JPH06182832A - プリプラ式射出成形機 - Google Patents

プリプラ式射出成形機

Info

Publication number
JPH06182832A
JPH06182832A JP35462892A JP35462892A JPH06182832A JP H06182832 A JPH06182832 A JP H06182832A JP 35462892 A JP35462892 A JP 35462892A JP 35462892 A JP35462892 A JP 35462892A JP H06182832 A JPH06182832 A JP H06182832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
screw
plasticizing
resin material
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35462892A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Yamada
孝之 山田
Takayuki Nanpo
貴之 南保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sodick Co Ltd
Original Assignee
Sodick Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sodick Co Ltd filed Critical Sodick Co Ltd
Priority to JP35462892A priority Critical patent/JPH06182832A/ja
Publication of JPH06182832A publication Critical patent/JPH06182832A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/53Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using injection ram or piston
    • B29C45/54Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using injection ram or piston and plasticising screw

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】可塑化部から射出部へ送り込まれる樹脂量のバ
ラツキが成形品の品質に影響を与えないようにする。 【構成】計量工程において可塑化部から射出部へ送り込
む樹脂の量を、複数回の射出に必要な量とし(S3)、
計量工程終了後は該複数回の射出を行う(S5)。この
射出工程において、射出部内の樹脂残量yが所定量aよ
りも少なくなったり、或は射出回数nが設定した回数N
になったりした場合には、再び計量工程を行う(S
3)。したがって、小物の成形品を成形する場合におい
ても、計量工程にて計量される量は多くなる。そのた
め、該計量されて射出部へ送り込まれる樹脂量が多少ば
らついても、成形品への影響は少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可塑化部と射出部とを
別設したプリプラ式射出成形機に係り、詳しくは複数回
の射出に必要な容量の合成樹脂材料を予めまとめて射出
部に送り込んだ後に該複数回の射出を行う装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクリュプリプラ式射出成形機
は、スクリュを有する可塑化部と、射出プランジャを有
する射出部とを備えており、スクリュを駆動して可塑化
部内にある合成樹脂材料の可塑化を行い(以下、この工
程を「可塑化工程」とする)、該可塑化された溶融樹脂
を連通路を介して射出部の射出室内に所定容量だけ送り
(以下、この工程を「計量工程」とする)、更に該射出
室内に送られた樹脂を射出プランジャによって金型のキ
ャビィティ内に射出するようになっている(以下、この
工程を「射出工程」とする)。そして、従来、前記連通
路内に逆止ボール弁が設けられており、射出工程時に、
射出室内の樹脂が可塑化部に逆流することを防止してい
る。
【0003】該プリプラ式射出成形機は、独立した可塑
化部を有する関係上、インライン式射出成形機に比して
可塑化能力が大きく、特にハイサイクル成形に効果を発
揮するが、上記逆止ボール弁にて、溶融樹脂の滞留が生
じやすく、熱分解を起こしやすい材料に対しては問題を
生ずる虞れがある。
【0004】近時、本出願人は、特開平3−97518
号公報に示すように、逆止ボール弁をなくして、上記問
題を解消したプリプラ式射出成形機を提案した。本射出
成形機は、混練スクリュを回転する回転モータの他に、
該スクリュをその軸線方向に移動するアクチュエータを
備え、可塑化・計量工程にあっては、スクリュを後退し
て該スクリュ先端と連通路との間に連通開口を形成し、
この状態で溶融樹脂を射出部の射出室に送り込み、そし
て射出工程に際して、スクリュを前進して該スクリュ先
端にて前記連通開口を閉塞し、これにより射出工程時に
おける溶融樹脂の可塑化室への逆流を防止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特に、上述したスクリ
ュを進退することにより射出室からの逆流を阻止するタ
イプのものは、逆止ボール弁部分での溶融樹脂の滞留を
なくす外、正確な計量を可能とすると共に、非常に安定
した可塑化を実現でき、プリプラ式射出成形機の優れた
特性を発揮して、成形条件再現性、立上がり特性、安定
性等に高い性能を有し、更にCAD、CAM及び金型製
造機と射出成形機とを結びつけたコンピュータ支援射出
成形(CAI)をも可能とする。
【0006】ところで、このような従来の射出成形機に
おいては、1個の成形品を成形する射出工程の前には必
ず可塑化・計量工程を行っていた。したがって、当然の
ことながら、計量工程において計量される樹脂容量は1
個の成形品に必要とされる樹脂容量に相当し、該成形品
が小物である場合は計量される樹脂容量も少量であっ
た。一方、計量工程において可塑化部から射出部に送ら
れる樹脂の容量は、混練スクリュの回転数のバラツキや
計量背圧のバラツキ等の影響を受けて多少とも変化する
ものであるが、小物を成形する場合にはこの樹脂容量の
変化が直接的に成形品の品質を左右していた。
【0007】そこで、本発明は、複数個分の成形品に必
要な樹脂を予めまとめて射出部に送り込み、該送り込ん
だ後は射出工程のみ繰り返し、もって上述課題を解決し
たプリプラ式射出成形機を提供することを目的とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、加熱シリンダ(37)、該加
熱シリンダ(37)内に配設されたスクリュ(39)、
及び該スクリュ(39)を駆動するスクリュ駆動手段
(43,47)を有して合成樹脂材料を可塑化する可塑
化部(13)と、射出シリンダ(15)、該射出シリン
ダ(15)内に配設された射出プランジャ(16)、及
び該射出プランジャ(16)を軸方向に移動するプラン
ジャ駆動手段(19,20)を有する射出部(12)
と、前記可塑化部(13)及び射出部(12)を連通す
る連通路(30)と、を備え、前記可塑化部(13)に
て可塑化された合成樹脂材料を前記射出部(12)に送
り出すと共に前記射出部(12)から金型内に射出する
プリプラ式射出成形機(11)において、複数回の射出
に必要な容量の合成樹脂材料を前記スクリュ駆動手段
(43,47)を駆動して前記射出部(12)内に送り
込み、前記プランジャ駆動手段(19,20)を間欠的
に駆動して複数回の射出を行わしめる制御手段(C)、
を備えてなる。
【0009】この場合、前記射出部(12)内に送り込
まれた合成樹脂材料の容量を検知する樹脂容量検知手段
(31)を備え、前記制御手段(C)が、該樹脂容量検
知手段(31)により前記射出部(12)内の樹脂が無
くなったことを検知した場合には前記スクリュ駆動手段
(43,47)を駆動して所定容量の合成樹脂材料を前
記射出部(12)内に送り込む、ようにしてもよい。
【0010】
【作用】以上構成に基づき、本発明に係るプリプラ式射
出成形機(11)を起動すると、制御手段(C)は、ま
ずスクリュ駆動手段(43,47)を駆動する。する
と、可塑化部(13)内においてはスクリュ(39)が
駆動され合成樹脂材料は可塑化される。そして、この可
塑化された合成樹脂材料は、所定容量だけが連通路(3
0)を介して射出シリンダ(15)内部に送り込まれ
る。次に、前記制御手段(C)はプランジャ駆動手段
(19,20)を駆動し、射出シリンダ(15)内に配
設された射出プランジャ(16)を軸方向に所定容量だ
け移動させる。これにより、射出プランジャ(16)は
合成樹脂材料を金型内に射出し、その結果樹脂の成形が
行われる。前記制御装置(C)は前記プランジャ駆動手
段(19,20)を間欠的に駆動し、このような射出を
複数回に分けて行う。したがって、該回数に応じて成形
品が作られる。射出部(12)内の樹脂がなくなった
り、所定回数の射出を行ったりした場合には前記スクリ
ュ駆動手段(43,47)が再度駆動されて、新しい合
成樹脂材料が前記射出部(12)内に送り込まれて同様
に複数回の射出が行われる。
【0011】なお、上述カッコ内の符号は、図面を対照
するためのものであるが、何等本発明の構成を限定する
ものではない。
【0012】
【実施例】以下、図面に沿って本発明の実施例について
説明する。
【0013】スクリュプリプラ式射出成形機11は、図
1に示すように、射出部12及び可塑化部13を有して
いる。射出部12は射出シリンダ15及び該シリンダ1
5に嵌挿されている射出プランジャ16を有しており、
これらシリンダ15及びプランジャ16にて射出室17
が形成されている。また、射出プランジャ16はロッド
18を介してラム19に連結されており、該ラム19は
シリンダ20に嵌挿されて射出用油圧室21及び戻し用
油圧室22を形成している。なお、この油圧室21は油
圧源に接続されており、電磁バルブ24の操作に伴って
適宜油圧が送られるようになっている(図2参照)。さ
らに、このシリンダ20はケース35に取り付けられて
おり、該ケース35には窓36が形成されている。さら
に、ロッド18にはアーム32が取り付けられており、
このアーム32は窓36を貫通してケース35外部まで
延設されている。またさらに、ケース35にはリニアス
ケール31が取り付けられており、該リニアスケール3
1の可動部31aはアーム32に連結されている。した
がって、この可動部31aはロッド18及び射出プラン
ジャ16と一体的に移動するようになっており、リニア
スケール31は射出プランジャ16の位置、すなわち、
射出室17内の樹脂容量を検知し得るようになってい
る。また、前記射出シリンダ15の前端部分にはノズル
アダプタ23が固定されており、該アダプタ23にはノ
ズル25が装着されて、該ノズル25は固定プラテン2
6に固定された金型内の注入口と接離し得る。更に、該
アダプタ23には射出室17から前記ノズル25に連通
するノズル孔27が形成されていると共に、可塑化部1
3の可塑化室29に連通する連通路30が形成されてい
る。
【0014】一方、可塑化部13は加熱シリンダ37を
備えており、該シリンダ37内には混練スクリュ39が
嵌挿されている。また、該シリンダ37の先端にはブラ
ケット40が固定されており、これらの加熱シリンダ3
7、混練スクリュ39、及びブラケット40によって可
塑化室29が形成されている。この可塑化室29におい
ては、ブラケット40は円錐形状に窪ませて形成されて
おり、混練スクリュ39の先端部は該ブラケット40の
円錐形状部分に密着し得るように円錐状に形成されてい
る。また、このブラケット40には連結ブロック41が
取り付けられており、この連結ブロック41は、可塑化
部13と射出部12とを所定角度を持ってV字状に連結
している。さらに、これらの連結ブロック41及びブラ
ケット40には連通路30が連通して形成されており、
上述の射出室17と可塑化室29とを連通するようにな
っている。なお、該連通路30の可塑化室の開口30a
はブラケット40の円錐頂部に位置している。
【0015】また一方、加熱シリンダ37の後端部に
は、スクリュ進退位置調整装置42を介してスクリュ駆
動装置43が連結されている。そして、該スクリュ駆動
装置43はシリンダケース45及びピストン部材46を
有しており、ピストン部材46はケース45に回転自在
及び所定量だけ軸方向に移動自在に支持されていると共
に、その前部にてスクリュ39に一体に連結されてい
る。そして、このスクリュ駆動装置43は油圧源に接続
されており、電磁バルブ44の操作に伴って適宜油圧が
送られるようになっている(図2参照)。したがって、
スクリュ駆動装置43によってスクリュ39が前後方向
に駆動され、かつスクリュ39が後退した位置にあって
は、前記連通路30が可塑化室29と射出室17とを連
通し、またスクリュ39が前進すると、該スクリュ39
の先端が前記開口30aを閉塞して、可塑化室29と射
出室17との連通を遮断するようになっている。さら
に、このスクリュ駆動装置43の後端部には、AC電動
モータ又は油圧モータ等の回転モータ47が取り付けら
れており、前記ピストン部材46と回転モータ47とは
回転のみ一体に連結されている。したがって、例えば油
路48を介して油室49に油圧を導入しながら、回転モ
ータ47を駆動すると、スクリュ39は回転しながら移
動する。なお、図中、50は樹脂材料供給用のホッパ孔
であり、また51はスクリュ回転検出用のロータリエン
コーダである。
【0016】また、本実施例に係る射出成形機11は、
図2に示すように制御装置Cを備えており、該制御装置
Cにはキーボード60が接続されている。そして、この
キーボード60によって、1つの成形品に必要な樹脂容
量a(以下、「射出容量a」とする)や、1回の計量工
程に対して射出を行う回数N(以下、「設定回数N」と
する)などを入力できるようになっている。さらに、こ
の制御装置Cにはディスプレイ61が接続されており、
キーボード60にて設定した値等の確認を行うようにな
っている。また、上述したリニアスケール31も制御装
置Cに接続されており、該制御装置Cには、リニアスケ
ール31からの信号(x0 ,…,xn 、又はx)が入力
されている。さらに、制御装置Cは、これらの信号に基
づいてスクリュ駆動装置43等を駆動して一連の成形プ
ロセスを制御するようになっている。
【0017】ついで、本実施例の作用について、図3乃
至図5に沿って説明する。
【0018】本プリプラ式射出成形機11による成形を
行うに際しては、まずキーボード60を操作して、射出
容量a及び設定回数Nを入力する。そして、所定の操作
をして成形機11を起動する(S1)。すると、射出回
数nをカウントするカウンタがリセットされる(S
2)。なお、このカウンタは、1回の計量工程に対し射
出工程が行われた回数をカウントするもので、新たに計
量工程がなされる毎にリセットされるようになってい
る。次に、制御装置Cは回転モータ47及びスクリュ駆
動装置43を駆動して樹脂材料の計量を行う(S3)。
この計量に際しては、図4に詳細に示すように、まず設
定回数N及び射出容量aの読み込みが行われる(S3
1,S32)。そして、これらの設定回数N及び射出容
量aを掛け合せることにより射出室17内に送り込まれ
るべき樹脂材料の容量、具体的には該樹脂材料の容量に
相当するスケール31の値を目標値x0 (=N・a)を
計算する(S33)。このように目標値x0 が計算され
ると、制御装置Cは回転モータ47を起動してスクリュ
39を回転駆動する(S35)。すると、ホッパ口50
から加熱シリンダ37内に充填されている合成樹脂材料
は、加熱シリンダ37からの加熱と、スクリュ39に設
けた螺旋溝の変化による材料の圧縮によって発熱して溶
融し、該溶融した可塑化材料はスクリュ39の先端側に
送られる。同時に、該溶融した材料(以下、ポリマとい
う)の圧力でスクリュ39が後退し、これにより、該ス
クリュ39の先端は連通開口30aとの間に僅かな隙間
を形成し、前記ポリマは連通路30を通って、射出部1
2の射出室17へ流入する。すると、射出室17内へ流
入した該ポリマの圧力で射出プランジャ16は後退し、
該後退に伴って射出室17の容量が大きくなると共に該
射出室17内に蓄積されるポリマの容量も増加する。一
方、この射出プランジャ16の移動に伴ってリニアスケ
ール31の可動部31aも移動し、それと共にリニアス
ケール31の出力値xも変化するが(図5中0〜t1
照)、該出力値xの変化は制御装置Cに読み込まれてい
る(S36)。制御装置Cは、この読み込んだ出力値x
を前記目標値x0 と比較し(S37)、出力値xが目標
値x0 以上の大きさとなった場合には、前述したスクリ
ュ39の回転を停止すると同時に、スクリュ駆動装置4
3の油圧室49に油圧を送り、スクリュ39を前進し
て、その先端にて連通開口30aを閉塞する(S39,
S40)。これにより、射出室17内へのポリマの蓄
積、及び該ポリマの計量が終了する(図5中t1
照)。
【0019】この計量が終わると、制御装置Cは電磁バ
ルブ24を切り替えて、射出用油室21内に圧油を送
る。すると、ラム19が前進し、これにより射出プラン
ジャ16も前進して、一定容量(すなわち、射出容量
a)のポリマはノズル孔27を通して射出ノズル25か
ら金型のキャビィティに注入される(S5、図5中t2
参照)。この射出に際して、ポリマの一部は連通路30
を通じて、可塑化室29側へ逆流しようとするが、該連
通路30の開口30aは、スクリュ39の先端で閉塞状
態にあるので、逆流することはない。なお、このときに
射出回数nはカウントされる(S6)。射出が終ると引
き続き保圧され、キャビィティ内の成形品は冷却され
(S7)、その後、金型が開状態となり、成形品は押出
されるか、取出し機で取出される(S9)。そして、金
型は閉状態となって次の射出ができるようになる(S1
0)。
【0020】一方、この射出が行われた後には、射出シ
リンダ17内の樹脂残量yの計算が行われる。この残量
計算に際しては、まず射出に伴い変化した後のリニアス
ケール31の出力値x1 が読み込まれ(S11)、この
出力値x1 と前記目標値x0とから残量y(y=x0
1 )が計算される(S12)。次に、射出工程を行え
るだけ射出部内に樹脂が残留しているかの判断を、この
残量yと前記射出容量aとの比較により行う(S1
3)。残量yが射出容量aよりも少ない場合には新たな
樹脂を射出部に補給しなくては射出はできないため、再
びカウンタのリセット及び新たな計量が行われる(S
2,S3)。これに対し、残量yが射出容量a以上の場
合には射出回数nが最初に設定された回数Nに到達した
か否かを判断し(S15)、到達している場合には上述
と同様にカウンタのリセット及び新たな計量が行われる
(S2,S3)。また、到達していない場合には、その
ような計量等は行わずに続けて射出等が行われる(S
5)。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
可塑化部から射出部へ連通路を介して送り込まれる樹脂
容量は複数回の射出に必要な容量であるため、該樹脂容
量は小物を成形する場合においてもかなりな量となる。
したがって、該射出部に供給される樹脂容量がスクリュ
の回転数や背圧等の影響を受けて多少とも変化しても、
成形品の品質が前記樹脂容量の変化によって受ける影響
は少なくなり、射出シリンダ内に送り込まれる樹脂密度
のバラツキも少なくなる。しかも、プリプラ式射出成形
機では、可塑化室と射出室とはそれぞれ別個独立してい
るため、該射出シリンダの温度を適温に制御して、樹脂
温度を射出に適した劣化や固化しない温度に保持でき
る。したがって、成形品相互の品質のバラツキをなくす
ことができる。また、このように可塑化部において可塑
化された樹脂の大部分は射出部に送り込まれて、該可塑
化部にはほとんど樹脂は残留しないため、可塑化部に残
留して熱の影響を過度に受ける樹脂も少ない。
【0022】また、射出シリンダ内に送られた樹脂が複
数回の射出により消費される一方で、加熱シリンダ内の
合成樹脂材料は可塑化部において十分に加熱されること
となる。したがって、該合成樹脂材料は、制御手段がス
クリュを駆動するまでに十分に軟化されており、スクリ
ュを駆動すれば十分に混練されることとなる。その結
果、溶融した樹脂の密度も均一化され、成形品の品質が
向上して再現性に富むため、製品が安定化する。
【0023】さらに、溶融した樹脂を可塑化部から射出
部へ送り込む計量工程は、複数回の射出工程につき1回
行えば済み、各射出工程毎に行う必要がない。したがっ
て、計量工程の回数が少ない分だけ時間が短縮され、生
産効率も向上する。また、加熱シリンダ内の合成樹脂材
料は上述したように十分に軟化しているため、可塑化部
から射出部へは短時間で送り込まれる。したがって、こ
のことによっても時間が短縮され、やはり生産効率が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用し得るプリプラ式射出成形機を示
す平面断面図。
【図2】制御装置の作用を示すブロック図。
【図3】本発明を適用した場合の成形プロセスを示すフ
ローチャート図。
【図4】計量工程の作用を示すフローチャート図。
【図5】成形プロセスにおける射出室内の樹脂容量変化
を示す図。
【符号の説明】
11 プリプラ式射出成形機 12 射出部 13 可塑化部 15 射出シリンダ 17 射出室 23 アダプタ 25 ノズル 27 ノズル孔 29 可塑化室 30 連通路 30a 開口 37 加熱シリンダ 39 スクリュ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 プリプラ式射出成形機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可塑化部と射出部とを
別設したプリプラ式射出成形機に係り、詳しくは複数回
の射出に必要な容量の合成樹脂材料を予めまとめて射出
シリンダに送り込んだ後に該複数回の射出を行う装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクリュプリプラ式射出成形機
は、スクリュを有する可塑化部と、射出プランジャを有
する射出部とを備えており、スクリュを駆動して可塑化
部内にある合成樹脂材料の可塑化を行い(以下、この工
程を「可塑化工程」とする)、該可塑化された溶融樹脂
を連通路を介して射出部の射出室内に所定容量だけ送り
(以下、この工程を「計量工程」とする)、更に該射出
室内に送られた樹脂を射出プランジャによって金型のキ
ャビィティ内に射出するようになっている(以下、この
工程を「射出工程」とする)。そして、従来、前記連通
路内に逆止ボール弁が設けられており、射出工程時に、
射出室内の樹脂が可塑化部に逆流することを防止してい
る。かかるプリプラ式射出成形機は、独立した可塑化部
を有する関係上、インライン式射出成形機に比して可塑
化能力が大きく、特にハイサイクル成形に効果を発揮し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の射出成形機においては、1個の成形品を成形する
射出工程の前には必ず可塑化・計量工程を行っていた。
したがって、当然のことながら、計量工程において計量
される樹脂容量は1個の成形品に必要とされる樹脂容量
に相当し、該成形品が小物である場合は計量される樹脂
容量も少量であった。一方、計量工程において可塑化部
から射出部に送られる樹脂の容量は、混練スクリュの回
転数のバラツキや計量背圧のバラツキ等の影響を受けて
多少とも変化するものであるが、小物を成形する場合に
はこの樹脂容量の変化が直接的に成形品の品質を左右し
ていた。
【0004】また、インライン式射出成形機等におい
て、スクリュを間欠的に複数回前進させて、1回の計量
工程で複数回の射出成形を行うことも提案されている
が、このものにあっては、インライン式射出成形機は逆
止リングの存在等により、正確に1回分の前進量を計量
し、そして各射出成形動作毎に最適なクッション量を設
定することは難しく、各射出成形毎におけるスクリュの
前進量、射出速度、保圧量及び保圧時間等を正確に制御
することは困難であった。
【0005】そこで、本発明は、プリプラ式射出成形機
の射出シリンダ内に複数個分の成形品に必要な樹脂を予
めまとめて送り込み、該送り込んだ後は射出プラジャを
間欠的に駆動して、1回の計量工程で複数回の射出成形
を行い、もって上述課題を解決したプリプラ式射出成形
機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、加熱シリンダ(37)、該加
熱シリンダ内に配設されたスクリュ(39)、及び該ス
クリュを回転駆動するスクリュ回転駆動手段(47)を
有して合成樹脂材料を可塑化する可塑化部(13)と、
射出シリンダ(15)、該射出シリンダ内に配設された
射出プランジャ(16)、及び該射出プランジャを軸方
向に移動するプランジャ駆動手段(19,20)を有す
る射出部(12)と、前記可塑化部(13)及び射出部
(12)を連通する連通路(30)と、を備え、前記可
塑化部(13)にて可塑化された合成樹脂材料を前記射
出シリンダ(15)に送り出すと共に前記射出シリンダ
(15)から金型内に射出するプリプラ式射出成形機
(11)において、前記スクリュ(39)をその軸方向
に移動するスクリュ進退駆動手段(43)と、前記射出
シリンダ(15)内に送り込まれた合成樹脂材料の容量
を検知する樹脂容量検知手段(31)と、該樹脂容量検
知手段からの信号に基づき前記スクリュ回転駆動手段
(47)、前記スクリュ進退駆動手段(43)及び前記
プランジャ駆動手段(19,20)を駆動する制御手段
(C)と、を備え、かつ、該制御手段が、前記スクリュ
回転駆動手段(47)を介して前記スクリュ(39)を
回転駆動して複数回の射出に必要な容量の合成樹脂材料
を前記射出シリンダ(15)内に送り込ませると共に前
記スクリュ進退駆動手段(43)を駆動してスクリュを
前進させて前記連通路(30)を閉塞せしめ、かつ、こ
の状態で前記プランジャ駆動手段(19,20)を間欠
的に駆動して前記射出シリンダ(15)内の合成樹脂材
料を前記射出プランジャ(16)により複数回の射出を
行わしめる、ことを特徴とする。
【0007】この場合、前記制御手段(C)が、前記樹
脂容量検知手段(31)により前記射出シリンダ(1
5)内の樹脂が無くなったことを検知した場合には前記
スクリュ回転駆動手段(47)及び前記スクリュ進退駆
動手段(43)を駆動して所定容量の合成樹脂材料を前
記射出シリンダ(15)内に送り込む、ようにしてもよ
い。
【0008】
【作用】以上構成に基づき、本発明に係るプリプラ式射
出成形機(11)を起動すると、制御手段(C)は、ま
ずスクリュ回転駆動手段(47)を駆動する。すると、
可塑化部(13)内においてはスクリュ(39)が回転
駆動され合成樹脂材料は可塑化され、この可塑化された
合成樹脂材料は連通路(30)を介して射出シリンダ
(15)内部に送り込まれる。一方、射出部(12)側
の射出プランジャ(16)は、合成樹脂材料が送り込ま
れてくるのに従って後退し、また、該合成樹脂材料の容
量は樹脂容量検知手段(31)によって検知される。そ
して、所定容量の合成樹脂材料が送り込まれると、制御
手段(C)は、前記樹脂容量検知手段(31)からの信
号に基づいてスクリュ進退駆動手段(43)を駆動して
スクリュ(39)を前進させ、前記連通路(30)を閉
塞せしめる。次に、前記制御手段(C)はプランジャ駆
動手段(19,20)を駆動し、射出シリンダ(15)
内に配設された射出プランジャ(16)を軸方向に所定
容量だけ移動させる。これにより、射出プランジャ(1
6)は合成樹脂材料を金型内に射出し、その結果樹脂の
成形が行われる。前記制御手段(C)は前記プランジャ
駆動手段(19,20)を間欠的に駆動し、このような
射出を複数回に分けて行う。したがって、該回数に応じ
て成形品が作られる。射出シリンダ(15)内の樹脂が
なくなったり、所定回数の射出を行ったりした場合には
前記スクリュ回転駆動手段(47)が再度駆動されて、
新しい合成樹脂材料が前記射出シリンダ(15)内に送
り込まれて同様に複数回の射出が行われる。
【0009】なお、上述カッコ内の符号は、図面を対照
するためのものであるが、何等本発明の構成を限定する
ものではない。
【0010】
【実施例】以下、図面に沿って本発明の実施例について
説明する。
【0011】スクリュプリプラ式射出成形機11は、図
1に示すように、射出部12及び可塑化部13を有して
いる。射出部12は射出シリンダ15及び該シリンダ1
5に嵌挿されている射出プランジャ16を有しており、
これらシリンダ15及びプランジャ16にて射出室17
が形成されている。また、射出プランジャ16はロッド
18を介してラム(プランジャ駆動手段)19に連結さ
れており、該ラム19はシリンダ(プランジャ駆動手
段)20に嵌挿されて射出用油圧室21及び戻し用油圧
室22を形成している。なお、この油圧室21は油圧源
に接続されており、電磁バルブ24の操作に伴って適宜
油圧が送られるようになっている(図2参照)。さら
に、このシリンダ20はケース35に取り付けられてお
り、該ケース35には窓36が形成されている。さら
に、ロッド18にはアーム32が取り付けられており、
このアーム32は窓36を貫通してケース35外部まで
延設されている。またさらに、ケース35にはリニアス
ケール(樹脂容量検知手段)31が取り付けられてお
り、該リニアスケール31の可動部31aはアーム32
に連結されている。したがって、この可動部31aはロ
ッド18及び射出プランジャ16と一体的に移動するよ
うになっており、リニアスケール31は射出プランジャ
16の位置、すなわち、射出室17内の樹脂容量を検知
し得るようになっている。また、前記射出シリンダ15
の前端部分にはノズルアダプタ23が固定されており、
該アダプタ23にはノズル25が装着されて、該ノズル
25は固定プラテン26に固定された金型内の注入口と
接離し得る。更に、該アダプタ23には射出室17から
前記ノズル25に連通するノズル孔27が形成されてい
ると共に、可塑化部13の可塑化室29に連通する連通
路30が形成されている。
【0012】一方、可塑化部13は加熱シリンダ37を
備えており、該シリンダ37内には混練スクリュ39が
嵌挿されている。また、該シリンダ37の先端にはブラ
ケット40が固定されており、これらの加熱シリンダ3
7、混練スクリュ39、及びブラケット40によって可
塑化室29が形成されている。この可塑化室29におい
ては、ブラケット40は円錐形状に窪ませて形成されて
おり、混練スクリュ39の先端部は該ブラケット40の
円錐形状部分に密着し得るように円錐状に形成されてい
る。また、このブラケット40には連結ブロック41が
取り付けられており、この連結ブロック41は、可塑化
部13と射出部12とを所定角度を持ってV字状に連結
している。さらに、これらの連結ブロック41及びブラ
ケット40には連通路30が連通して形成されており、
上述の射出室17と可塑化室29とを連通するようにな
っている。なお、該連通路30の可塑化室の開口30a
はブラケット40の円錐頂部に位置している。
【0013】また一方、加熱シリンダ37の後端部に
は、スクリュ進退位置調整装置42を介してスクリュ駆
動装置(スクリュ進退駆動手段)43が連結されてい
る。そして、該スクリュ駆動装置43はシリンダケース
45及びピストン部材46を有しており、ピストン部材
46はケース45に回転自在及び所定量だけ軸方向に移
動自在に支持されていると共に、その前部はスクリュ3
9とスプライン結合されている。そして、このスクリュ
駆動装置43は油圧源に接続されており(図2参照)、
電磁バルブ44を操作して適宜油圧をかけると、スクリ
ュ39が前方向に移動して、該スクリュ39の先端が前
記開口30aを閉塞して、可塑化室29と射出室17と
の連通を断つように構成されている。また、樹脂の溶融
圧力によってスクリュ39が後退すると、連通路30は
可塑化室29と射出室17とを連通するようになってい
る。さらに、このスクリュ駆動装置43の後端部には、
AC電動モータ又は油圧モータ等の回転モータ(スクリ
ュ回転駆動手段)47が取り付けられており、前記ピス
トン部材46と回転モータ47とはスプライン結合され
て、回転のみ一体に連結されている。なお、図中、50
は樹脂材料供給用のホッパ孔であり、また51はスクリ
ュ回転検出用のロータリエンコーダである。
【0014】また、本実施例に係る射出成形機11は、
図2に示すように制御装置(制御手段)Cを備えてお
り、該制御装置Cにはキーボード60が接続されてい
る。そして、このキーボード60によって、1つの成形
品に必要な樹脂容量a(以下、「射出容量a」とする)
や、1回の計量工程に対して射出を行う回数N(以下、
「設定回数N」とする)などを入力できるようになって
いる。さらに、この制御装置Cにはディスプレイ61が
接続されており、キーボード60にて設定した値等の確
認を行うようになっている。また、上述したリニアスケ
ール31も制御装置Cに接続されており、該制御装置C
には、リニアスケール31からの信号(x0,…,x
n 、又はx)が入力されている。さらに、制御装置C
は、これらの信号に基づいてスクリュ駆動装置43等を
駆動して一連の成形プロセスを制御するようになってい
る。
【0015】ついで、本実施例の作用について、図3乃
至図5に沿って説明する。
【0016】本プリプラ式射出成形機11による成形を
行うに際しては、まずキーボード60を操作して、射出
容量a及び設定回数Nを入力する。そして、所定の操作
をして成形機11を起動する(S1)。すると、射出回
数nをカウントするカウンタがリセットされる(S
2)。なお、このカウンタは、1回の計量工程に対し射
出工程が行われた回数をカウントするもので、新たに計
量工程がなされる毎にリセットされるようになってい
る。次に、制御装置Cは回転モータ47及びスクリュ駆
動装置43を駆動して樹脂材料の計量を行う(S3)。
この計量に際しては、図4に詳細に示すように、まず設
定回数N及び射出容量aの読み込みが行われる(S3
1,S32)。そして、これらの設定回数N及び射出容
量aを掛け合せることにより射出室17内に送り込まれ
るべき樹脂材料の容量、具体的には該樹脂材料の容量に
相当するスケール31の値を目標値x0 (=N・a)を
計算する(S33)。このように目標値x0 が計算され
ると、制御装置Cは回転モータ47を起動してスクリュ
39を回転駆動する(S35)。すると、ホッパ口50
から加熱シリンダ37内に充填されている合成樹脂材料
は、加熱シリンダ37からの加熱と、スクリュ39に設
けた螺旋溝の変化による材料の圧縮によって発熱して溶
融し、該溶融した可塑化材料はスクリュ39の先端側に
送られる。同時に、該溶融した材料(以下、ポリマとい
う)の圧力でスクリュ39が後退し、これにより、該ス
クリュ39の先端は連通開口30aとの間に僅かな隙間
を形成し、前記ポリマは連通路30を通って、射出部1
2の射出室17へ流入する。すると、射出室17内へ流
入した該ポリマの圧力で射出プランジャ16は後退し、
該後退に伴って射出室17の容量が大きくなると共に該
射出室17内に蓄積されるポリマの容量も増加する。一
方、この射出プランジャ16の移動に伴ってリニアスケ
ール31の可動部31aも移動し、それと共にリニアス
ケール31の出力値xも変化するが(図5中0〜t1
照)、該出力値xの変化は制御装置Cに読み込まれてい
る(S36)。制御装置Cは、この読み込んだ出力値x
を前記目標値x0 と比較し(S37)、出力値xが目標
値x0 以上の大きさとなった場合には、前述したスクリ
ュ39の回転を停止すると同時に、スクリュ駆動装置4
3の油圧室49に油圧を送り、スクリュ39を前進し
て、その先端にて連通開口30aを閉塞する(S39,
S40)。これにより、射出室17内へのポリマの蓄
積、及び該ポリマの計量が終了する(図5中t1
照)。
【0017】この計量が終わると、制御装置Cは電磁バ
ルブ24を切り替えて、射出用油室21内に圧油を送
る。すると、ラム19が前進し、これにより射出プラン
ジャ16も前進して、一定容量(すなわち、射出容量
a)のポリマはノズル孔27を通して射出ノズル25か
ら金型のキャビィティに注入される(S5、図5中t2
参照)。この射出に際して、ポリマの一部は連通路30
を通じて、可塑化室29側へ逆流しようとするが、該連
通路30の開口30aは、スクリュ39の先端で閉塞状
態にあるので、逆流することはない。なお、このときに
射出回数nはカウントされる(S6)。射出が終ると引
き続き型締めされて、キャビティ内の樹脂は圧縮され保
圧される。なお、上述したように連通路30は閉塞され
ているため、キャビティ内の樹脂の逆流はない。そし
て、キャビィティ内の成形品は冷却され(S7)、その
後、金型が開状態となり、成形品は押出されるか、取出
し機で取出される(S9)。そして、金型は閉状態とな
って次の射出ができるようになる(S10)。
【0018】一方、この射出が行われた後には、射出シ
リンダ17内の樹脂残量yの計算が行われる。この残量
計算に際しては、まず射出に伴い変化した後のリニアス
ケール31の出力値x1 が読み込まれ(S11)、この
出力値x1 と前記目標値x0とから残量y(y=x0
1 )が計算される(S12)。次に、射出工程を行え
るだけ射出部内に樹脂が残留しているかの判断を、この
残量yと前記射出容量aとの比較により行う(S1
3)。残量yが射出容量aよりも少ない場合には新たな
樹脂を射出部に補給しなくては射出はできないため、再
びカウンタのリセット及び新たな計量が行われる(S
2,S3)。これに対し、残量yが射出容量a以上の場
合には射出回数nが最初に設定された回数Nに到達した
か否かを判断し(S15)、到達している場合には上述
と同様にカウンタのリセット及び新たな計量が行われる
(S2,S3)。また、到達していない場合には、その
ような計量等は行わずに続けて射出等が行われる(S
5)。
【0019】ついで、本実施例の効果について説明す
る。
【0020】本実施例によれば、可塑化部13から射出
部12へ連通路30を介して送り込まれる樹脂容量は、
複数回の射出に必要な容量であることから、小物を成形
する場合においてもかなりな量となる。したがって、射
出部12に供給される樹脂容量がスクリュ39の回転数
や背圧等の影響を受けて多少とも変化しても、成形品の
品質が前記樹脂容量の変化によって受ける影響は少なく
なり、射出シリンダ15内に送り込まれる樹脂密度のバ
ラツキも少なくなる。しかも、プリプラ式射出成形機1
1では、可塑化室29と射出室17とはそれぞれ別個独
立しているため、射出シリンダ15の温度を適温に制御
して、樹脂温度を射出に適した劣化や固化しない温度に
保持できる。したがって、成形品相互の品質のバラツキ
をなくすことができる。また、このように可塑化部13
において可塑化された樹脂の大部分は射出部12に送り
込まれて、可塑化部13にはほとんど樹脂は残留しない
ため、可塑化部13に残留して熱の影響を過度に受ける
樹脂も少ない。
【0021】ところで、インライン式の射出成形機にお
いてスクリュを間欠的に前進移動させて、複数回の射出
成形を行うようにすることも考えられるが、一般的には
該インライン式のスクリュ先端部には逆止弁を具備し、
該逆止弁はスクリュの前進時にはポリマが材料供給側へ
逆流しなように阻止し、スクリュが回転して後退中は材
料供給側から溶融状態のポリマを前方へ流動し易いよう
になっているため、ノズルの先端の孔を閉塞するニード
ル弁のような弁体を設けないと、鼻たれ現象を発生して
しまい、作業環境を悪くする。代わって、サックバック
装置を設けて、該鼻たれ現象を防止することも可能であ
るが、流動状態にあるポリマは、僅かにスクリュを後退
させるだけで、スクリュ前方にあったポリマの計量が不
安定になってしまう。
【0022】これに対して、本実施例によれば、所定量
のポリマが射出シリンダ15内に蓄積されるとスクリュ
39を前進させてその先端で閉塞すると共に、スクリュ
39ではなく射出プランジャ16を間欠的に駆動して複
数回の射出を行う。そして、前記射出後保圧が終了する
と射出プランジャ16を僅かに強制的に後退させ、金型
と接触するノズル25からの鼻たれを防止(サックバッ
ク効果)でき、その射出シリンダ15内のポリマ量をリ
ニアスケール31によって正確に制御でき、作業環境を
悪くするようなことも誘起されない。そのため、上述の
連通路30が閉塞されていることも相まって、成形品の
圧縮・保圧が充分にかつ適正に行われ、その結果として
キャビティ内の樹脂は固化するまで充分に圧縮されて転
写性が向上し、緻密な組織を有する成形品が成形でき、
品質の向上と安定化が図れる。
【0023】さらに、射出シリンダ15内に送られた樹
脂が複数回の射出により消費される一方で、加熱シリン
ダ37内の合成樹脂材料は可塑化部13において十分に
加熱されることとなる。したがって、該合成樹脂材料
は、制御装置Cがスクリュ39を駆動するまでに十分に
軟化されており、スクリュ39を駆動すれば十分に混練
されることとなる。その結果、溶融した樹脂の密度も均
一化され、成形品の品質が向上して再現性に富むため、
製品が安定化する。
【0024】またさらに、溶融した樹脂を可塑化部13
から射出部12へ送り込む計量工程は、複数回の射出工
程につき1回行えば済み、各射出工程毎に行う必要がな
い。したがって、計量工程の回数が少ない分だけ時間が
短縮され、生産効率も向上する。また、加熱シリンダ3
7内の合成樹脂材料は上述したように十分に軟化してい
るため、可塑化部13から射出部12へは短時間で送り
込まれる。したがって、このことによっても時間が短縮
され、やはり生産効率が向上する。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
可塑化部から射出部へ連通路を介して送り込まれる樹脂
容量は複数回の射出に必要な容量であるため、該樹脂容
量は小物を成形する場合においてもかなりな量となる。
したがって、該射出部に供給される樹脂容量がスクリュ
の回転数や背圧等の影響を受けて多少とも変化しても、
成形品の品質が前記樹脂容量の変化によって受ける影響
は少なくなり、射出シリンダ内に送り込まれる樹脂密度
のバラツキも少なくなる。しかも、プリプラ式射出成形
機では、可塑化室と射出室とはそれぞれ別個独立してい
るため、該射出シリンダの温度を適温に制御して、樹脂
温度を射出に適した劣化や固化しない温度に保持でき
る。したがって、成形品相互の品質のバラツキをなくす
ことができる。また、このように可塑化部において可塑
化された樹脂の大部分は射出部に送り込まれて、該可塑
化部にはほとんど樹脂は残留しないため、可塑化部に残
留して熱の影響を過度に受ける樹脂も少ない。
【0026】ところで、インライン式の射出成形機にお
いてスクリュを間欠的に前進移動させて、複数回の射出
成形を行うようにすることも考えられるが、一般的には
該インライン式のスクリュ先端部には逆止弁を具備し、
該逆止弁はスクリュの前進時には合成樹脂材料が材料供
給側へ逆流しなように阻止し、スクリュが回転して後退
中は材料供給側から溶融状態の合成樹脂材料を前方へ流
動し易いようになっているため、ノズルの先端の孔を閉
塞するニードル弁のような弁体を設けないと、鼻たれ現
象を発生してしまい、作業環境を悪くする。代わって、
サックバック装置を設けて、該鼻たれ現象を防止するこ
とも可能であるが、流動状態にある合成樹脂材料は、僅
かにスクリュを後退させるだけで、スクリュ前方にあっ
た合成樹脂材料の計量が不安定になってしまう。
【0027】これに対して、本実施例によれば、所定量
の合成樹脂材料が射出シリンダ内に蓄積されるとスクリ
ュを前進させてその先端で閉塞すると共に、スクリュで
はなく射出プランジャを間欠的に駆動して複数回の射出
を行う。そして、前記射出後保圧が終了すると射出プラ
ンジャを僅かに強制的に後退させて鼻たれを防止でき、
その射出シリンダ内の合成樹脂材料の容量を樹脂容量検
知手段によって正確に制御でき、作業環境を悪くするよ
うなことも誘起されない。そのため、上述の連通路が閉
塞されていることも相まって、成形品の圧縮・保圧が充
分にかつ適正に行われ、その結果としてキャビティ内の
樹脂は固化するまで充分に圧縮されて転写性が向上し、
緻密な組織を有する成形品が成形でき、品質の向上と安
定化が図れる。
【0028】また、射出シリンダ内に送られた樹脂が複
数回の射出により消費される一方で、加熱シリンダ内の
合成樹脂材料は可塑化部において十分に加熱されること
となる。したがって、該合成樹脂材料は、制御手段がス
クリュを駆動するまでに十分に軟化されており、スクリ
ュを駆動すれば十分に混練されることとなる。その結
果、溶融した樹脂の密度も均一化され、成形品の品質が
向上して再現性に富むため、製品が安定化する。
【0029】さらに、溶融した樹脂を可塑化部から射出
部へ送り込む計量工程は、複数回の射出工程につき1回
行えば済み、各射出工程毎に行う必要がない。したがっ
て、計量工程の回数が少ない分だけ時間が短縮され、生
産効率も向上する。また、加熱シリンダ内の合成樹脂材
料は上述したように十分に軟化しているため、可塑化部
から射出部へは短時間で送り込まれる。したがって、こ
のことによっても時間が短縮され、やはり生産効率が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用し得るプリプラ式射出成形機を示
す平面断面図。
【図2】制御装置の作用を示すブロック図。
【図3】本発明を適用した場合の成形プロセスを示すフ
ローチャート図。
【図4】計量工程の作用を示すフローチャート図。
【図5】成形プロセスにおける射出室内の樹脂容量変化
を示す図。
【符号の説明】 11 プリプラ式射出成形機 12 射出部 13 可塑化部 15 射出シリンダ 16 射出プランジャ 17 射出室 19 プランジャ駆動手段(ラム) 20 プランジャ駆動手段(シリンダ) 23 アダプタ 25 ノズル 27 ノズル孔 29 可塑化室 30 連通路 30a 開口 31 樹脂容量検知手段(リニアスケール) 37 加熱シリンダ 39 スクリュ 43 スクリュ進退駆動手段(スクリュ駆動装置) 47 スクリュ回転駆動手段(回転モータ) C 制御手段(制御装置)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱シリンダ、該加熱シリンダ内に配設
    されたスクリュ、及び該スクリュを駆動するスクリュ駆
    動手段を有して合成樹脂材料を可塑化する可塑化部と、
    射出シリンダ、該射出シリンダ内に配設された射出プラ
    ンジャ、及び該射出プランジャを軸方向に移動するプラ
    ンジャ駆動手段を有する射出部と、前記可塑化部及び射
    出部を連通する連通路と、を備え、前記可塑化部にて可
    塑化された合成樹脂材料を前記射出部に送り出すと共に
    前記射出部から金型内に射出するプリプラ式射出成形機
    において、 複数回の射出に必要な容量の合成樹脂材料を前記スクリ
    ュ駆動手段を駆動して前記射出部内に送り込み、前記プ
    ランジャ駆動手段を間欠的に駆動して複数回の射出を行
    わしめる制御手段、 を備えてなるプリプラ式射出成形機。
  2. 【請求項2】 前記射出部内に送り込まれた合成樹脂材
    料の容量を検知する樹脂容量検知手段を備え、 前記制御手段が、該樹脂容量検知手段により前記射出部
    内の樹脂が無くなったことを検知した場合には前記スク
    リュ駆動手段を駆動して所定容量の合成樹脂材料を前記
    射出部内に送り込む、 ことを特徴とするプリプラ式射出成形機。
JP35462892A 1992-12-16 1992-12-16 プリプラ式射出成形機 Pending JPH06182832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35462892A JPH06182832A (ja) 1992-12-16 1992-12-16 プリプラ式射出成形機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35462892A JPH06182832A (ja) 1992-12-16 1992-12-16 プリプラ式射出成形機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06182832A true JPH06182832A (ja) 1994-07-05

Family

ID=18438845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35462892A Pending JPH06182832A (ja) 1992-12-16 1992-12-16 プリプラ式射出成形機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06182832A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004330545A (ja) * 2003-05-06 2004-11-25 Sodick Co Ltd 多数回射出成形方法及びそのための設定表示画面
JP2008207562A (ja) * 2008-04-21 2008-09-11 Sodick Co Ltd 多数回射出成形方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004330545A (ja) * 2003-05-06 2004-11-25 Sodick Co Ltd 多数回射出成形方法及びそのための設定表示画面
JP2008207562A (ja) * 2008-04-21 2008-09-11 Sodick Co Ltd 多数回射出成形方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160001477A1 (en) Injection molding method and injection molding device
JP2000238094A (ja) 熱可塑性樹脂用射出成形機
TW201343364A (zh) 射出成形機
JP2009255452A (ja) プリプラ式射出成形機
JP3427170B2 (ja) 射出成形機
KR0170750B1 (ko) 사출성형기의 충전량 검출방법
JP3499982B2 (ja) 2材複合成形装置
JPH06182832A (ja) プリプラ式射出成形機
JP3173359B2 (ja) スクリュプリプラ式射出装置における操作方法
CA2063924C (en) Improvements in plasticising units for screw injection moulding machines
JPH0547382B2 (ja)
JP2004255588A (ja) プリプラ式射出成形機の制御方法
JP2639571B2 (ja) 射出成形方法
JPS6049909A (ja) 樹脂材料の可塑化計量注入装置
JP2612087B2 (ja) 射出成形機
JP2004025465A (ja) ガス含浸樹脂の射出装置および射出成形方法
JP3835894B2 (ja) 射出成形機における樹脂替え/色替え方法
JP2018158503A (ja) 可塑化装置とプランジャ式射出装置とからなる射出装置の運転方法
JP3232547B2 (ja) 射出圧縮成形方法
JPH07214613A (ja) 射出成形機における樹脂温度の制御方法
JPS6125816A (ja) 射出成形方法および射出成形機
JP4040989B2 (ja) 射出成形機およびその制御方法ならびに制御プログラム
JPH1119987A (ja) 射出成形機の計量方法
JPH0470969B2 (ja)
JPH1086194A (ja) 射出成形機の射出装置