JPH0449965B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は乗用田植機に関するもので、従来、
乗用型牽引車体の後部に田植装置を装着した構造
のものにおいては、田植装置の苗タンクの前部は
ゆるやかな傾斜になつていた。

このため、操縦座席から苗タンクへ苗を供給す
る場合、操縦者が後方下方へ大きく身体を屈接し
て苗を供給しなければならず、また、供給した苗
を手で押込む操作をしないと苗が後方下部へ移動
せず、苗補給が大変面倒であつた。

この発明は、上記の欠点を解消することを目的
とし、次の技術手段を講じた。

即ち、乗用型牽引車体１の後部に、田植装置１
２を装着し、この田植装置１２の苗タンク１４を
後方側の下位となるように適宜傾設ならしめると
共に、その先端部が上位となる急勾配にして操縦
座席９の後部に近ずけて設けた乗用田植機の構成
した。

この発明の一実施例を詳細に説明すると、１は
乗用型牽引車体で、ミツシヨンケース２の左右両
側に後方下部へ延びる伝動ケース３，３を止着し
てその先端側に後車輪４，４を軸承し、このミツ
シヨンケース２の前部を斜め上に突出させてその
下方に前方下部に向う軸芯の回りに回動自在な伝
動ケース５を設けてこの伝動ケース５の下端側に
前車輪６を軸承し、また、ミツシヨンケース２の
後部には一体的にエンジン台７を突出させて、そ
の上部にエンジン８を搭載し、更に、ミツシヨン
ケース２の前端上部に操縦座席９とハンドル１０
とを取付けたフレーム１１を取付けた構成にして
いる。

１２は田植装置で、植付フレームを兼ねた植付
伝動ケース１３の上部に側枠部１４^aと底板１４^b
とからなる複数の苗タンク１４，１４…が前側が
上位となるよう前後に傾設して左右移動自在に支
架し、植付伝動ケース１３の左右両側に後方へ延
びる植付杆伝動ケース１５を取付けてその後端部
にクランクによつて伝動回転される植付杆１６を
取付け、更に、植付伝動ケース１３の下側には中
央フロート１７を、その左右両側には側部フロー
ト１８，１８を後方が横軸１９で枢着され前部が
拡縮リンク２０，２０で上下にスイングするよう
に取付けられている。

２２は昇降リンクで、上リンク２２^aと下リン
ク２２^bとからなり、この両リンクの基部は共に
前記エンジン台７に枢詰され、先端部は植付伝動
ケース１３に枢詰されている。

２３は油圧シリンダー装置で、シリンダー２３
^ａの基部がミツシヨンケース２の下端側に枢着さ
れピストン２３^bの先端が前記上リンク２２^aに枢
詰してあつて、このピストン２３^bの出・入によ
つて田植装置１２が昇降動できるようになつてい
る。

２４は油圧切替バルブで、植付伝動ケース１３
の前端部と中央フロート１７との間に取付けら
れ、該中央フロート１７が植付作業に適正な上下
高さから上動し過ぎるとシリンダー２３^a内のオ
イルがタンクへ返還されて田植装置１２が下降
し、逆に下動し過ぎるシリンダー２３^a内にオイ
ルが送込まれて田植装置１２が上昇するよう設け
られ、常に田植装置１２のフロート接地圧が略々
一定に保持されるよう設けられている。

２５は油圧切替バルブ２４を手動で切替える切
替レバーを示す。

２６は田植装置１２側へ動力を伝達する伝動軸
を示す。

上記の通り田植装置１２が装着されるが、この
田植装置１２の前記苗タンク１４は、前述の通り
後端側が下位で前側が上方になるように傾設され
るが、この苗タンク１４の先端部が前記操縦座席
９の後側に近づくように苗タンク前側部を一段と
上向きの急勾配に構成している。

尚、図中の記号２７は苗縦送り装置で、苗タン
ク１４が植付伝動ケース１３内の横移動装置によ
つて作動棒２８、アーム２９を介して左右に移動
して横端に対したとき植付伝動ケース１３の側方
で回転する回転体３０により係合作動され、苗タ
ンク１４中の苗が後方下端側へ所定量送られるよ
う設けられている。３１は苗タンク１４の下端開
放口に対向して設けられた苗受止枠で、この苗受
止枠３１には前記植付杆１６の分離爪部が介入す
る苗分割口３２，３２…が穿たれている。３３は
予備苗タンクで、操縦座席９の前部に突出する突
起枠３４の左右両側に設けられている。

３６は伝動ベルト、３５は植付クラツチレバー
である。

次に、上例の作用について説明すると、まず、
苗タンク１４と予備苗タンク３３に土付板状苗を
載置したのち、エンジン８によつて各回転部を伝
動する。すると、前車輪６及び後車輪４が共に駆
動され牽引車体１が前進する。このため、田植装
置１２が牽引され、水田の表土面に中央部及び側
部の両フロート１７，１８が浮上された状態で滑
走し、苗タンク１４，１４…は土付板状苗を載置
したまま左右に往復移動して各植付杆１６，１６
…に一株分づつ苗を供給する。

したがつて、各植付杆１６，１６…は供給され
る苗を分割保持して各フロート１７，１８で整地
される水田の表土中へ植付ける。このようにして
苗植付け作業が行われるが、苗タンク１４，１４
…中の苗が少なくなり苗補給が必要になると、操
縦者は苗植付作業を停止し、予備苗タンク３３に
あらかじめ収容しておいた苗を取出して乗車した
まま身をねじつて後へふり向き、苗タンク１４の
上側部から苗を滑り込ませて苗補給をする。この
とき、苗タンク１４，１４の先端部が操縦座席９
の後部近くにあつて急勾配になつているから土付
板状苗の一端側を載せ掴んでいた苗を放せば土付
板状苗が苗タンク１４の上面を滑り落ちて補給さ
れる。

したがつて、従来のように苗を手で押し込む必
要がなく、また、補給時の初期では急速に滑り落
ちるが補給完了に近ずくときにはその滑り落ち速
度が遅くなつて、残り苗に急激に衝突することな
く的確に補給することができる。

このようにして苗補給が完了すると、再び苗植
付け作業を開始する。

以上、この発明は前記の構成としたから、操縦
座席から苗タンクへ苗を補給する場合に操縦者が
大きく身体を屈折して補給しなくても後を振り向
くだけで楽に補給できると共に補給する苗が自重
で円滑に残り苗に当接するまで滑り込み簡単、迅
速に苗補給できる作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例を示し、第１図は側
面図、第２図はその平面図である。 図中記号、１は乗用型牽引車体、９は操縦座
席、１２は田植装置、１４は苗タンクを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 乗用型牽引車体の後部に、田植装置を装着
   し、この田植装置の苗タンクを後方側が下位とな
   るように適宜傾設ならしめると共に、その先端部
   が上位となる急勾配にして操縦座席の後部に近ず
   けて設けたことを特徴とする乗用田植機。