JPH045777B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、ガイドブラケツト、ガイドバーフ
レーム、ガイドバーを具備した経編機のガイドバ
ー構造に関し、さらに詳しくは、少なくとも一つ
のガイドロツドとそれに相対的に移動可能な軸受
とを有する連結機構を介して、ガイドバーフレー
ムとガイドブラケツトとが連結されるとともに、
上記ガイドバーがガイドバーフレームに取着され
た経編機のガイドバー構造に関する。

（従来技術） 経編機のガイドバー構造に関しては、DE−
GM1857100号に記載されている。

この構造では、ガイドバーはガイドバーフレー
ムによつて支持され、このフレームにはガイドロ
ツドが取着されている。

上記ガイドロツドは、ガイドブラケツトのボー
ル軸受（ボールベアリング）のスリーブ内に、軸
方向に移動可能に配設されている。

（発明が解決しようとする課題） 上記ガイドバー構造では、要求される編地模様
を得るために軸方向の運動に変換するローラある
いはカム板などの駆動機素に、著しい摩耗が発生
することが知られている。

このため、本発明は、運動する各部品（機素）
が摩耗を起こさないような経編機のガイドバー構
造を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） この課題は、少なくとも一つのガイドロツドと
それに相対的に移動可能な軸受とを有する連結機
構を介して、ガイドバーフレームとカイドブラケ
ツトとが連結されるとともに、ガイドバーが上記
ガイドバーフレームに取着されることによつて解
決される。

（実施例） 一つの好ましい実施例としては、ガイドバーフ
レームの重心点を軸受の垂直下方の区域に位置さ
せることである。これにより軸受には、非常に僅
かの回転モーメントしか作用しなくなる。従つ
て、軸受に、該軸受に働く偏荷重（回転モーメン
ト）に起因する傾き防止のための、対応措置を講
じておく必要がなくなる。

ガイドバーフレームが、その「幅」の1.5倍〜
2.5倍まで、特に２倍に相当する寸法の「幅」を
有するガイドバー取り付け用のフランジ部を備え
ている場合には、構造的に優れた構造となる。こ
れにより、ガイドバーフレームの重量は更に軽減
される。何故なら、ガイドバー構造における安定
性の欠如は、より強固に形成しなければならない
ガイドバーによつてより増加するためである。

その場合、取り付け用のフランジ部分をガイド
バーフレームの中心軸に対して対称的なものにす
ると、構造的に優れた構造となる。この構造もま
た、軸受への回転モーメントをできるだけ小さく
することに寄与する。

また、好ましい構造としては、ガイドバーフレ
ームが、軸受として二つの相互に平行に配置され
たスリーブを有し、これらのスリーブがガイドバ
ーフレームの上端部と下端部に配置されることで
ある。

ガイドバーフレームはガイドロツド上を往復す
べり運動さえすればよいのであるから、従来の構
造のように、ガイドバーフレームがガイドロツド
を固定して、相互に平行、即ち歪み防止のために
保持するときに比べて、剛性を低く設計すること
が可能となる。

この場合、上述のように、上記二つのスリーブ
を部材で相互に連結すると、効果的な構造とな
る。この構造は、上記従来の剛性の高いガイドバ
ーフレームの構造に比べて著しい重量軽減をもた
らす。

上記ガイドバーフレームの断面を二つの縦部材
と一つの横部材を具備したＨ型状に構成すると、
上記従来のものに比べて非常に優れた構造とな
る。

このような形状は、材料を節約しつつ大きな剛
性をもたらす。

縦部材の「幅」がスリーブの外径に相当する
と、また構造的に優れた構造となる。ここで縦部
材の「幅」というのは、縦部材の材料の厚さでは
なく、ガイドロツドの軸方向に垂直の方向の寸法
のことである。

これにより、ガイドバーフレームは外形的にコ
ンパクトな形状となり、軸受支持の構造的な面に
おいても、組み立て作業においても優れた構成で
あるは明瞭である。

また、横部材の「幅」、即ちガイドロツドの軸
方向の寸法が、スリーブの長さに相当する寸法で
ある場合は、構造的に優れた構造となる。この構
造により、ガイドバーフレームは、その軸方向の
運動領域を狭めることのない条件下において、最
も安定した且つコンパクトな形状となる。

横部材が縦部材を越えて外方に突出しているこ
とは、構成上優れた構成となる。換言すれば、縦
部材がスリーブの端に位置しないよう、スリーブ
のほぼ中央にずらして配置されるのがよい。この
構成は、突出している横部材の端面だけを切削す
ればよいのであるから、スリーブの端面の表面加
工を容易にすることになる。

ガイドバーフレームは鍛造で成形するのが好ま
しい。何故なら、鍛造された材料は、鋳込みされ
た材料よりも剛性が大きいので、鍛造は鋳込みよ
りも重量的に軽減できるためである。

一つの好ましい実施例としては、ガイドバーの
「高さ」は少なくとも「幅」の２倍にすることで
ある。これにより、上下方向の運動においる安定
性が向上する。

特に、ガイドバーの「高さ」を「幅」の2.5倍
とするのが最適である。

以下、本発明にかかる一つの優れた実施例を、
図面を参照しながらさらに具体的に説明する。第
１図はガイドバー機構の全体図、第２図は第１図
の一部を拡大した部分拡大図、第３図は第２図の
Ａ−Ａ切断矢視図、第４図はガイドバー機構の部
分斜視図である。

ガイドバー１にはガイド１８が取着され、この
ガイドバー１は、プツシユロツド２２を介して、
往復運動する。また、このプツシユロツド２２
は、カム軸受２０に支持されるカム１９によつて
作動させられるよう構成されている。

第１図において、ガイドバー１の左方への移動
（往行運動）はカム１９の押圧によつて生じ、右
方への移動（復帰運動）はスプリング係止金具２
３とカム軸受２０との間に配設されたスプリング
２１の弾性作用により生じる。

上記ガイドバー１は、複数のガイドバーフレー
ム６により支持されている。このガイドバーフレ
ーム６は、それぞれ一つのガイドブラケツト４に
より、該ガイドブラケツト４に対して相対的に移
動可能に、支持されている。

上記各ガイドブラケツト４は、共通軸１５に該
軸１５と一体的に回転するよう固着され、この共
通軸１５は軸受１６によつて回転自在に支承され
ている。

そして、上記共通軸１５は、揺動レバー１７に
より所定の角度だけ回転させることが可能な構成
となつている。

各ガイドブラケツト４には、２本のガイドロツ
ド２，７が、相互に平行に、且つ剛構造即ち移動
しないよう、配設されている。

このガイドブラケツト４は、構造的に非常に安
定した構造となつているため、ガイドロツド２，
７はそれらの平行な位置関係が変わつたり、また
相互に歪むようなことは殆どない。

第２図〜第４図に図示するように、各ガイドバ
ーフレーム６は、ガイドロツド２，７にその軸方
向に移動可能に支持され、軸受の一部を構成する
二つのスリーブ５，９を有する。基本的には、例
えば、すべり軸受などのように軸方向の運動を許
容する軸受であればよいが、本件の場合、ボール
２６がスリーブ３，８内に配設されているボール
軸受であることが好ましい。

この軸受構造においては、ボール２６はスリー
ブ３，８内に永遠に保持される。

ガイドロツド２，７上における上記スリーブ
３，８の運動は、一方の側（一端）においてはガ
イドブラケツト４に当接することにより規制さ
れ、他方の側（他端）においてはガイドロツド
２，７上の溝内に嵌合されているスナツプリング
１０，１１に当接することにより規制される。

ボール軸受のスリーブ３，８は、固定されてい
るガイドロツド２，７に対して、ガイドバーフレ
ーム６の移動速度の半分の相対速度で移動する。

そして、ボール軸受のスリーブ３，８が一番右
側の位置に位置しているとき、即ちスナツプリン
グ１０，１１に当接しているときは、ガイドバー
フレーム６も同様にその右端の位置に位置するこ
とになり、そのとき、スリーブ５，９の右端面は
スリーブ３，８の端面にほぼ一致する。

ボール軸受のスリーブ３，８が、左端の位置に
位置したとき、即ち、ガイドブラケツト４に当接
しているときは、ガイドバーフレーム６もガイド
ロツド上の左端に位置し、そのときスリーブ５，
９の左端面は基本的にボール軸受スリーブ３，８
の左端面に一致する。

即ち、ボール軸受のスリーブ３，８は、スリー
ブ５，９よりも幅が広く、特に好ましくは、ガイ
ドバー１が移動する距離のほぼ半分相当分だけ広
く（長く）構成されることである。

上記スリーブ５，９は、断面がＨ型状を呈する
連結部材により連結されている。この連結部材の
Ｈ型状は、二つの縦部材１２，１３と一つの横部
材１４で形成され、横部材１４は、上記縦部材１
２，１３のほぼ中央に位置して、ガイドバーフレ
ーム６のほぼ全幅、即ちスリーブ５，９のほぼ全
幅にわたる「幅」を有する。

上記縦部材１２，１３は、ガイドバーフレーム
６の端面よりやや内側、即ちやや中央よりにずら
して配置されているので、スリーブ５，９の端面
の加工が容易となり、この加工の際に縦部材１
２，１３の加工も同時にしなければならないとい
うことはない。

上記縦部材１２，１３の「幅」は、基本的にス
リーブ５，９の外径に等しくなつている。これに
より、外側に突出する部分がないので、ガイドバ
ーフレームは非常にコンパクトな外形を得ること
になる。従つて、ガイドバーフレームは、簡単に
積み重ねでき、格納や取り扱いが容易になる。

また、上記ガイドバーフレーム６は、ガイドバ
ー１側において、「幅」が、中間部の幅のほぼ1.5
倍〜2.5倍の幅となつた、フランジ部２７を形成
している。

ガイドバーフレーム６の中間部の幅をこえて突
出して形成されるフランジ部２７の端部には、ガ
イドバー１をガイドバーフレーム６に取りつける
ためのボルト２４，２５用の取付孔が形成されて
いる。

ガイドバー１の「高さ」は、その「幅」の少な
くとも２倍なくてはならない。上記ガイドバー１
の「高さ」とは第２図に図示する紙面上における
上下方向の寸法で、「幅」とは同じく第２図の紙
面に垂直な方向の寸法（大きさ）である。この構
成により、ガイドバー１は、ガイドバーフレーム
６の上記移動方向（軸方向）に垂直な方向、即ち
ガイド１８の縦軸（長手方向）に平行な方向にお
いて比較的大きな剛性を得ることができる。

上記ガイドバーフレーム６の上記移動方向に垂
直な方向への移動は、運転時において、軸方向の
移動運動と重複して生ずるため、上記ガイドバー
１の「高さ」と「幅」の寸法を誤るとガイドバー
１の振動を直ちに惹起させる可能性がある。

上述のような、ガイドバー１の改善された自己
安定性により、上記危険が回避される。

組み立ての際、ガイドバーフレーム６はガイド
バー１にボルト２４，２５により取り付けられ
る。その後、ガイドバーフレーム６は、ガイドロ
ツド２，７に取着される。

そして、次にスナツプリング１０，１１をガイ
ドロツト２，７上に嵌め込み、ガイドバーフレー
ム６を所定の位置に配設する。

（発明の作用及び効果） 上記構成により、運動する部品（駆動機素）の
著しい重量軽減が達成され、それにより、加速し
なければならない質量が減少する。

この結果、駆動機素への負荷は軽減される。

しかも、復帰するときの加速に必要な力も少な
くなるので復帰のためのスプリングを小さくする
ことができる。小さくなつたスプリングは、また
更に駆動機素への負荷を軽減する。

ガイドロツドは、支持する機能を有する機素で
あるため、基本的には剛性の高い部材とする必要
があるが、本発明ではそれ自体運動しないので、
剛性の高い部材としても不都合は生じない。従つ
て、設計者は、ガイドロツドのサイズの選択が自
由となる。ガイドロツドは、上記従来の構造のも
ののように、自重を支える必要がないため、小さ
いものでよい。このことは、コストの節約に寄与
する。

他方、ガイドロツドの重量は、ガイドバーの運
動に関係しないので、従来のものより大きくなつ
ても差し支えない。このように従来のものより大
きくすることができるので、このガイドロツドに
ガイドバーフレームを安定した状態で取り付け可
能となる。

ガイドバーブラケツトは、基本的にガイドバー
フレームよりも歪みに対して強い構造にすること
ができる。

ガイドロツドがガイドブラケツトに強固に取り
付けられていれば、ガイドロツドを相互に平行に
保つことを妨げるような、軸受からの歪み力に対
しより大きい安定性が生じる。

上述のように重量軽減が達成できると、結果的
に、駆動機素は摩耗を発生させることなく、より
大きい作動速度を実現することができる。

また、上述のように重量が軽減されると、ガイ
ドバーをより安定させることにもなるため、ガイ
ドバーの振れが容易に発生しなくなる。

ガイドバーがより安定すれば、これを支持する
ガイドバーフレームの個数を減らすことができ、
更に重量の軽減に寄与する。

しかも、本発明にかかる構造では、復帰のため
のスプリングをより小さくできるので、これもま
たコスト低減に寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図はガイドバー機構の全体図、第２図は第
１図の一部を拡大した部分拡大図、第３図は第２
図のＡ−Ａ切断矢視図、第４図はガイドバー機構
の部分斜視図である。 １……ガイドバー、２，７……ガイドロツド、
５，８……軸受、６……ガイドバーフレーム、１
２，１３……縦部材、１４……横部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガイドブラケツト、少なくとも一つのガイド
   ロツドとそれに相対的に移動可能な軸受を有する
   連結機構を介して、上記ガイドブラケツトに連結
   されるガイドバーフレーム、及びこのガイドバー
   フレームに取着されるガイドバーを備えた経編機
   のガイドバー構造において、 上記ガイドロツド２，７がガイドブラケツト４
   に、軸受５，８がガイドバーフレーム６にそれぞ
   れ取り付けられていることを特徴とする経編機の
   ガイドバー構造。 ２ 前記ガイドバーフレーム６の重心点が、上記
   軸受５，９の垂直下の地域にあることを特徴とす
   る請求項第１項記載の経編機のガイドバー構造。 ３ 前記ガイドバーフレーム６が、「幅」がガイ
   ドバーフレーム６の「幅」の1.5倍から2.5倍、特
   に２倍であるような、ガイドバー１のための取り
   付け用のフランジ部２７を有することを特徴とす
   る請求項第１項あるいは第２項記載の経編機のガ
   イドバー構造。 ４ 前記取り付け用のフランジ部２７が、ガイド
   バーフレーム６の中心軸に対して対称的に配置さ
   れていることを特徴とする請求項第１項から第３
   項までのいずれか一つの項に記載の経編機のガイ
   ドバー構造。 ５ 前記ガイドバーフレーム６が、軸受の一部と
   して２つの相互に平行に配置されたスリーブ５，
   ９を有し、これらのスリーブが該ガイドバーフレ
   ームの上端部位と下端部位に配置されていること
   を特徴とする請求項第１項から第４項までのいず
   れか一つの項に記載の経編機のガイドバー構造。 ６ 前記スリーブ５，９が、部材１２，１３，１
   ４により相互に連結されていることを特徴とする
   請求項第５項に記載の経編機のガイドバー構造。 ７ 前記ガイドバーフレーム６が、その断面形状
   において、二つの縦部材１２，１３と一つの横部
   材１４で断面Ｈ型状に形成されていることを特徴
   とする請求項第５項あるいは第６項に記載の経編
   機のガイドバー構造。 ８ 前記縦部材１２，１３の「幅」が、スリーブ
   ５，９の外径寸法に相当する寸法を有しているこ
   とを特徴とする請求項第６項あるいは第７項に記
   載の経編機のガイドバー構造。 ９ 前記横部材１４の「幅」が、寸法的にスリー
   ブ５，９の長さに相当する寸法を有していること
   を特徴とする請求項第６項から第８項までのいず
   れか一つの項に記載の経編機のガイドバー構造。 １０ 前記横部材１４が、寸法的に縦部材１２，
   １３を越えて、外側に突出していることを特徴と
   する請求項第７項から第９項までのいずれか一つ
   の項に記載の経編機のガイドバー構造。 １１ 前記ガイドバーフレーム６が、鍛造で成形
   されていることを特徴とする請求項第１項から第
   １０項までのいずれか一つの項に記載の経編機の
   ガイドバー構造。 １２ 前記ガイドバー１の「高さ」が、寸法的
   に、少なくとも該ガイドバー１の「幅」の２倍に
   達することを特徴とする請求項第１項から第１１
   項までのいずれか一つの項に記載の経編機のガイ
   ドバー構造。 １３ 前記ガイドバー１の「高さ」が、寸法的
   に、該ガイドバー１の「幅」の2.5倍に達するこ
   とを特徴とする請求項第１２項に記載の経編機の
   ガイドバー構造。