JPS603689Y2 - 乗用田植機における補助苗供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、乗用田植機における補助苗供給装置に係るも
のである。

一般に、乗用田植機の走行機体に昇降自在に苗植付装置
を架設し、該苗植付装置の主苗載置台に供給する集団苗
を載置収容した補助苗載置台からなる補助苗供給装置を
上記走行機体に搭載した乗用田植機において、前記補助
苗載置台を油圧供給バルブから供給される油圧によって
伸縮する油圧シリンダを介して上下傾倒せしめて、補助
苗載置台上の集団苗を主苗載置台に自動的に滑落供給す
るように構威したものが知られている。

しかしながら、従来、この種の乗用田植機における油圧
供給バルブを切換作動せしめる操作レバーは、常時は中
立位置に復帰しており、苗供給作業時には、補助苗載置
台の上昇並びに下降作動のため、上記操作レバーをいち
いち操作しなければならず、特に、上昇した補助苗載置
台を下降して所定位置に復帰するためには、操作レバー
を操作しながら、補助苗載置台が所定位置に下降復帰し
たことを確認してから操作レバーを中立位置に戻さねば
ならず、操作が複雑である許りか煩雑であり、しかも補
助苗載置台が所定位置に完全に下降復帰していない場合
には、新たに載置収容した集団苗の載置位置がずれたり
、あるいは補助苗載置台から落下したりしてしまい、円
滑な苗供給作業ができない詐りか危険でもあった。

本考案は、上記の如き実状に鑑み、これらの欠点を一掃
すべく創案されたものであって、補助苗載置台を油圧供
給バルブから供給される油圧によって伸長する油圧シリ
ンダを介して上下傾倒自在に形成して、苗植付装置の主
苗載置台に集団苗を滑落供給すべく構威し、上記油圧供
給バルブを、油圧シリンダに油圧供給して伸長せしめる
アップポートと、油圧シリンダの油を油タンクに返還供
給して短縮せしめるダウンポートとにより形成すると共
に、該油圧供給バルブには各ポートを切換制御する操作
レバーと戻り弾機とを設け、操作レバーの開放時には、
該戻り弾機を介してダウンポートが油圧シリンダに連通
復帰すべく構成することにより、苗供給作業にあっては
、補助苗載置台を上昇させて、集団苗を主苗載置台に滑
落供給した後に、操作レバーを開放すれば、油圧シリン
ダは自動的にダウンポートに連通し、該油圧シリンダが
短縮して補助苗載置台を所定位置に下降復帰せしめるこ
とができ、もって、苗供給作業を簡略化して作業能率の
向上を図れる許りか、新たな集団苗を補助苗載置台に載
置しても位置ずれしたり落下することなく、安全かつ円
滑な苗供給作業をすることのできる乗用田植機における
補助苗供給装置を提供せんとするものである。

本考案の構成を、図面に示された一実施例について説明
すれば、１は乗用田植機における走行機体であって、ハ
ンドル２、運転席３がその略中央部に搭載されている。

４は走行機体１の後側に昇降自在に架設された苗植付装
置であって、従来同様の苗植付装置と、該苗植付装置に
集団苗を供給すべく後方下位に向は傾斜した主苗載置台
５、フロート６１、植付爪４ａ等を装備することにより
構成されている。

７は走行機体１の運転席３後方に固着した支持フレーム
、８は該支持フレーム７と共に後述するスクレーパを兼
ねた補助苗載置台を支持するガイドフレーム、９は上記
ガイドフレーム８の後方側に沿って油圧シリンダ１０の
伸縮作動によって昇降する昇降フレームである。

１１はガイドフレーム８の上端近傍に基端を枢着した下
段の揺動アーム、１２は昇降フレーム９の上端近傍に基
端を枢着した上段の揺動アームであって、上記下段揺動
アーム１１の中間部と支持フレームとは油圧シリンダ１
３及びリターンスプリング１４を介して連結されている
。

１５，１６は前記各揺動アーム１１．１２の先端部に固
着された左右方向に延びるパイプ材、１７．１８は昇降
フレーム９の中間部と上端とに固着された左右方向に延
びる支持杆であって、前記各パイプ材１５．１６には、
上下二段の補助苗載置台１９，２０の基端部背面に固着
したクリップ１９ａ、２０ａを回動並びに着脱自在に係
合させると共に、上記支持杆１７，１８には、補助苗載
置台１９，２０の先端部が揺動自在に載置されることに
より、補助苗供給装置２１が構成されている。

一方、第３図には、上記補助苗供給装置２１をも含めた
走行機体１．の油圧供給回路図が示されているが、油圧
ポンプ２２から供給された油圧は、下段揺動アーム１１
を揺動する油圧シリンダ１３に連結された揺動アーム用
油圧供給バルブ２３と、昇降フレーム９を昇降する油圧
シリンダ１０に連結された昇降フレーム９用油圧供給バ
ルブ２４と、苗植付装置４を昇降する油圧シリンダ２５
に連結された苗植付装置用油圧供給バルブ２６とに直列
的に供給されるようになっている。

そして、上記揺動アーム用油圧供給バルブ２３は、油圧
ポンプ２２からの油圧経路が昇降フレーム用油圧供給バ
ルブ２４に連通し、かつ油圧シリンダ１３からの油圧経
路が油タンクＴに連通するダウンポート２３ａと、油圧
ポンプ２２からの油圧経路が油圧シリンダ１３に連通ず
るアップポート２３ｂとによって構成されており、該揺
動アーム用油圧供給バルブ２３に装着した戻し弾機２３
ｃを介して常時はダウンポート２３ａが油圧経路に連通
ずるように弾圧支持されており、操作レバー２７の操作
によって切換制御されて油圧経路がアップポート２３ｂ
と連通ずるようになっている。

尚、図中、２８は昇降フレーム用油圧供給バルブ２４の
操作レバー、２８ａは該油圧供給バルブ２４を常時は中
立位置に復帰せしめる弾機、２９は苗植付装置用油圧供
給バルブ２６の操作レバー、３０はリリーフ弁である。

次に、叙上の如く構成した本考案の作用について説明す
る。

苗植付作業時には、各補助苗載置台１９．２０にそれぞ
れ集団苗を載置収容すると共に、主苗載置台５にも集団
苗を収容し、フロート６が田面に接地滑走する程度に苗
植付装置４を下降させて走行機体を走行させると、主苗
載置台５上の苗が植付爪４ａによって順次単位植付苗株
毎に取り出されて田面に植付けられる。

そして、苗植付作業が進行して主苗載置台５上の集団苗
が所定量まで減少すると、主苗載置台５に集団苗の補給
を行うが、この場合には、先ず走行機体１を停止すると
共に苗植付作業を停止して主苗載置台５の左右移動位置
を補助苗載置台１９，２０と同位相位置に停止させ、操
作レバー２９で苗植付装置４を最高位置まで上昇させた
うえで、操作レバー２７を操作して、アップポート２３
ｂが油圧経路と連通せし・めれば、油圧ポンプ２２から
の油圧は揺動アーム用油圧供給バルブを経て油圧シリン
ダ１３を伸長せしめて、下段揺動アーム１１がガイドフ
レーム８との枢支点を中心に立上り揺動する。

これに伴い、下段補助苗載置台１９は支持杆１７を支点
として次第に後傾しなながら該支持杆１７をガイドとし
て後方に摺動する。

そして、下段補助苗載置台１９の先端（傾斜下端）が主
苗載置台５の上端部上方に重合しなから摺動挿入し、補
助苗載置台１９上の集団苗は自重により主苗載置台５上
に滑落供給される。

しかる後に、操作レバー２７を放せば、戻り弾機２３ｃ
によって揺動アーム用油圧供給バルブ２３はダウンポー
ト２３ａが油圧経路と連通ずるように復帰するから、油
圧ポンプ２２からの油圧経路は昇降フレーム９用油圧供
給バルブ２４への油圧経路に連通ずると共に、伸長して
いる油圧シリンダ１３の油圧経路は圧力をかけられるこ
となく油タンクＴに連通ずるから、上記油圧シリンダ１
３内の油は、揺動アーム１１の自重による戻りモーメン
ト、リターンスプリング１４の復元力等により油タンク
Ｔに流れて、油圧シリンダは短縮しながら揺動アーム１
１を前記と逆方向に揺動復帰させ、これに伴って補助苗
載置台１９は所定位置まで自動的に下降復帰することと
なる。

そして、苗植付作業を開始して再び主苗載置台５上の苗
が所定量まで減少すると、前記同様にして苗植付装置４
を上昇させて主苗載置台５に集団苗の供給を行うが、こ
の場合には操作レバー２８を操作して油圧シリンダ１０
を短縮せしめて昇降フレーム９をガイドフレーム８に沿
って下降させると、上段補助苗載置台２０は下降して上
段揺動アーム１２の先端部下面が下段揺動アーム１１の
先端部に当接する。

、この状態で前記同様、操作レバー２７の操作によって
油圧シリンダ１３を伸長せしめると、上段揺動アーム１
２は下段揺動アーム１１を介して押上げられて次第に立
上り、下段補助苗載置台１９と同様に苗植付装置５上に
摺動挿入して集団苗を滑落供給することになる。

主苗載置台５への苗供給が終了したら、操作レバー２７
を放てば、やはり前記同様自動的に油圧シリンダ１３は
短縮して、上段補助苗載置台２０も所定位置に下降復帰
することとなる。

この様にして集団苗の無くなった補助苗載置台１９．２
０に集団苗を再び載置するには、操作レバー２８を操作
して昇降フレーム９を所定位置まで上昇させた後に、補
助苗載置台１９，２０を取り外し、育苗箱にある集団苗
をスクレープした補助苗載置台１９，２０をクリップ１
９ａ、２０ａがパイプ材１５．１６に係合するようにし
て再び載置するだけでよい。

このとき、揺動アーム１１．１２は前述したように補助
苗載置台１９，２０が所定位置に位置するよう揺動復帰
しているから、走行機体１の振動等によっても集団苗が
位置ずれしたり落下したりすることがないから、安全か
つ円滑な苗供給作業をすることができる。

これを要するに、本考案は、走行機体に、苗植付装置を
昇降自在に架設し、かつ該苗植付装置の主苗載置台に供
給する集団苗を載置する補助苗載置台からなる補助苗供
給装置を装備した乗用田植機において、上記補助苗載置
台を油圧供給バルブから供給される油圧によって伸長す
る油圧シリンダを介して上下傾倒自在に形成して、前記
主苗載置台に集団苗を滑落供給すべく構成し、上記油圧
供給バルブを、油圧シリンダに油圧供給して伸長せしめ
るアップポートと、油圧シリンダの油を油タンクにに返
還供給して短縮せしめるダウンポートとにより形成する
と共に、該油圧供給バルブは各ポートを切換制御する操
作レバーと戻り弾機とを設け、操作レバーの開放時には
、該戻り弾機を介してダウンポートが油圧シリンダに連
通復帰すべく構成したものであるから、苗供給作業にあ
っては、操作レバーを操作して油圧シリンダをアップポ
ートに連通せしめて伸長せしめて補助苗載置台上の集団
苗を主苗載置台上に滑落供給した後に、操作レバーを開
放すれば、戻り弾機によりダウンポートが油圧シリンダ
と連通し、該油圧シリンダは自動的に短縮して補助苗載
置台を所定位置に下降復帰せしめることができ、従って
、補助苗載置台の下降操作を全く不要にして、苗供給作
業の簡略化と作業能率の向上を図ることができる許りか
、補助苗載置台は、確実に所定位置まで下降復帰してい
るから、新たな集団苗を補助苗載置台に載置したとして
も、走行機体の振動等によって集団苗の載置位置がずれ
たり落下したりすることがなく、安全かつ円滑な苗供給
作業と苗植付作業をすることができる等、極めて有用な
実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る乗用田植機における補助苗供給装
置の一実施例を示したものであって、第１図は乗用田植
機の全体側面図、第２図は同上要部拡大側面図、第３図
は油圧経路図である。 図中、１は走行機体、４は苗植付装置、５は主苗載置台
、１３は油圧シリンダ、１４はリターンスプリング、１
９，２０は補助苗載置台、２１は補助苗供給装置、２２
は油圧ポンプ、２３は揺動アーム用油圧供給バルブ、２
３ａはダウンポート、２３ｂはアップポート、２３ｃは
戻り弾機、２７は操作レバー、Ｔは油タンクである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機体に、苗植付装置を昇降自在に架設し、かつ該苗
   植付装置の主苗載置台に供給する集団苗を載置する補助
   苗載置台からなる補助苗供給装置を装備した乗用田植機
   において、上記補助苗載置台を油圧供給バルブから供給
   される油圧によって伸長する油圧シリンダを介して上下
   傾倒自在に形成して、前記主苗載置台に集団苗を滑落供
   給すべく構威し、上記油圧供給バルブを、油圧シリンダ
   に油圧供給して伸長せしめるアップポートと、油圧シリ
   ンダの油を油タンクに返還供給して短縮せしめるダウン
   ポートとにより形成すると共に、該油圧供給バルブには
   各ポートを切換制御する操作レバーと戻り弾機とを設け
   、操作レバーの開放時には、該戻り弾機を介してダウン
   ポートが油圧シリンダに連通復帰すべく構威したことを
   特徴とする乗用田植機における補助苗供給装置。