JP2019077576A - サイアロン材料の耐高温反応性改善方法、該方法を用いたサイアロン材料の製造方法、及びサイアロンセラミックス工具 - Google Patents

サイアロン材料の耐高温反応性改善方法、該方法を用いたサイアロン材料の製造方法、及びサイアロンセラミックス工具 Download PDF

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敏之 上野
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尚志 吉岡
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昭次郎 當麻
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Abstract

【課題】サイアロン材料の耐高温反応性を改善する方法の提供。
【解決手段】酸素含有雰囲気下、1200〜1400℃未満の温度でサイアロン材料を熱処理して、該材料表面上にムライト、石英及びクリストバライトを含む酸化被膜を形成する工程を含み、サイアロン材料が、β-サイアロン相、ガラス相及び任意のα-サイアロン相を含み、α-サイアロン相及びβ-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率として15%を超えない範囲で前記α-サイアロン相を含んでいてもよく、サイアロン材料の断面積に現れるガラス相の占める面積百分率が6〜10%であるサイアロン材料の耐高温反応性改善方法、及び該方法を用いたサイアロン材料の製造方法、及び工具。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコンアルミニウム酸窒化物[サイアロン(SiAlON)]材料に関する。
サイアロンセラミックス材料(以下、単に「サイアロン材料」と呼ぶことがある。)とは、基本的にケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)及び窒素(N)からなるセラミックス材料であり;窒化ケイ素(Si34)中のケイ素(Si)原子及び窒素(N)原子の位置に、アルミニウム(Al)原子及び酸素(O)原子がそれぞれ置換型固溶したβ−サイアロン相;この置換型固溶と共に結晶格子間に金属元素(希土類元素)が侵入型固溶したα−サイアロン相、及び、結晶粒界にバインダーとして機能するガラス相が含まれている。
そして、サイアロン材料は優れた硬度と高い強度を有し、特に高温下での耐衝撃性、耐摩耗性に優れている。このため、高速度機械加工、ニッケル基超耐熱合金の加工等に用いる工具として最適な材料と考えられ、より優れた性能を達成すべく改良が続けられている(たとえば特許文献1〜3参照)。
特許第4971194号公報 特許第5629843号公報 特許第4191268号公報 特開昭64−52679号公報 特公平03−80755号公報 特公平04−50276号公報 特開平07−299708号公報
日本セラミック協会学術論文誌 第98巻 第1号(1990)36-42 日本金属学会誌 第63巻 第6号(1999)760−769 日本機械学会論文集(A編)58巻556号(1992-12), 89-95
本発明者らは、ニッケル基超耐熱合金の高速切削加工等において生じる高温環境下においては、サイアロン材料からなる工具(たとえばインサート工具)と被削材(耐熱合金)との接触界面において、工具側に変性組織(界面反応層)が形成され、工具表面にかかる変性組織に由来すると考えられる溶着物が発生することを見い出した。
かかる溶着物を容易に除去できないと、たとえ工具の機械的強度を向上させて再利用を可能としても、溶着物除去のために多大の時間と手間がかかる。かかる溶着物を除去できなかった場合は、該工具は廃棄せざるをえなくなる。
そこで、本発明の課題は、ニッケル基超耐熱合金の高速切削加工等において生じる高温環境下においても変性組織が形成しにくく(良好な耐高温反応性)、たとえ溶着物が発生しても容易に除去しえるような、サイアロン材料の耐高温反応性を改善する方法、及び耐高温反応性の改善されたサイアロン材料からなる工具(以下、単に「サイアロン工具」と呼ぶ場合がある)を提供することである。
本発明者らが鋭意検討した結果、特定の温度範囲で特定範囲の相組成を有するサイアロン材料を熱処理することによって、該材料の表面に酸化被膜を形成させると、耐高温反応性が改善し、ニッケル基超耐熱合金の高速切削加工等において生じる高温環境下において溶着物が形成されても容易に除去できることを見出した。
すなわち、本発明の第一の態様は、
サイアロンセラミックス材料の耐高温反応性改善方法であって、
酸素含有雰囲気下、1200℃以上〜1400℃未満の温度でサイアロンセラミックス材料を熱処理して、該材料表面上にムライト、石英及びクリストバライトを含む酸化被膜を形成する工程を含み、
前記サイアロンセラミックス材料が、β-サイアロン相、ガラス相及び任意のα-サイアロン相を含み、
前記α-サイアロン相及び前記β-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率として15%を超えない範囲で前記α-サイアロン相を含んでいてもよく、
前記サイアロンセラミックス材料の断面積に現れるガラス相の占める面積百分率が6〜10%であることを特徴とする、方法である。
そして、本発明の第二の態様は、
本発明の第一の態様の方法を用いて、耐高温反応性の改善されたサイアロンセラミックス材料を製造する方法である。
そして、本発明の第三の態様は、
耐高温反応性の改善されたサイアロンセラミックス材料からなる工具であって、
前記サイアロンセラミックス材料からなる工具の表面に酸化被膜が形成され、
前記酸化被膜には、ムライト、石英及びクリストバライトが含まれ、
前記サイアロンセラミックス材料が、β-サイアロン相、ガラス相及び任意のα-サイアロン相を含み、
前記α-サイアロン相及び前記β-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率として15%を超えない範囲で前記α-サイアロン相を含んでいてもよく、
前記サイアロンセラミックス材料の断面積に現れるガラス相の占める面積百分率が6〜10%であることを特徴とする、工具である。
本発明の方法により得られるサイアロン材料からなる工具は、切削加工により生じる高温下においても、ニッケル基超耐熱合金等の被削材との間の高温反応性を大きく抑制することができる。その結果、たとえ高温下での切削加工において、溶着物が発生しても容易に除去でき、繰り返して切削加工に使用することができる。
(a)サイアロン材料(YN4)の熱処理前の該材料(YN4−0)表面のX線回折像である。 (b)サイアロン材料(YN4)の熱処理後(1300℃、10分;実施例の[酸化被膜の形成]参照))の該材料(YN4−4)表面のX線回折像である。 サイアロン材料からなる工具と被削材であるニッケル基超耐熱合金との間の界面反応試験(試験例1)の概略を示す図である。 (a)サイアロンサンプルとしてY21−0(未熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (b)サイアロンサンプルとしてY21−1(1200℃、10分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (c)サイアロンサンプルとしてY21−2(1250℃、10分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (d)サイアロンサンプルとしてY21−3(1250℃、120分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (e)サイアロンサンプルとしてY21−4(1300℃、10分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (f)サイアロンサンプルとしてY21−5(1400℃、10分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (a)サイアロンサンプルとしてYN4−0(未熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (b)サイアロンサンプルとしてYN4−1(1200℃、10分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (c)サイアロンサンプルとしてYN4−2(1250℃、10分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (d)サイアロンサンプルとしてYN4−3(1250℃、120分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (e)サイアロンサンプルとしてYN4−4(1300℃、10分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (f)サイアロンサンプルとしてYN4−5(1400℃、10分の条件での熱処理品)を用いた界面反応試験(試験例1)終了後、試験サンプル(サイアロンサンプル/ニッケル基超耐熱合金サンプル)を切断して得られた接触界面の断面の電子顕微鏡写真(上段の写真:2000倍、下段の写真:5000倍)である。 (a)各種のサイアロン材料からなる工具の切削加工試験(試験例2)に用いる装置の概略を示す。 (b)切削加工試験(試験例2)における切削の態様を示す概略図である。
[1]本発明の第一の態様について
本発明の第一の態様は、
サイアロンセラミックス材料の耐高温反応性改善方法であって、
酸素含有雰囲気下、1200℃以上〜1400℃未満の温度でサイアロンセラミックス材料を熱処理して、該材料表面上にムライト、石英及びクリストバライトを含む酸化被膜を形成する工程を含み、
前記サイアロンセラミックス材料が、β-サイアロン相、ガラス相及び任意のα-サイアロン相を含み、
前記α-サイアロン相及び前記β-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率として15%を超えない範囲で前記α-サイアロン相を含んでいてもよく、
前記サイアロンセラミックス材料の断面積に現れるガラス相の占める面積百分率が6〜10%であることを特徴とする、方法である。
(1−1)
本態様にいう耐高温反応性とは、たとえば実施例の試験例1に示される界面反応試験において変性組織(界面反応層)の形成が少なく、該変性組織に由来すると考えられる溶着物が発生しても容易に除去できる性質のことをいう。ここで、該変性組織とは、サイアロン材料と被削材(ニッケル基超耐熱合金合金)との間の高温における界面反応層と考えられる。
耐高温反応性が改善されたかどうかは、実施例の試験例1に示されるような界面反応層の厚さを指標とすることができる。界面反応層厚さが5μm未満であれば、溶着物が生成しても容易に除去できると考えられる。
(1−2)
(1−2−1)
本態様の熱処理は、酸素含有雰囲気下、1200℃以上〜1400℃未満の温度で行われる。かかる処理により、サイアロン材料表面上にムライト、石英及びクリストバライトを含む酸化被膜を形成することができる。
酸素含有雰囲気としては、大気雰囲気を用いるのが最も簡便である。
耐高温反応耐性を得るための十分な厚みの酸化被膜を得るために1200℃以上、望ましくは1250℃以上とすることができる。また、凹凸の少ない整った酸化被膜を形成するために1400℃未満とすることができ、より好ましくは1350℃以下とすることができる、さらに好ましくは1300℃以下とすることができる。
熱処理時間としては、十分な厚みの酸化被膜を形成するために5分以上、より好ましくは10分以上とすることができるが、採用する熱処理温度に依存する。より低い熱処理温度では、より長い熱処理時間が必要となるが120分以下とすることができるが、効率的な熱処理の観点からは、熱処理時間を30分未満とすることが好ましい。
酸化被膜中に含まれるムライト、石英及びクリストバライトについては、X線回折像(図1参照)により確認することができる。
ここで、ムライトとは、単鎖構造をもつアルミノケイ酸塩鉱物である。また、クリストバライトとは、二酸化ケイ素(SiO2)結晶の一つであり、石英やクリストバル石と多形をなしている。前記熱処理により、ムライト、石英及びクリストバライトを含む酸化被膜を形成するためには、サイアロン材料表面におけるアルミニウム原子のモル数と珪素原子のモル数との比(Al/Si)が0.3以上あることが好ましい。当該モル比は、例えばエネルギー分散X線分析法や蛍光X線分析を用いて測定することが可能である。
(1−2−2)
サイアロンと類似の結晶構造を有する窒化ケイ素セラミックスが、高温において、
下式(1):
Si34+Ni→Ni(Si)+2N2↑ (1)
のようにNiとの接触によって分解され、Niの高濃度Si固溶体[Ni(Si)]が生成することが知られている(非特許文献1参照)。
これとの類推により、前記(1−1)で言及した変性組織も被削材由来の金属元素がサイアロンを分解して形成されているものと考えられる。実際、前記(1−1)で言及した試験例1の変性組織の近傍のEDX(Energy Dipersive X−ray)元素マッピング像を分析すると、被削材に由来すると考えられるCr、Ni、Nb及びMoの浸潤が確認できた。
またCr、Mo、Nbは窒化物を生成しやすい。
これらのことより、高温でサイアロン材料と被削材、たとえばニッケル耐熱合金(ニッケル基超耐熱合金合金等)が接触すると、まずNiとサイアロンの界面で、Niによるβ−サイアロンの分解反応が生じ、NiがSiを取り込みながらサイアロン材料内へ浸潤すると考えられる。さらに、該浸潤部において、拡散したCr、Mo、Nb等の窒化物形成可能元素が窒化物となっているものと考えられる。そしてNiが浸潤した領域では、サイアロン材料にもともと含まれている酸化物が未反応のまま取り残され、浸潤部内に細かく残留しているものと考えられる。
サイアロン材料の熱処理により、表面に酸化被膜を形成することで、かかるサイアロンの分解を抑制しているものと考えられる。
(1−2−3)
なお、特許文献4〜7にも、サイアロンないし窒化珪素系セラミックスの熱処理を行うことが開示されている。しかし、これらの文献はサイアロン材料の機械的強度、すなわち曲げ強度を改善しようとするものであり、本願発明にいうような意味での耐高温反応性を改善しようとするものではない。
また、これらの特許文献4〜7では、そもそも熱処理温度が本願発明に比べて全般的には低い。
また、特許文献7には比較例(「試料26」及び「試料27」)として、1300℃にて熱処理した例が記載されているものの、この場合はサイアロンのようにアルミニウム含有量が多い訳ではないため、その酸化膜は結晶性の低いガラス質二酸化ケイ素が主となり、反応抑制バリアとして働き難い(非特許文献3参照)。これに対して、本願発明にいうサイアロンは、酸化により、結晶質のムライト、石英、及びクリストバライトが生成する。
(1−3)
本態様の方法において熱処理に供するサイアロン材料は、β-サイアロン相、ガラス相及び任意のα-サイアロン相を含み、前記α-サイアロン相及び前記β-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率として15%を超えない範囲で前記α-サイアロン相を含んでいてもよく、前記サイアロンセラミックス材料の断面積に現れるガラス相の占める面積百分率が6〜10%である。
原料組成や焼結条件によっては、さらに12H-サイアロン、15R-サイアロン、21R-サイアロン等のポリタイプサイアロンが含まれる場合もある。もっとも、高温時の耐摩耗性の観点からは,断面観察において実質的にβ-サイアロン相、ガラス相及び任意α-サイアロン相で構成されており、X線回折法による分析においてもβ-サイアロン相及び任意のα-サイアロン相以外のポリタイプサイアロン相は検出されないことが望ましい。なお、本願明細書に記載の実施例においては、X線回折法によるポリタイプサイアロンは実質的には検出されなかった(1重量%未満)。
[β-サイアロン相]
β-サイアロン相とは、下式(1):
Si6-zAlzz8-z 式(1)
(ここで、0≦z≦4)
の化学構造を有するβ-サイアロンの粒子(β-サイアロン相構成粒子)により構成される相である。β−窒化ケイ素(Si34)中のケイ素(Si)原子及び窒素(N)原子の位置に、アルミニウム(Al)原子及び酸素(O)原子がそれぞれ置換型固溶した構造を有するため、β−窒化ケイ素と類似の結晶形を有する。
上記式(1)中に現れるz値は、窒化ケイ素(Si34)中のケイ素(Si)原子及び窒素(N)原子の位置に、アルミニウム(Al)原子及び酸素(O)原子がそれぞれ置換型固溶した程度を示すパラメーターである。このz値については、出発原料の配合組成が影響するものの、その他に窒化物原料(窒化ケイ素、窒化アルミニウム)の表面酸化などの要因で変化するため、配合組成のみでの制御が難しく、出来なりの評価が必要である。焼結体としてのz値の評価はX線回折法による。これはX線回折法が結晶の格子定数を評価可能できるところ、Si34結晶へのAl及びOの固溶により結晶の格子定数が変化するため、X線回折法でz値を算出できる。
サイアロン工具の耐高温反応性の観点からは、z値はより大きい方が好ましく、たとえば0.4以上、あるいはさらに0.5以上、あるいはさらに0.6以上とすることができる。
他方で、サイアロン工具の一般的な機械的強度の観点からは、z値はより小さい方が好ましく、たとえば1.3以下、あるいはさらに1.2以下、あるいはさらに1.0以下とすることができる。
[ガラス相]
ガラス相とは、焼結後に無定形相として存在する相をいう。このガラス相は原料粉末の焼結時には液相として存在し、焼結して得られるサイアロン材料の緻密化に寄与する。主原料である窒化珪素(Si34)の表面にあるシリカ(SiO2)と焼結助剤との焼結時の反応により液相が生成する。
また、ガラス相中には希土類元素(重希土類元素または軽希土類元素)が含まれていてもよいが、これらの元素の存在は、エネルギー分散型X線分析の方法により検出することができる。
[α-サイアロン相]
α-サイアロン相とは、下式(3):
x(Si,Al)12(O,N)16 式(3)
(ここで、0≦x≦2、Mは侵入型固溶元素)
の化学構造を有するα-サイアロンの粒子(α-サイアロン相構成粒子)により構成される相をいい、α-サイアロンはα-窒化珪素(α-Si34)と類似の結晶形を有する。
そして、本態様における侵入型固溶元素Mは希土類元素であり、かかる希土類元素としては重希土類元素や軽希土類元素が挙げられる。そして、本態様にいう侵入型固溶元素Mは、原料金属酸化物中に含まれる希土類酸化物(重希土類酸化物または軽希土類酸化物)に由来する。
重希土類元素とは、イットリウム族元素とも呼ばれ、希土類元素の中でもその水酸化物の塩基性が比較的弱い元素である。具体的には、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、及びランタノイド元素に属する9元素[原子番号の低い方から高い方の順に、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)]の、合計11元素を意味する。この中でも、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)がより好ましい。
また、軽希土類元素とは、セリウム族元素とも呼ばれ、希土類元素の中でもその水酸化物の塩基性が最も強い一群の元素である。具体的には、ランタノイド元素に属するランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)の6元素を意味する。この中でも、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)がより好ましい。
なお、α-サイアロン相中の希土類元素の存在は、エネルギー分散型X線分析の方法により検出することができる。
本態様にいう侵入型固溶元素Mには、適度な量のα-サイアロン相を確保してサイアロン材料の硬さを向上させる観点からは、少なくとも一部に、重希土類元素が含まれていることが好ましい。
また、本態様にいう侵入型固溶元素Mは、耐高温反応性の観点からは、重希土類元素と軽希土類元素の組み合わせ、特に重希土類元素であるイットリウムと軽希土類元素であるネオジム、プラセオジム及びサマリウムからなる群から選択される一種以上の特定軽希土類元素との組み合わせ、特に重希土類元素であるイットリウムと軽希土類元素であるプラセオジムとの組み合わせを用いることが好ましい。
[「α/(α+β)率」
α-サイアロン相は、α-サイアロン相及びβ-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率(以下、「α/(α+β)率」と呼ぶこともある)として15%を超えない量で、本態様のサイアロン材料中に任意に含まれていてもよい。かかる重量百分率は、X線回折装置を用いた回折データを解析することによって見積もることができる。
もっとも、一般にα-サイアロン相は、サイアロン材料の硬さ(ビッカース硬度等)を向上させる。かかる観点からは、α-サイアロン相及びβ-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率として6.5%以上、あるいはさらに7%以上含まれることが好ましい。
[ガラス相含有率]
ガラス相は、サイアロン材料の断面積に現れる面積百分率として6〜10%の量で含まれる。かかる面積百分率は、走査電子顕微鏡を用いて見積もることができる。
ガラス相は特に、サイアロン材料の高温特性に影響を及ぼす。ガラス相は、原料粉末混合物からサイアロンを焼結により製造する際には、適量の液相として存在し、β-サイアロン相構成粒子の成長、及びそのアスペクト比の増加に寄与する。かかる観点から、本態様では、サイアロン材料の断面において、面積百分率として少なくとも6%のガラス相が含まれる。さらに、本願発明ではガラス相に希土類元素を含むので比較的融点が高く、ガラス相が比較的多く含まれていても高温(たとえば1000℃以上)における強度は比較的維持される。もっとも、高温における強度向上に最も寄与するのは、棒状構造を有するβ-サイアロン相構成粒子であることから、ガラス相の面積百分率の上限として10%までとしている。
[β-サイアロン相]
β-サイアロン相は、本態様の方法で得られるサイアロン材料中の第一の主構成成分であり、β-サイアロン粒子の棒状構造により、サイアロン材料の破壊靭性を向上させることができる。かかる観点からは、β-サイアロン相構成粒子の数が多いほど、またβ-サイアロン相構成粒子のアスペクト比が大きいほど好ましい。これにより、高い硬さクリープ耐性(応力指数nが少なくとも25以上、より好ましくは30以上、更に好ましくは40以上)を示すのに有利である。
より具体的には、サイアロン材料の断面の6.5μm×14.5μmの領域内に2μm以上の最大径を有するβ-サイアロン相構成粒子が好ましくは10個以上、より好ましくは12個以上、さらに好ましくは14個以上存在することが好ましい。
かかるβ-サイアロン相構成粒子の測定は、たとえば、走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズS−4800)により1万倍の画像をランダムに5視野(それぞれ6.5μm×14.5μm)取得し,画像処理ソフト イメージプロを用いて二値化処理により、6.5μm×14.5μmの観察視野中に現れる最大径2μm以上のβ-サイアロン粒子の数平均を求めることで行うことができる。また、観察すべきサイアロン断面は、ガラス相の面積百分率の測定(実施例表2の脚注3参照)と同様に作製することができ、サイアロン断面につき、スパッタによりプラチナを1.5nm程度被覆して観察することができる。
また、2μm以上の最大径を有するβ-サイアロン相構成粒子の平均アスペクト比が3.5以上であることが好ましく、3.9以上であることがより好ましい。
β-サイアロン相構成粒子の平均アスペクト比の測定は、たとえば、走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズS−4800)により1万倍の画像をランダムに5視野(それぞれ6.5μm×14.5μm)取得し,画像処理ソフト イメージプロを用いて二値化処理により、6.5μm×14.5μmの観察視野中に現れる最大径2μm以上のβ-サイアロン粒子の平均アスペクト比を求めることで行うことができる。
なお、各β-サイアロン粒子のアスペクト比は粒子の断面を楕円に近似して、その短軸長さに対する長軸長さの比として求めることができる。また、楕円近似の方法としては、粒子断面の最長径を楕円長軸として採用した後、等しい断面積になるように短軸の長さを決めることにより行うことができる。
また、β-サイアロン相構成粒子の最大径とは、走査電子顕微鏡写真により観察される粒子の平面形状を通過する直線を考え、そのような直線のうち、該粒子の平面を最も長く通過する直線の長さを意味する。
なお、硬さクリープ耐性は、たとえば高温顕微硬度計ニコンQM−2を用い、真空下、1100℃にて立方晶窒化ホウ素(cBN)圧子(ビッカース圧子)を用いて、圧子の押込み時間を10秒から480秒まで変化させ,圧痕形状から硬さクリープ挙動を測定することができる(荷重:1kg重)。
硬さクリープ耐性の評価は、下式(4):
u=[2A2nt(F/E)nexp(−Qc/RT)+u0 2n1/2n (4)
u:圧子の押込み深さ
0:押込みクリープの定常状態が始まるときの圧子の押し込み深さ
2:材料定数
n:応力指数
t:押込み時間
F:荷重
E:ヤング率
Qc:クリープの活性化エネルギー
R:気体定数
T:試験温度
を基礎にして、応力指数nを見積もることによって行うことができる。すなわち、u>>u0の場合、上式(4)は、押し込みクリープ曲線(圧子の押し込み深さu vs.押込み時間t)を両対数グラフに書き直すと1本の直線になることを示すことができ、このときの直線部分の勾配s(=[∂ln t/∂ln u]T)が1/2nに等しいことから、下式(5)により求めることができる(非特許文献2参照)。
n=(1/2)[∂ln t/∂ln u]T (5)
この応力指数nが大きいほどクリープによる変形が小さいといえる。
(1−4)
本態様の熱処理に用いるサイアロンセラミックス材料は、たとえば以下のようにして好ましく製造することができる。
すなわち、少なくとも以下の4つの工程(I)〜(IV):
(I)42〜54モル%の窒化珪素(Si34)、26〜46モル%の窒化アルミニウム(AlN)、9〜22モル%の酸化アルミニウム(Al23)、1.8〜3.4モル%の重希土類酸化物及び任意に0〜2.1モル%の軽希土類酸化物を、合計100モル%となるように含み、前記窒化珪素(Si34)のモル数に対する前記重希土類酸化物と前記軽希土類酸化物中の全希土類元素のモル数との比の百分率が、7.0%〜13.0%である原料粉末混合物を準備する工程;
(II)前記原料粉末混合物を溶媒または分散剤の共存下、粉砕混合する工程;
(III)前記粉砕混合した原料粉末混合物を乾燥する工程;及び
(IV)前記乾燥した原料粉末混合物をプレス成形後、焼結する工程;
を含むことによって、サイアロンセラミックスの相構成等を制御する。
サイアロン焼結体の形成過程においては、希土類元素は可能性として、任意のα-サイアロン相の形成に寄与する部分と、ガラス相に残留する部分とがあり、その比率が他の原料である窒化珪素,窒化アルミニウム,酸化アルミニウム(さらに窒化珪素粉末表面に自然に存在する酸化ケイ素)のバランスで変化してしまうため制御がそれほど容易とはいえない。
[工程(I)]
工程(I)はサイアロンセラミックスを製造するための原料混合物を特定の組成範囲で準備する工程である。得られるサイアロンセラミックス焼結体における、β-サイアロン相と任意のα-サイアロン相との重量比率や、ガラス相の含有率は、原料混合物の組成範囲に大きく影響される。
ここで、窒化珪素(Si34)は焼結セラミックスを形成するための主原料であり、その他の窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al23)、重希土類酸化物及び任意成分である軽希土類酸化物は焼結助剤に相当する。
すなわち、後の工程である工程(IV)において、焼結助剤は窒化珪素(Si34)の粒子内に固溶して、β-サイアロン相及び任意のα-サイアロン相を形成する。
他方で、焼結助剤は、後の工程である工程(IV)において、窒化珪素(Si34)の表面に存在するシリカ(SiO2)と反応して液相を形成し、焼結後はガラス相として残存する。
ここで、焼結助剤としての希土類酸化物は、ガラス相の形成及び前記侵入型固溶元素Mとなって任意のα-サイアロン相の形成に関与する。
また焼結中の前記液相が適量存在することは、β-サイアロン相構成粒子の棒状粒子の成長促進や該棒状粒子のアスペクト比向上に有利に働くものと考えられる。焼結中の液相は、焼結後はサイアロンセラミックス中のガラス相となることから、液相の量を制御することにより、焼結後のサイアロンセラミックス中のガラス相の量を制御することができる。そして、窒化珪素(Si34)、酸化アルミニウム(Al23)及び窒化アルミニウム(AlN)の間の比率を固定した場合、窒化珪素(Si34)に対する希土類酸化物の量を調節することで、β-サイアロン相に対するα-サイアロン相や液相の割合を制御できるものと考えられる。すなわち、希土類酸化物の添加によりβ-サイアロンではなく別の結晶相であるα-サイアロンが形成されやすくなり、また、β-サイアロン相という結晶相の形成が妨げられることで液相が形成されやすくなると考えられる。すなわち、窒化珪素(Si34)に対する希土類酸化物の量を調節することで、β-サイアロン相に対するα-サイアロン相や液相の割合を制御できるものと考えられる。すなわち、希土類酸化物の添加によりβ-サイアロンではなく別の結晶相であるα-サイアロンが形成されやすくなり、また、β-サイアロン相という結晶相の形成が妨げられることで液相が形成されやすくなると考えられる。
また、用いる希土類酸化物中の重希土類酸化物の割合を増やすことで、α-サイアロン相がより形成されやすくなる。重希土類元素は、軽希土類元素に比べてイオン半径が小さい傾向があり、少ない量でも窒化珪素中に固溶しやすくαサイアロン相となりやすいからである。
このように、所望のサイアロンセラミックス材料を得る上で、希土類酸化物により提供される希土類元素が重要な働きをしている。すなわち、一部の希土類元素はα-サイアロン相における侵入型固溶元素Mとなり、任意のα-サイアロン相生成に寄与する。また一部の希土類元素はガラス相に固溶し,ガラス相の融点などの熱的性質や,他物質との反応性に寄与する。またさらに焼結時の液相に存在することでβ-サイアロン相の粒成長、特にβ-サイアロン相は棒状に延伸するところ、そのアスペクト比や粒成長を変化させる。
かかる観点から、本願発明においては、窒化珪素(Si34)のモル数に対する希土類酸化物中の希土類元素の全モル数の比の百分率を、好ましくは7.0%〜13.0%、より好ましくは8.0%〜13.0%、さらに好ましくは8.0%〜10.0%に調節するのが、適量のガラス相の形成、及びβ-サイアロン相の粒成長や高いアスペクト比の点で好ましい。
また、適量のα-サイアロン相を得る観点からは、さらに希土類酸化物中の希土類元素の全モル数に対する重希土類酸化物中の重希土類元素のモル数の百分率が、50%〜100%であることが好ましく、75%〜100%であることがより好ましい。これは、得られるサイアロン材料の、良好な高温ビッカース硬さ(たとえば1100℃の環境においてビッカース硬さ600HV程度)及び高い硬さクリープ耐性(たとえば応力指数nが25以上、より好ましくは30以上、更に好ましくは40以上)の観点からも好ましい。
さらに、本願発明では、α/(α+β)率制御の観点から、原料粉末混合物中に含まれるアルミナと窒化アルミナの合計モル数に対する窒化アルミニウムのモル数の比の百分率が60〜75%であることが好ましい。
また、高温時の耐摩耗性の観点からは、ポリサイアロン相はできるだけ存在しない方が好ましく、サイアロンの断面積に現れる、β-サイアロン相、ガラス相及び任意のα-サイアロン相の面積百分率を向上させる観点からは、原料粉末混合物中に含まれるアルミニウム原子のモル数に対する珪素原子のモル数の比が、1.9〜2.8であることが好ましく、2.0〜2.8であることがより好ましい。また、このパラメーターは、主原料である窒化珪素(Si34)の量に対する、焼結助剤である窒化アルミニウム(AlN)及び酸化アルミニウム(Al23)の量を反映するものであるから、このパラメーターを制御することでも、液相の割合を調節することができる。
なお、主原料である窒化珪素(Si34)は、α-窒化珪素相及びβ-窒化珪素相の合計重量に対するα-窒化珪素相の重量百分率が90%以上であることが、焼結性向上の観点で好ましい。なお、α-窒化珪素相の重量百分率(以下、窒化珪素について、単にα-相率と呼ぶ場合がある。)はX線回折により測定することができる。
[工程(II)]
工程(II)は、工程(I)で準備した原料粉末混合物を、溶媒または分散剤の共存下、粉砕混合する工程である。
溶媒としてはエタノール、その他公知の分散剤を用いることができる。
また、粉砕メディアとしては、従来公知の任意の装置を用いることができるが、窒化珪
素ボールを加え転動ミルで混合を行うことが、混合粉の均一性と汚染防止の点で好ましい
[工程(III)]
工程(III)は、工程(II)で得られた粉砕混合した原料粉末混合物を乾燥する工
程である。
乾燥には、従来公知の任意の装置を用いることができるが、スプレードライにより乾燥
を実施することが成形体の均一性の点で好ましい。
[工程(IV)]
工程(IV)は、工程(III)で得られた乾燥した原料粉末混合物をプレス成形後、
焼結する工程である。
焼結条件としては、雰囲気炉中の窒素雰囲気下、0.1〜0.9MPaの圧力、180
0℃程度の温度で数時間程度で焼結を行うことが好ましい。
[2]本発明の第二の態様について
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様の方法を用いて、耐高温反応性の改善されたサイアロンセラミックス材料を製造する方法である。
実質的に本発明の第一の態様と同様であり、前記[1](1−1)〜(1−4)の記載を援用する。
[3]本発明の第三の態様について
本発明の第三の態様は、
耐高温反応性の改善されたサイアロンセラミックス材料からなる工具であって、
前記サイアロンセラミックス材料からなる工具の表面に酸化被膜が形成され、
前記酸化被膜には、ムライト、石英及びクリストバライトが含まれ、
前記サイアロンセラミックス材料が、β-サイアロン相、ガラス相及び任意のα-サイアロン相を含み、
前記α-サイアロン相及び前記β-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率として15%を超えない範囲で前記α-サイアロン相を含んでいてもよく、
前記サイアロンセラミックス材料の断面積に現れるガラス相の占める面積百分率が6〜10%であることを特徴とする、工具である。
(3−1)
本発明の工具は、本発明の第一の態様の熱処理後のサイアロンセラミックス材料を、たとえば、平面研削盤や上下面研削盤、外周研削盤などを用いて、ダイヤモンド砥石、ダイヤモンド砥粒により研磨、研削加工を行うことで工具に加工することができる。
(3−2)
サイアロン材料からなる工具は、切削用工具として好適に用いることができる。かかる切削用工具としては、サイアロン材料をインサート(刃先交換チップ)と呼ばれる使い捨ての刃先に加工して、該インサートを支持体(ホルダー)の先端に取り付けた構造を有することが多い(試験例2、図5参照)。旋回、掘削、フライス加工等の金属加工に好適である。
(3−3)
対象となるニッケル基超耐熱合金としては、耐熱合金として知られる任意のニッケル基超耐熱合金を用いることができる。
係るニッケル基超耐熱合金としては、たとえば、モネル(商標、Ni−Cu系)、ハステロイ(商標、Ni−Fe−Mo系)、ニクロム(商標、Ni−Cr系)、インコネル(商標、Ni−Cr−Fe系)、パーマロイ(商標、Ni−Fe系)、コンスタンタン(商標、Cu−Ni系)、ジュラニッケル(商標、Ni−Al−Ti系)、コバール(商標、Co−Ni−Fe系)、アルメル(商標、Ni−Al系)、クロメル商標、(Ni−Cr系)、インバー(インバール、商標、Fe−Ni系)、エリンバー(エリンバール、商標、Fe−Ni−Cr系)、ワスパロイ(商標、Ni−Co−Cr)等を例示できる。
[作製例]サイアロン材料の作製
2種類のサイアロン材料を、下記表1に示す原料組成物から作製した。
*1:各サイアロン材料の記号は以下の意味を示す。
YN4:
酸化イットリウム(Y23)及び軽希土類酸化物としての酸化ネオジム(Nd23)添加
Y21:
酸化イットリウム(Y23)添加、軽希土類酸化物無添加
以下、より具体的に上記表1中のYN4サイアロン材料及びY21サイアロン材料(比較品)の作製例を示す。
[YN4サイアロン材料の作製]
窒化珪素粉末(α相率91%以上,平均粒径約0.7μm)、窒化アルミニウム粉末(平均粒径約1.1μm)、酸化アルミニウム(アルミナ)粉末(平均粒径約0.3μm)及び酸化イットリウム(イットリア)粉末(平均粒径約3μm)及び酸化ネオジム粉末(平均粒径約3μm)を63:16:14:5:2の重量比に混合した。
得られた固相混合物を、固相となる該混合物の重量と同重量のエタノールに溶解させ、さらに2重量%(前記固相混合物100g当たり2g添加)の凝固剤(ポリビニルアセタール樹脂)を加え、固相混合物重量の2.5倍の窒化ケイ素ボール(φ5mm)とともに横置き回転ミルを用いて約100rpmにて10時間以上混合した。
得られたスラリーを窒素気流中で噴霧乾燥した後、成形圧約60MPaで錠剤形(直径約17mm,厚さ10mm)に成形して焼結を行った.焼結は約9気圧に加圧した窒素中で1800℃、4時間以上保持することで、YN4サイアロン材料の焼結体を得た。
[Y21サイアロン材料の作製]
窒化珪素粉末(α相率91%以上,平均粒径約0.7μm)、窒化アルミニウム粉末(平均粒径約1.1μm)、酸化アルミニウム(アルミナ)粉末(平均粒径約0.3μm)及び酸化イットリウム(イットリア)粉末(平均粒径約3μm)を63:16:14:7の重量比に混合した。これを前記YN4サイアロン材料の作製と同様の方法で、Y21サイアロン材料の焼結体を得た。
[酸化被膜の形成]
得られた各サイアロン材料を、種々の温度(1200℃〜1400℃)及び時間(10分〜120分)で、大気中での熱処理に供した。YN4サイアロン材料を種々の条件で熱処理して得られた熱処理品をYN−1〜YN−5とし、Y21サイアロン材料を種々の条件で熱処理して得られた熱処理品をY21−1〜Y21−5と表記した。また未熱処理品はそれぞれYN−0及びY21−0と表記した(表2参照)。
熱処理前後でのサイアロン材料表面のX線回折像を、YN4の材料を用いて測定すると、熱処理後の該表面上にムライト、石英、クリストバライト等の酸化物の析出が確認できた(図1参照)。
[試験例1]界面反応試験
被削材であるニッケル基超耐熱合金(インコネル718)と、サイアロン工具との間の界面反応性を調べるため、以下のような実験を行った。
前記作製例で得られた各種サイアロン材料の焼結体(表1参照)を複数、直径13mm、厚み1mm程度の円盤状に切り出し、その一部を前記熱処理前のサイアロンサンプル(YN−0、Y21−0)とし、残りをさらに所定の条件で熱処理することで、熱処理後のサイアロンサンプル(YN−1〜YN−5、Y21−1〜Y21−5)として用いた。
インコネル718については、直径20mm、厚み3mmの円盤状サンプルをニッケル基超耐熱合金サンプルとして用いた。
前記のように準備したサイアロンサンプルとニッケル基超耐熱合金サンプルの両者を図2に示すように重ね合わせて試験サンプルを作製した。次いで、図2に示すように試験サンプルにサイアロンサンプル側から数100kgの荷重を加えながら、真空中で試験サンプルを加熱した。昇温速度は50℃/分、保持温度1200℃、保持時間5分間の条件で加熱し、冷却後、試験サンプルを切断してサイアロンサンプルとニッケル基超耐熱合金サンプルとの接触界面の観察を行った。図3及び図4はそれぞれ、サイアロンサンプルが、Y21−0〜5(比較品)、YN4−0〜5サイアロン材料でそれぞれ構成される場合の接触界面の電子顕微鏡写真を示す。各写真画像の上部の暗組織がサイアロンサンプル、下部の明組織がニッケル基超耐熱合金サンプルである。
この観察の結果、熱処理前の未処理サイアロンサンプルとニッケル基超耐熱合金サンプルとの接触加熱により、その界面のサイアロンサンプル側にニッケル基超耐熱合金サンプルからの浸食と思われる変性組織が認められた[図3(a)及び図4(a)参照]。この変性組織は、ニッケル基超耐熱合金サンプル側からニッケル基超耐熱合金中のCr、Ni、Mo、Nb等の金属成分がサイアロンサンプル側に浸潤したものと考えられた。すなわち、この変性組織はサイアロン材料とニッケル基超耐熱合金合金との間の界面反応層であり、その層の厚さ(界面反応層厚さ)がサイアロン材料とニッケル基超耐熱合金合金との間の反応性の大きさと相関があるものと考えられた。
他方、熱処理後のサイアロンサンプルとニッケル基超耐熱合金サンプルとの接触加熱では、1200℃から1300℃と熱処理温度を上げるに従い、Y21(イットリア系)及びYN4(イットリア−ネオジム系)のいずれにおいても、界面反応層厚さが減少し、1300℃では界面反応層はほとんど観察できなかった[熱処理時間10分、図3(b)、(c)及び(e)、及び図4(b)、(c)及び(e)参照]。しかし、1400℃まで熱処理温度を上げると酸化被膜の凹凸が顕著となり、気泡を巻き込んだ状態等も観察された[図3(f)及び図4(f)参照]。また、1250℃で熱処理時間を2時間に延長した場合[図3(d)及び図4(d)]、1300℃で10分間熱処理した場合[図3(e)及び図4(e)参照]と同様、界面反応層はほとんど観察できなかった。
下記表2には、各種サイアロンサンプルにおいて観察された、界面層反応厚さを示す。
*1:界面反応層厚さ
電子顕微鏡写真に示される、接触界面からサイアロン材料側に観察される変性組織の層の厚さである(図3の互いに逆向きの2つの矢印で示される層の厚さ参照)。走査電子顕微鏡(2000倍)により反応界面を含む断面観察を行い、その視野で最も厚い部分を5000倍で観察して反応層厚さを求めた。
*2:「〜0」は画像(倍率5000倍)では反応層が観察できなかったことを意味する。
*3:Y21−0サンプルのα/(α+β)率*7は14.4%、ガラス相面積百分率*8は7.1%、z値*9は0.89であった。
*4:Y21−4サンプルのz値*9は1.03であった。
*5:YN4−0サンプルのα/(α+β)率*7は7.3%、ガラス相面積百分率*8は7.15%、z値*9は0.56であった。
*6:YN4−4サンプルのz値*9は0.89であった。
*7:α/(α+β)率
α-サイアロン相(α-SiAlON)とβ-サイアロン相(β-SiAlON)の重量比の百分率である。リガク製X線回折装置によるCuKα線を用いた2θが5°〜70°の回折データを元に、同装置付属のPDXL2ソフトのRIR法により決定した。
*8:ガラス相の面積百分率
走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズS−4800)により1万倍の画像をランダムに5視野(それぞれ6.5μm×14.5μm)取得し,画像処理ソフト イメージプロを用いて二値化処理により試料表面に現れるガラス相の面積を測定し、その数平均を採用した。なお、観察したサイアロン断面は、ダイヤモンド砥粒による切断砥石で切断後、エメリー紙,ダイヤモンドペーストで機械研磨し,イオンミリング装置でフラットミリングした面を用いた。
*9:z値
β-サイアロン相(β-SiAlON)を構成するβ-サイアロンの下記一般式(6)中のzの値を示す。ここで、一般に0≦z≦4である。
Si6-ZAlZZ8-Z (6)
Si34結晶へのAl及びOの固溶により結晶の格子定数が変化するため、結晶の格子定数を評価可能なX線回折法でz値を算出できる。
[試験例2]
前記作製例で得られた、熱処理前及び熱処理後のサイアロン材料Y21−0〜5及びYN4−0〜5(前記表1参照)を、それぞれインサート工具(RNGN120700TN)形状に加工し、切削加工に供した。
切削加工は、被削材インコネル718、使用工具(直径50mm、単一刃切削)、切削条件を刃先速度(Vc)1000m/min、送り速度(Vf) 828mm/min、切り込み量(ap) 1.5mm、切り込み幅(ae) 30mm、冷却液無(dry)、アップカットのフライス加工とした(図5参照)。
所定の距離ごとに摩耗部を顕微鏡で観察し、最も高温となる先端部の摩耗幅(先端部摩耗幅)を評価したが、Y21系工具及びYN4系工具それぞれについて、未熱処理品(Y21−0またはYN4−0)と熱処理品(Y21−1〜5またはYN4−1〜5)との間で、摩耗幅の有意な差は認められず、切削寿命の観点からは、熱処理により有意な寿命の向上は確認できなかった。
しかし、試験例1で言及した変性組織に由来すると考えられる溶着物除去の観点からは、Y系工具及びYN4系工具いずれについても、未熱処理品と熱処理品との間で明らかに差異が認められた。すなわち、溶着物を金ブラシで除去したところ、未処理品では溶着物が強固に固着していたためものによっては除去不能であったが、熱処理品では容易に除去できた。
この種のインサート工具は1コーナー使用後に装着し直し、別コーナーを利用することがしばしば行われるが、溶着物が除去できなかった場合、ホルダーへの取付の正確性が維持できなくなるため、そのインサート工具は廃棄される。しかし、溶着物が残留していると、そのままではホルダーに正確に取り付けることができない。このため、溶着物が容易に除去できれば、溶着物除去のための手間が省略でき、作業時間を低減することができる。さらに、溶着物が除去できれば、インサート工具の繰返し使用にも貢献できる。

Claims (9)

  1. サイアロンセラミックス材料の耐高温反応性改善方法であって、
    酸素含有雰囲気下、1200℃以上〜1400℃未満の温度でサイアロンセラミックス材料を熱処理して、該材料表面上にムライト、石英及びクリストバライトを含む酸化被膜を形成する工程を含み、
    前記サイアロンセラミックス材料が、β-サイアロン相、ガラス相及び任意のα-サイアロン相を含み、
    前記α-サイアロン相及び前記β-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率として15%を超えない範囲で前記α-サイアロン相を含んでいてもよく、
    前記サイアロンセラミックス材料の断面積に現れるガラス相の占める面積百分率が6〜10%であることを特徴とする、方法。
  2. 前記熱処理に供されるサイアロンセラミックス材料が、以下の工程(I)〜(IV):
    (I)42〜54モル%の窒化珪素(Si34)、26〜46モル%の窒化アルミニウム(AlN)、9〜22モル%の酸化アルミニウム(Al23)、1.8〜3.4モル%の重希土類酸化物及び任意に0〜2.1モル%の軽希土類酸化物を、合計100モル%となるように含み、前記窒化珪素(Si34)のモル数に対する前記重希土類酸化物と前記軽希土類酸化物中の全希土類元素のモル数との比の百分率が、7.0%〜13.0%である原料粉末混合物を準備する工程;
    (II)前記原料粉末混合物を溶媒または分散剤の共存下、粉砕混合する工程;
    (III)前記粉砕混合した原料粉末混合物を乾燥する工程;及び
    (IV)前記乾燥した原料粉末混合物をプレス成形後、焼結する工程、
    を含む製造方法により得られることを特徴とする、請求項1に記載のサイアロンセラミックス材料の耐高温反応性改善方法。
  3. 前記酸化被膜を形成する工程が、60秒〜12時間の間行われることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記サイアロンセラミックス材料中のβ-サイアロン相のz値が0.4〜1.3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記α-サイアロン相及びβ-サイアロン相の合計重量に対するα-サイアロン相の重量百分率の下限が6.5%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記原料粉末混合物中に含まれるアルミニウム原子のモル数に対する珪素原子のモル数の比が、1.9〜2.8であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  7. 前記原料粉末混合物中に含まれる酸化アルミニウム(アルミナ)と窒化アルミニウムの合計モル数に対する窒化アルミニウムのモル数の比の百分率が60〜75%であることを特徴とする、請求項2または6に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法を用いて、耐高温反応性の改善されたサイアロンセラミックス材料を製造する方法。
  9. 耐高温反応性の改善されたサイアロンセラミックス材料からなる工具であって、
    前記サイアロンセラミックス材料からなる工具の表面に酸化被膜が形成され、
    前記酸化被膜には、ムライト、石英及びクリストバライトが含まれ、
    前記サイアロンセラミックス材料が、β-サイアロン相、ガラス相及び任意のα-サイアロン相を含み、
    前記α-サイアロン相及び前記β-サイアロン相の合計重量に対する重量百分率として15%を超えない範囲で前記α-サイアロン相を含んでいてもよく、
    前記サイアロンセラミックス材料の断面積に現れるガラス相の占める面積百分率が6〜10%であることを特徴とする、工具。
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