(Coryne
bacterium pseudodiphteriticum)ST-21 株(微工研菌寄
第13149号)、同亜種ST-10 株(微工研菌寄第13
150号)である。
【0006】また、これらの微生物に紫外線を照射した
り、NTG(NーメチルーN´ーニトローNーニトロソ
グアニジン)やEMS(エタンメタンスルホン酸)等の
変異誘起剤で処理することにより、スチレンオキシド還
元酵素活性を高めたり、生成したβ−フェネチルアルコ
ールの代謝をブロックした変異株を使用することもでき
る。
り、NTG(NーメチルーN´ーニトローNーニトロソ
グアニジン)やEMS(エタンメタンスルホン酸)等の
変異誘起剤で処理することにより、スチレンオキシド還
元酵素活性を高めたり、生成したβ−フェネチルアルコ
ールの代謝をブロックした変異株を使用することもでき
る。
【0007】上記の菌株は、本発明者が土壌より新たに
分離したもの、および、前述の特許(特願平第4−24
4444号)に記載されているものである。コリネバク
テリウム属新菌AC-5株の菌学的性質および生命工学工業
技術研究所への寄託番号は下記の通りである。 [菌株AC-5] I.細胞 形態:異形性桿菌 1 〜1.5 μm × 5〜15 μm 運動性:無し グラム染色:陽性 胞子形成:無し II. 培地における生育状態 (1) 標準寒天平板培地 コロニ−は点状、表面は凸円状、全縁状で象牙色。 (2) 標準液体培地 粉状沈殿、皮膜は形成しない。 III.生理的性質 カタラ−ゼ:陽性 チトクロ−ムオキシダ−ゼ:陰性 色素生成:生成しない(キングAおよびキングB寒天培
地)。 O−F試験:非分解 糖からの酸産生:グルコ−ス − キシロ−ス − マルト−ス − ラクト−ス − マニト−ル − シュクロ−ス − 澱粉 − 発 育: 5 ℃ − 37 ℃ − 41 ℃ − マッコンキ−寒天培地 − 硝酸塩還元 − 尿素分解 + カゼイン分解 − エスクリン分解 − TSI −/− 酸素要求 偏性好気 以上の菌学的性質よりバ−ジ・マニュアル(Bergey´s
Manual of Determinative Bacteriology) 第8版により
検索したところ、本菌はコリネバクテリウム属新菌種と
認められたので、本菌をコリネバクテリウム属新菌AC-5
株とした。そして本菌を平成5年8月19日付で生命工
学工業技術研究所に寄託し、該寄託番号はFERM P−1
3807である。
分離したもの、および、前述の特許(特願平第4−24
4444号)に記載されているものである。コリネバク
テリウム属新菌AC-5株の菌学的性質および生命工学工業
技術研究所への寄託番号は下記の通りである。 [菌株AC-5] I.細胞 形態:異形性桿菌 1 〜1.5 μm × 5〜15 μm 運動性:無し グラム染色:陽性 胞子形成:無し II. 培地における生育状態 (1) 標準寒天平板培地 コロニ−は点状、表面は凸円状、全縁状で象牙色。 (2) 標準液体培地 粉状沈殿、皮膜は形成しない。 III.生理的性質 カタラ−ゼ:陽性 チトクロ−ムオキシダ−ゼ:陰性 色素生成:生成しない(キングAおよびキングB寒天培
地)。 O−F試験:非分解 糖からの酸産生:グルコ−ス − キシロ−ス − マルト−ス − ラクト−ス − マニト−ル − シュクロ−ス − 澱粉 − 発 育: 5 ℃ − 37 ℃ − 41 ℃ − マッコンキ−寒天培地 − 硝酸塩還元 − 尿素分解 + カゼイン分解 − エスクリン分解 − TSI −/− 酸素要求 偏性好気 以上の菌学的性質よりバ−ジ・マニュアル(Bergey´s
Manual of Determinative Bacteriology) 第8版により
検索したところ、本菌はコリネバクテリウム属新菌種と
認められたので、本菌をコリネバクテリウム属新菌AC-5
株とした。そして本菌を平成5年8月19日付で生命工
学工業技術研究所に寄託し、該寄託番号はFERM P−1
3807である。
【0008】本発明に使用する微生物の培養には、炭素
源、窒素源、無機物等を含む培地であれば、合成培地、
天然培地いずれも用いることができる。炭素源として
は、β−フェネチルアルコールを生成するスチレンオキ
シド還元酵素が誘導酵素であることから、スチレン系化
合物を使用することが望ましい。こうした化合物とし
て、スチレン、スチレンオキシド等が使用できる。揮発
性のスチレン化合物は、空気とともに培地に逐次添加す
る。窒素源としては酵母エキス、ペプトン、肉エキス等
の天然培地、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなど
が使用される。無機物としてはカリウム、ナトリウム、
マグネシウム、鉄、亜鉛などの金属塩が必要に応じて使
用される。培養温度は菌が生育し、β−フェネチルアル
コールが生産される範囲であれば、いずれの温度でもよ
いが、好ましくは25〜35℃である。培地のpHは通常5
〜8の範囲で行われる。培養時間はスチレンオキシドか
らβ−フェネチルアルコールが最も効率よく生産しうる
時間を選べば良く、通常48〜72時間である。
源、窒素源、無機物等を含む培地であれば、合成培地、
天然培地いずれも用いることができる。炭素源として
は、β−フェネチルアルコールを生成するスチレンオキ
シド還元酵素が誘導酵素であることから、スチレン系化
合物を使用することが望ましい。こうした化合物とし
て、スチレン、スチレンオキシド等が使用できる。揮発
性のスチレン化合物は、空気とともに培地に逐次添加す
る。窒素源としては酵母エキス、ペプトン、肉エキス等
の天然培地、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなど
が使用される。無機物としてはカリウム、ナトリウム、
マグネシウム、鉄、亜鉛などの金属塩が必要に応じて使
用される。培養温度は菌が生育し、β−フェネチルアル
コールが生産される範囲であれば、いずれの温度でもよ
いが、好ましくは25〜35℃である。培地のpHは通常5
〜8の範囲で行われる。培養時間はスチレンオキシドか
らβ−フェネチルアルコールが最も効率よく生産しうる
時間を選べば良く、通常48〜72時間である。
【0009】以上のように得られた培養物は高いスチレ
ンオキシド還元酵素活性を示すことから、この培養物を
使用して、β−フェネチルアルコールを生産することが
出来る。通常はスチレンオキシドが水系反応では容易に
スチレングリコールに分解することから、この分解を防
ぐ目的でn−ヘキサデカンのような不揮発性の溶媒にス
チレンオキシドを溶解させ、菌体培養物とともに振とう
若しくは攪拌し両者を接触せしめることにより反応を行
う。反応温度は、通常20〜30℃が望ましい、また反応時
間はスチレンオキシドからβ−フェネチルアルコールが
生産される範囲であれば、いずれでも良いが、好ましく
は48〜96時間である。
ンオキシド還元酵素活性を示すことから、この培養物を
使用して、β−フェネチルアルコールを生産することが
出来る。通常はスチレンオキシドが水系反応では容易に
スチレングリコールに分解することから、この分解を防
ぐ目的でn−ヘキサデカンのような不揮発性の溶媒にス
チレンオキシドを溶解させ、菌体培養物とともに振とう
若しくは攪拌し両者を接触せしめることにより反応を行
う。反応温度は、通常20〜30℃が望ましい、また反応時
間はスチレンオキシドからβ−フェネチルアルコールが
生産される範囲であれば、いずれでも良いが、好ましく
は48〜96時間である。
【0010】反応終了後、蓄積されたβ−フェネチルア
ルコールは反応液を分溜することにより精製することが
できる。また必要であれば、溶媒抽出、脱水、脱色、カ
ラムクロマトグラフィー等の方法を適宜組み合わせるこ
とによって精製できる。本発明によれば、スチレン系化
合物を原料として、微生物反応により効率的に天然型の
β−フェネチルアルコールを製造することができ、天然
香料の製造法としては画期的な方法である。
ルコールは反応液を分溜することにより精製することが
できる。また必要であれば、溶媒抽出、脱水、脱色、カ
ラムクロマトグラフィー等の方法を適宜組み合わせるこ
とによって精製できる。本発明によれば、スチレン系化
合物を原料として、微生物反応により効率的に天然型の
β−フェネチルアルコールを製造することができ、天然
香料の製造法としては画期的な方法である。
【0011】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 0.3%の硫安、0.3%のリン酸一カリウム、0.1%のNaCl、0.
02% のMgSO4・7H2Oおよび0.01% の酵母エキスを含む寒天
培地(pH 7.0) の表面にコリネバクテリウム属新菌AC-5
株を全面に接種し、30℃、72時間培養した。スチレンオ
キシド還元酵素の誘導剤及び炭素源であるスチレンは、
小型のダーラム管に200μl入れ気相系で供給した。培養
後、菌体を寒天培地の表面からかき取り、50mMのリン酸
緩衝液(pH7.0 )に懸濁し遠心にて集菌した。シャーレ
2枚分の菌体を20mMのリン酸緩衝液(pH7.0 )8 mlに再
懸濁し、この培養物に 2mlのn−ヘキサデカン、60μl
のスチレンオキシドを添加し、50ml容の三角フラスコに
密栓した後、30℃で3日間、振とう(130回/分)条件下
にて反応した。反応後、酢酸エチル10mlで精製物を抽出
し、ガスクロマトグラフィーにより定量した。その結
果、18μg のβ−フェネチルアルコールの生成が確認さ
れた。
る。 実施例1 0.3%の硫安、0.3%のリン酸一カリウム、0.1%のNaCl、0.
02% のMgSO4・7H2Oおよび0.01% の酵母エキスを含む寒天
培地(pH 7.0) の表面にコリネバクテリウム属新菌AC-5
株を全面に接種し、30℃、72時間培養した。スチレンオ
キシド還元酵素の誘導剤及び炭素源であるスチレンは、
小型のダーラム管に200μl入れ気相系で供給した。培養
後、菌体を寒天培地の表面からかき取り、50mMのリン酸
緩衝液(pH7.0 )に懸濁し遠心にて集菌した。シャーレ
2枚分の菌体を20mMのリン酸緩衝液(pH7.0 )8 mlに再
懸濁し、この培養物に 2mlのn−ヘキサデカン、60μl
のスチレンオキシドを添加し、50ml容の三角フラスコに
密栓した後、30℃で3日間、振とう(130回/分)条件下
にて反応した。反応後、酢酸エチル10mlで精製物を抽出
し、ガスクロマトグラフィーにより定量した。その結
果、18μg のβ−フェネチルアルコールの生成が確認さ
れた。
【0012】実施例2 シャーレ5枚分の菌体を使用して、実施例1と同様に操
作したところ、40μgのβ−フェネチルアルコールの生
成が確認された。
作したところ、40μgのβ−フェネチルアルコールの生
成が確認された。
【0013】実施例3 コリネバクテリウム属新菌ST-5株を使用して、実施例2
と同様に操作したところ、25μg のβ−フェネチルアル
コールの生成が確認された。
と同様に操作したところ、25μg のβ−フェネチルアル
コールの生成が確認された。
【0014】実施例4 実施例1において、酵母エキス濃度を0.1%とした培地15
mlにコリネバクテリウム属新菌AC-5株を1%接種し、前も
って滅菌した多孔質セルロース担体(約 3mm角、孔サイ
ズ100μm 、バイオマテリアル社製)に添加した。この
培地含有セルロース担体を使用し、ダーラム管を用い
て、実施例1と同様に、培養した。菌体は、この培地含
有セルロース担体上で良好に生育した。得られた培養物
に80mlの緩衝液、20mlのn−ヘキサデカン、1000μl の
スチレンオキシドを添加し、300ml容 の三角フラスコ内
で実施例1と同様に反応した。反応液を酢酸エチルで抽
出し、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィーによ
り精製し、減圧濃縮して溶媒を完全に除去したところ、
200μgのバラ様芳香を有する粘性を帯びたβ−フェネチ
ルアルコールを得た。この液体の純度は、ガスクロマト
グラフィー分析において99% であった。また、この化合
物のNMRスペクトルは、標品のβ−フェネチルアルコ
ールと完全に一致した。
mlにコリネバクテリウム属新菌AC-5株を1%接種し、前も
って滅菌した多孔質セルロース担体(約 3mm角、孔サイ
ズ100μm 、バイオマテリアル社製)に添加した。この
培地含有セルロース担体を使用し、ダーラム管を用い
て、実施例1と同様に、培養した。菌体は、この培地含
有セルロース担体上で良好に生育した。得られた培養物
に80mlの緩衝液、20mlのn−ヘキサデカン、1000μl の
スチレンオキシドを添加し、300ml容 の三角フラスコ内
で実施例1と同様に反応した。反応液を酢酸エチルで抽
出し、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィーによ
り精製し、減圧濃縮して溶媒を完全に除去したところ、
200μgのバラ様芳香を有する粘性を帯びたβ−フェネチ
ルアルコールを得た。この液体の純度は、ガスクロマト
グラフィー分析において99% であった。また、この化合
物のNMRスペクトルは、標品のβ−フェネチルアルコ
ールと完全に一致した。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、スチレン系化合物を原
料として微生物反応により効率的に、天然型のβ−フェ
ネチルアルコールを製造することができる。
料として微生物反応により効率的に、天然型のβ−フェ
ネチルアルコールを製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 コリネバクテリウム属に属するスチレン
系化合物の分解能を有する微生物またはその培養物をス
チレンオキシドと接触せしめ、スチレンオキシドからβ
−フェネチルアルコールに変換し、生成したβ−フェネ
チルアルコールを取得することを特徴とする天然型β−
フェネチルアルコールの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21715093A JP2563074B2 (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-01 | 天然型β−フェネチルアルコールの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21715093A JP2563074B2 (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-01 | 天然型β−フェネチルアルコールの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0767669A JPH0767669A (ja) | 1995-03-14 |
JP2563074B2 true JP2563074B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=16699644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21715093A Expired - Lifetime JP2563074B2 (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-01 | 天然型β−フェネチルアルコールの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2563074B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5174430B2 (ja) * | 2007-11-06 | 2013-04-03 | 花王株式会社 | 2−フェニルエチルアルコールの製造方法 |
-
1993
- 1993-09-01 JP JP21715093A patent/JP2563074B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0767669A (ja) | 1995-03-14 |
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