JPH0447512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、圧力流体用ホース、さらに詳しく
は、たとえば自動車などのパワーステアリング装
置の油圧ポンプとギヤボツクスを連結する油圧回
路の高圧側に用いられるパワーステアリング用ホ
ースなどの圧力流体用ホースに関する。

従来の技術 自動車などのパワーステアリング装置では、ベ
ーンポンプなどの容積型ポンプが用いられている
ため、ポンプとギヤボツクスを連結する油圧回路
の高圧側に脈動が生じる。

このようなポンプによる脈動を吸収できる圧力
流体用ホースとして、ゴム製弾性ホースの内側
に、１本または複数本の弾性条材が密に螺旋巻き
された螺旋チユーブが挿入されて、この螺旋チユ
ーブの一端部が弾性ホースの口金の内側にかしめ
止められ、螺旋チユーブとゴム製弾性ホースの間
で脈動を減少させるものが知られている（米国特
許第3323305号）。

考案が解決しようとする課題 上記の従来の圧力流体用ホースの螺旋チユーブ
には、通常、後に説明するような２本の弾性条材
を交互に螺旋巻きして密接させたものが使用され
るが、口金をかしめるときに、螺旋チユーブの弾
性条材が歪んで、口金の先端より少し外側の部分
で弾性条材の合せ目に隙間が生じることがある。
そして、このように螺旋チユーブの弾性条材の合
せ目に隙間が生じると、この隙間を流体が流通す
るため、脈動吸収効果が低下する。

かしめにより生じる螺旋チユーブの弾性条材の
合せ目の隙間からの流体の流通を抑制するため、
螺旋チユーブの外面と口金の内面との間に口金の
先端より外側の部分までのびる筒状の密閉部材を
はめることが考えられる。

ところが、このようにすると、口金をかしめて
螺旋チユーブを固定するときに、その先端の部分
で密閉部材が切れることがあり、密閉部材が切れ
ると、この部分を流体が流通するため、脈動吸収
効果が低下する。

この考案の目的は、上記の問題を解決した脈動
吸収効果の高い圧力流体用ホースを提供すること
にある。

課題を解決するための手段 この考案による圧力流体用ホースは、 弾性ホースの内側に螺旋チユーブが挿入され、
この螺旋チユーブの一端部が弾性ホースの口金の
内側にかしめ止められている圧力流体用ホースに
おいて、 この口金の一端部の外側に、口金の先端から外
にのびた螺旋チユーブの所定長さの部分の外側に
密にはまる筒状の密閉部材が取付けられているこ
とを特徴とするものである。

作 用 口金の外側と口金の先端から外にのびた螺旋チ
ユーブの所定長さの部分の外側に筒状の密閉部材
が密にはめられているので、口金をかしめるとき
に螺旋チユーブの弾性条材の合せ目に隙間が生じ
ても、密閉部材により流体の流通を抑制すること
ができ、その結果、螺旋チユーブと弾性ホースの
間で効果的に脈動を吸収することができる。

また、密閉部材が口金の外側にはめられている
ので、口金をかしめて螺旋チユーブを固定すると
きに密閉部材が切れるようなおそれがない。

実施例 以下、図面を参照して、この考案をパワーステ
アリング用ホースに適用した実施例を説明する。

第１図は圧力流体用ホースの中間部を省略して
示したものであり、第２図はその要部を拡大して
示したものである。

圧力流体用ホースは、補強ゴム製弾性ホース１
の内側に螺旋チユーブ２が挿入されており、螺旋
チユーブ２の入口側端部が弾性ホース１の入口側
端部の円筒状の口金３に固着され、螺旋チユーブ
２の自由端部（出口側端部）が弾性ホース１の出
口側端部の円筒状の口金４と所定の間隔をおいて
対向しているものである。なお、上記のホースは
第１図の左向きと同図の右向きのいずれの向きに
も流体を流すことができるが、以下の説明におい
ては、一応、同図の右側を入口側、同図の左側を
出口側とする。また、第１図の左右を左右とす
る。

弾性ホース１両端部の各口金３，４の外側にそ
れぞれ円筒状の外筒５，６が同心状に固着されて
おり、口金３，４と外筒５，６の間に弾性ホース
１の端部がはさみ止められている。また、入口側
の口金３の内面の左端部に大径部３ａが形成さ
れ、外面の左端部に小径部３ｂと先端において内
面まで達する先細のテーパ部３ｃが形成されてい
る。

螺旋チユーブ２は、２本の金属製弾性条材２
ａ，２ｂが密に螺旋巻きされたものであり、隣接
する条材２ａ，２ｂの合せ目は密接している。螺
旋チユーブ２の自由端部は、円筒状部材７で固定
され、かつ開口している。

螺旋チユーブ２の入口側端部は、入口側の口金
３の大径部３ａにはめ入れられて、かしめ止めら
れている。入口側の口金３の小径部３ｂおよびテ
ーパ部３ｃならびにテーパ部３ｃの先端より外側
（左側）の螺旋チユーブ２の所定長さの部分の外
側に、熱収縮性合成樹脂製のチユーブ（熱収縮チ
ユーブ）よりなる密閉部材８が密にはめられてい
る。密閉部材８の右端部は口金３の小径部３ｂの
外面と弾性ホース１の内面との間に挾まれ、残り
の左側の部分は口金３のテーパ部３ｃおよび螺旋
チユーブ２の外面に密着している。

上記のホースの弾性ホース１および螺旋チユー
ブ２の入口側端部は、たとえば次のようにして、
口金３に取付けられる。

まず、螺旋チユーブ２の入口側端部を口金３の
大径部３ａにはめ、口金３の左端部をかしめて、
螺旋チユーブ２を固定する。次に、口金３の小径
部３ｂの外径とほぼ等しい内径を有する熱収縮チ
ユーブを小径部３ｂの外側にはめ、これを加熱す
る。これにより、熱収縮チユーブは収縮して口金
３の小径部３ｂおよびテーパ部３ｃならびに螺旋
チユーブ２の外面に密着し、密閉部材８となる。
最後に、口金３と外筒５の間に弾性ホース１の入
口側端部を挿入し、外筒５をかしめて、弾性ホー
ス１を固定する。

このように、口金３をかしめて螺旋チユーブ２
を固定するときには、密閉部材８は取付けられて
いないので、これが切れることはない。また、外
筒５をかしめて弾性ホース１を固定するときに
も、密閉部材８は口金３の小径部３ｂにはまつて
おり、しかも小径部３ｂとゴム製の弾性ホース１
との間に挾まれるだけであるから、やはり密閉部
材８が切れることはない。

上記のホースでは、口金３の先端から外側（左
側）にのびた螺旋チユーブ２の所定長さの部分の
外側に円筒状の密閉部材８が密にはめられている
ので、口金３をかしめるときに螺旋チユーブ２の
条材２ａ，２ｂの合せ目に隙間が生じても、密閉
部材８により流体の流通を抑制することができ、
その結果、螺旋チユーブ２と弾性ホース１の間で
効果的に脈動を吸収することができる。

上記実施例では、密閉部材８に熱収縮チユーブ
を使用しているが。これ以外に、金属、合成樹
脂、ゴムなどの適当な材料を使用することができ
る。

考案の効果 この考案の圧力流体用ホースによれば、上述の
ように、口金をかしめるときに螺旋チユーブの弾
性条材の合せ目に隙間が生じても、口金および螺
旋チユーブの外側に密にはめられた密閉部材によ
り流体の流通を抑制することができ、その結果、
螺旋チユーブと弾性ホースの間で効果的に脈動を
吸収することができる。また、密閉部材が口金の
外側にはめられているので、口金をかしめて螺旋
チユーブを固定するときに密閉部材が切れるよう
なおそれがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示す圧力流体用
ホースの中間省略縦断面図、第２図は第１図の要
部を拡大して示した縦断面図である。 １……弾性ホース、２……螺旋チユーブ、３…
…口金、８……密閉部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 弾性ホースの内側に螺旋チユーブが挿入され、
   この螺旋チユーブの一端部が弾性ホースの口金の
   内側にかしめ止められている圧力流体用ホースに
   おいて、 この口金の一端部の外側に、口金の先端から外
   にのびた螺旋チユーブの所定長さの部分の外側に
   密にはまる筒状の密閉部材が取付けられているこ
   とを特徴とする圧力流体用ホース。