JPH0454428B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、Ｘ線透視撮影用のテレビジヨンカメ
ラ（以下「TVカメラ」という。）からの映像信
号をサンプリング処理して得た制御信号を利用し
てＸ線透視時に最適画像が得られ、あるいはＸ線
撮影時に最適撮影条件が得られるようにしたＸ線
テレビジヨン装置に関するものであり、表示画像
の拡大度の変化等によりTVカメラからの映像信
号の情報量が変化しても常に同じ制御信号が得ら
れるようにしようとするものである。

〔背景技術〕

Ｘ線テレビジヨン装置として第１図に示すもの
がある。このＸ線テレビジヨン装置は、Ｘ線制御
装置１によつて制御されるＸ線発生装置２からＸ
線が被写体３を透過してスポツト装置４に投射さ
れるようにして、そして、被写体３を透過したＸ
線による像をイメージインテンシフアイアー５を
用いて螢光像に変換し、この螢光像を撮像管６に
よつて撮像しこの撮像管を含むTVカメラ７によ
つて電気的な映像信号に変換し、そして、この映
像信号に基づいてテレビジヨンモニタ８により画
像を表示させるようにし、それと共にTVカメラ
７から出力されたその映像信号を映像処理装置９
へ送出し、該映像処理装置９によつて各種制御信
号を形成するようにしてなる。そして、この映像
処理装置９によつて形成される制御信号には、例
えば、TVモニタ８の表示画像の輝度を常に適正
なものにすべくイメージインテンシフアイアー５
の出力像の輝度を自動的に調整するための制御信
号、TVカメラ７の利得を自動的に制御するため
の制御信号等がある。

そして、映像処理装置９は映像信号中の特定部
分を抽出するためのサンプリング回路１０と、こ
の抽出信号に基づいて制御信号を形成する信号処
理回路１１とからなる。

このＸ線テレビジヨン装置においては、イメー
ジインテンシフアイアー５の入力部の視野をイメ
ージインテンシフアイアー高圧回路切換器１２の
信号によつて切換え、その切換によつてインテン
シフアイアー出力部に生じる螢光像を拡大させる
ことができるようにされている。このようにして
螢光像を拡大させる方式は電子光学的拡大方式と
称され、第２図ａ，ｂは電子光学的拡大方式の原
理説明図である。第２図においてａは視野１３を
大きくして比較的拡大率の小さな螢光像がイメー
ジインテンシフアイアー５の出力部１４に生じる
ようにした例を示し、同図ｂは逆に視野１３を小
さくして比較的拡大率の大きな螢光像が出力部１
４に生じるようにした例を示す。

又、このＸ線テレビジヨン装置においては、
TVカメラ７の偏向コイル１５に流れる偏向電流
を偏向電流切換回路１６によつて切換えてイメー
ジインテンシフアイアー５の出力部に生じた螢光
像の偏向サイズを変化させてTVモニター７の表
示面像を拡大することができるようにされてい
る。第３図ａはイメージインテンシフアイアー出
力部１４の螢光像の偏向サイズ１７が標準の場合
におけるその出力部１４の螢光像とテレビジヨン
モニタ８の表示画像とを示し、同図ｂは同じく偏
向サイズ１７が縮小サイズである場合における出
力部１４の螢光像とテレビジヨンモニタ８の表示
画像とを示す。尚、第２図及び第３図におては説
明の便宜上Ｘ線像としてアルフアベツト「Ａ」を
例にした。

〔背景技術の問題点〕

ところで、このようなＸ線テレビジヨン装置に
おいては、偏向サイズの切換によつて１水平周期
における情報量が変化してしまうという問題があ
る。この問題について第４図及び第５図に従つて
詳細に説明する。

第４図は撮像管６の偏向サイズを切換えること
により映像信号の情報量が変化することの説明図
であり、この図においては説明の便宜上イメージ
インテンシフアイアー５の入力部１３のＸ線像と
してＸ線が透過しない鉛像１８が想定されてい
る。同図では偏向サイズ１７が標準サイズの場合
におけるイメージインテンシフアイアー５の出力
部１４の像Ｍと、偏向サイズが縮小サイズの場合
における同じく出力部１４の像M′とが示されて
いる。そして第５図ａは偏向サイズ１７が標準サ
イズの場合の１水平周期における映像信号（第４
図のＭと対応）１９及びそれをサンプリングして
得られた信号２０の波形を示し、同図ｂは偏向サ
イズ１７が縮小サイズの場合の１水平周期におけ
る映像信号（第４図のM′と対応）２１及びそれ
をサンプリングして得られた信号２２の波形を示
し、そして、同図ｃはそのサンプリングに用いた
サンプリング信号２３の波形図である。

これらの図から明らかなように、サンプリング
された信号２０及び２３は螢光像が拡大されてい
ないかあるいは拡大されているかによつて情報量
が大きく異なつてしまう。そのため、このサンプ
リングされた信号を信号処理回路１０によつて処
理した場合信号処理回路１０から得られる制御信
号がその情報量の大小によつて大きく変化されて
しまうという問題があつた。そこで、従来におい
ては信号処理回路１１の感度を予め調整して情報
量が略同一になるようにする試みが為された。し
かしながら、感度調整量が一定のため映像信号の
情報量の多様な変化に追随させることが困難ある
いは不可能であつた。尚、上記説明は水平期間に
ついてであつたが、垂直期間に関しても同様な問
題が生ずる。

〔発明の目的〕

しかして、本発明は、表示画像の拡大度の変化
等によりTVカメラからの映像信号の情報量が変
化しても常に同じ制御信号が得られるようにする
ことを目的とするものである。

〔発明の構成〕

上記目的を達成するための本発明の構成は、Ｘ
線像をイメージインテンシフアイアによつて光学
像に変換し、これをテレビジヨンカメラで撮像し
て映像信号に変換し、画像表示すると共に、前記
映像信号をサンプリング回路により処理して光学
像を輝度やテレビジヨンカメラの利得等を制御す
るための制御信号を作成する映像信号処理手段を
備えたＸ線テレビジヨン装置において、前記イメ
ージインテンシフアイアの光学像の拡大率を変化
させる第１の切換回路と、前記テレビジヨンカメ
ラによる撮像の拡大率を変化させる第２の切換回
路とをそれぞれ設け、前記第１と第２の切換回路
の切換状態を判断することにより映像信号の拡大
率を判断し、判別された拡大率に応じて前記サン
プリング回路のサンプリングパルスのパルス幅を
制御する制御手段を設けたことを特徴とするもの
である。

〔実施例〕

以下に、本発明を図示した実施例に従つて詳細
に説明する。

第６図は本発明の一実施例を示す回路ブロツク
図である。

このＸ線テレビジヨン装置は構成において第１
図に示したＸ線テレビジヨン装置とは、サンプリ
ング間隔制御回路２４を備えている点で相違して
いるが、他の点で共通しており、その共通部分に
ついての説明は重複するのでここでは省略し、相
違点、即ち、サンプリング間隔制御回路２４を備
えた点に関してのみ詳細に説明する。尚、本発明
は水平走査、垂直走査の双方に適用されるもので
あるが、以下では説明の便宜上水平走査期間の場
合を例として説明する。

サンプリング間隔制御回路２４は、偏向電流切
換回路１６の切換信号及びイメージインテンシフ
アイアー高圧回路切換器１２の切換信号を入力信
号として受けてその２つの切換信号の内容に応じ
たパルス間隔を有するサンプリングパルス信号を
映像処理装置９のサンプリング回路１０に送出す
るものである。即ち、上述したように、Ｘ線像の
大きさあるいは形が全く同じでも、イメージイン
テンシフアイアー高圧回路切換器１２によつてイ
メージインテンシフアイアー５の入力部１３にお
ける視野を変えると、出力部１４の螢光像の大き
さが変化し、それによつてTVカメラ７から出力
される映像信号の１水平周期内における情報量が
変化する。又、偏向電流切換回路１６によつて撮
像管６の偏向サイズを切換えた場合も同様に映像
信号の１水平周期内における情報量が変化する。
そこで、イメージインテンシフアイアー高圧回路
切換器１２の切換信号と偏向電流切換回路１６の
切換信号とから映像信号の１水平周期において予
期される情報量の大小をサンプリング間隔制御回
路２４において判断し、第７図ａに示すように映
像信号１９の情報量が多い場合はパルス間隔の狭
いサンプリングパルス信号２５を送出する。又、
逆に第７図ｂに示すように映像信号２１の情報量
が少ない場合はパルス間隔の広いサンプリングパ
ルス信号２６を送出する。すると、サンプリング
回路１０はそのサンプリングパルス信号を受け、
その受けた期間TVカメラ７からの映像信号を信
号処理回路１１へ送出する。

従つて、第７図ａに示すように情報信号１９の
情報量が多くてもそれに応じてサンプリング区間
が短くなるので、そのサンプリングされた信号２
７のパルス間隔が狭くなり、１サンプリング期間
内における情報量が多くならない。又、逆に、同
図ｂに示すように情報信号１９の情報信号が少な
くてもそれに応じてサンプリング区間が長くなる
ので、そのサンプリングされた信号のパルス間隔
が広くなり、１サンプリング期間内における情報
量はさして少なくはならない。依つて、サンプリ
ング回路１０からの信号を信号処理回路１１によ
つて処理して得る制御信号を映像信号の１水平周
期における情報量に依存しないようにすることが
できる。

〔発明の効果〕

以上に述べたように、本発明は、切換信号によ
つて映像信号のサンプリング間隔の長さをサンプ
リングされた信号の情報量が常に略一定になるよ
うにしたので、各種制御信号が像の拡大率等によ
つて変化してしまうことを防止することができ
る。

尚、上記実施例においては、電子光学的拡大方
式による視野の変化及び撮像管の偏向サイズの変
化による情報量の変化によつて制御信号が変化す
ることを防止するようにされている。しかし、本
発明はこれに限定されるものではなく、TVカメ
ラから出力される映像信号の情報量を変化させる
切換えを行うすべての切換方式にたいして、本発
明の適用によつてそのような切換えに基づく制御
信号の変化を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は従来例及びその問題点を説
明するためのもので、第１図は従来のＸ線テレビ
ジヨン装置の一例を示すブロツク図、第２図ａ，
ｂは電子光学的拡大方式の説明図で、ａは拡大度
が小の場合、ｂは拡大度が大の場合を示し、第３
図ａ，ｂは撮像管の偏向サイズ切換方式の説明図
で、ａは拡大度が小の場合、ｂは拡大度が大の場
合を示し、第４図は従来の映像信号をサンプリン
グする方法の説明図、第５図ａ〜ｃはそのときの
波形図、第６図は本発明の一実施例を示すブロツ
ク図、第７図ａ，ｂは本発明におけるサンプリン
グ方法を説明する波形図で、ａは映像信号の情報
量が多い場合を示し、ｂは同じく少ない場合を示
す。 ７……テレビジヨンカメラ，９……映像信号処
理装置、１２，１６……切換回路、２４……サン
プリング間隔制御回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ Ｘ線像をイメージインテンシフアイアによつ
   て光学像に変換し、これをテレビジヨンカメラで
   撮像して映像信号に変換し、画像表示すると共
   に、前記映像信号をサンプリング回路により処理
   して光学像を輝度やテレビジヨンカメラの利得等
   を制御するための制御信号を作成する映像信号処
   理手段を備えたＸ線テレビジヨン装置において、 前記イメージインテンシフアイアの光学像の拡
   大率を変化させる第１の切換回路と、前記テレビ
   ジヨンカメラによる撮像の拡大率を変化させる第
   ２の切換回路とをそれぞれ設け、前記第１と第２
   の切換回路の切換状態を判断することにより映像
   信号の拡大率を判別し、判別された拡大率に応じ
   て前記サンプリング回路のサンプリングパルスの
   パルス幅を制御する制御手段を設けたことを特徴
   とするＸ線テレビジヨン装置。