JPH0453434Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、家屋開口部より室外に向けて張出
すように取付ける出窓の隅角に直立する方立の取
付装置に関する。

（従来の技術） 周知の如く家屋開口部より室外に向けて取付け
る出窓の内、平面が三角型の出窓にあつては、方
立と躯体に取付ける縦枠材の間に側方開閉部を設
け、平面が台形の出窓にあつては、左右の方立間
に前方開閉部を、方立と躯体に取付ける縦枠材の
間に側方開閉部を設けるものであるから、方立は
隅角にあつて鋭角、又は鈍角の二方向へ開閉部の
形成を可能にしている。入隅サツシや出隅サツシ
にあつても、隅角に同様の方立が取付けられてお
り、この隅角方立材が出窓やサツシの構成材と同
じアルミ、又はアルミ合金、或は合成樹脂にて形
成されている。

（考案が解決しようとする問題点） 左右に開閉部を連続する方立にあつては、左右
が略対称であるため、方立の取付け等は容易であ
るが、出窓の隅角に取付ける方立にあつては、開
閉部が鋭角又は鈍角の二方向に連続するため、そ
の取付けが困難であつた。特に合成樹脂製の出窓
方立にあつては、耐久力と断熱に問題があつた。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） そこでこの考案は、出窓の隅角に取付ける合成
樹脂製方立の少なくとも室外面を、断熱二重壁構
造にすると共に、方立内に金属製の補強材を、又
出窓枠の隅角部に裏板を取付け、方立を強力に取
付けるものである。

（作用） 方立は断熱力に優れた合成樹脂で形成され、し
かも室外面が断熱二重壁構造を成すため、方立に
金属製の補強材や裏板を取付けても断熱効果が落
ることはない。

（実施例） 以下、本案による方立の取付装置を実施例の図
面に基づき説明すると、Ｆは家屋開口部に取付け
る出窓枠で、出窓枠Ｆは上枠材F₁と下枠材F₂、
及び縦枠材F₃により構成されている。１０は出
窓枠Ｆを構成する枠材で、枠材１０は角筒状を成
す基部１１の内周部室内側に、ガラス等の遮蔽体
嵌挿部１４を、室外側に内周向きに突出する内向
壁１５を設け、基部１１の室外側外周部に、外側
壁１３より室外向きに突出する外延壁１６を設
け、外周部の室内側に取付部１７を形成し、基部
１１の内部に空気の対流防止用仕切１８を設け、
仕切１８によつて少なくとも内外に中空部１９を
形成する。１は出窓枠Ｆの隅角に直立する方立
で、方立１は角筒状を成す柱部２の室外側に向く
二面を、内壁２ａと外壁２ｂより成る二重壁構造
とし、内壁２ａと外壁２ｂの間に外空部３を数室
設けると共に、柱部２の内隅部に三角形の内空部
３′を設け、且つ出窓枠Ｆの縦枠材F₃と相体する
柱部２の二面に、枠材嵌挿部１４と同様の嵌挿部
４、及び内向壁１５と相対する内向片５を設けて
いる。この方立１と出窓枠Ｆを構成する枠材１０
は合成樹脂製である。７は方立１の柱部２内に挿
入固定する金属性の中空補強材で、補強材７は内
側に長手方向に平行するビスポケツト７ａを設
け、方立嵌挿部４の外側より螺入するビスＢと、
上下枠材F₁，F₂よりビスポケット７ａに螺入す
るネジＮによつて固定される。６は出窓枠Ｆの隅
角部に取付ける金属製の裏板で、上下枠材F₁，
F₂の先端を突合せる前に、その突合端より基部
中空部１９に挿入し、基部内周壁１２よりビスＢ
にて仮止めされ、基部外周壁１３に穿設した抜孔
２０より方立補強材７のビスポケツト７ａに螺入
するネジＮにて、基部内周壁１２の裏側に固定さ
れる。８は方立柱部２と補強材７の間に挿入する
ライナー、９は枠材１０の外周壁１３より内周に
向けて穿設している抜孔２０に挿入するつぶれ止
めで、つぶれ止めは外周に挿入方向と平行し、挿
入先側より後部が高くなる楔状の係止爪９ａを数
状設け、抜孔２０から方立１に対するネジ止め
後、抜孔２０に挿入係止するものである。２１は
枠材１０の抜孔２０を外側より塞ぐ目隠し板で、
目隠し板２１は抜孔２０より大きく外周壁１３に
貼着する。

本案の方立取付装置は上記構造であるから、枠
材１０にて出窓枠Ｆを組立てる場合、予め上下枠
材F₁，F₂の突合部、即ち隅角部に外周壁１３よ
り内周に向けて抜孔２０を穿設し、突合側より枠
材１０の中空部１９に裏板６を入れ、これを枠材
１０の内周側より螺入するビスＢにて仮止めして
おく一方、方立１の柱部２内に補強材７を入れ、
補強材７と方立１の隙間にライナー８を挿入し、
そのライナー８によつて補強材７の位置決めを
し、これを方立１の嵌合部４より螺入するビスＢ
にて固定する。

先ず枠材１０にて上枠部と下枠部を組立て、具
体的には枠材１０の一端を突合せ、その突合部を
溶着し、下枠部の室内側に縦枠材F₃を取付ける
と共に、枠材１０の突合部、即ち隅角部に方立補
強材７のビスポケツト７ａと対応する取付孔Ｄを
穿設し、隅角部と方立１の下部にシーリング剤Ｓ
を付け、隅角部に方立１を組込み、枠材外周壁１
３の抜孔２０より仮止めした裏板６にネジＮを螺
入し、そのネジＮを取付孔Ｄより方立１のビスポ
ケツト７ａまで螺入せしめ、方立１を裏板６によ
つて補強された枠材１０の突合部に固定する。縦
枠材F₃と方立１の取付け後、その上部に上枠部
を同様の手段で取付ける。方立１のネジ止めに用
いた枠材１０の抜孔２０は、シーリング剤Ｓを付
けたつぶれ止め９の挿入係止によつて塞がれると
共に、枠材外周壁１３に貼着する目隠し板２１に
よつても塞がれる。

尚、本案の方立取付装置は上記実施例に限定さ
れるものではなく、例えば枠材１０の突合部に取
付ける裏板６を、二枠材１０，１０′に跨がつて
取付けるＬ字形に形成すれば、枠材１０の突合せ
溶着を省略することができるし、つぶれ止め９の
後端に目隠し板２１を一体成形すれば、目隠し板
２１の貼着を簡略にできる。又枠材１０と方立
１、裏板６と補強材７の形状構造、並びにそれら
の取付手順等は、本案の要旨に反しない限り適宜
変更可能である。

〔考案の効果〕

従つて出窓枠の構成に本案方立取付装置を用い
れば、出窓枠とその隅角に取付ける方立が合成樹
脂であつても、方立の内部に金属製の補強材を取
付けているため、方立の耐久力が著しく向上する
し、方立と枠材の取付部を、枠材内に仮止めする
金属製の裏板にて補強するものであるから、方立
の取付けも一段と強力になる。又方立の補強と取
付けに金属製の補強材や裏板を用いても、方立と
枠材は熱伝導の少ない合成樹脂製であるし、特に
方立の外周面を二重壁構造に形成するものである
から、断熱効果も良い等、本案は入隅サツシや出
隅サツシの方立取付装置としても応用し得る特徴
と共に、出窓の組立と施工能率の向上に有益な効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案方立取付装置の要部構造を示す出
窓の一部横断面図、第２図は出窓枠の一部横断面
図、第３図は出窓枠隅部の底面図、第４図は補強
材の取付例を示す方立の平面図、第５図は方立の
平面図、第６図は裏板の仮止め例を示す枠材の断
面図、第７図はつぶれ止めの嵌挿例を示す枠材の
断面図、第８図は方立取付部の分解斜視図、第９
図乃至第１１図は方立の取付工程図である。 Ｆ……出窓枠、F₁，F₂，F₃，１０……枠材、
１……方立、２……柱部、３，３′……空部、４，
１４……遮蔽体嵌挿部、５……内向片、６……裏
板、７……補強材、８……ライナー、９……つぶ
れ止め、２０……抜孔、２１……目隠し板、Ｂ…
…ビス、Ｎ……ネジ、Ｄ……取付孔、Ｓ……シー
リング剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 家屋開口部より室外に向けて張出すように取付
   ける出窓において、出窓枠Ｆを構成する上下枠材
   F₁，F₂と縦枠材F₃を同じ合成樹脂の枠材１０で
   構成する一方、出窓枠の隅角に直立する方立１も
   合成樹脂で、且つ少なくとも室外面が断熱二重壁
   構造を成すように形成し、方立の内部に金属製補
   強材７を取付け、隅角の枠材中空部１９に裏板６
   を仮止めし、裏板より補強材に螺入するネジＮに
   て方立を強力に固定する出窓方立の取付装置。