JPH0454146B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、調理時に発生する油煙などを室外に
排出する換気扇に関するものである。

従来の技術 一般に、台所において調理時に発生する油煙な
どを排出し、室内空気の汚れを防止する換気扇
は、油塵が付着することから汚れがはげしく、清
掃をひんぱんに行う必要があつた。そのため、フ
イルターを取り付けて油塵などを捕捉し、換気扇
本体の汚れを防止する方法が取られているが、こ
の場合、油塵などの集積によりフイルターにおけ
る圧力損失が増加して、処理風量の低下をきたす
とともに騒音の増加を生じていた。このため使い
捨てフイルターを用いて、適時交換を行うか、ま
たは、フイルターを本体から取りはずし清掃を行
なわねばならなかつた。しかし、フイルターを本
体から着脱するのは面倒であり、また清掃の間隔
が長い場合には、付着した油が空気中の酸素で酸
化されて固化し、汚れが強固に付着しておとすの
は非常な手間を要した。

ところで、これに対処するため第４図に示すよ
うに触媒を付加したフイルター１とこのフイルタ
ーを加熱するためのヒータ２をフイルター枠３に
おさめ、これを換気扇本体４の前面に取り付け、
油塵をフイルター１で捕捉後、ヒータ２に通電し
て加熱し、油を分解させ羽根５などの汚れを防止
する方法が提案されている。なお、図中の６はモ
ータ、７は支持部材、８はシヤツターを示す。

発明が解決しようとする課題 このような従来の換気扇では、油の分解時、分
解廃ガスが室内に流入するため、フアンを運転し
排気を行なわねばならない。しかし、排気量が多
いとヒータ２の容量が不足して、触媒が所定温度
まで到達せず、油は充分に分解されない。このた
め、速調切換えにより、モータ６の回転数を低下
させて排気量を減少させる方法があるが、現実的
なヒータの容量範囲内で触媒の所定温度を得るに
は、非常に低風量にする必要があり、モータ６の
回転数が制御範囲からはずれてしまう。特に雰囲
気温度が低い場合には、モータ６の回転が困難で
ある。

本発明は上記課題を解決するもので、清掃の手
間を省き、汚れの少ない換気扇を提供することを
目的としている。

課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、換気扇本
体の前面に、油を分解する触媒を付加したフイル
ターと、このフイルターを覆う開閉自在な前部シ
ヤツターと、この前部シヤツターの閉鎖時に前記
フイルターを加熱するヒータとを備え、前記前部
シヤツターは前記モータの停止あるいは低速回転
への切り替えに連動して閉鎖する構成としたもの
である。

作 用 本発明は上記した構成により、触媒を付加した
フイルターで排ガス中の油塵を捕捉後、ヒータで
加熱して油を分解し、この加熱の際、前部シヤツ
ターを閉じ、室内への分解廃ガスの流入を防止す
るとともに熱ロスを減少させる。また、フイルタ
ーに付着した油の量が少ないとき、すなわち分解
廃ガスの量が少ないときは、モータを停止して分
解廃ガスを後部から自然に排出し、多いときはモ
ータを運転して強制的に排出することができるも
のである。

実施例 以下、本発明の一実施例について第１図〜第３
図を参照しながら説明する。

図において、９は換気扇本体であり、内部にモ
ータ１０で回転される羽根１１を備え、前部には
保持枠１２で保持された触媒付のフイルター１３
を配設し、後部には後部シヤツター１４を備えて
いる。前記フイルター１３部には触媒を加熱する
ためのヒータ１５が設けられており、また換気扇
本体９の前面には、前記フイルター１３の前部を
開閉する前部シヤツター１６が設けられている。
なお図中の１７はモータ１０の支持部材である。

つぎにこの換気扇の動作を、フイルター１３へ
の油の付着量がそれほど多くない場合について、
第３図のタイムチヤートを参照しながら説明す
る。

引きひもあるいは遠隔操作などからなるモータ
用スイツチを閉じ、モータ１０を始動させて羽根
１１を回転させ、同時に前部シヤツター１６およ
び後部シヤツター１４を閉扉させ排気を開始す
る。この状態にて調理などに伴つて発生する汚染
物質を含む空気を室外に排気し、室内空気を清浄
に保つ。このとき、排気中に含まれる油塵をフイ
ルター１３で捕捉することにより換気扇本体の汚
れを防止する。調理の終了時など必要なる排気が
終了した時点でモータ用スイツチを開きモータ１
０を停止させ、前部シヤツター１６を閉じる。こ
の状態にてヒータ用スイツチを閉にしヒータ１５
に通電して加熱を開始する。加熱温度は触媒で油
を分解するのに必要な温度（通常200〜400℃）と
し、フイルター１３に捕捉された油は付加されて
いる触媒の作用により分解し、廃ガスを発生す
る。このとき後部シヤツター１４は油の分解廃ガ
スが外部に排出されるよう開いた状態に維持して
おく。また、ヒータ１５の通電開始とともにタイ
マーが付勢され、油の分解が終了するのに必要な
時間（通常数分間）が経過すればタイマーが消勢
されて、ヒータ用スイツチが開き、ヒータ１５へ
の通電が停止するようにしておく。その際、後部
シヤツター１４も同時に閉扉する。このようにす
れば、油塵などの汚染物質はフイルター１３で捕
捉され分解されるので、モータ１０、羽根１１な
どの換気扇本体部の汚れは大幅に低下し、清掃が
ほとんど不要となる。

上記のように前部シヤツター１６は排気中は開
き、排気終了後の油の分解時にはとじるため、油
の分解廃ガスが室内側に漏れにくくなる。なおモ
ータ１０は停止しているが、分解すべき油の量が
それほど多くないので、後部シヤツター１４を開
いておくことにより、自然排気で処理できる。

一方、フイルター１３への油の付着量が多い場
合は、モータ１４を停止させずに低速回転で運転
するように切り替えて、強制的に分解廃ガスを排
出する。この運転中、前部シヤツター１６が閉じ
られているので、換気扇本体９内は密閉状態に近
く、モータ１０の回転数の低下率が制御範囲内の
それほど大きなものでなくても、空気の量はかな
り少なくなり、油を分解するのに必要な温度を得
るためのヒータ１５の容量を無駄に大き目にして
おく必要はない。また、ヒータ１５は、通電時、
室内側への熱放散もなくなるので、この点から
も、容量を小さくできる。

なお実施例では、排気終了後かならず所定時間
ヒータ１５に通電する構成としているが、油の付
着量が少なければ、手動動作により必要なとき、
必要時間だけヒータ１５に通電する構成でもよ
い。

また第１図に示した実施例では前部シヤツター
１６は上部の右および左端を支点として上下に開
閉するタイプを示したが、右もしくは左端の上お
よび下部を支点として横方向に開くタイプでもよ
い。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれ
ば、触媒を付加したフイルターで排気中に含まれ
る油塵などの換気扇を汚染する物質を捕捉し、ヒ
ータで加熱して分解し排出する換気扇において、
フイルターに捕捉した油を分解するためにフイル
ターに付加した触媒をヒータで加熱するとき、前
部シヤツターを閉鎖し、かつこの閉鎖をモータの
停止あるいは低速回転への切り替えに連動して行
うようにしているので、油の分解廃ガスが室内に
流入しにくく、またフイルターへの油の付着量の
多少にかかわらず、ヒータの熱ロスを常に微少に
抑えて、油を分解して廃ガスを確実に排出するこ
とができる。したがつて、ヒータの熱容量を小さ
くする一方、汚れを大幅に径下させ、清掃の手間
を確実に省くことのできる換気扇を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の換気扇を示す断面
図、第２図は同換気扇の排気時の状態を示す斜視
図、第３図は同換気扇の作動状態を示すタイムチ
ヤート、第４図は従来の換気扇の断面図である。 ９……換気扇本体、１０……モータ、１１……
羽根、１３……フイルター、１５……ヒータ、１
６……前部シヤツター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部に羽根を固着したモータを備えた換気扇
   本体の前面に、油を分解する触媒を付加したフイ
   ルターと、このフイルターを覆う開閉自在な前部
   シヤツターと、この前部シヤツターの閉鎖時に前
   記フイルターを加熱するヒータとを備え、前記前
   部シヤツターは前記モータの停止あるいは低速回
   転への切り替えに連動して閉鎖する構成とした換
   気扇。