JPH0448463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、引出し式のチルドケース内に蓋付
きの小物ケースを設けた冷蔵庫に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

第７図は例えば実開昭60−86881号公報に示さ
れた従来の冷蔵庫のチルドケース設置部分の縦断
側面図である。第７図において、１は引出し式の
チルドケース、２はチルド室扉、３はチルド室扉
２に一体に取付けられて後方に延びるフレームで
あり、フレーム３はチルドケース１を保持するよ
うに構成されている。４は図示しない冷却器から
の冷気をチルド室に背面上部から吹出する冷気ダ
クトである。

以上のように構成された冷蔵庫のチルドケース
設置部分の動作について説明する。チルドケース
１内を冷却するために、冷気ダクト４からの冷気
をチルドケース１内に直接吹付け、またチルドケ
ース１内に食品が多量に保存されている場合にチ
ルドケース１底部の冷却が弱くならないようにす
るために、冷気ダクト４からの冷気をチルドケー
ス１後部に向つて吹出し、このケース１の下方を
含む外周も冷却している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の冷蔵庫のチルドケース設置部分は以上の
ように構成され、冷気をチルドケース内に直接吹
付けているため、このケース内に保存している食
品が乾燥しやすく、またチルドケース内の発臭性
の食品から他の食品に臭いが移るのを防ぐため
に、チルドケース内の一部に開閉可能な蓋付きの
小物ケースを設けると、この小物ケース内の食品
が充分に冷却されないという問題点があつた。

この考案は、上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、発臭性の食品を他の食品と
区別して保存することができるようにし、また食
品の乾燥を防止するためにチルドケース内に設け
た蓋付きの食品ケース内の食品が充分に冷却でき
る冷蔵庫を提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る冷蔵庫は、チルドケース内の一
部に設けた開閉可能な蓋付きの小物ケースの前、
後下遇部と上記チルドケースの底部との間にチル
ドケース内に通じる冷気ダクトを形成し、チルド
ケースに設けた冷気吸入穴から冷気を上記冷気ダ
クトに導くようにしたものである。

〔作用〕

この考案における冷蔵庫は、チルドケースに設
けた冷気吸入穴から冷気が冷気ダクトに導かれ、
小物ケースの外周側を経てチルドケース内に吹出
されるので、小物ケースが蓋で密閉されており、
冷気が小物ケース内に直接吹付けられなくても、
小物ケース内の食品をその周囲から充分に冷却で
き、また小物ケースが蓋で密閉されるので、小物
ケース内の食品から臭いが発生しても、この臭い
が小物ケース外に洩れない。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を第１図、第２図に
ついて説明する。

第１図、第２図において、１はチルドケースで
あり、このチルドケース１の底部の間口（左右）
方向一側部には多数の冷気吸入口１ａが形成され
ている。５は開閉可能な蓋６によつて上面開口が
密閉される小物ケースであり、小物ケース５はチ
ルドケース１の間口方向一側部内に設置され、小
物ケース５の切欠状に傾斜した前、後下遇部５
ｂ，５ｃとチルドケース１との間に冷気ダクト
８，９が形成され、また小物ケース５の前、後下
遇部５ｂ，５ｃ間の平坦な中間底部５ａとチルド
ケース１の底部との間に中間冷気ダクト７が形成
されている。中間冷気ダクト７は、冷気ダクト
８，９と連通されていると共に、チルドケース１
に設けた冷気吸入穴１ａを介してチルドケース１
外のチルド室と連通され、さらに冷気ダクト８，
９はチルドケース１内の小物ケース５が設けられ
ていない部分の底部に連通されている。なお、こ
の実施例の上述した以外の構成は、第７図に示す
従来のものと同様であり、第１図中の第７図と同
一符号は同一または相当部分を示す。

次に、以上のように構成された実施例の動作に
ついて説明する。

図示しない冷却器から送られて来る冷気は、冷
気ダクト４からチルドケース１の上部および背面
側に吹出される。チルドケース１の背面側に吹出
された冷気は、チルドケース１底部の冷気吸入穴
１ａから中間ダクト７に吸入され、小物ケース５
の平坦な中間底部５ａを冷却して、冷気ダクト
８，９を経て、小物ケース５の前、後下遇部５
ｂ，５ｃを冷却した後、チルドケース１内に吹出
されてこのケース１内を冷却する。そして、小物
ケース５は蓋６で上面開口が密閉されているの
で、チルドケース１上部に吹出れた冷気が小物ケ
ース５内に侵入することなく、蓋６を介して間接
的に小物ケース５を冷却する。このため、小物ケ
ース５内に保存している食品は乾燥しにくく、ま
た発臭性の食品が小物ケース５内に保存してあつ
ても、蓋６によつて小物ケース５が密閉されてい
ることにより、臭いが小物ケース５外に洩れな
い。さらに小物ケース５は蓋６によつて密閉さ
れ、小物ケース５内に冷気が直接吹付けられなく
ても、底部を冷却しているので、蓋６への冷気の
吹付けと相まつて、外周から間接的に小物ケース
５内の食品が充分に冷却される。

なお、上記実施例では、小物ケース５の平坦な
中間底部５ａとチルドケース１の間に中間冷気ダ
クト７を設けたが、この考案は、第３図に示すよ
うに、小物ケース５の平坦な中間底部５ａとチル
ドケース１の底とを密接させても、この密接させ
た部分に多数の穴１ｂを、前、後端部に冷気吸入
穴１ａをそれぞれチルドケース１の底に設けれ
ば、穴１ｂによつて外周側から小物ケース５の中
間底部５ａが冷却され、冷気吸入穴１ａから冷気
ダクト８，９に冷気が直接流れ、小物ケース５の
前、後下遇部５ｂ，５ｃを冷却できる。これによ
つて、第３図に示す実施例のものは、第１図に示
すものに比べ、中間冷気ダクトの分だけ、小物ケ
ース５の内容積を拡大できるという利点がある。

また、この考案は、第４図に示すように、小物
ケース５の後上辺部を支点として小物ケース５の
前側が上方に位置するように小物ケース５を回動
させた時に小物ケース５の前下遇部５ｂがチルド
ケース１に接触しない形状にすると共に、小物ケ
ース５の前、後下遇部５ｂ，５ｃを対称形状にす
れば、チルドケース１に対し小物ケース５を容易
に脱着できると共に、小物ケース５に前後方向の
規制がなく、取扱いが容易にできる。

上記の実施例では、チルドケース１の底に冷気
吸入穴１ａを設けたが、この考案は、第５図に示
すように、チルドケース１の底の穴をなくし、小
物ケース５の後下遇部５ｃとチルドケース１の間
に形成した冷気ダクト９に連通する冷気吸入穴１
ａをチルドケース１の背面壁下部に設けると共に
冷気吸入穴１ａの下部と、冷蔵庫内箱１１の平面
から一体に突出させたガイド突起１０の上面とを
対向させれば、冷気ダクト４からの冷気が確実に
冷気ダクト９に冷気吸入穴１ａから吸入され、中
間冷気ダクト７、冷気ダクト８を経てチルド室内
に吹出され、小物ケース５の冷却性能を向上させ
ることができる。

さらに、この考案は、第６図に示すように、チ
ルドケース１の背面壁下部に設けた冷気吸入穴１
ａの内側にシヤツタ１２を設け、このシヤツタ１
２をスライドさせて冷気吸入穴１ａの開度を調整
してこの穴１ａからの冷気ダクト９への冷気吸入
量を調整すれば、小物ケース５内の温度を制御で
きる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、チル
ドケース内の一部に蓋付きの小物ケースを設け、
チルドケースの底部と蒸気小物ケースの前、後下
遇部との間にチルドケース内に通じる冷気ダクト
を形成し、これらのダクトにチルドケースに設け
た冷気吸入穴から冷気を導くようにしたので、小
物ケースが蓋で密閉してあつても、小物ケース内
の食品を充分に冷却でき、この食品の乾燥を防止
できると共に、小物ケース内に保存している食品
から臭いが発生しても、この臭いが小物ケース外
に洩れないという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による冷蔵庫のチ
ルドケース設置部分を示す縦断側面図、第２図は
同実施例のチルドケースおよび小物ケースを示す
斜視図、第３図、第５図、第６図はこの考案の互
いに異なる他の実施例による冷蔵庫のチルドケー
ス設置部分をそれぞれ示す縦断側面図、第４図は
この考案によるチルドケースおよび小物ケースの
変形例を示す縦断側面図、第７図は従来の冷蔵庫
のチルドケース設置部分を示す縦断側面図であ
る。 １……チルドケース、１ａ……冷気吸入穴、１
ｂ……穴、２……チルド室扉、３……フレーム、
４……冷気ダクト、５……小物ケース、５ａ……
中間底部、５ｂ，５ｃ……前、後下遇部、６……
蓋、７……中間冷気ダクト、８，９……冷気ダク
ト、１０……ガイド突起、１１……冷蔵庫内箱、
１２……シヤツタ。なお、図中同一符号は同一ま
たは相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 引出し式のチルドケーを有する冷蔵庫におい
   て、上記チルドケース内の一部に開閉可能な蓋
   付きの小物ケースを設け、チルドケースの底部
   と上記小物ケースの前、後下遇部との間にチル
   ドケース内に通じる冷気ダクトをそれぞれ形成
   し、チルドケースに上記ダクトに通じる冷気吸
   入穴を設けたことを特徴とする冷蔵庫。 (2) チルドケースは、冷気ダクトと連通する中間
   冷気ダクトをチルドケース底部と小物ケースの
   平坦な前後方向中間底部との間に形成してある
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の冷蔵庫。 (3) 小物ケースは、平坦な前後方向中間底部をチ
   ルドケースの穴を有する底と密接させてある実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の冷蔵庫。 (4) 小物ケースは、後上部を支点とする上方向へ
   の回動可能にチルドケースに支持し、上方向へ
   の回動時に前側下遇部がチルドケースと非接触
   になる形状を有し、前後下遇部を対称形状に形
   成してある実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の冷蔵庫。 (5) チルドケースは、小物ケースの後側下遇部の
   冷気ダクトを通ずる冷気吸入穴を、この穴の下
   部が冷蔵庫内箱に突出させたガイド突起の上面
   と対向する位置に配置して、背面壁下部に形成
   した実用新案登録請求の範囲第１項記載の冷蔵
   庫。 (6) チルドケースは、背面壁下部に設けた冷気吸
   入穴の開度を調節するシヤツタを備えている実
   用新案登録請求の範囲第５項記載の冷蔵庫。