JP2708536B2 - ロドコッカス属細菌及びそれを用いる2―ヒドロキシ酪酸の製造法 - Google Patents

ロドコッカス属細菌及びそれを用いる2―ヒドロキシ酪酸の製造法

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JP2708536B2 JP1078053A JP7805389A JP2708536B2 JP 2708536 B2 JP2708536 B2 JP 2708536B2 JP 1078053 A JP1078053 A JP 1078053A JP 7805389 A JP7805389 A JP 7805389A JP 2708536 B2 JP2708536 B2 JP 2708536B2
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hydroxybutyric acid
butanediol
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌及び
それを用いる2−ヒドロキシ酪酸の製造法に関するもの
である。
本発明によれば高収率で安価に2−ヒドロキシ酪酸を
製造することができる。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 2−ヒドロキシ酪酸は、L−イソロイシンの原料とし
て有望な前駆体物質であるが、化学合成法による製造で
はプロセスが複雑なため安価に製造することができず、
L−イソロイシンの原料としての工業的利用は困難な状
況であった。
本発明者らはロドコッカス(Rhodococcus)属に属す
る微生物について、鋭意研究を重ねた結果、1,2−ブタ
ンジオールから2−ヒドロキシ酪酸を生成する能力を有
する微生物を見出し、これを利用することにより高収率
で安価に2−ヒドロキシ酪酸を製造し得ることを見出し
本発明を完成するに至った。
[発明の構成] (課題を解決するための手段及び作用) 本発明は、ロドコッカス(Rhodococcus)属に属し、
1,2−ブタンジオールから2−ヒドロキシ酪酸を生成す
る能力を有する微生物、及び該微生物を好気的に培養し
て得られる菌体又はその処理物の存在下、1,2−ブタン
ジオールを水性溶媒中で反応させて、反応液中に2−ヒ
ドロキシ酪酸を生成させた後、該反応液からDL−2−ヒ
ドロキシ酪酸を採取することを特徴とする2−ヒドロキ
シ酪酸の製造法に関するものである。
本発明の微生物としては、ロドコッカス(Rhodococcu
s)属に属し、1,2−ブタンジオールから2−ヒドロキシ
酪酸を生成する能力を有するものであれば特に制限はな
いが、例えば、ロドコッカス(Rhodococcus)sp.HA−42
菌株が挙げられる。
ロドコッカス(Rhodococcus)sp.HA−42菌株の菌学的
性質及び分類学的性質は以下のとおりである。
I.顕微鏡的性質 (a)細胞の形及び大きさ:桿菌、0.7〜0.8×2〜3μ
m (b)多形性の有無:無し (c)運動性:無し (d)胞子:無し (e)グラム染色:陽性 (f)抗酸性:無し II.培養的性質 (a)肉汁寒天培地における生育:有り (b)資化可能な炭素源:エタノール、グリセロール、
シュークロース、トレハロース、フマル酸ナトリウム、
リンゴ酸ナトリウム、ピルビン酸ナトリウム、コハク酸
ナトリウム (c)グルコース資化性:無し III.生育条件 (a)生育温度:10〜40℃ (b)生育pH:6〜8 (c)酸素要求性:好気性 IV.生理学的性質 (a)オキシダーゼ:陰性 (b)カタラーゼ:陽性 (c)5%食塩存在下で生育可能 (d)DNA中グアニン、シトシン含量(GC含量):68% (e)ミコール酸の炭素数:34〜39 以上の諸性質を「バージーズ・マニュアル・オブ・シ
ステマティク・バクテリオロジー(Bergey's Manual of
Systematic Bacteriology)」、第2巻(1986年)より
検索した。その結果、本菌はロドコッカス(Rhodococcu
s)属に属する菌株であると同定されたが、種について
は炭素源の資化性その他の性質から合致しない点があ
り、新種と考えられた。従って、本発明においてはロド
コッカス(Rhodococcus)sp.HA−42と呼称することとす
る。なお、本菌株は工業技術院微生物工業技術研究所に
微生物受託番号微工研菌寄第10462号(FERM P−1046
2)として寄託されている。
上記の微生物を培養するための培地としては、炭素源
としてエタノール、グリセロール、1,2−ブタンジオー
ル、1,2−プロパンジオール、酢酸又はその塩(例えば
酢酸アンモニウム)、コハク酸又はその塩(例えばコハ
ク酸アンモニウム)等、好ましくはエタノール、1,2−
3ブタンジオール、1,2−プロパンジオールを、窒素源
として塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アン
モニウム、アンモニアのような無機窒素源、ペプトン、
肉エキス、コーンスティープリカー、カザミノ酸のよう
な有機窒素源等を、無機物としてリン酸カリウム、リン
酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネ
シウム等を、また必要に応じて各種ビタミン等の栄養素
を含有した培地が好適に使用される。
培養は通気撹拌、振盪等の好気的条件下で行い、培養
温度は通常20〜40℃、好ましくは25〜35℃である。培養
途中のpHは通常5〜10、好ましくは6〜8付近であり、
培養中のpHの調整には酸、アルカリを添加して行うこと
ができる。
なお、培養期間は通常1〜7日間、好ましくは2〜5
日間である。
培養後、得られた培養物から過又は遠心分離により
集めた菌体又はその超音波等による破砕物又は菌体もし
くはその破砕物の固定化等の処理物を酵素剤として使用
する。
菌体又は菌体破砕物の固定化手段は、特に制限される
ものではなく、例えばポリアクリルアミド、アルギン
酸、κ−カラギーナン等による包括法等が好適に用いら
れる。
上述の本発明に用いる各微生物は、各酵素活性を向上
させた変異、遺伝子組み換え、細胞融合などの手法によ
り得られた微生物であってもよい。
この酵素反応系には、少なくとも1,2−ブタンジオー
ルが含まれていればよく、その濃度は例えば反応の開始
時に通常0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%程
度である。
1,2−ブタンジオールを原料として2−ヒドロキシ酪
酸を生成する微生物の菌体又はその処理物の使用量は特
に限定されるものではないが、通常0.1〜50重量%、好
ましくは1〜30重量%程度である。
この反応は、pHが通常5〜10、好ましくは6〜9で行
われ、反応温度は通常約10〜60℃、好ましくは約20〜45
℃である。反応は通常約10〜72時間行う。
酵素反応に用いられる反応溶媒としては、水又はリン
酸もしくはトリス塩酸等の緩衝液が好ましい。
この反応終了液からの2−ヒドロキシ酪酸の分離・精
製は、それ自体既知の方法、例えばエーテル抽出法、イ
オン交換樹脂処理法等により行うことができる。
(発明の実施例) 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
これらの実施例は本発明の範囲を何ら制限するものでは
ない。
以下の実施例において、2−ヒドロキシ酪酸の定性は
ペーパークロマトグラフのRf値により、定量はガスクロ
マトグラフィー(島津GC−4C)により、旋光度の測定は
旋光度計(日本分光製DIP−140)により行った。また、
%と表したのは重量%を意味する。
実施例1 下記培地組成Aの培地100mlを500ml容三角フラスコに
分注して120℃、15分間滅菌処理したものに、ロドコッ
カス(Rhodococcus)sp.HA−42を一白金耳量接種し、30
℃にて2日間振盪培養(前培養とする)後、上記と同じ
培地組成Aの培地1000mlを5容三角フラスコに分注し
て120℃、15分間滅菌処理したものに上記前培養物20ml
を接種したものを更に30℃にて2日間振盪培養した。
培養終了液1000mlを遠心分離(10,000rpm、10分、4
℃)し菌体を集め、該集菌体を1/15Mリン酸緩衝液(pH
7.0)50mlに懸濁後、再び遠心分離(10,000rpm、10分、
4℃)して得た菌体を2−ヒドロキシ酪酸生成酵素源と
した。
反応液(1,2−ブタンジオール 2%、1/15Mリン酸緩
衝液、pH7.0)100mlに上記で調製した2−ヒドロキシ酪
酸生成酵素源5g(湿菌体)を加え、30℃にて9時間反応
を行ったところ、反応液中に2−ヒドロキシ酪酸が8.1g
/生成した。なお、反応液から1,2−ブタンジオールを
除いた反応液にて同様の実験を行ったところ、2−ヒド
ロキシ酪酸の生成は認められなかった。
上記反応終了液から遠心分離(10,000rpm、10分、4
℃)にて菌体を分離した上清液50mlを塩酸酸性(pH2.
0)に調整後、エーテル200mlを添加して抽出を行った。
該エーテル相を分離後、恒温水槽(50℃)にてエーテル
を除去し2−ヒドロキシ酪酸の精製物255mgを得た。
この精製2−ヒドロキシ酪酸の比旋光度を測定したと
ころ、▲[α]25 D▼=−3.35であることから、D体と
L体の生成比は、D:L=3:7であり、生成された2−ヒド
ロキシ酪酸はD体とL体の混合物であることが確認され
た。
培地組成A 1,2−ブタンジオール 2 容量% 酵母エキス 0.1 % ポリペプトン 0.5 % (NH42HPO4 0.65 % KH2PO4 0.35 % MgSO4・7H2O 0.04 % FeSO4・7H2O 45 ppm MnSO4・4H2O 5 ppm ZnSO4・7H2O 30 ppm CuSO4・5H2O 2.5 ppm NaCl 50 ppm CaCO3 0.5 % 蒸留水 1000 ml (pH 7.0) [発明の効果] 本発明によれば、安価な1,2−ブタンジオールから高
効率で安価に2−ヒドロキシ酪酸を製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,2−ブタンジオールから2−ヒドロキシ
    酪酸を生成する能力を有するロドコッカス(Rhodococcu
    s)sp.HA−42微生物。
  2. 【請求項2】ロドコッカス属に属する、1,2−ブタンジ
    オールから2−ヒドロキシ酪酸を生成する能力を有する
    微生物を好気的に培養して得られる菌体又はその処理物
    の存在下、1,2−ブタンジオールを水性溶媒中で反応さ
    せて、反応液中に2−ヒドロキシ酪酸を生成させた後、
    該反応液からDL−2−ヒドロキシ酪酸を採取することを
    特徴とする2−ヒドロキシ酪酸の製造法。
JP1078053A 1989-03-31 1989-03-31 ロドコッカス属細菌及びそれを用いる2―ヒドロキシ酪酸の製造法 Expired - Lifetime JP2708536B2 (ja)

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