JP2535464B2 - ハロゲン化ポリカ―ボネ―ト難燃剤の製造法 - Google Patents

ハロゲン化ポリカ―ボネ―ト難燃剤の製造法

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JP2535464B2 JP27043591A JP27043591A JP2535464B2 JP 2535464 B2 JP2535464 B2 JP 2535464B2 JP 27043591 A JP27043591 A JP 27043591A JP 27043591 A JP27043591 A JP 27043591A JP 2535464 B2 JP2535464 B2 JP 2535464B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化ポリカーボ
ネート難燃剤の製造法、更に詳しくは、添加型難燃剤と
しても、反応型難燃剤としても使用され、且つ比較的成
形温度の低い熱可塑性樹脂の難燃化にも適した低分子量
のハロゲン化ポリカーボネート難燃剤を極めて容易に製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂用難燃剤とし
て、ハロゲン化ポリカーボネートオリゴマーが提案さ
れ、実用化されている(特公昭47−44537号公
報、特公昭56−25953号公報)。しかしながら、
かかるハロゲン化ポリカーボネートオリゴマーは、その
製造の際に末端停止剤として一価のフェノールを使用し
ているため、分子鎖末端は本質的に不活性である。この
ため用途が制限され、通常は単に添加型難燃剤として使
用されているに過ぎない。また、融点が220〜290
℃と高く、成形温度の低いABS樹脂等に使用した場合
には分散不良を生じ、成形品の物性低下、表面不良等の
問題が生じる欠点がある。また、従来重合停止剤として
使用する一価のフェノールを使用しない場合には、重合
が著しく進行して高重合体になり、融点の低い低重合体
は得られない。
【0003】一方、特公昭55−14093号公報に
は、反応性分子鎖末端を有するハロゲン化ポリカーボネ
ートオリゴマーの製造法が提案されている。しかしなが
ら、この方法で得られるハロゲン化ポリカーボネートオ
リゴマーは、末端活性基としてヒドロキシル基とクロロ
ホーメート基が混在しているため、熱可塑性樹脂の難燃
剤として使用すると耐熱性不良、物性低下、表面不良、
金型腐蝕等の問題が生じる。
【0004】特公昭58−43386号公報には、末端
がヒドロキシル基であるハロゲン化ポリカーボネートオ
リゴマーの製造法が提案されている。この方法は、末端
基としてヒドロキシル基とクロロホーメート基が混在し
ているハロゲン化ポリカーボネートオリゴマーの有機溶
媒溶液に、アンモニア水溶液又はアンモニアとアルカリ
との混合水溶液を接触させることによって、末端クロロ
ホーメート基を加水分解してヒドロキシル基にする方法
である。しかしながら、この方法では、アンモニアを使
用するため、その除去及び回収といった複雑な工程が必
要であり、また設備の腐蝕等の問題がある。
【0005】更に、特開昭58−164548号公報に
は、末端がヒドロキシル基であるポリカーボネートオリ
ゴマーの製造法として、重合反応開始時と反応末期に触
媒を添加する方法が提案されている。しかしながら、こ
の方法を2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンの如きハロゲン置換された二価
フェノールに適用したのでは、反応が充分に進行せず、
末端がヒドロキシル基であるハロゲン化ポリカーボネー
トオリゴマーを得ることはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、添加型難燃
剤としても、反応型難燃剤としても使用され、且つ比較
的成形温度の低い熱可塑性樹脂の難燃化にも適した低分
子量のハロゲン化ポリカーボネート難燃剤を極めて容易
に製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】本発明者は、上記従来技術の欠点を改善す
べく、ハロゲン化ポリカーボネートオリゴマーの製造法
について鋭意検討した結果、ホスゲンの使用量を特定
し、且つ反応系のpHを特定条件に調整することによっ
て、末端がヒドロキシル基であるハロゲン化ポリカーボ
ネートオリゴマーが容易に得られることを見出し、本発
明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハロゲン置換
二価フェノールのアルカリ水溶液とホスゲンとを有機溶
媒及び触媒の存在下に反応させてハロゲン化ポリカーボ
ネート難燃剤を製造するに当り、ホスゲンの使用量を該
二価フェノールに対して1.0倍モル未満とし且つ反応
系のpHを11未満にして反応させ、生成オリゴマーの
比粘度が反応終了時の比粘度の85%以上に到達し且つ
生成オリゴマーの末端基の塩素量が生成オリゴマー全量
に対し1.0重量%未満になった時点で反応系のpHを
11以上にして反応を完結することを特徴とする末端が
ヒドロキシル基であるハロゲン化ポリカーボネート難燃
剤の製造法である。
【0009】本発明で使用するハロゲン置換二価フェノ
ールは、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン[通称テトラブロムビスフェノ
ールA]を主たる対象とするが、その一部又は全部を他
のハロゲン置換二価フェノールで置換えてもよい。他の
ハロゲン置換二価フェノールとしては、例えば2,2−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジクロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィド、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)オキシド、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)オキシド、ビス(3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)ケトン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ケトン等があげられる。
【0010】本発明で使用する有機溶媒は、水に対して
実質的に不溶で、反応に対しては不活性であり、且つ反
応によって生成するポリカーボネートオリゴマーを溶解
する有機溶媒である。その具体例としては塩化メチレ
ン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ク
ロロホルム等の塩素化脂肪族炭化水素、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等の塩素化芳香
族炭化水素、アセトフェノン、シクロヘキサノン、アニ
ソール等があげられ、これらは単独又は混合物の形で使
用することができる。これらのうち塩化メチレンガ最も
好ましい。
【0011】アルカリ水溶液としては水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム
等の水溶液があげられる。
【0012】触媒としては、例えばトリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリ
デシルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジエチ
ル−n−プロピルアミン、N−N−ジメチルシクロヘキ
シルアミン、ピリジン、キノリン、N−ジメチルアニリ
ン、N−ジメチル−4−アミノピリジン、N−ジエチル
−4−アミノピリジン等の3級アミン、トリメチルドデ
シルアンモニウムクロリド、トリエチルドデシルアンモ
ニウムクロリド、ジメチルベンジルフェニルアンモニウ
ムクロリド、ジエチルベンジルフェニルアンモニウムク
ロリド、トリメチルドデシルベンジルアンモニウムヒド
ロキシド、トリエチルドデシルベンジルアンモニウムヒ
ドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリ
ド、トリエチルルベンジルアンモニウムクロリド、テト
ラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニ
ウムクロリド等の4級アンモニウム塩またはハイドロキ
サイド、トリフェニル−n−ブチルホスホニウムブロマ
イド、トリフェニルメチルホスホニウムブロマイド等の
4級ホスホニウム塩等があげられる。
【0013】本発明にあっては、ホスゲン化反応の際の
pHを11未満にする。こうすることにより重合反応を
抑制し、且つ過剰のアルカリ金属水酸化物によるホスゲ
ン及びクロロホーメートの分解を抑制し、平均分子量を
低く抑えたクロロホーメートの生成を促進する。pHを
11以上にすると重合反応が進行し、目的とする低重合
体が得られなくなる。なお、pHを余りに低くするとク
ロロホーメートの生成反応が進み難くなるので、pHを
10以上11未満の範囲にするのが好ましい。
【0014】ホスゲンの使用量は、ハロゲン置換二価フ
ェノールに対し、モル比で1.0倍未満の範囲で適宜選
択することによって重合度の異なる目的とする低重合体
を得ることができる。ホスゲンの使用量が、1.0モル
倍以上になると、生成物の重合度が増大し、目的が達成
されなくなる。
【0015】重合触媒の添加時期は、ホスゲン吹込み前
であっても、吹込み終了後であっても差支えないが、吹
込み終了後添加するのが、ホスゲン化反応中の重合反応
が抑制されるので好ましい。この触媒の使用量は、あま
りに少ないとクロロホーメートと二価フェノールの反応
が進行し難く、クロロホーメート基が残存し、末端がヒ
ドロキシル基であるハロゲン化ポリカーボネートオリゴ
マーを効率よく得ることはできない。通常、使用するハ
ロゲン置換二価フェノールに対してモル比で0.01倍
以上、好ましくは0.01〜1倍の範囲から選択され
る。
【0016】ホスゲン化反応に続いて行う重合反応も、
反応系のpHを11未満、好ましくは10以上11未満
に調節して反応させる。こうすることによって、反応の
進行による高重合体の生成を抑制しながらクロロホーメ
ートと二価フェノールを効率よく反応させることができ
る。
【0017】反応が進行して生成オリゴマーの比粘度
が、反応終了時の比粘度即ち目的とする製品の比粘度の
85%以上に到達し、且つ生成オリゴマーの末端基の塩
素量が生成オリゴマー全量に対し1.0重量%未満にな
った時点で、アルカリ金属水酸化物を加えて反応系のp
Hを11以上にする。こうすることによって、著しい重
合進行は起こらず、末端がヒドロキシル基である低分子
量のハロゲン化ポリカーボネート難燃剤が得られる。生
成オリゴマーの比粘度が、製品の比粘度の85%に到達
する前で且つ生成オリゴマーの末端基の塩素量が生成オ
リゴマー全量に対し1.0重量%未満になる前に、反応
系のpHを11以上にすると重合反応が著しく進行し、
目的とする低重合体が得られなくなる。また、反応系の
pHを11以上にせずに、11未満のままで最後まで反
応させると、製品中にクロロホーメート基が残存するよ
うになる。
【0018】反応によって得られるハロゲン化ポリカー
ボネート難燃剤の有機溶媒溶液は、酸洗浄及び純水洗浄
等によって不純物を除去した後、有機溶媒を除去するこ
とによって製品パウダーが得られる。
【0019】かくして末端がヒドロキシル基のハロゲン
化ポリカーボネート難燃剤を容易に製造することがで
き、その分子量は、比粘度で表して0.01〜0.06
の範囲が好ましい。
【0020】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明を説
明する。なお、比粘度、末端塩素量及び融点の測定、衝
撃強度、流動性の評価、難燃性及び外観の評価は以下に
記した方法で行った。
【0021】(1)比粘度(ηsp)は乾燥した試料0.7
00g を塩化メチレン100mlに溶解し、オストワルド
粘度計により20℃で測定した。 (2)末端塩素量は乾燥
した試料を塩化メチレンに溶解し、トリエチルアミンを
加えて攪拌し、トリエチルアミンを加えないものをブラ
ンク値としてホルハルト法で測定した。 (3)融点はカバ
ーグラス上に試料を乗せ、微量融点測定装置[柳本製]
の熱板上にセットし、3℃/分で加熱し、拡大鏡で観察
しつつ試料が僅かに細かい液滴を認めたときから試料が
融け終って透明な液滴状になるまでの温度を測定した。
(4)衝撃強度はABS樹脂[東レ(株)製トヨラックタ
イプ100]100重量部に三酸化アンチモン[日本精
鉱(株)製ATOX−S]10重量部、実施例及び比較
例にて得られたハロゲン化ポリカーボネート難燃剤20
重量部を混合し、30mmφの押出機によりペレット化
し、得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、射
出成形機(名機3オンス)によりシリンダ―温度230
℃で[64mm×12.7mm×3.18mm(1/8″)]
と[64mm×12.7mm×6.35mm(1/4″)]の
衝撃試験片を成形し、これらの衝撃試験片に0.25mm
R のノッチを付け、温度23℃、湿度50%で24時間
処理した後、アイゾット衝撃試験機[東洋精機(株)
製]により衝撃強度(kgf・cm/cm)を測定した。 (5)流
動性は (4)記載の方法で得られたペレットを80℃で3
時間乾燥した後 JIS K−7210熱可塑性プラスチック
の流れ試験方法(試験温度230℃、試験荷重5kg、単
位 g/10分)に従って測定した。 (6)難燃性は (4)記
載の方法で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した
後、射出成形機(名機3オンス)によりシリンダ―温度
230℃で[152mm×12.7mm×3.18mm(1/
8″)]と[152mm×12.7mm×6.35mm(1/
4″)]の試験片を成形し、これらの試験片を使用して
アンダーライターズラボラトリーのSubject 94に従っ
て燃焼試験した。(7)外観は試験片の表面を目視により
凹凸があり光沢がないものを×、凹凸があり光沢が少な
いものを△、異常がないものを○の3ランクに分けて評
価した。
【0022】
【実施例1】ホスゲン吹込管、温度計及び攪拌機を備え
たフラスコにテトラブロムビスフェノールA118g
(0.217モル)、7.2重量%水酸化ナトリウム水
溶液114.6ml(水酸化ナトリウム0.217モル)
及び塩化メチレン650.8mlを仕込んで溶解し、攪拌
下20〜27℃で25重量%水酸化ナトリウム水溶液を
加えつつpHを約10.5に保持してホスゲン16.3
2g (0.165モル)を30分を要して加えてホスゲ
ン化反応させた。
【0023】ホスゲン化反応終了後触媒としてトリエチ
ルアミン3ml(0.022モル)を加え、30〜36℃
で25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えつつpHを
約10.5に保持して3時間攪拌下反応させた。次いで
25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを1
1.5にした。この時の生成オリゴマーの比粘度は0.
024、末端塩素量は0.48%であった。続いて30
〜35℃で更に1時間攪拌下反応させた。反応終了後攪
拌下35.5重量%塩酸水溶液を加えてpHを8にし、
10分間攪拌した後静置して水層と塩化メチレン層に分
離した。
【0024】得られた塩化メチレン層を無機塩類及びア
ミンがなくなるまで酸洗浄及び水洗した後塩化メチレン
を除去した。得られたハロゲン化ポリカーボネート難燃
剤の比粘度は0.026、融点は170〜179℃であ
った。このハロゲン化ポリカーボネート難燃剤を使用し
て前記方法で評価した。
【0025】テトラブロムビスフェノールAとホスゲン
の仕込みモル比、各反応系のpH及びpHを11以上に
した時点の比粘度、製品の比粘度に対するこの比粘度の
到達度(%)、生成オリゴマー全量に対する末端塩素量
比(重量%)を表1に示し、製品の比粘度と融点及び評
価結果を表2に示した。
【0026】
【実施例2】ホスゲンの使用量を14.39g (0.1
45モル)に変更する以外は実施例1と同様にして比粘
度0.017、融点150〜161℃のハロゲン化ポリ
カーボネート難燃剤を得た。この難燃剤を使用して前記
方法で評価した。仕込み比等を表1に、評価結果等を表
2に示した。
【0027】
【実施例3】ホスゲンの使用量を20.4g (0.20
6モル)に変更する以外は実施例1と同様にして比粘度
0.045、融点200〜209℃のハロゲン化ポリカ
ーボネート難燃剤を得た。この難燃剤を使用して前記方
法で評価した。仕込み比等を表1に、評価結果等を表2
に示した。
【0028】
【比較例1】ホスゲンの使用量を25.77g (0.2
60モル)に変更する以外は実施例1と同様にして比粘
度0.074、融点251〜260℃のハロゲン化ポリ
カーボネート難燃剤を得た。この難燃剤を使用して前記
方法で評価した。仕込み比等を表1に、評価結果等を表
2に示した。
【0029】表より明らかなようにホスゲンの使用量が
1倍モルより多くなると、得られる難燃剤の融点が高く
なり、これをABS樹脂に配合したものは衝撃強度、流
動性共に低下し、その外観も悪化する。
【0030】
【比較例2】実施例1で使用したフラスコにテトラブロ
ムビスフェノールA106.2g (0.195モル)、
7.2重量%水酸化ナトリウム水溶液195.9ml(水
酸化ナトリウム0.371モル)及び塩化メチレン58
5.7mlを仕込んで溶解し、攪拌下20〜27℃で48
重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えつつpHを約1
1.5に保持してホスゲン16.43g (0.166モ
ル)を30分を要して加えてホスゲン化反応させた。
【0031】ホスゲン化反応終了後触媒としてトリエチ
ルアミン2.7ml(0.02モル)を加え、30〜36
℃で48重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えつつpH
を約11.5に保持して4時間攪拌下に反応させた。反
応終了後実施例1記載の方法で精製、分離して比粘度
0.625、融点300℃以上の高重合度ハロゲン化ポ
リカーボネート難燃剤を得た。ホスゲン化反応から系内
のpHを11以上にすると得られる難燃剤は高重合体に
なり、目的を達成し得ない。
【0032】
【比較例3】実施例1で使用したフラスコにテトラブロ
ムビスフェノールA118g (0.217モル)、7.
2重量%水酸化ナトリウム水溶液114.6ml(水酸化
ナトリウム0.217モル)及び塩化メチレン650.
8mlを仕込んで溶解し、攪拌下20〜27℃で25重量
%水酸化ナトリウム水溶液を加えつつpHを約10.5
に保持してホスゲン18.25g (0.184モル)を
30分を要して加えてホスゲン化反応させた。
【0033】ホスゲン化反応終了後触媒としてトリエチ
ルアミン3ml(0.022モル)を加えて30〜36℃
で25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えつつpHを
約10.5に保持して1時間攪拌下に反応させた。次い
で25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを1
1.5にした。この時の生成オリゴマーの比粘度は0.
032、末端塩素量は1.8%であった。続いて30〜
36℃で更に1時間攪拌下反応させた。反応終了後実施
例1記載の方法で精製、分離して比粘度0.076、融
点252〜261℃のハロゲン化ポリカーボネート難燃
剤を得た。この難燃剤を使用して前記方法で評価した。
仕込み比等を表1に、評価結果等を表2に示した。
【0034】表より明らかなように、生成オリゴマーの
末端塩素量が1重量%より高く、且つ比粘度が、製品の
比粘度の85%に到達するより以前に系内のpHを11
以上にすると、得られる難燃剤の溶融温度が高くなり、
これをABS樹脂に配合したものは衝撃強度、流動性共
に低下し、その外観も悪化する。
【0035】
【比較例4】実施例1で使用したフラスコにテトラブロ
ムビスフェノールA118g (0.217モル)、7.
2重量%水酸化ナトリウム水溶液114.6ml(水酸化
ナトリウム0.217モル)及び塩化メチレン650.
8mlを仕込んで溶解し、攪拌下20〜27℃で25重量
%水酸化ナトリウム水溶液を加えつつpHを約10.5
に保持してホスゲン18.25g (0.184モル)を
30分を要して加えてホスゲン化反応させた。
【0036】ホスゲン化反応終了後、触媒としてトリエ
チルアミン3ml(0.022モル)を加えて30〜36
℃で25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えつつpH
を約10.5に保持して5時間攪拌下に反応させた。反
応終了後実施例1記載の方法で精製、分離してハロゲン
化ポリカーボネート難燃剤を得た。この難燃剤の比粘度
は0.017、融点は147〜158℃、末端塩素量は
2.1%であり、クロロホーメート基の残存が認められ
た。この難燃剤を使用して前記方法で評価した。仕込み
比等を表1に、評価結果等を表2に示した。
【0037】表より明らかなように、反応全体をpH1
1以下で行うと、得られるハロゲン化ポリカーボネート
難燃剤にはクロロホーメート基が残存し、これをABS
樹脂に配合したものは外観が悪化する。
【0038】なお、表1中の PG/TBA はホスゲン/テト
ラブロムビスフェノールAの意味である。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明方法によれば、末端がヒドロキシ
ル基である低分子量のハロゲン化ポリカーボネート難燃
剤を極めて容易に提供することができる。この難燃剤は
添加型難燃剤としても、反応型難燃剤としても使用さ
れ、また成形温度が比較的低い熱可塑性樹脂に使用して
も物性低下、表面不良等の問題は生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69:00) C08L 69:00)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン置換二価フェノールのアルカリ
    水溶液とホスゲンとを有機溶媒及び触媒の存在下に反応
    させてハロゲン化ポリカーボネート難燃剤を製造するに
    当り、ホスゲンの使用量を該ハロゲン置換二価フェノー
    ルに対して1.0倍モル未満とし且つ反応系のpHを1
    1未満にして反応させ、生成オリゴマーの比粘度が反応
    終了時の比粘度の85%以上に到達し且つ生成オリゴマ
    ーの末端基の塩素量が生成オリゴマー全量に対し1.0
    重量%未満になった時点で反応系のpHを11以上にし
    て反応を完結することを特徴とする末端がヒドロキシル
    基であるハロゲン化ポリカーボネート難燃剤の製造法。
JP27043591A 1990-11-29 1991-09-24 ハロゲン化ポリカ―ボネ―ト難燃剤の製造法 Expired - Fee Related JP2535464B2 (ja)

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