JPH0627189B2 - カーボネート型難燃剤の製造法 - Google Patents

カーボネート型難燃剤の製造法

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JPH0627189B2
JPH0627189B2 JP29952388A JP29952388A JPH0627189B2 JP H0627189 B2 JPH0627189 B2 JP H0627189B2 JP 29952388 A JP29952388 A JP 29952388A JP 29952388 A JP29952388 A JP 29952388A JP H0627189 B2 JPH0627189 B2 JP H0627189B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明は、カーボネート型難燃剤の製造法に関する。更
に詳しくは比較的成形温度の低い熱可塑性樹脂の難燃化
に適した低分子量のハロゲン化カーボネート型難燃剤を
収率よく製造する方法に関する。
[従来技術及び問題点] 従来より、熱可塑性樹脂用オリゴマー型難燃剤としてハ
ロゲン化ポリカーボネートオリゴマーが知られている
(特公昭47-44537号公報,特公昭56-25953号公報)。
しかしながら、かかるハロゲン化ポリカーボネートオリ
ゴマーは、テトラハロゲン化ビスフェノールAのホモポ
リマーであり、融点が220 〜290 ℃と高く、成形温度の
低いABS樹脂等に練り込んだ場合、分散不良を生じ、
成形片の物性低下、表面不良等の問題が生じ、使用に適
さない。
これらの問題点を解決するために、ハロゲン置換2価フ
ェノールとハロゲン非置換2価フェノールとからなる平
均重合度2〜50の共重合カーボネートオリゴマーが提案
された(特公昭55-50987号公報)。しかしながら、この
共重合カーボネートオリゴマーを、成形温度の低いAB
S樹脂に使用するには、融点をより低くするためハロゲ
ン非置換2価フェノールの割合を増やす必要があり、そ
の分難燃化性能が低下し、使用量を増加させる必要が生
じ、樹脂の物性を大きく低下させる欠点があった。
ハロゲン非置換2価フェノールの割合を増やす代りに、
平均重合度を低く押えたカーボネート型難燃剤を製造せ
んと試みたところ、ハロゲン置換2価フェノールとハロ
ゲン非置換2価フェノールの如く反応性が大きく異なる
化合物を共重合させる際、従来の合成条件では、ハロゲ
ン非置換2価フェノールの重合が進み易く、平均重合度
を低く押えたカーボネート型難燃剤を収率よく得ること
はできなかった。
2価フェノールのビスクロロホーメートの製造法とし
て、特開昭 63-139914号公報には水、塩化メチレンの如
き有機溶媒、2価フェノール及び水酸化ナトリウムの如
きアルカリ金属水酸化物からなる不均一混合物中にホス
ゲンを吸込む際に、水層のPHを8〜11の範囲に維持する
速度でアリカリ金属水酸化物を導入する方法が提案され
ている。しかしながら、この方法を、反応性が大きく異
なるハロゲン置換2価フェノールとハロゲン非置換2価
フェノールの共重合に適用すると、平均重合度の低いビ
スクロロホーメートの収率は著しく低いことが判った。
[発明の目的] 本発明の目的は成形温度が比較的低い熱可塑性樹脂に用
いても物性低下、表面不良等の生じないハロゲン置換2
価フェノール1モルとハロゲン非置換2価フェノール
0.1〜 0.5モルからなる比粘度 0.015〜 0.022の低分子
量カーボネート型難燃剤を高収率で製造する方法を提供
することにある。
本発明者は、ハロゲン置換2価フェノールとハロゲン非
置換2価フェノールの如き反応性が大きく異なる化合物
から平均重合度を低く抑えたカーボネート型難燃剤を収
率よく得るには、平均重合度を低く抑えた2価フェノー
ルのビスクロロホーメートをつくるホスゲン化反応工程
が最も重要であること、及び次いで行なう重合反応の条
件も重要であることを究明し、この知見に基づいて更に
鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
[発明の構成] 本発明は、ハロゲン置換2価フェノール1モルとハロゲ
ン非置換2価フェノール 0.1〜0.5 モルとの混合物に溶
媒の存在下ホスゲンを反応させて比粘度が 0.015〜0.02
2 で且つ融点が 150〜190 ℃のカーボネート型難燃剤を
製造するに当り、ホスゲンの使用量を該2価フェノール
の全量に対して 2.2〜3.0 倍モルとし、反応系のpH11〜
12、温度20〜27℃で30〜120 分かけてホスゲン化反応さ
せ、次いで該2価フェノールの全量に対して 0.5〜1.5
倍モルの1価フェノールと触媒の存在下pH12.5以上、温
度30〜36℃、30〜200 分で反応を完結することを特徴と
するカーボネート型難燃剤の製造法である。
本発明で使用するハロゲン置換2価フェノールとして
は、例えば2,2 −ビス(3,5 −ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン,2,2 −ビス(3,5 −ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1 −ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン,1,1 −
ビス(3,5 −ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン,1,1 −ビス(3,5 −ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン,1,1 −ビス(3,5 −ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン,ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド,ビ
ス(3,5 −ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィド,ビス(3,5 −ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)オキシド,ビス(3,5 −ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)オキシド,ビス(3,5 −ジブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)スルホキシド,ビス(3,5 −ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド,ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン,ビス
(3,5 −ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン,ビス(3,5 −ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)
ケトン,ビス(3,5 −ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン等があげられる。
また、ハロゲン非置換2価フェノールとしては前記ハロ
ゲン置換2価フェノールのハロゲンを水素に置換した化
合物があげられる。
これらの2価フェノールは、アルカリ金属水酸化合物の
水溶液に溶解させて使用される。アルカリ金属水酸化物
としては水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等が好まし
く用いられ、その濃度は3〜13重量%が好ましい。
本発明に用いられる有機溶媒は、水に対して実質的に不
溶で、反応に対して、不活性で且つ反応によって生ずる
ポリカーボネートオリゴマーを溶解する有機化合物であ
る。その具体例としては塩化メチレン,1,2 −ジクロロ
エタン,テトラクロロエタン,クロロホルム等の塩素化
脂肪族炭化水素,クロロベンゼン,ジクロロベンゼ,ク
ロロトルエン等の塩素化芳香族炭化水素,アセトフェノ
ン,シクロヘキサン,アニソール等をあげることがで
き、これらは単独又は混合物の形で用いることができ
る。これらのうち塩化メチレンが最も好ましい。
触媒としては例えばトリエチルアミン,トリ−n−プロ
ピルアミン,ジエチル−n−プロピルアミン,トリ−n
−ブルアミン,4−ジメチルアミノピリジン等の3級ア
ミンやトリメチルドデシルアンモニウムクロリド,ジメ
チルベンジルフェニルアンモニウムクロリド,ジエチル
ベンジルフェニルアンモニウムクリド,トリメチルドデ
シルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモ
ニウム塩が用いられる。
なお、本発明にあっては、末端停止剤として1価のフェ
ノールを使用する。1価のフェノールとしては例えばフ
ェノール,クレゾール,t−ブチルフェノール,ノニル
フェノール,オクチルフェノール,2,4,6 −トリブロモ
フェノール等をあげることができる。
一般に、カーボネート型化合物の比粘度は、上記1価フ
ェノールの使用量によって略々決定されるが、他の反応
条件特にホスゲン化反応時におけるPHや温度条件によっ
て大きく影響される。本発明にあっては、前記の特定の
反応条件を採用するものであり、かかる条件では、上記
1価フェノールの使用量を、原料として使用する2価フ
ェノールの全量に対して0.5 〜1.5 モル倍の範囲から適
宜選択することによって、目的とする比粘度0.015 〜0.
022 のカーボネート型難燃剤が得られる。また、得られ
るカーボネート型難燃剤の融点は、用いるハロゲン置換
2価フェノール、ハロゲン非置換2価フェノール、これ
らの成分比及びカーボネート型難燃剤の比粘度が決定す
れば一義的に決まり、例えばハロゲン置換2価フェノー
ルとして2,2-ビス(3,5-ジブロモ−4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパン1モルとハロゲン非置換2価フェノールと
して2,2-ビス(−4-ヒドロキシフェニル)プロパン 0.1
モルを用いて得た比粘度 0.022のカーボネート型難燃剤
の融点は 175〜190 ℃、2,2-ビス(3,5-ジブロモ−4-ヒ
ドロキシフェニル)プロパン1モルと2,2-ビス(−4-ヒ
ドロキシフェニル)プロパン 0.5モルを用いて得た比粘
度 0.015のカーボネート型難燃剤の融点は 150〜165 ℃
であり、かかる、 150〜190 ℃の融点範囲のカーボネー
ト型難燃剤が本発明の目的に適している。
本発明の反応の態様を詳しく説明する。ホスゲン化反応
の際のPHを11.0〜12.0の範囲に特定することにより、重
合反応を抑制し、且つ過剰のアルカリ金属水酸化物によ
るホスゲン及びクロロホーメートの分解を抑制し、平均
重合度を低く抑えたビスクロロホーメートの生成を促進
する。即ち、ホスゲンを吹き込む前に水酸化ナトリウム
を全2価フェノール1モルに対して1.8 〜2.1 モル使用
し、その3〜13重量%の水溶液に2価フェノールを溶解
し、塩化メチレン等の有機溶媒を上記水溶液に溶媒:水
溶液の容積比が1:0.5 〜1.6 になるように混合し、こ
れに全2価フェノール1モルに対して2.2 〜3.0 モルの
ホスゲンを20〜27℃で吹き込みながら、アルカリ金属水
酸化物の水溶液(水酸化ナトリウムの場合4.1 〜4.8 モ
ル)を滴下し、系内のPHを11.0 〜12.0に保持する。こ
の際ホスゲン吹き込みと共に滴下するアルカリ金属水酸
化物の量が多くても少くても、即ち、PH11.0〜12.0の範
囲を外れると、未反応物が多くなり、反応収率が低下す
る。また、ホスゲン化反応時の温度が20℃より低いとホ
スゲン化反応速度が遅くなり、未反応物が増えて収率が
低下し、27℃より高すぎると重合反応が進行して平均重
合度が上がるので目的のものが得られなくなる。
更に、ホスゲンの使用量が全2価フェノール量に対して
2.2 倍モルより少ないと反応が充分に進行せず、未反応
物が多くなり、反応収率が低下し、3.0 倍モルより多く
なると、この場合も同様に反応が進行し難くなる。ホス
ゲン化反応時間は、ホスゲンの添加開始から添加終了ま
での時間であり、装置の形態、規模、撹拌の程度により
異なり、一概に決められないが、通常は30〜120 分間程
度である。
上記のホスゲン化反応が終了した後、触媒及び1価フェ
ノールの存在下更に反応させる。この際アルカリ金属水
酸化物を加えて系内のPHを12.5以上になし、30〜36℃で
反応させる。PHが12.5未満では触媒の効果が充分に発揮
されず、また反応温度が30℃未満では反応が進み難く、
いずれも収率が低下する。反応温度が36℃より高くなる
と分解反応が生じるようになる。
また、触媒を添加するに当って、その全量を一時に添加
してもよいが、その使用量の略1/3を、ホスゲン化反
応終了直後に添加し、数分(通常3〜6分)程度攪拌
し、しかる後残量を添加して反応を完結するのが好まし
い。ホスゲン化終了時点で少量の触媒を加えて数分撹拌
することによってホスゲン化反応を更に充分に進行さ
せ、残存する遊離ホスゲンをなくすことができる。更
に、1価のフェノールは2回目の触媒添加時に添加する
のが好ましく、上記反応によって得られた2価フェノー
ルのクロロホーメートと1価フェノールとの反応も、30
℃未満では反応速度が遅く、36℃より高温では分解反応
が生じるので、この点からも反応温度は30〜36℃にすべ
きである。この反応はクロロホーメート基の消失をもっ
て終了とする。クロロホーメート基の有無は、日本ソー
ダ(株)製試薬 PSD170の2重量%塩化メチレン溶液
を加えて発色させ目視により判定する。この反応時間
は、反応条件により異なり、一概に決められないが、通
常は30〜200 分間程度である。反応によって得られるカ
ーボネート型難燃剤の有機溶媒溶液は酸洗浄及び水洗浄
等によって不純物を除去した後、有機溶媒を蒸発してパ
ウダーを得る。
[発明の効果] 本発明方法によれば、反応性が大きく異なるハロゲン置
換2価フェノールとハロゲン非置換2価フェノールとか
ら所定の低分子量カーボネート型難燃剤を99%以上の高
収率で得ることができる。この難燃剤はABS等成形温
度の比較的低い熱可塑性樹脂に練り込んでも物性低下、
表面不良等の問題は生じない。
[実施例] 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明方法を説明する
が、本発明はこれらに限定するものではない。なお、反
応収率の測定、比粘度の測定、溶融温度の測定及び成形
板の物性評価は以下に記した方法で行った。
(1)反応収率 反応終了後の水層中のフェノール成分(1価フェノール
も含む)量を、紫外線吸収スペクトルを測定して求め、
次式より算出した。
反応収率(%)={(仕込みフェノール成分)−(反応フェノール成分)}×10
0/(仕込みフェノール成分) なお、ここで言う仕込フェノール成分量には、1価フェ
ノールも含む。
実施例においては2,2 −ビス(3,5 −ジブロモ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(TBAと略す)2,2 −ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPAと略
す)及び末端停止剤として2,4,6 −トリブロモフェノー
ル(TBPと略す)を使用したので、これらを使用した
場合について説明する。反応終了後の水層中に存在する
未反応のTBA,BPA及びTBPの各成分の濃度は各
成分のUV吸収が重なって現われるので、各成分の吸収
極大波長における吸光係数を求め、下記の連立方程式に
より求めた。
A 294.0nm=22.02bCx+11.46bCy+ 7.56bCz A 309.9nm= 6.22bCx+18.85bCy+13.06bCz A 315.6nm= 1.34bCx+ 16.52bCy+13.88bCz 吸光度は紫外線吸収スペクトロメータ(日立製U−3200
型)により測定した。
(2)比粘度(ηsp) 乾燥した試料0.700 gを塩化メチレン100 mlに溶解し、
オストワルド粘度計にて20℃で測定した。
(3)溶融温度(m.p.) カバーグラス上に試料を載せ、微量融点測定装置(柳本
製)の熱板上にセットし、3℃/分で加熱し、拡大鏡で
観察しつつ試料にわずかに細かい液滴を認めたときから
試料が融け終って透明な液滴状になるまでの温度を溶融
温度とした。
(4)流動性 ABS樹脂(東レ(株)トヨラックタイプ100)100重量部
にSb(日本精鉱(株)ATOX-S)6重量部、実施例
及び比較例にて得られたカーボネート型難燃剤23重量部
を混合し、30mmφの押出機を用いてペレット化した。得
られたペレットを80℃で3時間乾燥後流動性を評価し
た。流動性の評価(MFR)はJIS K-7210熱可塑性プラス
チックの流れ試験方法に従って実施した(試験温度230
℃,試験荷重5kg)。
(5)成形板の物性 流動性の評価に用いたペレットを80℃で3時間乾燥した
後、射出成形機を用いてシリンダー温度230 ℃で64mm×
12.7mm×3.18mm及び64mm×12.7mm×6.35mmの衝撃試験片
にそれぞれ成形し、0.25mmRのノッチを付けた。この試
験片を温度23℃,湿度50%で24時間処理した後、アイゾ
ット衝撃試験機(東洋製機(株)製)にて衝撃強さ(Im
p)を測定した。衝撃強さが高い程耐衝撃性の優れるこ
とを表わす。
(6)難燃性 流動性の評価に用いたペレットを80℃で3時間乾燥した
後、射出成形機を用いてシリンダー温度230 ℃で152 mm
×12.7mm×1.59mm、152 mm×12.7mm×3.18mm及び152 mm
×12.7mm×6.35mmの試験片にそれぞれ成形し、アンダー
ライターズラボラトリーのSubject 94に従って燃焼試験
を実施した。
実施例1 ホスゲン吹込管、温度計及び攪拌機をとりつけた2三
ツ口フラスコに、TBA106.6g(0.196モル)とBPA9.12
(0.040モル)を溶解した4.37%NaOH水溶液398 ml(NaO
H 0.456モル)と塩化メチレン684 mlと共に仕込んで溶
解し、攪拌下ホスゲン62.4g(0.63モル)と48.5%NaOH
水溶液59.0mlを20〜27℃でPH11.0〜12.0に保つように67
分を要して加えホスゲン化反応させた。実際の反応系内
の温度及びPHは表1に示す通りであった。
ホスゲン化終了後、触媒としてトリエチルアミン0.62ml
(0.0045モル)加えて5分間攪拌し、次いでTBP 78.1g
(0.236 モル)を溶解した7.6 %NaOH水溶液410 mlと共
にトリエチルアミン1.24ml(0.0089モル)を加えて30〜
36℃に保つように3時間攪拌下反応させた。実際の反応
温度は表1に示す通りであった。反応終了後、静置して
水層と塩化メチレン層に分離し、水層の溶存モノマー濃
度から求めた反応収率は99.9%であった。
この反応終了時の塩化メチレン層を無機塩類及びアミン
がなくなるまで酸洗浄及び水洗後塩化メチレンを徐去し
た。得られたカーボネート型難燃剤のηspは0.017 ,m.
p.は172 〜180 ℃であった。
得られたカーボネート型難燃剤を使用して前記の条件で
試験片を成形し、物性試験を行った。結果は表1に示し
た。
実施例2 実施例1においてBPA の使用量を4.56g(0.020モル)に
し、BPA とTBA を溶解する4.37%NaOH水溶液の使用量を
365 mlにし、ホスゲン吹き込み時に加える48.5%NaOH水
溶液の使用量を54.6mlに変更する以外は実施例1と同様
に反応させてカーボネート型難燃剤を得た。収率は99.8
%,ηspは0.015 ,m.p.は166 〜172 ℃であった。この
ものをABS に練り込んだものの物性は表1に示すとおり
であった。
実施例3 実施例1においてBPA の使用量を18.01 g(0.079モル)
にし、BPA とTBA を溶解する4.37%NaOH水溶液の使用量
を464 mlにし、ホスゲンと同時に滴下する48.5%NaOH水
溶液の量を63.5mlとする以外は実施例1と同様に反応さ
せてカーボネート型難燃剤を得た。収率は99.7%、ηsp
は0.021 ,m.p.は175 〜183 ℃であった。このものをAB
S に練り込んだものの物性は表1に示すとおりであっ
た。
比較例1 実施例1で用いた装置に、TBA103.9g(0.191モル)とBP
A 14.6g(0.064モル)を、6.4 %NaOH水溶液385.3 ml
(NaOH0.638 モル)と塩化メチレン445 mlと共に仕込ん
で溶解し、攪拌下ホスゲン55.4g(0.56モル)と48.5%N
aOH水溶液43.7mlを20〜27℃を保つように67分を要して
滴下してホスゲン化反応させた。実際の反応系内の温度
及びPHは表1に示す通りであった。
ホスゲン化終了後、触媒としてトリエチルアミン1.5 ml
(0.011 モル)を加えて10分間攪拌し、その後TBP 42.0
g(0.127 モル)を溶解した7.6 %NaOH水溶液 221mlと
共にトリエチルアミン0.56ml(0.004モル)を加えて30
〜36℃に保つように3時間攪拌下反応させた。実際の反
応温度は表1に示す通りであった。反応終了後、実施例
1と同様に処理してカーボネート型難燃剤を得た。反応
収率は96.4%,ηspは0.033 ,m.p.は202 〜214 ℃であ
った。このものを実施例1と同様にABS に練り込んだも
のの物性を表1に示した。
比較例2 実施例1においてホスゲンと同時に滴下する48.5%NaOH
水溶液の量を61.2mlとする以外は実施例1と同様に反応
させた。得られたカーボネート型難燃剤の収率は65%と
低く、未反応モノマーが多く残存した。
比較例3 実施例1においてホスゲン化時の温度を10〜18℃と低く
押えるようにする以外は実施例1と同様にしてカーボネ
ート型難燃剤を得た。収率は76%と低く、未反応モノマ
ーが多く残存した。
比較例4 実施例1においてホスゲン化反応温度を28〜30℃になる
ようにする以外は実施例1と同様にしてカーボネート型
難燃剤を得た。反応収率は85.5%と悪く、且つηspが0.
025 と高くなった。このもののABS 樹脂への練り込みテ
ストでは表1に示す如く表面性がやや悪かった。
比較例5 実施例1におけるホスゲン化反応後の反応温度を23〜27
℃になるようにする以外は実施例1と同様にしてカーボ
ネート型難燃剤を得た。反応収率は86%と悪く、未反応
モノマーが多く残存した。
比較例6 実施例1に用いた装置に、TBA115.3g(0.212モル)とBP
A9.8g(0.043 モル)を、3.5 %NaOH水溶液779.1 ml(N
aOH 0.709モル)と塩化メチレン442.2 mlと共に仕込ん
で溶解し、攪拌下ホスゲン61.4g(0.62モル)と48.5%N
aOH水溶液48.7mlを20〜27℃でPHを9.0 〜11.0の範囲に
維持するように65分を要して滴下した。実際の反応系内
の温度及びPHは表1に示す通りであった。PHが低いため
反応中少量のホスゲンが系外に洩れ出た。
ホスゲン化終了後トリエチルアミン0.6 ml(0.0043モ
ル)を加えて5分間攪拌し、その後TBP 70.2g(0.212
モル)を溶解した7.6 %NaOH水溶液 369mlと共にトリエ
チルアミン1.2 ml(0.0087モル)を加えて30〜36℃にな
るように3時間攪拌下反応させた。実際の反応温度は表
1に示す通りであった。反応終了後、実施例1と同様に
処理してカーボネート型難燃剤を得た。反応収率は62.5
%と著しく低く、実用性はなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン置換2価フェノール1モルとハロ
    ゲン非置換2価フェノール 0.1〜0.5 モルとの混合物に
    溶媒の存在下ホスゲンを反応させて比粘度が0.015 〜0.
    022 で且つ融点が 150〜190 ℃のカーボネート型難燃剤
    を製造するに当り、ホスゲンの使用量を該2価フェノー
    ルの全量に対して 2.2〜3.0 倍モルとし、反応系のpH11
    〜12、温度20〜27℃で30〜120 分かけてホスゲン化反応
    させ、次いで該2価フェノールの全量に対して 0.5〜1.
    5 倍モルの1価フェノールと触媒の存在下pH12.5以上、
    温度30〜36℃、30〜200 分で反応を完結することを特徴
    とするカーボネート型難燃剤の製造法。
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