JPH0470969B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜発明の属する技術分野＞ 本発明はプラスチツク材料等（以下単に樹脂と
いう）を加熱し、可塑化する可塑化シリンダを加
熱シリンダ先端部或いは該加熱シリンダと一体的
に取付たシリンダヘツド部に配設し、前記可塑化
シリンダからの溶融樹脂を前記加熱シリンダへ供
給し、加熱シリンダ内に挿着された射出プランジ
ヤにより射出成形を行う射出成形機の射出装置に
関する。

＜従来技術とその問題点＞ 寸法的、或いは重量的に精密を要する小さい製
品を射出成形するためには、射出装置、即ち溶融
樹脂射出用の加熱シリンダを小径にして該加熱シ
リンダ内部に挿入されている射出用スクリユ径を
小径にすることが行われている。

しかしながらスクリユ径が18mm以下となると、
強度と樹脂移送力等の関係からスクリユ溝深さが
制約され、市販の樹脂ペレツトや粉砕樹脂等が使
用出来ず、特別な小型ペレツト等を使わざるを得
なかつた。そのため樹脂のコスト高による製品の
原価が上るという問題があつた。

また小さな成形品では溶融樹脂を射出するスク
リユやプランジヤの射出ストロークが小さく、僅
かなスクリユ等の位置のバラツキが溶融樹脂の金
型キヤビテイに注入される射出量や、溶融混練さ
れる可塑化量に影響し、成形品の寸法的・重量的
な不良が生れる原因となつている。

一方、生産性から考えると、スクリユ径を可能
な限り大きくし、可塑化能力を大きくし、溶融可
塑化時間を短縮することによりサイクルタイムを
短かくすることが考えられているがスクリユ径を
大きくすると可塑化計量精度と射出精度が劣り、
精密な安定成形が阻害され、結局小さな製品を精
密に、しかも生産性良く成形する射出成形機の射
出装置は第４図に示す射出装置程度のものであつ
た。

ここで第４図の射出装置について説明すると、
樹脂を加熱し、可塑化する可塑化シリンダ２１を
射出プランジヤ２２が進退可能に挿入された加熱
シリンダ２３の先端部附近に装着し、可塑化シリ
ンダ２１で溶融された樹脂をチエツク弁２４を介
して加熱シリンダ２３へ供給し、射出プランジヤ
２２を後退限から前進限へ移動させ（図中左方向
へ移動する）、ノズル２５の先端に接する図示し
ていない金型内へ射出するようになつている。

この装置は、前述の欠点を取除くことが出来た
が、可塑化シリンダ２１と加熱シリンダ２３を連
通する樹脂通路にチエツク弁２４が使用してあ
り、構造が複雑となるばかりか、この部分に樹脂
の滞留が生じ、樹脂の劣化や焼け等が起きて製品
に悪影響を与える。という新な欠点が生じた。

＜発明の目的＞ 本発明は前述のような欠点を解消し、通常サイ
ズのペレツトを用いて比較的大きな可塑化能力を
持つた小さな成形品を精度よくしかも生産性の良
い射出成形機の射出装置を提供することを目的と
する。

＜発明の概要＞ 前述の目的を達成するためプラスチツク材料を
加熱し、可塑化する可塑化シリンダを加熱シリン
ダ先端部或いは該加熱シリンダと一体的に取付け
たシリンダヘツド部に配設し、加熱シリンダ内に
は、射出プランジヤを進退可能に配設した射出成
形機の射出装置において、射出プランジヤは、そ
の外周部の一部に先端に開放しているへこみ部を
設け、所定角度回動する手段を設けている射出成
形機の射出装置とした。

＜実施例＞ 次に第１図および第２図により本発明の１実施
例を説明すると、１は可塑化シリンダで図示して
ない駆動装置によりスクリユ２が回転し、図示し
てない材料供給部よりペレツト樹脂を導入し、混
練可塑化して連絡部３を介して加熱シリンダ４へ
供給するものである。５は射出プランジヤで前記
加熱シリンダ４の内径面に軸方向に所定ストロー
ク（射出ストローク）だけ移動可能に、しかも外
周方向に所定角度だけ回動可能に嵌合されてい
る。前記射出プランジヤ５には計量時に前記可塑
化シリンダ１から供給される溶融樹脂を連絡路３
からプランジヤ５の前方にある射出室６へ導く隙
間７が設けてあり射出工程が完了（樹脂の金型内
への注入完了）した時でも図示した位置のように
連絡路３が塞がらないようになつている。また先
端には計量された樹脂が図示してない金型キヤビ
テイ内へノズル孔１３を介して射出するノズル１
２が取付てある。８は射出シリンダでそのピスト
ンロツド９の先端には射出プランジヤ５が取付け
てあり、同プランジヤ５を軸方向に射出ストロー
クだけ進退させるものである。１０は作動片で前
記ピストンロツド９に取付てあり前記射出プラン
ジヤ５が計量時に所定の距離Ｌだけ後退（図中右
側方向）した時リミツトスイツチ１１を作動させ
るものである。同リミツトスイツチ１１は位置調
整が可能であり、従つて任意の位置に射出プラン
ジヤ５の後退限位置（鎖線で示す）を決めること
が出来、かつ後退限位置で溶融樹脂の加熱シリン
ダ４への供給を停止するためにスクリユ２の回転
の停止および次工程の射出プランジヤ５の前進時
に、溶融樹脂の逆流を防ぐため、前記連絡路３を
塞ぐべく射出プランジヤ５を第２図の位置から所
定角度だけ第３図のように回動するよう図示して
ない駆動装置に作用するものである。

＜作用動作＞ 以上説明したような構成となつており、次にそ
の作用動作について説明すると射出工程の開始に
際し、図示した射出プランジヤ５の前進限位置の
時、計量が開始され、可塑化シリンダ１内のスク
リユ２が回転し、溶融樹脂を連絡路３から隙間７
を介して射出室６へ導入する、ノズル１２は図示
してない金型に接しており、既に前工程で金型内
へ樹脂の注入は行われているため、ノズル孔１３
は塞がれているため溶融樹脂は射出室６内へ蓄積
され、射出プランジヤ５を右方向へ押し後退させ
る。この射出プランジヤ５の後退動作により前記
ピストンロツド９に取付た作動片１０がリミツト
スイツチ１１を作動させると、射出プランジヤ５
の後退は停止し、射出室６には予め定められた射
出量だけ溶融樹脂が計量される。従つて前記リミ
ツトスイツチ１１の作動により、射出プランジヤ
５の後退停止ばかりでなく溶融樹脂を供給してい
る可塑化シリンダ１のスクリユ２の回転も停止す
る。次いで計量工程に続く充填工程時の射出プラ
ンジヤ５の前進（図中左方向）に備え前記リミツ
トスイツチ１１の信号により射出プランジヤ５が
第２図の位置から第３図のように所定角度（実施
例は180゜）だけ回動し、射出室６に計量された樹
脂がノズル孔１３より射出される際、連絡路３を
通つて可塑化シリンダ１側へ逆流しないように同
連絡３を塞ぎ、図示していないが金型が開き、製
品の排出され、再び型開じが行われた後、射出プ
ランジヤ５が射出シリンダ８により前進し（図中
左進する）、射出室６に計量された溶融樹脂を図
示してない金型内へ射出するようになつている。

射出が完了すると、射出プランジヤ５は再び第
２図に示す位置へ回動し、射出室６と連絡路３は
隙間７を介して連絡し、可塑化シリンダ１からの
溶融樹脂の供給が可能になる。

＜効果＞ 以上説明したような構成で作用動作が行われる
ので当初に揚げたような欠点が取除かれ市販のペ
レツトで生産性の高い、しかも精密な小さな製品
を射出成形出来るばかりでなく、連絡路もチエツ
ク弁を使用することなく、樹脂射出用の射出プラ
ンジヤ自身により連絡路の開放と遮断を行うので
構造も簡単で、樹脂の滞留も起きない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明の１実施例を示す
図で、第１図は射出装置を示す図。第２図は第１
図の断面−図で計量工程完了直後の状態を示
す図、第３図は同じく第１図の断面−図で第
２図の状態から所定角度回動した充填工程直前の
図。第４図は従来装置の説明図。 １……可塑化シリンダ、２……スクリユ、３…
…連絡路、４……加熱シリンダ、５……射出プラ
ンジヤ、６……射出室、７……隙間、８……射出
シリンダ、９……ピストンロツド、１０……作動
片、１１……リミツトスイツチ、１３……ノズル
孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プラスチツク材料を加熱し、可塑化する可塑
   化シリンダを加熱シリンダ先端部或いは該加熱シ
   リンダと一体的に取付けたシリンダヘツド部に配
   設し、前記加熱シリンダ内には、射出プランジヤ
   を進退可能に配設した射出成形機の射出装置にお
   いて、前記射出プランジヤは、その外周部の一部
   に先端に開放しているへこみ部を設け、所定角度
   回動する手段を設けている射出成形機の射出装
   置。