JPH0451559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は立毛穀稈を刈取る収穫機における刈取
装置に関する。

(ロ) 従来技術 従来、機体の前部に設けた分草体を刈取フレー
ムに穀稈引起体を介して装着した刈取装置は実開
昭59−8528号公報により、また、正面視でコ字状
をなす前後２枚を穀稈引起体の下部より側部に重
合し、それらの板の外側部を穀稈引起体の外側に
沿うボルトにより締着し、前面の板に分草体を弾
持したものは実開昭61−92249号公報により既に
知られている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知の刈取装置中、前者は取付部材をチエ
ンケース自体の後面板に取付けられていたので、
該後面板のみで穀稈引起体と分草体及びそのフレ
ームとを支持しなけらばならず、チエンケースが
変形したり破損した。

また、後者は前後の板の片持状突出部による挟
持圧により分草体を保持しているので、穀稈引起
体の薄い鉄板からなるチエーンケースが僅かでも
変形すると分草体が垂れ下がつたり脱落するとい
う問題点があつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、機体の前部に分草体、横掛式の穀稈
引起体及び刈取フレームに装着した刈刃等を配設
し、穀稈引起体の上部に軸支した駆動スプロケツ
トと下部に軸支した遊動輪とに引起爪付きのチエ
ンを張設し、前記分草体の分草フレームを穀稈引
起体を介して刈取フレームに装着した収穫機にお
いて、前記刈取フレームの前端部を、非作用側が
隣接する前記穀稈引起体の下部寄り後部と略対応
する部位とし、この刈取フレームの前端部に後部
連結部材を固定し、この後部連結部材の両側部
を、前記穀稈引起体の下部後面にそれぞれ装着し
た取付板の中間部に連結し、前記分草フレームの
後端に固定した前部連結部材を穀稈引起体の下部
前面に重合し、この前部連結部材の両側部と前記
取付板の下部を前記遊動輪の支持軸で連結し、前
部連結部材の両側部と取付板の上部を前記チエン
の作用側と非作用側との間で穀稈引起体を貫通し
た取付ボルトにより装着することにより前述の問
題点を解決した。

(ホ) 作用 刈取フレームによる穀稈引起体の支持構成を、
刈取フレームの前端部に固定した前部連結部材の
両側部を、前記穀稈引起体の下部後面にそれぞれ
装着した取付板の中間部に連結するようにしたこ
とで、穀稈引起体のチエーンケースは通常薄い鉄
板で形成されているにも拘らず、チエーンケース
に対する負荷が面接触状態で上下に分散されてそ
の変形を防止しながら確実に支持することができ
る。

また、分草体は、分草フレームの後端に固定し
た前部上連結部材を穀稈引起体の下部前面に重合
して装着するので、前記チエーンケースに対して
後面と同様に上下に分散されてその変形を防止し
ながら確実に支持することができる。

更に、左右の前記取付板と前部連結部材の両側
部とは遊動輪の支持軸を兼用して連結するので、
連結手段を簡略化することができると共に取付板
及び前部連結部材が、強い引起抵抗を受ける上記
支持軸の保持部材になつて遊動輪及び支持軸を強
固に保持することができる。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は走行装置２を有する機台３の一側寄りに搭載
した脱穀装置であつて、その他側には前方から順
に操作盤５、運転席、穀粒タンク及びエンジン等
を設けてあり、脱穀装置１の前方には、分草体６
……、穀稈引起体７……、掻込輪８……、株元掻
込チエン１０……、多数の掻込爪を有する穂側掻
込チエン１１……及び刈刃１２等からなる刈取装
置１３を設け、その直後に横搬送チエンを張設
し、前記刈取装置１３と脱穀装置１との間には図
示していないが従来のものと同様、横搬送部の終
端に縦搬送部を連接した穂側搬送体と株元搬送体
とで構成されていて扱深さ調節装置を兼ねた穀稈
搬送装置を介装してあり、側部の分草体６の分草
フレーム１５はやや下降傾斜した直線状の刈取フ
レーム１６に嵌合固定してある。

また、前記各穀稈引起体７のチエンケースは上
下対称形をなす板１７，１７の上部を駆動スプロ
ケツトの支持軸で連結し、下部を遊動輪１８の支
持軸２０で連結して構成してあり、左右両側及び
下部を連通した開口部２１，２１となし、非作用
側を隣接させた穀稈引起体７，７の間には両側面
にフエルト等の緩衝材２３，２３を添着した隔板
２２を設け、該隔板２２の前縁を穀稈引起体７，
７の前方の板１７，１７に架設固定した前面板２
５に固定し、前記駆動スプロケツトと遊動輪１８
とには多数の引起し爪１９ａ……を起伏可能に装
着したチエン１９を張設してある。

そして、前記非作用側を隣接させた穀稈引起体
７，７の後面に、それぞれ上方からみて後方が開
口したコ字状の取付板２６，２６を重合し、その
下部の孔を前記遊動輪１８の支持軸２０の後方突
出部に嵌挿して螺着し、上部の孔をチエンケース
のチエン１９の中間に貫通した取付ボルト２７に
嵌合して螺着し、左右の前記取付板２６，２６の
中間部に略水平なパイプからなる後部連結部材２
８を熔接すると共にその長さの中間部にはブラケ
ツト２９を固定してあり、この部位の刈取フレー
ム１６ａは第３図に示す如く上方へ弯曲してから
上部を更に前方へ折曲し、この折曲部の前端を前
記ブラケツト２９に固定してあり、この刈取フレ
ーム１６ａの立上部から前方へ向けて突出させた
アーム３０には音波センサー又は光電センサーか
らなる無接触型の対地高さセンサー３１を取付け
てある。

また、前記非作用側を隣接させた穀稈引起体
７，７の前面には両端を夫々前記支持軸２０，２
０の突出部に嵌合して螺着した下連結部材３２
と、両端を前記取付ボルト２７，２７に嵌合して
螺着した上連結部材３３とからなる前部連結部材
を装着してあり、下連結部材３２は角型パイプの
両端にＬ字状のブラケツトを溶接してなり、その
前方の分草体６の分草フレーム１５ａは斜め上方
後方へ向けて立上らせ、この立上部を第１〜２図
に示す如く前記下連結部材３２及び上連結部材３
３に熔接するか、又は下連結部材３２及び前面板
２５にボルト１５ｂとブラケツト１５ｃで固定す
る。

更に、前記取付板２６，２６の下部には対地高
さセンサー３１の両側を経て刈取フレーム１６ａ
の両側より後方へ突出した左右で対をなすガイド
杆３５，３５を固定して対地高さセンサー３１を
防護すると共に対地高さセンサー３１の下部に藁
屑や雑草が侵入するのを防止している。

図面中、３６，２７は撓み易いスプリング杆か
らなるガイド杆、３８はそれより強い株元ガイド
杆である。

前述のコンバインにおいて、機体を前進させる
と、分草体６……は立毛穀稈を分草し、穀稈引起
体７の引起爪１９ａは下部で起立して開口する間
に穀稈を引掛けて引起し、機体の進行にともなつ
て引起経路の中間になる分草体から斜め後方上方
へ突出した弾性案内杆３６……により案内されな
がら掻込輪８……、株元掻込チエン１０……及び
穂側掻込チエン１１……等により後方へ掻込ま
れ、この掻込過程で根元側を刈刃１２により刈取
られ、この刈取穀稈は株元横搬送チエンと穂側搬
送体の前部により横移動されながら合流し、次い
で穀稈搬送体により脱穀装置１に搬送供給されて
脱穀処理される。

また、対地高さセンサー３１の検出値によりマ
イコンを介して前処理フレームに付設した油圧シ
リンダーが伸縮して刈取装置の対地高さが自動的
に略一定高さに保持される。

而して、刈取脱穀作業中、穀稈引起体７の下部
及び分草体６並びに分草フレーム１５ａは遊動輪
１８，１８の支持軸２０，２０と取付板２６，２
６等を介して穀稈引起体７，７のチエーンケース
の前後の板に支持されるので負荷が分散され、ま
た、遊動輪１８の支持軸２０，２０を取付手段に
利用するので、分草体６等を強固に支承すること
ができると共にコストダウンを図ることができ、
しかも取付板２６，２６及び下連結部材３２は支
持軸２０の支持部材になる。

更に、引起爪１９ａは下端回行部で第１〜２図
にａで示す如くその先端部が隣接する穀稈引起体
７の回行部２１に嵌入するので、左右から起立突
出回する引起爪１９ａ，１９ａの回行軌跡を充分
にラツプさせて引起デツドスペースｂを最小限に
留めることができる。３８は前照灯である。

(ト) 考案の効果 本考案は、前述のように刈取フレーム１６ａに
よる穀稈引起体７の支持構成を、刈取フレーム１
６ａの前端に固定した後部連結部材の両端部を、
前記穀稈引起体７の下部後面にそれぞれ装着した
取付板２６，２６の中間部に連結することで、穀
稈引起体７のチエーンケースに対する負荷が面接
触状態で上下に分散されてその変形を防止しなが
ら確実に支持することができる。

また、分草体６は、分草フレーム１５ａの後端
に固定した前部連結部材を穀稈引起体７の下部前
面に重合して装着するので、前記チエーンケース
に対して後面と同様に上下に分散されてその変形
を防止しながら確実に支持することができる。

更に、左右の前記取付板２６，２６の下部と前
部連結部材の両側部とを、遊動輪１８の支持軸２
０を兼用して連結すると共に上部を穀稈引起体７
を貫通した取付ボルト２７，２７により連結する
ので、連結手段を簡略化することができると共に
取付板２６，２６及び前部連結部材が、強い引起
抵抗を受ける上記支持軸２０の保持部材になつて
遊動輪１８及び支持軸２０を強固に保持すること
ができる。

更にまた、前述の各構成の結合により分草体６
が垂れ下がることがなく、該分草体６が土中に突
つ込むことがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は要部の縦断平面図、第２図は同上正面
図、第３図は同上側面図、第４図は刈取装置の一
部を省略した正面図、第５図はコンバインの斜視
図、第６図は同上前部の側面図である。 ６……分草体、７……穀稈引起体、１５ａ……
分草フレーム、１６ａ……刈取フレーム、１８…
…遊動輪、２０……支持軸、２６……取付板、２
７……取付ボルト、２８……連結部材、３２……
下連結部材、３３……上連結部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の前部に分草体６……、横掛式の穀稈引起
   体７……及び刈取フレーム１６ａに装着した刈刃
   １２等を配設し、穀稈引起体７の上部に軸支した
   駆動スプロケツトと下部に軸支した遊動輪１８と
   に引起爪１９ａ……付きのチエン１９を張設し、
   前記分草体６の分草フレーム１５ａを穀稈引起体
   ７……を介して刈取フレーム１６ａに装着した収
   穫機において、前記刈取フレーム１６ａの前端部
   を、非作用側が隣接する前記穀稈引起体７，７の
   下部寄り後部と略対応する部位とし、この刈取フ
   レーム１６ａの前端部に後部連結部材２８を固定
   し、この後部連結部材２８の両側部を、前記穀稈
   引起体７，７の下部後面にそれぞれ装着した取付
   板２６，２６の中間部に連結し、前記分草フレー
   ム１５ａの後端に固定した前部連結部材を穀稈引
   起体７，７の下部前面に重合し、この前部連結部
   材の両側部と前記取付板２６，２６の下部を前記
   遊動輪１８の支持軸２０で連結し、前部連結部材
   の両側部と取付板２６，２６の上部を前記チエン
   １９の作用側と非作用側との間で穀稈引起体７を
   貫通した取付ボルト２７，２７により装着したこ
   とを特徴とする収穫機における刈取装置。