JPH08109252A - 固形ポリカーボネートの単離方法 - Google Patents

固形ポリカーボネートの単離方法

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JPH08109252A
JPH08109252A JP6245979A JP24597994A JPH08109252A JP H08109252 A JPH08109252 A JP H08109252A JP 6245979 A JP6245979 A JP 6245979A JP 24597994 A JP24597994 A JP 24597994A JP H08109252 A JPH08109252 A JP H08109252A
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heating zone
solid
organic solvent
solvent
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Yasuhisa Tahira
泰久 田平
Akikimi Yamamoto
章公 山本
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶液法によって得られた低分子量のポリカー
ボネート溶液から固形のポリカーボネートを経済的に且
つ容易に単離する方法を提供する。 【構成】 溶液法によって得られた特定の低分子量ポリ
カーボネートの有機溶媒溶液を加熱域で加熱した後該加
熱域より圧力の低い減圧域に噴出させて該有機溶媒をフ
ラッシュ蒸発させることを特徴とする固形ポリカーボネ
ートの単離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶液法によって得られ
た低分子量のポリカーボネートの有機溶媒溶液から固体
のポリカーボネートを単離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリカーボネートの有機溶媒溶
液(以下ポリカーボネート溶液と略称する)から固形の
ポリカーボネートを取出す方法は種々提案されている。
例えばポリカーボネート溶液を適宜濃縮した後ポリカー
ボネートをゲル化又は結晶化させて固化して破砕し易く
した後、これを粉砕して溶媒を除去する方法(特公昭3
8−22497号公報、特公昭40−12379号公報
他)が知られている。しかしながら、この方法ではポリ
カーボネート溶液をゲル化又は結晶化させて固形物を得
るために多くの時間や熱を必要としたり、操作が煩雑で
あるといった欠点がある。また、ポリカーボネート溶液
を温水中又は熱水中で粉粒化し、溶媒を除去する方法
(特公昭46−37424号公報、特公昭45−987
5号公報他)が知られている。しかしながら、この方法
で有機溶媒を実質的に除去するには、数回この手順を繰
返し行う必要があり、更に得られる粉粒体は多量の水分
を含有しているために、その乾燥に多くの時間や熱を必
要とするといった欠点がある。ポリカーボネート溶液又
は含溶媒塊状物を押出機に供給して蒸発乾燥し、最終的
には溶融物を押出す方法(特公昭36−11231号公
報他)が知られている。しかしながら、この方法を低分
子量のポリカーボネートに適用すると、高温処理に伴う
溶媒の熱分解による品質の劣化等熱履歴に起因する欠点
を伴う。ポリカーボネート溶液に、ポリカーボネートを
溶解しない溶媒つまり貧溶媒を添加し、ポリカーボネー
トの飽和点に致達させることにより沈殿させ、その後濾
過し、遠心分離等により分離する方法(特公昭36−2
2447号公報、特公昭37−7000号公報他)があ
る。しかしながら、この方法では、更に多量の貧溶媒を
併用することから溶媒の回収が問題になる。その上、こ
の方法を低分子量のポリカーボネートに適用すると、ポ
リカーボネートの貧溶媒への溶解性が、低分子量になる
と高くなるためか、沈殿ポリカーボネートの生成状態に
影響を与えポリマーの収率が低下する欠点も生じるため
に工業的に有利な方法ではない。
【0003】その他の方法として、反応溶液を直接適当
な支持体上に流し込み、急激に熱乾燥してポーラス状で
且つ凹凸状のシートを形成させ、これを細断して再び乾
燥する方法(特公昭38−14499号公報)がある。
しかしながら、この方法は大量生産に向かない。ホスゲ
ン化終了後分散助剤を投入して有機相を水溶液相に均一
に分散させ、減圧で脱溶媒して分散状態のまま粒状に固
化させる方法(特公昭37−4648号公報)がある。
しかしながら、この方法では固形粒子中に不純物が混入
する欠点がある。このほか貧溶媒を添加したポリカーボ
ネート混合溶液を所定の濃度まで濃縮し、この濃縮液を
減圧下にフラッシュ蒸発させて固形のポリカーボネート
を得る方法(特公昭54−43040号公報)がある。
しかしながら、この方法では、多量の貧溶媒を併用する
ことから溶媒の回収が問題になる上、この方法を低分子
量のポリカーボネートに適用すると、ポリカーボネート
の収率が低下する欠点も生じ、また濃縮に要する熱損失
も大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶液法によ
って得られた低分子量のポリカーボネート溶液から固形
のポリカーボネートを経済的に且つ容易に単離する方法
を提供することを目的とする。
【0005】本発明者は、上記目的を達成せんとして鋭
意検討した結果、平均繰返単位が30以下の低分子量の
ポリカーボネート溶液を外部から熱媒体で加熱し、減圧
下にフラッシュ蒸発させることで従来に比べ簡素な工程
で省資源、省エネルギーで固形のポリカーボネートが得
られることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶液法によっ
て得られた下記一般式[1]
【0007】
【化2】
【0008】[式中、A及びBはアルキレン基、アルキ
リデン基、−S−、−SO−、−SO 2 −、−O−又は
−CO−、X1 及びX2 はハロゲン原子、R1 及びR2
は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、m及びn
は1〜4の整数、p及びqは0〜30であって(p+
q)が1〜30になる整数である。]で表される低分子
量のポリカーボネートの有機溶媒溶液を加熱域で加熱し
た後該加熱域より圧力の低い減圧域に噴出させて該有機
溶媒をフラッシュ蒸発させることを特徴とする固形ポリ
カーボネートの単離方法である。
【0009】本発明でいうポリカーボネートは、二価フ
ェノールを主成分とする芳香族ポリカーボネートであ
り、特に二価フェノールの繰返単位の平均値が30以下
の低分子量のポリカーボネートを対象とし、二価フェノ
ールとしてはハロゲン置換二価フェノールを主たる対象
とするが、その一部又は全部をハロゲン非置換二価フェ
ノールで置換えてもよい。ここで使用するハロゲン置換
二価フェノールは、下記一般式
【0010】
【化3】
【0011】で表される。式中Aはアルキレン基、アル
キリデン基、−S−、−SO−、−SO2 −、−O−又
は−CO−であり、アルキレン基やアルキリデン基は炭
素数1〜10のものが好ましく、このアルキレン基やア
ルキリデン基には置換基があってもよく、置換基として
は炭素数1〜7のアルキル基が好ましい。X1 及びX2
はハロゲン原子であり、特に臭素原子や塩素原子が好ま
しく、X1 及びX2 は同一でも異なっていてもよい。m
は1〜4の整数である。かかるハロゲン置換二価フェノ
ールとしては例えば2,2−ビス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称テトラブロモ
ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称テトラクロ
ロビスフェノールA)、ビス(3,5−ジブロム−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン(通称テトラブロモビス
フェノールS)、ビス(3,5−ジクロル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン(通称テトラクロロビスフェノ
ールS)、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジク
ロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィド、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)オキシド、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)オキシド、ビス(3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン等があげられ、これらは単独で又は二種以上
混合して使用できる。なかでもテトラブロモビスフェノ
ールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモ
ビスフェノールS及びテトラクロロビスフェノールSが
好ましく、特にテトラブロモビスフェノールAが好まし
い。また、ハロゲン非置換二価フェノールは下記一般式
【0012】
【化4】
【0013】で表される。式中Bはアルキレン基、アル
キリデン基、−S−、−SO−、−SO2 −、−O−又
は−CO−であり、アルキレン基やアルキリデン基は炭
素数1〜10のものが好ましく、このアルキレン基やア
ルキリデン基には置換基があってもよく、置換基として
は炭素数1〜7のアルキル基が好ましい。R1 及びR2
は水素原子又はアルキル基であり、特に炭素数1〜7の
アルキル基が好ましく、R1 及びR2 は同一でも異なっ
ていてもよい。nは1〜4の整数である。かかる二価フ
ェノールとしては上記ハロゲン置換二価フェノールのハ
ロゲンが置換していないものがあげられ、これらは単独
で又は二種以上混合して使用できる。なかでもビスフェ
ノールAやビスフェノールSが好ましく、特にビスフェ
ノールAが好ましい。
【0014】上記二価フェノールからポリカーボネート
を製造するには、二価フェノールのアルカリ水溶液とホ
スゲンを有機溶媒の存在下、更に必要に応じて末端停止
剤や触媒の存在下反応させるいわゆる溶液法が採用され
る。末端停止剤としては一価のフェノール類が好まし
く、例えばフェノール、クレゾール、s−ブチルフェノ
ール、tert−ブチルフェノール、ノニルフェノール、オ
クチルフェノール、クミルフェノール、ヒドロキシクロ
マン類化合物、2,4,6−トリブロモフェノール、ペ
ンタブロモフェノール等があげられ、これらは単独で又
は二種以上混合して使用できる。触媒としてはアミン類
触媒が好ましく、例えばトリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、ジメチル−n−プロピル
アミン、ジエチル−n−プロピルアミン、N−ジメチル
シクロヘキシルアミン、ピリジン、キノリン、N−ジメ
チルアニリン、N−ジメチル−4−アミノピリジン、N
−ジエチル−4−アミノピリジン等の三級アミン、トリ
メチルドデシルアンモニウムクロリド、トリエチルドデ
シルアンモニウムクロリド、ジメチルベンジルフェニル
アンモニウムクロリド、ジエチルベンジルフェニルアン
モニウムクロリド、トリメチルドデシルベンジルアンモ
ニウムヒドロキシド、トリエチルドデシルベンジルアン
モニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウ
ムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチル
アンモニウムクロリド等の四級アンモニウム化合物があ
げられる。また、トリフェニル−n−ブチルホスホニウ
ムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムブロマ
イド等の四級ホスホニウム塩を使用してもよい。これら
触媒はホスゲン化反応時に添加するのが最も効果的であ
るが、後の重合反応時に添加してもよい。
【0015】本発明で対象とするポリカーボネートは二
価フェノールの繰返単位の平均値が30以下のポリカー
ボネート、ポリカーボネートオリゴマー及びモノマー型
カーボネートであり、以下これらを総称してポリカーボ
ネートという。二価フェノールの繰返単位の平均値が3
0を越えるポリカーボネート溶液に本発明の方法を用い
ると餅状の粘着性のあるゲル状物しか得られず、また加
熱帯域内でスケールの発生等で処理できない場合があ
る。
【0016】本発明で用いる有機溶媒は水に対して実質
的に不溶で、反応に対して不活性で且つ反応によって生
成するポリカーボネートを溶解する有機溶媒である。か
かる有機溶媒としては例えば塩化メチレン、1,2−ジ
クロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム等の
塩素化脂肪族炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン、クロロトルエン等の塩素化芳香族炭化水素、アセ
トフェノン、シクロヘキサノン、アニソール等があげら
れ、これらは単独又は二種以上混合して使用することが
できる。なかでも塩化メチレンが好ましい。
【0017】本発明で用いるポリカーボネート溶液の濃
度は、特に制約する必要はないが、ポリカーボネートの
固形物換算で10〜40重量%の濃度で含有されている
ことが望ましい。10重量%未満の濃度でも本発明の方
法に適用するのに支障はないが、固形物への有機溶媒の
残存や生産性の面で不利になり、10重量%以上で行う
ことが望ましい。40重量%を越えた濃度でも本発明の
方法に適用するのに支障はないが、反応後の粗溶液を中
和精製する過程で負荷が大きくなり、本発明の方法に適
用可能なポリカーボネート溶液を提供することが事実上
難しくなる。またあまりに高濃度に至るまで濃縮すると
比較的長時間を要すると共に熱損失が大きくなるので好
ましくない。
【0018】本発明にあっては上記ポリカーボネート溶
液から固形のポリカーボネートを単離するに当り、ポリ
カーボネート溶液を加熱域で加熱した後、この加熱域よ
り圧力の低い減圧域に噴出させて揮発成分をフラッシュ
蒸発させる。ポリカーボネート溶液を加熱域で加熱する
には、任意の加熱装置が用いられるが、外部から熱媒体
で加熱する細長い加熱域が好ましい。例えば細長い管を
使用し、その一端はポリカーボネート溶液を定量的に供
給する供給口、他端は加熱域より低い圧力に保持した減
圧域に開口する出口であり、この細長い管は外部から適
当な熱媒体例えば蒸気、温水、熱媒油等で加熱される。
【0019】供給口から定量的に且つ連続的に供給され
たポリカーボネート溶液は管内で間接加熱により揮発成
分は沸点に達して蒸発し、気泡が発生する。少しでも有
機溶媒の蒸発が始まると蒸気の容積は溶媒の容積に比較
して非常に大きいので流速は急激に増大し、伝熱効率は
著しく大になる。この管内の後半では、溶媒は殆ど蒸発
して過熱された状態になり、ポリカーボネートは溶媒を
数%程度しか含まない固形状態になる。かかる状態で減
圧域に噴出した溶媒はフラッシュすると同時に、固形ポ
リカーボネート中の溶媒は更に蒸発し、結果として得ら
れる固形ポリカーボネート中の残存溶媒量は通常の蒸発
方法では得られない低い値になる。またポリカーボネー
ト溶液から分離された溶媒蒸気はコンデンサー等により
間接冷却で凝縮させ容易に回収される。なお加熱域より
噴出させるときのポリカーボネート溶液の温度は、加熱
域内における有機溶媒の沸点以上の温度であり、加熱域
と減圧域の圧力差は、ポリカーボネート溶液中の溶媒が
フラッシュする程度以上あればよいが、3kg/cm2 以上
にするのが好ましい。
【0020】かくして得られる固形のポリカーボネート
は溶融押出によってペレット化することができる。ま
た、難燃剤として使用する目的でハロゲン化カーボネー
トオリゴマーを本方法で製造すると微粉末状になる。そ
のまま使用しても特に支障はないが、混練作業時の飛散
による作業環境の面を考慮し、打錠式やロール式圧縮造
粒機等によりタブレット、コンパクト、ブリケット状の
成形物にするか、これを破砕して顆粒状にするか、又は
押出機や回転ドラム式滴下装置によりグラニュール、ビ
ーズ、ドロップ状の成形物にするのが好ましい。
【0021】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明を更
に説明する。なお、実施例中の%は重量%であり、ポリ
カーボネートの平均繰返単位は蒸気圧浸透圧法により数
平均分子量を測定した値から計算した。残存塩化メチレ
ン量はヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーにより
加熱条件250℃×2時間で発生する塩化メチレン量を
定量した。
【0022】[実施例1]テトラブロムビスフェノール
A、ホスゲン及びp−tert−ブチルフェノールから常法
によって得た平均繰返単位22のポリカーボネートの固
形物換算で18%濃度の塩化メチレン溶液を、直径13
mmで管長13m のジャケット加熱された加熱管(熱媒水
蒸気、ジャケット温度160℃)に固形ポリカーボネー
ト換算で19kg/時で供給し、真空度200Torrに保っ
たジャケット加熱された捕集室(熱媒水蒸気、ジャケッ
ト温度160℃)にフラッシュさせた。このときの加熱
管のゲージ圧は18kg/cm2 であった。固形ポリカーボ
ネートと塩化メチレン蒸気は捕集室内に設けたバッグフ
ィルターで分離し、塩化メチレンはブライン温度−4℃
のコンデンサーで回収し、ポリカーボネートは真空度2
00Torrに保ったブレンダー(ジャケット温度160
℃)で2時間滞留させた後取出した。得られた乾燥ポリ
カーボネート粉末の残存塩化メチレンは50ppm に過ぎ
なかった。
【0023】[実施例2]テトラブロムビスフェノール
A、ビスフェノールA、ホスゲン及び2,4,6−トリ
ブロモフェノール[テトラブロムビスフェノールA:ビ
スフェノールA(モル比)=5:1]から常法によって
得た平均繰返単位2のポリカーボネートオリゴマーの固
形物換算で21%濃度の塩化メチレン溶液を、直径13
mmで管長13m のジャケット加熱された加熱管(熱媒水
蒸気、ジャケット温度120℃)に固形ポリカーボネー
ト換算で21kg/時で供給し、真空度200Torrに保っ
たジャケット加熱された捕集室(熱媒水蒸気、ジャケッ
ト温度120℃)にフラッシュさせた。このときの加熱
管のゲージ圧は9.2kg/cm2 であった。固形ポリカー
ボネートオリゴマーと塩化メチレン蒸気は捕集室内に設
けたバッグフィルターで分離し、塩化メチレンはブライ
ン温度−4℃のコンデンサーで回収し、ポリカーボネー
トは真空度200Torrに保ったブレンダー(ジャケット
温度120℃)で2時間滞留させた後取出した。得られ
た乾燥ポリカーボネートオリゴマー粉末の残存塩化メチ
レンは80ppm に過ぎなかった。
【0024】[実施例3]テトラブロムビスフェノール
A、ホスゲン及びp−tert−ブチルフェノールから常法
によって得た平均繰返単位5のポリカーボネートオリゴ
マーの固形物換算で31%濃度の塩化メチレン溶液を、
直径8mmで管長8m のジャケット加熱された加熱管(熱
媒水蒸気、ジャケット温度140℃)に固形ポリカーボ
ネートオリゴマー換算で9kg/時で供給し、真空度20
0Torrに保ったジャケット加熱された捕集室(熱媒水蒸
気、ジャケット温度140℃)にフラッシュさせた。こ
のときの加熱管のゲージ圧は13kg/cm2 であった。固
形ポリカーボネートオリゴマーと塩化メチレン蒸気は捕
集室内に設けたバッグフィルターで分離し、塩化メチレ
ンはブライン温度−4℃のコンデンサーで回収し、ポリ
カーボネートオリゴマーは真空度200Torrに保たれた
ブレンダー(ジャケット温度140℃)で2時間滞留さ
せた後取出した。得られた乾燥ポリカーボネートオリゴ
マー粉末の残存塩化メチレンは70ppm に過ぎなかっ
た。
【0025】[比較例1]テトラブロムビスフェノール
A、ホスゲン及びp−tert−ブチルフェノールから常法
によって得た平均繰返単位13のポリカーボネートの固
形物換算で19%濃度の塩化メチレン溶液を、72℃に
維持した熱水を貯留した粉砕機構を有する混練機(容積
50リットル)に固形ポリカーボネート換算で8kg/時
で供給し、塩化メチレン蒸気はブライン温度−4℃のコ
ンデンサーで回収し、得られたポリカーボネートスラリ
ーは98℃に維持した熱水を貯留した攪拌機を有する槽
(容積100リットル、攪拌回転数75rpm )に連続的
に供給し、水蒸気蒸留した。このときに発生する塩化メ
チレン蒸気は上記コンデンサーで回収し、ポリカーボネ
ートスラリーは遠心分離式脱水機で脱水した後パドル式
乾燥機(ジャケット温度140℃)で3時間滞留させた
後取出した。得られた乾燥ポリカーボネート粉末の残存
塩化メチレンは560ppm と高い水準であった。
【0026】[比較例2]ビスフェノールA、ホスゲン
及びp−tert−ブチルフェノールから常法によって得た
平均繰返単位58のポリカーボネートの固形物換算で1
6%濃度の塩化メチレン溶液を、実施例3と同様にして
加熱管に供給したところ、粘着性のあるゲル物しか得ら
れず、また管内でスケーリングが発生し、本法では固形
物を単離することはできなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、二価フェノール
の繰返単位の平均値が30以下のポリカーボネートの有
機溶媒溶液を簡単な工程で効率よくポリカーボネートの
乾燥固形物を製造することを可能にし、その工業的効果
は格別なものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液法によって得られた下記一般式
    [1] 【化1】 [式中、A及びBはアルキレン基、アルキリデン基、−
    S−、−SO−、−SO 2 −、−O−又は−CO−、X
    1 及びX2 はハロゲン原子、R1 及びR2 は水素原子又
    は炭素数1〜10のアルキル基、m及びnは1〜4の整
    数、p及びqは0〜30であって(p+q)が1〜30
    になる整数である。]で表される低分子量のポリカーボ
    ネートの有機溶媒溶液を加熱域で加熱した後該加熱域よ
    り圧力の低い減圧域に噴出させて該有機溶媒をフラッシ
    ュ蒸発させることを特徴とする固形ポリカーボネートの
    単離方法。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネートの有機溶媒溶液の濃度
    が、固形物換算で10〜40重量%である請求項1記載
    の固形ポリカーボネートの単離方法。
  3. 【請求項3】 加熱域が、外部から熱媒体で加熱する細
    長い加熱域である請求項1又は2記載の固形ポリカーボ
    ネートの単離方法。
  4. 【請求項4】 加熱域より噴出させるときの有機溶媒溶
    液の温度が、該有機溶媒の加熱域における沸点以上の温
    度である請求項1〜3のいずれか1項記載の固形ポリカ
    ーボネートの単離方法。
  5. 【請求項5】 加熱域と減圧域の圧力差が3kg/cm2
    上である請求項1〜4のいずれか1項記載の固形ポリカ
    ーボネートの単離方法。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネートが、テトラブロモビス
    フェノールAを主たる二価フェノール成分とするポリカ
    ーボネートである請求項1〜5のいずれか1項記載の固
    形ポリカーボネートの単離方法。
  7. 【請求項7】 有機溶媒が、塩化メチレンである請求項
    1〜6のいずれか1項記載の固形ポリカーボネートの単
    離方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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