JPH0450276B2 - - Google Patents
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- JPH0450276B2 JPH0450276B2 JP556287A JP556287A JPH0450276B2 JP H0450276 B2 JPH0450276 B2 JP H0450276B2 JP 556287 A JP556287 A JP 556287A JP 556287 A JP556287 A JP 556287A JP H0450276 B2 JPH0450276 B2 JP H0450276B2
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Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
「産業上の利用分野」
本発明は、サイアロン焼結体の表面を処理して
高強度、高靱性、高信頼性のあるセラミツクスの
製造方法に関する。 「従来の技術」 自動車エンジンやジエツトエンジン等に高温用
部材、耐触用部材、耐摩耗用部材などの構造部材
として、セラミツクス焼結体が使用されるように
なつてきた。 従来、セラミツクス焼結体を上記の構造用部材
として使用する際は、目的の大きさや形にするた
めに、切断および研削などの加工をした後、使用
している。また焼結したままの状態で使用する場
合には、焼結肌は必ずしも平滑とはいえず、ポア
などの欠陥も残存している。 また従来からサイアロン焼結体は、高温での高
応力構造材として使用されているが、その表面処
理をして十分に強度を向上させたものはない。 「発明が解決しようとする問題点」 従来の技術で得られるサイアロンは高温での強
度は強いが、それでもその使用時の研削傷、ある
いは焼結時に生じるポアなどが、破壊の起因とな
り、強度を著しく低下させ、品質がバラツクなど
の問題があつた。そのため切削時に使用する砥石
の選択や、セラミツク成形時の金型の工夫などを
行なつているが、それだけでは欠陥を完全になく
すことは困難であつた。またサイアロンは非酸化
物系のため、メタライズが困難になるという問題
もあつた。 そこで本発明は、サイアロン焼結体の強度をよ
り向上させ、しかも強度のバラツキをなくすとと
もに、メタライズも容易にできるようにすること
を目的とする。 「問題点を解決するための手段」 本発明は、サイアロン焼結体を酸素を含む雰囲
気中、875〜950℃で30分以上加熱処理し、サイア
ロン焼結体の外表面をガラス質の層で表面処理す
るセラミツクス焼結体の製造方法である。またサ
イアロン焼結体を加熱処理する前に、一種以上の
金属アルコキシド溶液に浸漬させるようにしても
よい。 金属アルコキシドとしては、アルミニウム、シ
リコン、イツトリウム、ジルコニウム、マグネシ
ウム等から選ばれる一種以上の金属アルコキシド
を使用することができ、これを有機溶媒にて希釈
して金属アルコキシド溶液とする。二種以上の金
属アルコキシドを使用する際は、金属アルコキシ
ド溶液をさらに適当な温度で環流させ、二種以上
の金属アルコキシドの重合体としてから使用する
ことが望ましい。 サイアロン焼結体を金属アルコキシド溶液に浸
漬する場合、サイアロン焼結体表面の欠陥の細部
にいたるまでよく浸透させることが重要である。
加熱処理を875〜950℃としたのは、900℃前後で
ワイブル係数が大きくなるからである。また約
875℃以下ではガラス質が生じず、約950℃より上
になると、ガラス質層の下部に小孔が生じ強度を
低下させ、またサイアロンの粒界相の変質がおこ
り、強度のバラツキが大きくなるためである。 熱処理時間を30分以上としたのは、それ以下に
するとガラス質の生成が不十分のため十分な強度
を得られないからである。 ガラス質の生成物は、SiO2やAl2O3，Y2O3で
あり、特にY2O3が生じていることが重要である。
そしてこの熱分解生成物により、サイアロン焼結
体の表面の欠陥を塞さぐことができ、耐触性はも
ちろん、強度をも向上させる。 なお、サイアロン焼結体を金属アルコキシド溶
液に浸漬した場合には、熱分解生成物としてその
金属の酸化物が生じるので、金属アルコキシド溶
液に浸漬しない場合より、表面のガラス質の量が
多くなるため、表面の欠陥を完全にふさぎ、更に
強度を向上させることができる。 「実施例」 サイアロン焼結体の中心に80μm程度の圧痕傷
のある抗折試験片３×３×40mmを、金属アルコキ
シド溶液に浸漬することなく直接、大気中、３種
類の温度800，900，1000℃で30分加熱処理した。 また上記と別の試料として、アルミニウムイソ
プロポキシドをイソプロピルアルコールで溶解
し、この金属アルコキシド溶液中に上記と同様の
サイアロン焼結体の中心に80μm程度の圧痕傷の
ある抗折試験片３×３×40mmを浸漬した。ついで
大気中、３種類の温度800，900，1000℃で30分加
熱処理した。 上記熱処理をした各３種類の抗折試験片をそれ
ぞれ50本用意し、平滑強度の平均強度とワイブル
係数を求めてその結果を第１表に示した。なお、
第１表には比較のため、本発明の熱処理をしない
サイアロン焼結体で、前記実施例と同様の抗折試
験片を50本作り、その平滑強度の平均強度とワイ
ブル係数を測定してその結果を示した。
高強度、高靱性、高信頼性のあるセラミツクスの
製造方法に関する。 「従来の技術」 自動車エンジンやジエツトエンジン等に高温用
部材、耐触用部材、耐摩耗用部材などの構造部材
として、セラミツクス焼結体が使用されるように
なつてきた。 従来、セラミツクス焼結体を上記の構造用部材
として使用する際は、目的の大きさや形にするた
めに、切断および研削などの加工をした後、使用
している。また焼結したままの状態で使用する場
合には、焼結肌は必ずしも平滑とはいえず、ポア
などの欠陥も残存している。 また従来からサイアロン焼結体は、高温での高
応力構造材として使用されているが、その表面処
理をして十分に強度を向上させたものはない。 「発明が解決しようとする問題点」 従来の技術で得られるサイアロンは高温での強
度は強いが、それでもその使用時の研削傷、ある
いは焼結時に生じるポアなどが、破壊の起因とな
り、強度を著しく低下させ、品質がバラツクなど
の問題があつた。そのため切削時に使用する砥石
の選択や、セラミツク成形時の金型の工夫などを
行なつているが、それだけでは欠陥を完全になく
すことは困難であつた。またサイアロンは非酸化
物系のため、メタライズが困難になるという問題
もあつた。 そこで本発明は、サイアロン焼結体の強度をよ
り向上させ、しかも強度のバラツキをなくすとと
もに、メタライズも容易にできるようにすること
を目的とする。 「問題点を解決するための手段」 本発明は、サイアロン焼結体を酸素を含む雰囲
気中、875〜950℃で30分以上加熱処理し、サイア
ロン焼結体の外表面をガラス質の層で表面処理す
るセラミツクス焼結体の製造方法である。またサ
イアロン焼結体を加熱処理する前に、一種以上の
金属アルコキシド溶液に浸漬させるようにしても
よい。 金属アルコキシドとしては、アルミニウム、シ
リコン、イツトリウム、ジルコニウム、マグネシ
ウム等から選ばれる一種以上の金属アルコキシド
を使用することができ、これを有機溶媒にて希釈
して金属アルコキシド溶液とする。二種以上の金
属アルコキシドを使用する際は、金属アルコキシ
ド溶液をさらに適当な温度で環流させ、二種以上
の金属アルコキシドの重合体としてから使用する
ことが望ましい。 サイアロン焼結体を金属アルコキシド溶液に浸
漬する場合、サイアロン焼結体表面の欠陥の細部
にいたるまでよく浸透させることが重要である。
加熱処理を875〜950℃としたのは、900℃前後で
ワイブル係数が大きくなるからである。また約
875℃以下ではガラス質が生じず、約950℃より上
になると、ガラス質層の下部に小孔が生じ強度を
低下させ、またサイアロンの粒界相の変質がおこ
り、強度のバラツキが大きくなるためである。 熱処理時間を30分以上としたのは、それ以下に
するとガラス質の生成が不十分のため十分な強度
を得られないからである。 ガラス質の生成物は、SiO2やAl2O3，Y2O3で
あり、特にY2O3が生じていることが重要である。
そしてこの熱分解生成物により、サイアロン焼結
体の表面の欠陥を塞さぐことができ、耐触性はも
ちろん、強度をも向上させる。 なお、サイアロン焼結体を金属アルコキシド溶
液に浸漬した場合には、熱分解生成物としてその
金属の酸化物が生じるので、金属アルコキシド溶
液に浸漬しない場合より、表面のガラス質の量が
多くなるため、表面の欠陥を完全にふさぎ、更に
強度を向上させることができる。 「実施例」 サイアロン焼結体の中心に80μm程度の圧痕傷
のある抗折試験片３×３×40mmを、金属アルコキ
シド溶液に浸漬することなく直接、大気中、３種
類の温度800，900，1000℃で30分加熱処理した。 また上記と別の試料として、アルミニウムイソ
プロポキシドをイソプロピルアルコールで溶解
し、この金属アルコキシド溶液中に上記と同様の
サイアロン焼結体の中心に80μm程度の圧痕傷の
ある抗折試験片３×３×40mmを浸漬した。ついで
大気中、３種類の温度800，900，1000℃で30分加
熱処理した。 上記熱処理をした各３種類の抗折試験片をそれ
ぞれ50本用意し、平滑強度の平均強度とワイブル
係数を求めてその結果を第１表に示した。なお、
第１表には比較のため、本発明の熱処理をしない
サイアロン焼結体で、前記実施例と同様の抗折試
験片を50本作り、その平滑強度の平均強度とワイ
ブル係数を測定してその結果を示した。
【表】
第１表からわかるように、アルコキシド処理後
に加熱処理した実施例および直接加熱処理した実
施例は、ともに比較例に比べ平均強度が強くなつ
た。また第１表からわかるように、900℃で加熱
処理したものはワイブル係数が上昇し、強度のバ
ラツキが小さくなつた。 次に金属アルコキシドに浸漬せず直接加熱処理
（900，1000，1200℃）したものと、上記実施例中
の金属アルコキシドに浸漬して加熱処理（1000
℃，1200℃）したものの、破断面の電子顕微鏡組
織写真を第１図ｂ〜ｆに示した。なお、比較のた
め本発明の熱処理をしない抗折試験片の破断面も
第１図ａに示した。 第１図ａ〜ｆからわかるように、本実施例のも
の第１図ｂ〜ｆは、いずれもサイアロン焼結体の
表面に0.1μm以上のガラス質の層が生じており、
第１図ａの比較例のものはガラス質の層が生じて
いない。 次に上記実施例のうち、金属アルコキシド処理
なしで直接加熱処理（800，1000，1200℃）した
ものと、金属アルコキシド処理後に熱処理
（1000，1200℃）したもののサイアロン焼結体表
面層での成分テストをしたところ、以下の第２表
に示すようになつた。
に加熱処理した実施例および直接加熱処理した実
施例は、ともに比較例に比べ平均強度が強くなつ
た。また第１表からわかるように、900℃で加熱
処理したものはワイブル係数が上昇し、強度のバ
ラツキが小さくなつた。 次に金属アルコキシドに浸漬せず直接加熱処理
（900，1000，1200℃）したものと、上記実施例中
の金属アルコキシドに浸漬して加熱処理（1000
℃，1200℃）したものの、破断面の電子顕微鏡組
織写真を第１図ｂ〜ｆに示した。なお、比較のた
め本発明の熱処理をしない抗折試験片の破断面も
第１図ａに示した。 第１図ａ〜ｆからわかるように、本実施例のも
の第１図ｂ〜ｆは、いずれもサイアロン焼結体の
表面に0.1μm以上のガラス質の層が生じており、
第１図ａの比較例のものはガラス質の層が生じて
いない。 次に上記実施例のうち、金属アルコキシド処理
なしで直接加熱処理（800，1000，1200℃）した
ものと、金属アルコキシド処理後に熱処理
（1000，1200℃）したもののサイアロン焼結体表
面層での成分テストをしたところ、以下の第２表
に示すようになつた。
【表】
第２表からわかるように、本実施例のものは、
いずれもY2O3，Al2O3，SiO2が生じ、それらが
ガラス質を形成することから、ガラス質中には熱
分解生成物とサイアロン粒界組成物が含まれるこ
とがわかる。またこのガラス質が焼結体の欠陥を
塞さぐことにより、抗折力が高くなつたものと考
えられる。 「発明の効果」 本発明は、サイアロン焼結体を直接又は金属ア
ルコキシド溶液に浸漬した後、加熱処理すること
によりサイアロン焼結体の外表面にガラス質層を
生じさせるので、サイアロン焼結体の表面の傷、
ポア等が塞さがれ、より高強度、高靱性、高信頼
性のサイアロン焼結体を得ることができる。また
サイアロン焼結体は、非酸化物系セラミツクスで
あるが、その表面に酸化物が形成されるので、そ
のメタライズが容易となる。
いずれもY2O3，Al2O3，SiO2が生じ、それらが
ガラス質を形成することから、ガラス質中には熱
分解生成物とサイアロン粒界組成物が含まれるこ
とがわかる。またこのガラス質が焼結体の欠陥を
塞さぐことにより、抗折力が高くなつたものと考
えられる。 「発明の効果」 本発明は、サイアロン焼結体を直接又は金属ア
ルコキシド溶液に浸漬した後、加熱処理すること
によりサイアロン焼結体の外表面にガラス質層を
生じさせるので、サイアロン焼結体の表面の傷、
ポア等が塞さがれ、より高強度、高靱性、高信頼
性のサイアロン焼結体を得ることができる。また
サイアロン焼結体は、非酸化物系セラミツクスで
あるが、その表面に酸化物が形成されるので、そ
のメタライズが容易となる。
第１図ａは比較例のサイアロン焼結体の電子顕
微鏡による金属組織写真、第１図ｂ〜ｆは異なる
温度で熱処理した本実施例のサイアロン焼結体の
電子顕微鏡による金属組織写真である。
微鏡による金属組織写真、第１図ｂ〜ｆは異なる
温度で熱処理した本実施例のサイアロン焼結体の
電子顕微鏡による金属組織写真である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ サイアロン焼結体を、酸素を含む雰囲気中、
875〜950℃で30分以上加熱処理し、サイアロン焼
結体の外表面をガラス質の層で表面処理すること
を特徴とするセラミツクス焼結体の製造方法。 ２ ガラス質中には熱分解生成物とサイアロン粒
界組成物が含まれることを特徴とする特許請求の
範囲第１項に記載のセラミツクス焼結体の製造方
法。 ３ サイアロン焼結体を、一種以上の金属アルコ
キシド溶液に浸漬した後に、酸素を含む雰囲気
中、875〜950℃で30分以上加熱処理し、サイアロ
ン焼結体の外表面をガラス質の層で表面処理する
ことを特徴とするセラミツクス焼結体の製造方
法。 ４ ガラス質中には熱分解生成物とサイアロン粒
界組成物が含まれることを特徴とする特許請求の
範囲第３項に記載のセラミツクス焼結体の製造方
法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17510986 | 1986-07-25 | ||
| JP61-175109 | 1986-07-25 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63156087A JPS63156087A (ja) | 1988-06-29 |
| JPH0450276B2 true JPH0450276B2 (ja) | 1992-08-13 |
Family
ID=15990421
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP556287A Granted JPS63156087A (ja) | 1986-07-25 | 1987-01-13 | セラミツクス焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63156087A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019077576A (ja) * | 2017-10-23 | 2019-05-23 | 島根県 | サイアロン材料の耐高温反応性改善方法、該方法を用いたサイアロン材料の製造方法、及びサイアロンセラミックス工具 |
-
1987
- 1987-01-13 JP JP556287A patent/JPS63156087A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63156087A (ja) | 1988-06-29 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |