JPS6115173Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、引戸を引分式に嵌挿する玄関サツ
シを、簡単な組立手段によつて、重厚豪華にしか
も安価に施工し得るようにした引戸引分式玄関サ
ツシに関する。

従来の玄関サツシには、サツシ枠に引戸を引違
いに嵌挿する引戸引違式玄関サツシと、サツシ枠
にドアを軸支し、ドアの片側又は両側に袖飾りを
有するドア式玄関サツシが主に用いられていた
が、建築物の多様化と生活の向上によつて、引戸
引違式玄関サツシやドア式玄関サツシ以外の重厚
で豪華な玄関サツシが求められるに至つた。

そこでこの考案は、サツシ枠の室内側に引戸を
引分式に走行する引戸枠を取付け、引戸引込側の
室外側に袖枠を取付ける引戸引分式の新しい玄関
サツシを、簡単にしかも重厚豪華に組立構成し得
るように工夫したものである。

次に本案玄関サツシの構造を実施例の図面によ
り説明すると、１は上額材２の左右に縦額材３，
３′の上端を取付けた門型の額体で、額体１は左
右縦額材３，３′間の上部に、上額材２と平行し
た無目５を有し、左右縦額材３，３′は同一断面
形状の額材を左右で対称を成するように取付
け、左右縦額材３，３′の外側壁３ａ，３a′より
外周側に夫々袖枠嵌合部４，４′を有し、無目５
の内壁５ａに引戸枠嵌合部６を有している。１
０，１０′は上記額体１の左右両側に連接固定す
る袖枠で、袖枠１０，１０′は左右対称形に構成
されるものであるから、以下その一方の袖枠１０
の構造を説明すると、袖枠１０を額体１と同じ高
さに形成し、袖枠１０の左縦枠材１３と右縦枠材
１４の取付間隔ｈを、額体１の左縦額材３から右
縦額材３′までの開口幅Ｈの略１／２に形成し、
左右縦枠材１３，１４間の上部に、額体１の無目
５と同一又は同様の無目材７を、上下横枠材１
１，１２と平行し額体１の無目５の取付け位置と
一致するように取付け、袖枠１０の内周側縦枠材
１３、具体的には左袖部１０にあつては右縦枠材
１４、右袖枠１０′にあつては左縦枠材１３′に、
額体縦額材３の外側壁３ａに当接する接合壁１５
と、縦額材３の係合部４に係止する係止部１６を
設け、例えば縦枠材１３の係止部１６を外周に向
つて突出する楔状の爪部１７に形成し、縦額材３
の係合部４を前記縦枠材係止部１６の爪部１７が
挿入する凹溝４ａと、凹溝４ａ内に挿入した爪部
１７に係止する突爪４ｂから形成し、無目材７の
内壁７ａに無目５と同じ引戸枠嵌合部８を有す
る。２０は額体１とその左右に取付けた袖枠１
０，１０′の室内側に跨がつて連接固定する引戸
枠で、引戸枠２０は上枠材２１の外壁２４に、額
体１の無目嵌合部６と袖枠１０，１０′の無目材
嵌合部８，８′に係合する嵌挿部２５を設け、引
戸枠２０の下枠材２２に袖枠１０，１０′の下部
横枠材１２，１２′へ固定する取付板２９を設
け、引戸枠２０の左右堅枠材２３，２３′を袖枠
１０，１０′の外周側縦枠材１４，１４′に直接固
定するか、引戸枠２０の左右堅枠材２３，２３′
の室外側に連結部２８，２８′を設け、堅枠材２
３，２３′と相対向する袖枠１０，１０′の外周側
縦枠材１４，１４′の室内側に、堅枠材２３，２
３′の連結部２８，２８′に嵌合する連接部１８，
１８′を設け、堅枠材２３，２３′の連結部２８，
２８′と縦枠材連接部１８，１８′の嵌合により、
引戸枠２０と左右袖枠１０，１０′を仮止めし、
しかる後にこれをビスＢ止めして固定するもの
で、具体的には上枠材２１の外壁２４に設ける嵌
挿部２５を、外壁２４下端より室外側に突出して
上向きを成す鉤片２６と、外壁２４の上端より上
方に突出し無目５と無目材７の内壁５ａ，７ａに
ビスＢ止めする取付片２７から成り、無目５と無
目材７に設ける嵌合部６，８を下方に向つて開口
し、引戸上枠材２２の鉤片２６を下方より嵌合す
るものであり、又下枠材２２をステンレス材で形
成するものにあつては、下枠材２２の室外側に別
個取付板２９を固定し、下枠材２２をアルミやア
ルミ合金等で形成するものにあつては、下枠材２
２に取付板２９を一体成形するものである。Ｐは
袖枠１０，１０′内に取付けるガラスや入子桟、
或は装飾板等の遮蔽体、Ｒは額体１の上額材２と
無目５間に取付けるランマ、Ｓは引戸枠２０に嵌
挿する引戸である。

本案の玄関サツシは上記構造であるから、予め
上額材２と左右縦額材３，３′及び無目５によつ
て門型の額体１を組立構成し、その際、縦額体
３，３′の係合部４，４′形成側を外周に向け、無
目５の内壁５ａを室内側に向けて組立て、又２組
の上下横枠材１１，１２と左右縦枠材１３，１
４、及び無目材７によつて対称形を成す２組の袖
枠１０，１０′を組立構成し、その際、袖枠１０
の左縦枠材１３と右縦枠材１４の取付間隔ｈを、
額体開口幅Ｈの略1/2になるように組立てる一
方、係止部１６を設けた縦枠材１３を内周側に、
無目材７の内壁７ａを室内側に向けて組立て、連
接部１８を設けた縦枠材１４にあつては、連接部
１８の形成側を室内に向けて袖枠１０の外周側に
組立てる。更に上下枠材２１，２２と左右堅枠材
２３，２３′によつて引戸枠２０を組立構成し、
その際、下枠材２２の取付板２９と、上枠材２１
の嵌挿部２５形成側を室外側に向け、堅枠材２３
に連結部２８を有する引戸枠２０にあつては、堅
枠材２３の連結部２８形成側を室外側に向けて組
立てる。

先ず上記の如く組立てた額体１の左縦額材３の
外周側に、左袖枠１０の内周側縦枠材１３を相対
し、これを接近して左縦額材３の外周に設けた係
合部４に、袖縦枠材１３に設けた係止部１６を嵌
合係止すると共に、左縦額材３の外側壁３ａに袖
縦枠材１３の接合壁１５を当接し、額体１の左縦
額材３側方に左袖枠１０を仮止めした後、袖縦枠
材１３の接合壁１５より左縦額材３の外側壁３ａ
にビスＢを螺入し、額体１の左縦額材３と右縦額
材３′の側方に、夫々袖枠１０，１０′を連接固定
する。次で額体１とその両側に連接固定した袖枠
１０，１０′の室内側に、引戸枠２０の外壁２４
側を相対し、引戸枠２０の上枠材２１に設けた嵌
挿部２５を、額体無目５の嵌合部６と袖枠無目材
７，７′の嵌合部８，８′に嵌挿する一方、引戸下
枠材２２の取付板２９を袖枠１０，１０′の下部
横枠材１２，１２′に当接すると共に、引戸堅枠
材２３，２３′を袖枠１０，１０′の外周側縦枠材
１４，１４′に当接して仮止めした後、上枠材２
１の嵌挿部２５を無目５と無目材７，７′にビス
Ｂ止めし、下枠材２２の取付板２９と堅枠材２
３，２３′を袖枠１０，１０′にビスＢ止めして固
定する。引戸枠２０の連接固定において、袖枠１
０，１０′の外周側縦枠材１４，１４′に連接部１
８，１８′を、引戸枠２０の堅枠材２３，２３′に
連結部２８，２８′を有するものにあつては、引
戸上枠材２１に設けた嵌挿部２５を、額体無目５
の嵌合部６と袖枠無目材７，７′の嵌合部８，
８′に嵌挿する一方、引戸堅枠材２３，２３′の連
結部２８，２８′を袖縦枠材１４，１４′の連設部
１８，１８′に夫々嵌合し、額体１とその両側に
固定する袖枠１０，１０′の室内側に引戸枠２０
を跨がつて仮止めした後、仮止め部と引戸下枠材
２２の取付板２９を袖枠１０，１０′にビソＢ止
めし、額体１と左右の袖枠１０，１０′及び引戸
枠２０の４枠を一体的に接合固定するものであ
る。又額体１と左右袖枠１０，１０′及び引戸枠
１０は、工場や建具店にて組立構成され、主に施
工現場で前記の如く手段で接合固定され、引戸下
枠材２２と袖下部横枠材１２，１２′の一部、及
び額体１の縦額材３，３′下端部を土間に埋込む
ものである。

尚考案の具体的な実施にあつては、上記実施例
に限定されるものではなく、額体１と袖枠１０，
１０′及び引戸枠２０の構成や、これら構成材の
具体的な形状構造、更には接合固定手段等は、こ
の考案の要旨に反しない限り適宜変更可能であ
る。

従つて本案の玄関サツシは、門型を成す額体の
左右に袖枠を接続固定すると共に、その室内側に
引戸枠を接続固定し、引戸枠に引戸を引分式に走
行するものであるから、額体と左右袖枠及び引戸
枠を建築現場まで輸送し、現場で額体の側方に袖
枠を嵌合係止せしめ、仮止めした状態でこれをビ
ス止めして、額体の両側に袖枠を接続固定した
後、額体とその両側に接続固定した袖枠の室内側
に引戸枠を嵌合係止し、仮止めした状態でこれを
固定するだけで、簡単に引戸引分式の玄関サツシ
を構成することができる。しかもその接続固定に
特殊な工具や技術を要しないので、接続固定も実
に容易であるし、組立てと施工の簡略化によつて
重厚で豪華な玄関サツシでも安価に提供し得る
等、本案は玄関サツシの高級化と多様化に実用的
顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案玄関サツシの正面図、第２図乃至
第４図はその分解正面図で、第２図は引戸枠の正
面図、第３図イ、ロ、ハは袖枠と額体の正面図、
第４図イ、ロ、ハ、ニは引戸と遮蔽体及びランマ
の正面図、第５図は額体と袖枠の接続例を示す横
断面図、第６図は引戸枠の接続例を示す横断面
図、第７図は縦額材と袖枠の接合構造例を示す拡
大横断面図、第８図は引戸枠と袖枠の接合構造例
を示す拡大横断面図、第９図は額体の拡大縦断面
図、第１０図は袖枠と引戸枠の拡大縦断面図であ
る。 １……門型額体、２……上額材、……額材、
３，３′……縦額材、３ａ，３a′……外側壁、
４，４′……係合部、５……無目、１０，１０′…
…袖枠、１１，１１′，１２，１２′……横枠材、
１３，１３′，１４，１４′……縦枠材、１５，１
５′……接合壁、１６，１６′……係止部、１８…
…連接部、７，７′……無目材、５ａ，７ａ……
内壁、６，８……嵌合部、２０……引戸枠、２１
……上枠材、２２……下枠材、２３，２３′……
堅枠材、２４……外壁、２５……嵌合部、２８…
…連結部、２９……取付板、Ｂ……ビス、Ｐ……
遮蔽板、Ｒ……ランマ、Ｓ……引戸、Ｈ……左右
縦額材間の開口幅、ｈ……袖縦枠材間の取付間
隔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右対称形を成す縦額材の上端に上額材を、そ
   の下部に無目を平行に取付けた門型額体の、縦額
   材外周側に係合部を設け、額体の左右に連設する
   袖枠を対称形に構成し、袖枠の内周側縦枠材に前
   記縦額材の係合部に係止する係止部と、縦額材外
   側壁にビス止めする接合壁を設け、額体と袖枠を
   仮止めして固定し得るようにすると共に、袖枠上
   部に額体の無目と一致する無目材を設け、無目と
   無目材の室内側に嵌合部を、該嵌合部に係止する
   嵌挿部を引戸枠の上枠材に設け、額体とその両側
   に連設した袖枠の室内側に引戸枠を跨がつて係止
   し、係止部のビス止めと袖枠に対する引戸下枠材
   及び左右堅枠材の固定によつて、額体と袖枠及び
   引戸枠を接合固定した引戸引分式玄関サツシ。