JPH046750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、圧縮空気の連続的な給排気によつ
て、複数の空気袋体が膨張、収縮する際の波動的
に変化する上下運動を利用して波動マツサージを
効果的に行なう空圧マツサージ用マツトに関する
ものである。

（従来技術とその問題点） 従来のマツサージ用マツトは、並列させて設け
た複数の空気袋体に圧縮空気を順次供給しては排
気し、この袋体が上下方向に膨張収縮作用を繰り
返えす際の、波動的に変化する上下運動によつて
波動マツサージを行なつて筋肉をソフトに揉みほ
ぐして、肩凝り、腰痛、疲労感を除去する効果が
あるとして好評を博しているが、当該マツサージ
用マツトが専らマツサージ用にしか使用できない
点、また、上部層と中間層の上面に凹凸面に形成
した３層構造からなるマツトが考案されており、
上記凹凸面によつて利用者に指圧作用を呈し、血
行をよくしたり筋肉の凝りをほぐす効果がある
が、人の体形によつて指圧効果が一定に得られな
いという点に鑑み、通常の就寝用マツトとしても
利用でき、かつ有効なマツサージ機能を発揮させ
ることを目的としたものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本考案は発泡ポリ
ウレタンの如き発泡樹脂成型体であつて細かな波
形起伏を持つ薄手の弾性上部層と、同じく発泡樹
脂成型体であつて大きな波形起伏を持つ厚手で、
かつ硬めの中間層と、上部層と同様薄手であつて
平らな弾性下部層との３層から成る積層体を以て
マツト本体を構成し、上記上部層と中間層の間
に、圧縮空気の反復的な給排気により上面方向に
膨張収縮を繰り返えす複数の空気袋体を介在させ
るとともに、該袋体の中央部に狭窄部を形成した
ことにより課題を解決したものである。

（作用） マツサージを行うに際して、本考案のマツト上
に仰臥状態に寝て、圧縮空気源を駆動すると、圧
縮空気は上部層と中間層との間に介在した空気袋
体に徐々に供給し、袋体を膨張させ上層部を押し
上げる。このとき空気袋体は中央部に形成した狭
窄部を境にして、マツサージ部分を左右両側斜め
下方より押圧する。

これを空気袋体に対して所定の順序で供給して
は排気を繰り返えして、マツト本体の上面を波動
運動させながらマツサージを行なう。

（実施例） 図面において、１は長方形に形成したマツト本
体で、該マツト本体１は以下に詳述する上部層
２、中間層３、下部層４からなる積層体を以て構
成されている。

上部層２並びに下部層４は、共にクツシヨン性
を有する軟質発泡ポリウレタン樹脂成型体より成
り、例えば約２cm程度の厚みに形成されている。
また、上部層２の少なくとも上面には無数の細か
い波形凹凸面を一面に亘つて形成されている。

中間層３は硬質発泡ウレタン樹脂より成り、例
えば10cm程度の厚みに形成されている。また、中
間層３の少なくとも上面に上層部２の波形起伏よ
り大きい波形起伏５が一面に亘つて形成されてい
る。

６は上記マツト本体１の上部層２と中間層３の
間に介在させる空気袋体で、この空気袋体６は、
伸縮性と気密性を有する膨張袋６ａと可撓性は有
するが伸縮性の余りない外袋６ｂとによつて構成
されているもので、この空気袋体６の一側縁部に
圧縮空気の給排気用ソケツト７を設ける。８は空
気袋体６の中央付近に形成した狭窄部で、この狭
窄部８によつて上記膨張袋６ａの当該部位への空
気充満量が他の部分よりも少なくなるようにし、
マツトの中央部が左右両側部より大きく膨らまな
いようになつている。而して、この空気袋体６
を、数枚用意し、同袋体６はその長手方向をマツ
ト本体１の幅方向に向けて、個々に分離させて、
或いは、同袋体６の幅方向の一部を重ね合わせる
ようにして、上部層２と中間層３との間に並設す
る。この場合、空気袋体６，６……は肩部、腰
部、臀部などのマツサージ部位に対応する位置に
敷設する。

９はスライドフアスナーを適位置に取り付けた
マツトカバーである。

１０は圧縮空気源で、この圧縮空気源１０は上
記空気袋体６……に対して給排気チユーブ１１を
通じて圧縮空気を所定の順序で供給し、また排気
するものである。

また、圧縮空気源１０にタイマ１２を設け、例
えば、就寝中に自動的に圧縮空気源１０が停止す
るようにしたり、起動時間にセツトすることによ
つて目覚し代りに自動的に圧縮空気の供給、排気
が開始されるようにしてもよい。

次に、上記実施例の作用を説明する。

マツサージを行うに際して、本考案のマツト上
に仰臥状態に寝て、圧縮空気源１０を駆動する
と、圧縮空気は上部層２と中間層３との間に介在
した空気袋体６，６……に対して所定の順序で供
給されては排気される。

従つて、上記空気袋体６，６……は所定の順序
で膨張収縮運動を繰り返えし、この運動は発泡ポ
リウレタン樹脂成型体の上部層２を介して、マツ
ト本体１の上面に波動運動を発生させて、これに
よつてソフトな波動的マツサージが行われる。こ
のとき、空気袋体６，６……の中央部に設けた狭
窄部８を境にして袋体６がマツサージ部位を包み
込むように膨張し、上部層２の波動運動に加え
て、マツサージ部分をその左右両側斜め下方よよ
り押圧するような波動運動を行う。

（考案の効果） 以上のごとく本考案は、発泡ポリウレタンの如
き発泡樹脂成型体であつて、細かな波形起伏を持
つ薄手の弾性上部層と、同じく発泡樹脂成型体で
あつて大きな波形起伏を持つ厚手の硬めの中間層
と、上部層同様薄手であつて平らな弾性下部層と
の３層からなる積層を以てマツト本体を構成し、
上記上部層と中間層の間に、圧縮空気の反復的な
給排気により上面方向に膨張収縮を繰り返えす複
数の空気袋体を介在させるとともに、該袋体の中
央部に狭窄部を形成したから、マツト本体を構成
する上中下部層と、上中部層間に介在させた空気
袋体との相乗作用によつて、体の要所要所に左右
両側斜め下方から適確な押圧力が働き、血行を促
す波動運動を極めて有効にしてソフトな波動マツ
サージを一段と向上することができる。また、中
間層による適度の硬さと波形起伏が、空気袋体を
単独で用いるマツサージ器に比べ、筋肉の凝りや
全身の疲労感をより効果的に取り除くことができ
る。しかも、本考案はマツサージ用マツトと通常
の就寝用マツトを兼用することができるから、マ
ツサージを行なわないときでも使用でき、特に、
寝たきりの病人などを、別の場所に移動すること
なく、本考案のマツサージ用マツトをベツト用マ
ツトとして使用することによつて、ベツト上でい
つでも、マツサージを行なうことができ、寝たき
りによる床ずれ、体の痛み等も解消することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１
図はマツト本体の一部を切欠いて示した斜視図、
第２図は同じく縦断側面図である。 １……マツト本体、２……軟質上部層、３……
硬質中間層、４……軟質下部層、５……波形起
伏、６……空気袋体、８……狭窄部、１０……圧
縮空気源。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発泡ポリウレタンの如き発泡樹脂成型体であつ
   て細かな波形起伏を持つ薄手の弾性上部層と、同
   じく発泡樹脂成型体であつて大きな波形起伏を持
   つ厚手で、かつ硬めの中間層と、上部層と同様薄
   手であつて平らな弾性下部層との３層から成る積
   層体を以てマツト本体を構成し、上記上部層と中
   間層の間に、圧縮空気の反復的な給排気により上
   面方向に膨張収縮を繰り返えす複数の空気袋体を
   介在させるとともに、該袋体の中央部に狭窄部を
   形成して成る空圧マツサージ用マツト。