JPH0461418B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、テープレコーダのリールベース駆動
機構に関するものであり、特にギヤの構成に改良
を施すことにより、ローデイングイジエクト等に
よるモータの正逆回転に拘らず、常に２個のリー
ルベースを正回転させる様にしたものに係る。

［発明の技術的背景］ テープが正逆２方向に走行するオートリバース
タイプのテープレコーダにおいて、正逆のテープ
走行を行う為の正逆２個のリールベースは、常時
正回転方向にのみ回転するモータの駆動力を、互
いに噛合つて、常時反対方向に回転する正逆２個
のパワーギヤに伝え、これらパワーギヤの回転力
を、テープの走行方向に応じて移動するアイドラ
を利用して、正逆いずれかのリールベースに伝達
することにより行なわれている。

ところで、近年、テープレコーダの自動化が進
み、各モードの保持と切換を電磁プランジヤの吸
着力とモータの駆動力を利用して行うことによ
り、手動による操作力を必要とせず、スイツチを
押圧するだけの極めて軽い操作で各モードの切換
を行えるテープレコーダが実用化されている。

この様なテープレコーダにおいては、小型・簡
略化の要請により、前記の様なテープの駆動系と
共通の駆動系にて各種の作動部材を移動させる構
成を採用しており、同駆動系は、例えば、ローデ
イングイジエクト機構の駆動も行う様になつてい
る。

その為、ローデイング時とイジエクト時とで、
ローデイングイジエクト機構の作動部材を反対方
向に移動させる為に駆動系を逆転する必要があ
り、この為、従来駆動系の途中に切換機構を設け
ていた。しかし、この構成では機構が複雑化する
為、最近では、反転するモータを用いて駆動系の
逆転を行い、従来の様な切換機構を省略したもの
が提案されている。

［背景技術の問題点］ しかしながら、この様に駆動系を逆転した場
合、次の様な欠点が生じていた。

即ち、駆動系を逆転する際には、通常は、アイ
ドラをリールベースから開離させることで駆動系
からリールベースが切離される構成が採用される
が、この場合、リールベースの動作途中等におい
てのリールベースと駆動系との切離しは、不完全
に或いは遅延して行なわれ易い為、各リールベー
スの回転方向も逆転してしまう。ところで、各リ
ールベースの正回転は互いにテープを巻き取る方
向とされており、リールベースの回転方向が逆転
すると、各リールベースは、共に、テープを巻戻
す方向に回転することになる為、テープ途中が巻
解かれ、テープに弛み、捩じれ、絡み等が生じて
しまい、問題となつていた。

［発明の目的］ 本発明は上述の様な従来技術の欠点を解消する
為に提案されたものであり、その目的は、ローデ
イングイジエクト等の目的により駆動系が逆転し
た際にリールベースを逆転させない構成を可能と
することにより、テープ途中が巻解かれ、テープ
に弛み、捩じれ、絡み等が生じる恐れのない様な
優れたテープレコーダのリールベース駆動機構を
提供することである。

［発明の概要］ 本発明によるテープレコーダのリールベース駆
動機構は、リールベースを駆動する為の正逆２個
のパワーギヤを互いに噛合わせ、モータ側には回
転方向に応じて揺動するギヤを設け、このモータ
側の揺動ギヤを２個のパワーギヤのいずれか一方
に噛合わせた構成を有するもので、 逆転により揺動した際には、この揺動ギヤを今
までの巻取り側のパワーギヤから切離して、反対
側のパワーギヤに噛合せることにより、巻取り側
のパワーギヤには今までと同じ方向の回転力を与
え、この巻取り側パワーギヤによつて駆動されて
いる巻取り側のリールベースがモータの正逆回転
にかかわらず、常時正方向に回転する。

［発明の実施例］ 以上の様な本発明によるテープレコーダのリー
ルベース駆動機構の一実施例を図面を用いて具体
的に説明する。

第１図及び第２図に示す様に、モータ１と連動
するプーリーギヤ２には、モータ側のパワーギヤ
３が噛合つている。このモータ１と逆方向には、
正逆のリールベース４Ｆ，４Ｒが設けられ、夫々
に、小径のアイドラギヤ５Ｆ，５Ｒが噛合つてい
る。

このアイドラギヤ５Ｆ，５Ｒは、より径の大き
い正逆のパワーギヤ６Ｆ，６Ｒに夫々噛合つてお
り、且つ正逆のパワーギヤ６Ｆ，６Ｒ同士も互い
に噛合つている。

更に、モータ側のパワーギヤ３と正逆のパワー
ギヤ６Ｆ，６Ｒギヤとの間には、その回転方向に
応じて揺動ギヤ７を揺動させるパワーアイドラギ
ヤ８が設けられ、モータ側のパワーギヤ３に噛合
つている。また、揺動ギヤ７は、このパワーアイ
ドラギヤ８の回転方向に応じて揺動し、パワーア
イドラギヤ８が図中時計方向に回転している際に
は、同方向に揺動して、逆側のパワーギヤ６Ｒに
噛合い、パワーアイドラギヤ８が図中反時計方向
に回転している際には、同方向に揺動して、正側
のパワーギヤ６Ｆに噛合う様になつている。

以上の様な構成から、本発明のリールベース駆
動機構は次の様に作用する。

即ち、まずモータ１の正回転時、即ちモータ１
が時計方向に回転した際には、第１図に示す様
に、モータ１に連動するプーリーギヤ２が時計方
向に、プーリーギヤ２に噛合うモータ側のパワー
ギヤ３が反時計方向に夫々回転する。従つて、こ
のモータ側のパワーギヤ３に噛合つているパワー
アイドラギヤ８が、時計方向に回転し、これによ
り、パワーアイドラギヤ８に取付けられている揺
動ギヤ７が、時計方向に揺動して逆側のパワーギ
ヤ６Ｒに噛合う。この時、揺動ギヤ７が反時計方
向に回転する為、逆側のパワーギヤ６Ｒは時計方
向に回転し、同パワーギヤ６Ｒに噛合つている正
側のパワーギヤ６Ｆは反時計方向に回転する。従
つて、各アイドラギヤ５Ｆ，５Ｒを介して各パワ
ーギヤ６Ｆ，６Ｒに噛合つている正逆のリールベ
ース４Ｆ，４Ｒは、各側のパワーギヤ６Ｆ，６Ｒ
と同方向に、即ち、正側のリールベース６Ｆは、
反時計方向に、逆側のリールベース６Ｒは時計方
向に夫々回転する。従つて、両側のリールベース
６Ｆ，６Ｒは共にテープを巻き取る方向に回転す
る。

そして、この状態からローデイングイジエクト
等の目的でモータ１を逆転した際には、第２図に
示す様に、プーリーギヤ２が反時計方向に、モー
タ側のパワーギヤ３が時計方向に夫々回転する。
従つて、モータ側のパワーギヤ３の逆転に伴い、
同パワーギヤ３に噛合つているパワーアイドラギ
ヤ８が反時計方向に回転し、これにより、揺動ギ
ヤ７が反時計方向に揺動して正側のパワーギヤ６
Ｆに噛合う。この時、揺動ギヤ７が時計方向に回
転する為、正側のパワーギヤ６Ｆは反時計方向に
回転し、逆側のパワーギヤ６Ｒは時計方向に回転
する。従つて、各リールベース４Ｆ，４Ｒは夫々
第１図で示したモータ１の逆転前と同様に、各ア
イドラギヤ５Ｆ，５Ｒを介して時計方向と反時計
方向、即ち、テープの巻き取り方向に回転する。

この様に本実施例では、駆動系の逆転の前後
で、正逆のリールベース４Ｆ，４Ｒを駆動する正
逆のパワーギヤ６Ｆ，６Ｒの回転方向は変わら
ず、常にリールベース４Ｆ，４Ｒをテープの巻き
取り方向に回転できる。従つて、従来の様にリー
ルベースの動作途中にてモータを逆転させた場合
でも、リールベースが逆転して、テープが巻解か
れ、テープに弛み、捩じれ、絡み等が生じる恐れ
はない。

以上の実施例は、正逆２個のリールベース４
Ｆ，４Ｒに常時アイドラギヤ５Ｆ，５Ｒを噛合せ
たもので、例えば、テーププレーヤのプレイモー
ドにおいて、テープ引き出し用のリールベースに
バツクテンシヨンをかけながら、巻き取り用のリ
ールベースでテープを巻き取ることにより、テー
プの弛みの除去を可能としたものである。

しかし、本発明は、この実施例に限定されるも
のではなく、例えば、図中各アイドラギヤ５Ｆ，
５Ｒを支持しているアームを、従来からアイドラ
ギヤの切り換え手段として知られる何等かの機構
を利用して強制的に回動させることで、一方のア
イドラギヤ５Ｆのみをそれに対応するリールベー
ス４Ｆに噛み合わせ、他方のアイドラギヤ５Ｒを
それに対応するリールベース４Ｒから切り離せ
ば、片方のリールベースのみを回転させるテープ
プレーヤのプレイ機構や早送り巻戻し機構にも適
用できる。

要するに本発明の重要な点は、リールベースの
回転方向がモータの正逆回転によつても変化する
ことがない点にあり、本発明の適用範囲は広い。

［発明の効果］ 以上説明した様に本発明によれば、揺動ギヤを
利用することで、駆動系の逆転を直ちに検出し、
これを今まで噛合つていたパワーギヤから切離す
様に構成したことにより、駆動系の逆転の際テー
プ途中が巻解かれ、テープに弛み、捩じれ、絡み
等が生じる恐れのない様な優れたテープレコーダ
のリールベース駆動機構を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、夫々本発明によるリール
ベース駆動機構の一実施例を示す平面図であり、
第１図はモータ正回転時、第２図はモータ逆回転
時を示す図である。 １……モータ、２……プーリーギヤ、３……モ
ータ側のパワーギヤ、４Ｆ，４Ｒ……リールベー
ス、５Ｆ，５Ｒ……アイドラギヤ、６Ｆ，６Ｒ…
…パワーギヤ、７……揺動ギヤ、８……パワーア
イドラギヤ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 正逆２個のリールベース４Ｆ，４Ｒを駆動す
   る正逆２個のパワーギヤ６Ｆ，６Ｒをモータによ
   り駆動し、このモータがリールベース４Ｆ，４Ｒ
   の駆動とは異なる目的で逆転されるテープレコー
   ダのリールベース駆動機構において、 前記正逆のパワーギヤ６Ｆ，６Ｒは互いに噛み
   合わされ、 このパワーギヤ６Ｆ，６Ｒの近傍には、モータ
   の正逆２方向の回転に伴つて正逆２方向に回転す
   る揺動ギヤ７が設けられ、 この揺動ギヤ７は、モータの回転方向に応じて
   前記正逆のパワーギヤ６Ｆ，６Ｒのいずれかの側
   に揺動し、これらパワーギヤ６Ｆ，６Ｒのいずれ
   かに常時噛み合い、モータが正逆いずれの方向に
   回転しても正逆２個のリールベースが常時一定方
   向に回転することを特徴とするテープレコーダの
   リールベース駆動機構。