JPH0455660B2 - - Google Patents

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JPH0455660B2
JPH0455660B2 JP10322387A JP10322387A JPH0455660B2 JP H0455660 B2 JPH0455660 B2 JP H0455660B2 JP 10322387 A JP10322387 A JP 10322387A JP 10322387 A JP10322387 A JP 10322387A JP H0455660 B2 JPH0455660 B2 JP H0455660B2
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JP
Japan
Prior art keywords
acid
kojic acid
food
tyrosinase
ascorbic acid
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP10322387A
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English (en)
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JPS63269942A (ja
Inventor
Ryutaro Fukazawa
Hitomi Wakabayashi
Yoshiko Natori
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Kasei Co Ltd
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Publication date
Application filed by Seiwa Kasei Co Ltd filed Critical Seiwa Kasei Co Ltd
Priority to JP62103223A priority Critical patent/JPS63269942A/ja
Publication of JPS63269942A publication Critical patent/JPS63269942A/ja
Publication of JPH0455660B2 publication Critical patent/JPH0455660B2/ja
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  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は多くの食品中に存在するチロシナーゼ
を抑制する方法及びそれに使用される組成物に関
し、食品の保存中にそれ自身が保有するチロシナ
ーゼ活性によつて変色劣化しやすい食品特に茸
類、甲穀類、果実野菜類の鮮度を保つ方法及びそ
れに使用される製剤を提供するものである。 [従来の技術] 食品中のチロシナーゼ抑制剤としては、従来二
酸化硫黄製剤が用いられており効果的にも優れた
ものが見られているが、他面その毒性のために我
国においては食品衛生法上エビにおいては
100ppm以下、カニその他一般食品においては
30ppmとの残存規制があり、更にアメリカ等諸外
国では禁止措置の採られている所もあつて、国際
的に物流の激しい現在、安全性の高い天然物から
の食品用チロシナーゼ抑制剤の出現が待望されて
いた。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明者等は長期にわたり天然物中のチロシナ
ーゼ抑制物質について献策を重ねてきた。近時特
開昭61−143313号、61−143314号において麹酸が
チロシナーゼ抑制作用を有し、ローシヨン剤、乳
剤として、しみ、雀斑の消去に有効であることが
開示された。 本発明者等はこれの食品分野への適用を試み、
甲穀類(エビ)及び茸(マツシユルーム)よりチ
ロシナーゼを抽出しin vitroでチロシンと混合し
メラニン化する反応を験したところその効果を確
認した。しかしながら、麹酸を用いてin vivoの
実験をしたところ、in vitroで有効な麹酸濃度の
数十倍を用いてもエビ、カニ等甲穀類の黒変およ
びマツシユルーム、椎茸等茸類の褐変を抑制する
ことは出来なかつた。本発明者等は麹酸の性質を
利用した甲穀類、茸類等食品中のチロシナーゼを
抑制する実用的な方法及び抑制剤の開発について
検討した。 [問題点を解決するための手段] 本発明者等は、in vivoにおける麹酸の効果の
不活性化を阻止することを検討し、数多くのシネ
ルギストを探索した結果、アスコルビン酸及びそ
のアルカリ金属塩が非常に有効であることと共
に、対象とする食品によつてチロシナーゼを抑制
するためのPHを変えることによつて、一層有効に
働くことを見出して本発明を完成した。 即ち、本発明は、第一に、麹酸及びアスコルビ
ン酸若しくは(及び)アスコルビン酸のアルカリ
金属塩(以下「アスコルビン酸類」という)の混
合物の水溶液にPH約3.0以上約7.0以下において食
品を接触させることを特徴とする食品のチロシナ
ーゼ抑制方法を提供するものであり、また第二
に、麹酸及びアスコルビン酸類を含有し対象とす
る食品に応じて使用時PH約3.0以上約7.0以下に調
整可能な緩衝液からなる食品のチロシナーゼ抑制
剤を提供するものである。 本発明のチロシナーゼ抑制剤および抑制方法を
適用する食品としては、食品自体にチロシナーゼ
を有するものならば特に限定されないが、保存期
間と変質劣化のし易さ、および食品の商品として
の経済価値等から甲穀類特にエビ類および茸類に
対する適用が好適である。 アスコルビン酸類を添加せずに、麹酸のみにて
チロシナーゼを抑制しようとすると、たとえ冷蔵
で数日の間であつても(5℃、7日間)約
10000ppm以上の麹酸を必要とし、単に経済的に
全く無意味な数字であるばかりでなく、茸類の場
合には却つて茸を萎凋させる結果となつた。しか
るに麹酸に僅かなアスコルビン酸類を添加すると
驚くほど少量の麹酸で効果を示した。例えば甲穀
類の場合アスコルビン酸150ppmの添加によつて、
麹酸の量は約200ppmに減少し、更に溶液のPHを
約3.0〜約5.0に調整することによつて、麹酸の量
は約400〜約500ppmに減少させることが出来た。
更に詳細に述べるならばアスコルビン酸類約
30ppm〜約200ppmを配合することにより麹酸約
100ppm以上で明らかに効果が認められ約450ppm
でほぼ最高の効果が得られた。又、茸類の場合は
アスコルビン酸類200ppmを添加しPHを5.0〜7.0
に調整することによつて、麹酸の好適濃度を約
200ppmにまで減少させることが出来た。この場
合においてもアスコルビン酸類を約50ppm〜約
200ppm配合することにより麹酸約50ppm以上で
明らかに効果が認められ約200ppmでほぼ最高の
効果が得られた。通常甲穀類の場合にはアスコル
ビン酸類の添加量は麹酸より少ない量例えば約半
分から約4分の1程度好ましくは約3分の1程度
でよく、溶液のPHは約3.0〜約5.0が好ましい。ま
た、茸類の場合にはアスコルビン酸類の添加量は
麹酸と同等程度が好ましいが、それより少なくて
も又多くても抑制効果はある。この場合溶液のPH
は約5.0〜約7.0が好ましい。又、野菜類において
も、種類によつて多少の差はあるものの大体約
150ppm〜約450ppmの麹酸と約50ppm〜約
150ppmのアスコルビン種類を用いて黒変を防止
することが出来た。 溶液のPHを調整するには麹酸およびアスコルビ
ン酸類を添加した溶液に直接アルカリ又は酸を添
加してもよいが、適当な緩衝液を使用するのが好
ましく、そのような緩衝液の例としてはクエン酸
−リンゴ酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝
液、酢酸緩衝液、トリス緩衝液、ベロナール緩衝
液等多くの緩衝液が挙げられる。食品を対象とし
た場合には緩衝液も食添が使用される。 [実施例] 次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれによつて限定されるもので
はない。なお、以下の実施例において、麹酸は関
東化学株式会社製の試薬を使用し、他の全て食添
規格の物を用いた。 実施例 1 エビの黒変防止例 まず、次の製剤を調整した。
【表】 各製剤の1%水溶液のPHは、夫々次のとおりで
ある。 製剤A(2.8)、B(3.3)、C(4.6)、D(5.5)。 活マキエビ50尾を5℃の冷蔵庫中で殺した後、
10尾づつ5群に分けてa、b.、c、d、eとし
た。a、b、c、dを夫々製剤A、B、C、Dの
1%水溶液中に1分間浸漬した後トレイに引き上
げて蓋を、5℃に7日間保管した。eは水1に
1分間浸漬した後同様保管した。 経日的な黒変(1ケ所でも黒い斑点がでたと
き)は次表の通りであつた。表中の分数において
分子は黒変の見られたエビの尾数である。
【表】 実施例 2 マツシユルームの褐変防止
【表】 各製剤の1%水溶液のPHは次のとおりであつ
た。 製剤A(4.6)、B(5.2)、C(7.0)、D(7.4). カツトエンドも完全に白色のマツシユルーム50
ケを、10ケづつ5群に分け、夫々a、b、c、
d、eとした。上記a、b、c、dの4群のマツ
シユルームに夫々製剤A、B、C、Dの1%水溶
液を全体がやや湿気を帯びる程度に噴霧したのち
トレイに置きビニールシートを覆い、10℃で5日
間保管した。eは水のみの噴霧して同様に保管し
た。経日的なマツシユルームの褐変は下記の通り
であつた。表中の分数における分子は褐変が見ら
れた個数である。
【表】 実施例 3 バレイシヨの褐変防止
【表】 各製剤の1%水溶液のPHは次のとおりであつ
た。 製剤A(4.9)、B(5.4)、C(6.2)、D(7.0). 洗浄して皮をむいた500gをスライスした後100
gづつ5群に分け夫々a、b、c、eとした。
a、b、c、dを夫々製剤A、B、C、Dの1%
水溶液200mlに浸漬した後、水気を切りトレイに
置きビニルシートで覆い室温(20℃)で保管し
た。Eは水に浸漬した後同様に保管した。経時的
なバレイシヨの褐変は次のとおりであつた。尚、
褐変の程度は−、±、+、+++++で表し+が増える
につれて褐変が進んでいることを示す。
【表】 実施例 4 リンゴの褐変防止
【表】 各製剤の1%水溶液のPHは次のとおりであつ
た。 製剤A(3.0)、B(3.6)、C(4.4)、D(5.2). リンゴ500gの皮と芯をとつてスライスし、100
gづつ5群に分け、夫々a、b、c、d、eとし
た。上記a、b、c、dの4群を夫々製剤A、
B、C、Dの1%水溶液200mlに30秒間浸漬した
後水を切り、トレイに引き上げビニルフイルムで
覆い室温(20℃)で保管した。eは水200mlに30
秒浸漬後同様に保管した。経時的な褐変は下記の
とおりであつた。褐変の程度は−、±、+、+++++
で表し、+が増えるにつれて褐変が進んでいるこ
とを示す。
【表】 [参考例] 麹酸、アスコルビン酸によるエビの黒変防止例 製 剤 A B 麹 酸 4.5 アスコルビン酸 1.5 クエン酸(結晶) 58.0 58.0 無水リン酸二Na 36.0 36.0 食 塩 1.5 4.5 食中の数字は(w/w%)を示す。 麹酸は関東化学株式会社製の試薬を使用し他は
すべて食添規格のものを用いた。 活マキエビ20尾を5℃の冷蔵庫中で殺した後、
10尾づつ2群に分けてa、bとした。a、bをそ
れぞれ製剤A、Bの1%水溶液中に1分間浸漬し
た後、トレイに引き揚げて蓋をし、5℃に7日間
保管した。経時的な黒変は次の通りであつた。表
中の分数において。分子は黒変のみられたエビの
尾数である。
【表】 本参考例に見ることく、麹酸、アスコルビン酸
それぞれ単独ではエビの黒変を防止することはで
きないが、実施例1にみられるように、併用によ
つて、はじめてチロシナーゼを不活性化して、エ
ビの黒変を防止することができる。 [発明の効果] 麹酸及びアスコルビン酸若しくは(及び)アス
コルビン酸のアルカリ金属塩の混合物を、対象と
する食品に応じてPHを約3.0以上約7.0以下で作用
させることによつて、該食品中に含まれるチロシ
ナーゼの活性を抑制することができ、それら食品
の黒褐変を防止することができた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 麹酸及びアスコルビン酸若しくは(及び)ア
    スコルビン酸のアルカリ金属塩を含有した対象と
    する食品に応じて使用時PH約3.0以上約7.0以下に
    調整可能な緩衝剤からなる食品のチロシナーゼ抑
    制剤。 2 麹酸及びアスコルビン酸若しくは(及び)ア
    スコルビン酸のアルカリ金属塩の混合物の水溶液
    にPH約3.0以上約7.0以下において食品を接触させ
    ることを特徴とする食品のチロシナーゼ抑制方
    法。
JP62103223A 1987-04-28 1987-04-28 食品のチロシナ−ゼ抑制剤 Granted JPS63269942A (ja)

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