JPH0469178B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0469178B2
JPH0469178B2 JP1694984A JP1694984A JPH0469178B2 JP H0469178 B2 JPH0469178 B2 JP H0469178B2 JP 1694984 A JP1694984 A JP 1694984A JP 1694984 A JP1694984 A JP 1694984A JP H0469178 B2 JPH0469178 B2 JP H0469178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phenol
mol
reaction
trivalent
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP1694984A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60163919A (ja
Inventor
Toshimasa Tokuda
Akyoshi Manabe
Osamu Oohara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP1694984A priority Critical patent/JPS60163919A/ja
Publication of JPS60163919A publication Critical patent/JPS60163919A/ja
Publication of JPH0469178B2 publication Critical patent/JPH0469178B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は分岐ポリカーボネートの製造方法に関
する。さらに詳しくは、2価フエノールとホスゲ
ンとから合成された低分子量の線状ポリカーボネ
ートに、3個以上水酸基を有するベンゼン環をそ
の分子構造内に有する3価以上の多価フエノール
と1価フエノールを添加して反応せしめ、つい
で、アルカリ水溶液を加えて重合反応を完結せし
める分岐した芳香族ポリカーボネートの製造に関
する。
[従来技術] エンジニアリングプラスチツクとして広く用い
られているポリカーボネート樹脂の多くは、2価
フエノールとホスゲンを反応せしめて生成した、
直鎖状重合体であるが、この直鎖状重合体は溶融
加工条件下ではニユートン流動挙動を示し、吹込
成形、押出成形を行う際には自重によるダレが生
じ易く、大型の成形品を作ることが困難である。
そのために、かかる成形用途には、溶融加工条件
下で、非ニユートン流動性を示し、溶融時にダレ
を生じ難い分岐ポリカーボネートが要求される。
この非ニユートン流動性は、次式 Q=K・PN 〔ここで、Qは溶融樹脂の流動量(cm3/sec.)
Kは定数、Pは圧力(Kg/cm2)、Nは構造粘性指
数である〕 から求められる構造粘性指数Nの値で評価でき
る。Nが1のときにはニユートン流動を示し、1
より大きくなる程非ニユートン流動性が大きくな
ることを示す。
本発明者は、上記の構造粘性指数Nと吹込成
形、押出成形時のダレとの関係を調べた結果、N
が1.2〜1.3の線状性の強いポリカーボネートに比
し、Nが1.4〜3.5の分岐したポリカーボネート樹
脂が、いずれの成形時にもダレが生じ難く、大型
成形品に容易に成形しうることが明らかとなつ
た。
かかる分岐ポリカーボネートの製造方法として
は、従来から分岐剤として3価以上の多価フエノ
ールを用いる方法が種々知られているが、この分
岐化が過ぎると網状化し、有機溶媒に不溶とな
り、また、3価以上の多価フエノールの反応性は
2価フエノールのそれに比べて低いなどの理由
で、高収率でNの高い分岐ポリカーボネートを得
ることは容易でないという問題がある。
例えば、特公昭44−17149号公報に、2価フエ
ノールに対してフロログルシン等の多官能化合物
をホスゲン吹込み前に加え、ホスゲンの吹込速
度、反応温度を制御して重合する方法が開示され
ているが、この方法は、条件設定が複雑なので、
工業的実施が難かしく、且つ、溶液重合を対象と
している。一方、界面重合による方法としては、
特開昭47−23918号公報に3価以上の多価フエノ
ールと1価フエノールとの同時的存在下に、2価
フエノールとホスゲン等の炭酸誘導体を反応せし
める方法、特公昭53−28193号公報に2価フエノ
ールと1価フエノールの同時存在下にホスゲンを
加え、低分子量ポリカーボネートを生成し、つい
で触媒と4価以上の多価フエノールを加える方法
が開示されているが、これらの方法では、特にビ
スフエノールに比べて、反応性の低いフロログル
シン等の多価フエノールを用いた際には、本発明
の目的とするようなNの高いポリカーボネートは
得られない。またこの反応終了後のポリマー溶液
(有機相)には反応に使用したアルカリ、2価フ
エノール等や、反応の副生成物である食塩、炭酸
ソーダ等を含んだ水溶液が小さな水滴となつて安
定に分散しており、水洗等によつて、それらを取
除き精製する必要があるが、その精製性が悪い欠
点がある。
また、特開昭58−185619号公報に、ポリカーボ
ネートオリゴマーに多官能化合物を反応せしめ、
次いで2価フエノールを加えて重縮合する方法が
開示されているが、フロログルシン等の多価フエ
ノールの使用に関しては、記載がない。
[発明の目的] 本発明の目的は、工業的に入手容易であるが、
反応性の劣るフロログルシン等の多価フエノール
を分岐剤として、高収率で、しかも溶剤不溶化の
危険性がなく、且つ得られたポリマーの有機溶媒
溶液の水洗による精製性がよく、色相の改善され
た、吹込成形、押出成形等に優れた成形性を示す
構造粘性指数Nが1.4〜3.5の分岐したポリカーボ
ネート樹脂の製造方法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明は、2価フエノールのアルカリ水溶液と
ホスゲンとを有機溶媒の存在下に反応せしめて得
られる低分子量の線状ポリカーボネートに、まず
3価以上の多価フエノールと1価フエノールとを
加えて反応せしめ、ついで、アルカリ水溶液を加
えて反応を完結せしめる分岐ポリカーボネートの
製造方法に於いて、該3価以上の多価フエノール
として3個以上の水酸基を有するベンゼン環をそ
の分子構造内に有する多価フエノールを使用し、
その量が、2価フエノールの全量に基づいて、
0.05〜1.5モル%であり、且つ、該3価以上の多
価フエノールの添加時における未反応の2価フエ
ノールが、該3価以上の多価フエノールの水酸基
1モル当り、3モル以下であり、且つ反応混合液
を構成する有機相と水相の体積比が1:0.1〜
1:1.2であり、またついで加えるアルカリ水溶
液中のアルカリ化合物が、用いた2価フエノール
の全量に対して10〜100モル%であり、該アルカ
リ濃度が1〜50重量%であることを特徴とする分
岐ポリカーボネートの製造方法である。
本発明に用いられる2価フエノールとしては、
ビスフエノール類が好ましく、とくに、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパン[以
下、ビスフエノールAと云う]が好ましい。また
ビスフエノールAの一部または全部を他の2価フ
エノールで置換してもよい。ビスフエノールA以
外の2価フエノールとしては、例えば、ハイドロ
キノン、4,4′−ジヒドロキシジフエニル、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)アルカン、ビス(4
−ヒドロキシフエニル)シクロアルカン、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)スルフイド、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)スルホキシド、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)スルホン、ビス(4
−ヒドロキシフエニル)ケトン、ビス(4−ヒド
ロキシフエニル)エーテル、2,2−ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフエニル)プロパ
ン、及び2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシフエニル)プロパンの如きハロゲン化
ビスフエノール類を挙げることができる。
これらの2価フエノールは、アルカリ水溶液に
溶解分散させて使用される。この場合、アルカリ
としては苛性ソーダ、苛性カリなどのアルカリ金
属水酸化物が好ましく用いられ、このアルカリ濃
度は3〜13重量%が好ましい。溶解分散される2
価フエノールとアルカリのモル比は1:1.8〜
1:3.3が好ましく、更に好ましくは、1:2.2〜
1:3.1である。
本発明に用いられる有機溶媒は、水に対して実
質的に不溶で、且つ反応に対して不活性であり、
しかも反応によつて生ずるポリカーボネートを溶
解する有機化合物である。その具体例として、塩
化メチレン、テトラクロルエタン、1,2−ジク
ロルエチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリ
クロルエタン、ジクロルエタン等の塩素化脂肪族
炭化水素;クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、
クロルトルエン等の塩素化芳香族炭化水素;アセ
トフエノン、シクロヘキサノン、アニソール等を
あげることができる。これらは単独または混合物
として用いることができる。これらのうち塩化メ
チレンが最も好ましい。
本発明においては、先ず2価フエノールのアル
カリ水溶液とホスゲンとを有機溶媒の存在下で反
応せしめて低分子量の線状ポリカーボネートを生
成する。その際、2価フエノールとホスゲンのモ
ル比は1:1.1〜1:1.5であり、反応は2価フエ
ノールを溶解した前記のアルカリ水溶液に、有機
溶媒の存在下25℃以下でホスゲンを吹き込むこと
によつて行なうことが好ましい。
この反応によつて得られる線状ポリカーボネー
トは、好ましくは1.015〜1.200の相対粘度(塩化
メチレン溶媒を用いて、ポリマー濃度0.7g/100
ml、20℃で測定)を有するものである。低分子量
線状ポリカーボネートの相対粘度が、1.015未満
では、構成粘性指数の高い分岐ポリカーボネート
が得難く、一方1200を超える範囲では後の重縮合
においてゲル化し易い傾向になるので好ましくな
い。
かくして得られる低分子量の線状ポリカーボネ
ートは次いで多価フエノールと反応させるが、こ
のものは上述のように従来公知の方法で行なわれ
ている1価フエノールの共存下でホスゲンと反応
させるのではなくて、2価フエノールのみとホス
ゲンとの反応によつて製造するので両未満に反応
基を残すことができ、有利である。
本発明においては、次いで上述の低分子量の線
状ポリカーボネートを含む反応混合液をそのまま
或は水相の一部を抜き取つた残液に、3個以上の
水酸基を有するベンゼン環をその分子構造内に有
する3価以上の多価フエノールと1価フエノール
をそのまま或は前記のアルカリ水溶液または有機
溶媒に溶解して添加し、反応させる。
本発明に用いられる3価以上の水酸基を有する
ベンゼン環をその分子構造内に有する3価以上の
多価フエノールとしては、例えばフロログルシ
ン、フロログルシド、フロプロピオン並びにそれ
らの誘導体が挙げられる。これらは混合して用い
ても差支えない。
また、本発明に用いられる1価フエノールとし
ては、例えばフエノール、C1〜C4のアルキル置
換基を有するアルキルフエノール類、特にp−ク
レゾール、p−t−ブチルフエノールが挙げられ
る。これらはハロゲンで置換されていてもよい。
3個以上の水酸基を有するベンゼン環をその分
子構造内に有する3価以上の多価フエノールの使
用量は、2価フエノールの使用量に基づいて、
0.05〜1.5モル%、好ましくは0.1〜1.0モル%であ
る。また1価フエノールの使用量は目的とする分
岐ポリカーボネートの平均分子量に対応して決め
られるが、通常2価フエノールの使用量に基づい
て0.5〜10モル%、更に好ましくは2〜7モル%
である。該3価以上の多価フエノール使用量が
0.05モル%未満では分岐化反応が十分に進まず、
目的とする構造粘着指数Nの高い分岐ポリカーボ
ネートは得られない。また、該3価以上の多価フ
エノールの使用量が1.5モル%を超えると、ゲル
化して溶剤に不溶化する危険性が生ずる。ここ
で、該3価以上の多価フエノールを反応せしめる
際に共存する未反応の2価フエノールの量は少な
い方がよく、2価フエノールが該3価以上の多価
フエノールの水酸基1個当り、3モル以下であ
り、2価フエノールが該3価以上の多価フエノー
ルの水酸基の1個当り3モルを超えて共存する
と、該3価以上の多価フエノールは低分子量ポリ
カーボネートと反応し難くなり、従つて目的とす
る構造粘性指数Nの高い分岐ポリカーボネートは
得られ難い。
この段階で、反応混合液中の有機溶媒相と水相
の体積比は1:0.1〜1:1.2の範囲内にあること
が好ましい。その理由はあきらかでないが、この
体積比が0.1未満ではゲル化することが多く、ま
た1.2を超えると該3価以上の多価フエノールが
反応しにくくなつて、いずれも目的とするNの高
い分岐ポリカーボネートを安定して製造すること
が難しい。
次に、反応混合液に触媒を添加して、5〜20分
間反応を行なう。ここで使用される触媒は、第3
級アミンまたは第4級アンモニウム塩であつて、
具体的にはトリエチルアミン、トリメチルドデシ
ルベンジルアンモニウムクロリド、ジメチルベン
ジルフエニルアンモニウムクロリド、トリメチル
ドデシルベンジルアンモニウムヒドロキシド等を
例示することができる。その好ましい添加量は前
記の2価フエノールの全量に基づいて0.01〜1モ
ル%であり、更に好ましくは0.05〜0.5モル%で
ある。
触媒を添加して5〜20分後に、反応混合液にア
ルカリ水溶液を添加し、攪拌を継続して、重合を
完結する。ここで使用するアルカリ水溶液は、用
いた2価フエノール全量に対して、10〜100モル
%、好ましくは50〜90モル%のカセイソーダを含
み、そのアルカリ濃度は、1〜50重量%、好まし
くは10〜50重量%が適当である。アルカリの使用
量が10モル%未満では重合反応が進み難い。また
アルカリ濃度が1重量%未満であると、乳化が不
充分になつて、重合が進み難く、50重量%以上の
アルカリ水溶液は取扱い難いので、好ましくな
い。
反応終了後の反応混合液の水相には、アルカリ
金属の水酸化物、炭酸塩、塩化物などの副生成物
が多量に含まれているので、これらを完全に除去
することが好ましい。このために、反応混合液を
そのまま、または有機溶剤で希釈し、塩酸等の酸
を加え酸性としたのち、必要に応じ親水性の濾材
で濾過を行ない、水相と有機相に分離し、更に有
機相は無機イオンが検出されなくなるまで充分に
水洗精製することが好ましい。水洗精製の終つた
有機相から有機溶媒を除去すると固体の分岐ポリ
カーボネートを得ることができる。
[発明の効果] 本発明の製造方法によれば、従来の方法では反
応し難かつた。3個以上の水酸基を有するベンゼ
ン環をその分子構造内に有する3価以上の多価フ
エノールを分岐剤として用いても、高収率で、し
かも溶媒不溶化の危険がなく、Nが高く、かつ色
相のよい分岐ポリカーボネートを製造することが
できる。しかも、生成した分岐ポリカーボネート
の有機溶媒溶液の水洗による精製性がよいので、
生産性に優れる利点がある。さらに、反応終了時
点での未反応のフエノール類が殆んどないので、
反応収率がよく、排液処理工程への負荷が軽減さ
れる利点がある。
更にまた本発明の製造方法で得られた分岐ポリ
カーボネートは、高い非ニユートン流動性を示
し、溶融加工時にダレを生じ難いので、吹込成
形、押出成形に好適に用いられ、大型成形品に加
工できる利点を有する。
本発明の製造方法による製品のかかる特長は、
両末端に反応基を有する低分子量の線状ポリカー
ボネートへの該3価以上の多価フエノールの付加
反応と、高分子量化への重縮合反応を分けて行
い、且つ、高分子量化への重縮合反応をアルカリ
水溶液のみ添加することによつて行うことによつ
て初めて得られるものである。反応の詳細が詳ら
かでない為に、これらの特長の発現理由の詳細は
明らかではないが、つぎのように推察しうる。す
なわち、低分子量の線状ポリカーボネートへの該
3価以上の多価フエノールの付加反応を特定の条
件下で行うために、該3価以上の多価フエノール
の反応率が高くなり、また1価フエノールと同時
に反応せしめるために、分岐化するが、網状化し
難くなるので溶剤不溶化の危険性がなく、Nの高
い分岐ポリカーボネートが得られると推察され
る。またその後でアルカリ水溶液を加えて、反応
を完結せしめることによつて、未反応のクロロホ
ーメート末端基と未反応OH基との反応を促し、
クロロホーメート末端がなくなり、且つ、末反応
OH基が殆んどなくなるので、分岐ポリカーボネ
ート溶液の水洗精製性が優れ、且つ未反応OH基
も少くなるので、得られたポリマーの色相がよく
なるものと考えられる。
[実施例] 以下に、実施例によつて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものでない。
なお、例中の特性は次の方法で測定した。
[構造粘性指数Nの測定] 予備乾燥したポリカーボネートを、押出機(ゼ
ネラル・エレクトリツク(株)製:モデルNo.
9T51Y106)にて300℃で押出し、ペレツト化し
た。該ペレツトを乾燥後高化式フローテスター
(島津製作所(株)製)のシリンダーに入れ、280〜
300℃の一定温度での加えた圧力p(20〜160Kg/
cm2、5点)と夫々の溶融樹脂流動量Q(cm3/sec)
を測定し、夫々の値を両対数グラフにプロツトし
て得られる回帰直線の勾配からNを求めた。構造
粘性指数Nは大きいほど非ニユートン流動性が大
きく、吹込成形や押出成形に適することを表わ
す。
[相対粘度の測定] 乾燥した試料0.700gを塩化メチレン100mlに溶
解し、オストワルド粘度計にて20℃で測定した。
[未反応ビスフエノールAの定量] 反応混合液から水相1mlを分離し、希アルカリ
水溶液にて200〜1000倍に希釈後分光光度計(日
立製作所(株)製;200−10型)を用い294nmの吸光
度Aを測定し、下記式(1)からビスフエノールAの
量を求めた。
ビスフエノールA(g/)=0.0455A……(1) [未反応フロログルシンの定量] 反応混合液から水相1mlを分離し、希アルカリ
水溶液にて200倍に希釈後、分光光度計(上記と
同じ)を用い348nmの吸光度Aを測定し、下記式
(2)からフロログルシンの量を求めた。
フロログルシン(g/)=0.0191A ……(2) [未反応フロログルシドの定量] 反応混合液から水相1mlを分離し、希アルカリ
水溶液にて200倍に希釈後、分光光度計(上記と
同じ)を用い357nmの吸光度Aを測定し、下記式
(3)からフロログルシドの量を求めた。
フロログルシド(g/) =0.0303A+0.000015 ……(3) [精製性の評価] 反応混合液に塩化メチレンを加えて、ポリカー
ボネートの濃度が7重量%になるように希釈した
のち、有機相と水相に分離した。この有機相1.5
に0.01Nの塩酸0.5を加えて十分に混合したの
ち静置分離した。つぎに水洗を行なつた。すなわ
ち、上記有機相に1.5の純水を加えて十分に混
合したのち、濾紙(東洋濾紙(株)製、訂正濾紙No.
2)で濾過して静置分離した。更に、水洗排水中
の塩化イオンが硝酸銀によつて検出されなくなる
まで、同様な操作で水洗をくり返した。精製性は
該水洗の回数が少ないほど良好であることを表わ
す。
[色相の評価] 得られたポリカーボネートパウダーを280℃の
温度でベント式押出機(30mmφ)にて2〜3mmφ
×2〜3mm長さのペレツト状にした後、日鋼アン
カーV−17射出成形機にて、320℃で5cm×7cm
×2mmの見本板に成形した。この見本板をスガ試
験機(株)製デジタル測色色差計にて、色相を測定し
た。色相は、L(明るさ)、a(赤味)、b(黄味)
で表わされ、b値が大きいもの程黄味が強いこと
を示す。従つてb値の小さいもの程好ましい。色
相の比較には、このb値を用いた。
実施例 1 ホスゲン吹込管、温度計及びかきまぜ機をとり
つけた2三ツ口フラスコに、ビスフエノール
A114g(0.5モル)を溶解した12.3%NaOH水溶
液394mlと塩化メチレン378mlを入れ、かきまぜな
がら20〜25℃でホスゲン69.3g(0.7モル)を約
40分を要して導入し、オリゴマーを生成せしめ
た。反応混合液中の未反応ビスフエノールAは
4.10g(0.0180モル)であり、生成オリゴマーの
相対粘度は1.098であつた。
このオリゴマー反応混合液にp−t−ブチルフ
エノール3.15g(0.021モル)とフロログルシン
0.38g(0.003モル)を溶解した10%NaOH水溶
液5mlを加え、5分間かきまぜたのち、トリエチ
ルアミン0.23g(0.0023モル)を加え、10分間か
きまぜて、フロログルシンを反応せしめた。然る
後、12g(0.3モル)のNaOHを溶解した水溶液
16ml(24.3g)を加え40分間かきまぜを続けて、
反応を完結せしめた。
反応終了後の未反応フロログルシン量は0.04g
であつた。反応混合液から塩化メチレン相を分離
し、精製性の評価方法に従つて、水洗精製したと
ころ、水洗は4回を要した。精製後、塩化メチレ
ンを蒸発して、ポリマーを回収した。生成ポリマ
ーの相対粘度は1.450、構造粘性指数は1.75、b
値は5.4であつた。
実施例 2 ホスゲン吹込管、温度計及びかきまぜ機をとり
つけた2三ツ口フラスコに、ビスフエノール
A114g(0.5モル)を溶解した12.3%NaOH水溶
液394mlと塩化メチレン378mlを入れ、かきまぜな
がら20〜25℃でホスゲン69.3g(0.7モル)を約
40分を要して導入し、オリゴマーを生成せしめ
た。反応混合液中の未反応ビスフエノールAは
4.02g(0.0176モル)であり、生成オリゴマーの
相対粘度は1.099であつた。
このオリゴマー反応混合液にフエノール1.97g
(0.021モル)とフロログルシン0.51g(0.004モ
ル)を溶解した10%NaOH水溶液7mlを加え、
5分間かきまぜたのち、トリエチルアミン0.23g
(0.0023モル)を加え、10分間かきまぜて、フロ
ログルシンを反応せしめた。然る後、16g(0.4
モル)のNaOHを溶解した水溶液45ml(62g)
を加え40分間かきまぜを続けて、反応を完結せし
めた。
反応終了後の未反応フロログルシンの量は0.03
gであつた。反応混合液から塩化メチレン相を分
離し、精製性の評価方法に従つて、水洗精製した
ところ、水洗は4回を要した。生成ポリマーの相
対粘度は1.485であり、この構造粘性指数は1.84
であり、b値は5.8であつた。
実施例 3 ホスゲン吹込管、温度計及びかきまぜ機をとり
つけた2三ツ口フラスコに、ビスフエノール
A114g(0.5モル)を溶解した8.6%NaOH水溶液
603mlと塩化メチレン378mlを入れ、かきまぜなが
ら20〜25℃でホスゲン56.3g(0.57モル)を約40
分を要して導入し、オリゴマーを生成せしめた。
反応混合液中の未反応ビスフエノールAは12.8g
(0.0561モル)であり、生成オリゴマーの相対粘
度は1.104であつた。
このオリゴマー反応混合液から水相422mlを分
離し、残りの反応混合液(ビスフエノールA3.83
g(0.0168モル)含有)にp−t−ブチルフエノ
ール3.38g(0.0235モル)とフロログルシド0.28
g(0.0012モル)を溶解した10%NaOH水溶液4
mlを加え、5分間かきまぜたのち、トリエチルア
ミン0.15g(0.0015モル)を加え、10分間かきま
ぜて、フロログルシドを反応せしめた。然る後、
12g(0.3モル)のNaOHを溶解した水溶液50ml
(63g)を加え40分間かきまぜを続けて、反応を
完結せしめた。
反応終了後の未反応フロログルシドの量は0.01
gであつた。反応混合液から塩化メチレン相を分
離し、精製性の評価方法に従つて水洗精製したと
ころ、水洗は4回を要した。生成ポリマーの相対
粘度は1.372であり、この構造粘性指数Nは1.64
であり、b値は5.3であつた。
比較例 1 ホスゲン吹込管、温度計及びかきまぜ機をとり
つけた2三ツ口フラスコに、ビスフエノール
A114g(0.5モル)とフロログルシン0.76g
(0.006モル)を溶解した。8.6%NaOH水溶液611
mlとp−t−ブチルフエノール3.38g(0.0225モ
ル)を溶解した塩化メチレン378mlを入れ、かき
まぜながら20〜25℃でホスゲン56.3g(0.57モ
ル)を約40分を要して導入したのち、トリエチル
アミン0.19g(0.0019モル)を加え、50分間かき
まぜを続け反応せしめた。
反応終了後の未反応フロログルシン量は0.75g
であり、フロログルシンはほとんど反応していな
かつた。反応混合液から塩化メチレン相を分離
し、精製性の評価方法に従つて水洗したところ、
水洗は5回を要した。生成ポリマーの相対粘度は
1.419であり、この構造粘性指数Nは1.30であつ
た。
比較例 2 ホスゲン吹込管、温度計及びかきまぜ機を取り
つけた2三ツ口フラスコに、ビスフエノール
A114g(0.5モル)を溶解した12.3%NaOH水溶
液394mlと塩化メチレン378mlを入れ、かきまぜな
がら20〜25℃でホスゲン69.5g(0.7モル)を約
40分を要して導入し、オリゴマーを生成せしめ
た。反応混合液中のビスフエノールAは4.0g
(0.0176モル)であり、生成オリゴマーの相対粘
度は1.099であつた。
このオリゴマー反応混合液にp−t−ブチルフ
エノール3.15g(0.021モル)とフロログルシン
0.38g(0.003モル)を溶解した10%NaOH水溶
液5mlを加え、5分間かきまぜた後、トリエチル
アミン0.23g(0.0023モル)を加え、10分間かき
まぜてフロログルシンを反応せしめた。然る後、
1.8g(0.045モル)のNaOHを溶解した水溶液50
ml(52.3g)を加え、40分間かきまぜを続けて反
応を終了した。
反応終了後の未反応フロログルシン量は0.05g
であつた。反応混合液から塩化メチレン相を分離
し、精製性の評価方法に従つて、水洗精製したと
ころ、水洗は8回を要した。精製後塩化メチレン
を蒸発して、ポリマーを回収した。生成ポリマー
の相対粘度は1.225と小さく、分子量があまり伸
びかつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 2価フエノールのアルカリ水溶液とホスゲン
    とを有機溶媒の存在下に反応せしめて得られる低
    分子量の線状ポリカーボネートに、まず3価以上
    の多価フエノーールと1価フエノールとを加えて
    反応せしめ、ついで、アルカリ水溶液を加えて反
    応を完結せしめる分岐ポリカーボネートの製造方
    法に於いて、該3価以上の多価フエノールとして
    3個以上の水酸基を有するベンゼン環をその分子
    構造内に有する多価フエノールを使用し、その量
    が、2価フエノールの全量に基づいて、0.05〜
    1.5モル%であり、且つ該3価以上の多価フエノ
    ールの添加時における未反応の2価フエノール
    が、該3価以上の多価フエノールの水酸基1モル
    当り、3モル以下であり、且つ反応混合液を構成
    する有機相と水相の体積比が1:0.1〜1:1.2で
    あり、またついで加えるアルカリ水溶液中のアル
    カリ化合物が、用いた2価フエノールの全量に対
    して10〜100モル%であり、該アルカリ濃度が1
    〜50重量%であることを特徴とする分岐ポリカー
    ボネートの製造方法。
JP1694984A 1984-02-03 1984-02-03 分岐ポリカ−ボネ−トの製造方法 Granted JPS60163919A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1694984A JPS60163919A (ja) 1984-02-03 1984-02-03 分岐ポリカ−ボネ−トの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1694984A JPS60163919A (ja) 1984-02-03 1984-02-03 分岐ポリカ−ボネ−トの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60163919A JPS60163919A (ja) 1985-08-26
JPH0469178B2 true JPH0469178B2 (ja) 1992-11-05

Family

ID=11930375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1694984A Granted JPS60163919A (ja) 1984-02-03 1984-02-03 分岐ポリカ−ボネ−トの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS60163919A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0684429B2 (ja) * 1988-09-06 1994-10-26 出光石油化学株式会社 分岐ポリカーボネート及びその製造方法
US4888400A (en) * 1989-01-17 1989-12-19 General Electric Company Preparation of branched thermoplastic polycarbonate from polycarbonate and polyhydric phenol
JP2681682B2 (ja) * 1989-03-14 1997-11-26 出光石油化学株式会社 分岐状ポリカーボネートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60163919A (ja) 1985-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020040124A1 (en) Melt processible polyether ether ketone polymer
JP2013502476A (ja) ハロゲンの少ないポリビフェニルスルホンポリマーの製造方法
JPS6210541B2 (ja)
JP2523322B2 (ja) ポリフェニレンエ−テル共重合体
JPH09227625A (ja) 難燃剤用臭素化ポリスチレン及びそれよりなる難燃性樹脂組成物
JPH1143511A (ja) 臭素化スチレンオリゴマー、その製造方法、及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物
JPH0342288B2 (ja)
JPH0469178B2 (ja)
US4413103A (en) Halogen-containing polycarbonate resin and process for producing same
CA1152532A (en) Polycarbonates having sulfur containing phenolic diols incorporated therein
CA1140697A (en) Process for producing a halogen-containing polycarbonate resin
JPS6343428B2 (ja)
JP7293888B2 (ja) ハロゲン含有ポリマーとその製造法
JPH0315658B2 (ja)
JP2002037872A (ja) ポリカーボネート樹脂原料およびポリカーボネート樹脂の製造法
JPH03182524A (ja) 分岐ポリカーボネート及びその製造方法
JP2968402B2 (ja) カーボネート型難燃剤の製造法
WO2001066616A1 (fr) Procedes de production d'un materiau en resine polycarbonate brute et production de cette resine polycarbonate
JP2535464B2 (ja) ハロゲン化ポリカ―ボネ―ト難燃剤の製造法
JP5495317B2 (ja) カーボネート型難燃剤の製造法
JPS6242941B2 (ja)
JPS5974123A (ja) ポリアリ−レンエ−テルの製造法
JPS6234072B2 (ja)
JPS59191719A (ja) 分岐化ポリカ−ボネ−トの製造方法
JP2569239B2 (ja) 光学用ポリカーボネートの製造法