JPH0446622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、店頭、家庭、展示場などにおいて、
棚板、デイスプレー、パネル、ハンガーその他イ
ンテリア用構造体を懸吊状態に取り付けるときに
用いられる懸吊用ホルダーに関するものである。

〔従来の技術〕

最近、内部に上方に向けて細径となるテーパー
面部を備えたホルダー本体に、ボール又はシユー
を保持し中心部に挿入孔を備えた摺動ロツクスリ
ーブをバネで付勢して収容した懸吊用ホルダーを
用いて、張設或いは懸吊されたワイヤーなどに棚
板などの物品を懸吊することが行われている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、この懸吊用ホルダーは、ホルダー本
体は上下端が開口した中空部に摺動ロツクスリー
ブを上下動可能に収容したものであり、摺動ロツ
クスリーブは上下方向にワイヤー挿入孔を貫通さ
せて設けた筒体であるので、ホルダーをワイヤー
に係合させる場合は摺動ロツクスリーブの上端開
口からワイヤーをバネ力に抗して押し込み、ホル
ダーがワイヤーの所望の位置に達するまでそのま
まワイヤーの押し込みを続けてワイヤーを滑らせ
なければワイヤーの所望の位置にホルダーを取り
付けることができなかつた。

従つて懸吊用ホルダーのワイヤーへの取り付け
及び取り外し自体が大変であるのは勿論、ワイヤ
ーを張設或いは懸吊し、物品を懸吊した後に、懸
吊される物品を増やしたり減らしたりすることは
大変な作業を要していた。

例えば４本のワイヤーで棚板を３枚懸吊してい
る場合に、上段と中段の間にもう１枚棚板を取り
付けたいときや、中段の棚板を外したいときは、
殆ど最初から施工作業をやり直さなければならな
いほどの手数を要した。

本考案は、従来のこの問題点を解決しようとす
るもので、懸吊用ホルダーをワイヤーなどの張設
の前後を問わず任意の所望の位置に簡単に取り付
けること及び簡単に取り外すことができ、また、
施工時の物品の取り付け、取り外しは勿論、物品
懸吊後に生じる物品の増減変更にも簡単に対応で
きる懸吊用ホルダーを提供することを目的とする
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、内部に上方に向けて細径となるテー
パー面部を備えたホルダー本体に、ボール又はシ
ユーを保持し中心部に挿入孔を備えた摺動ロツク
スリーブをバネで付勢して収容した懸吊用ホルダ
ーにおいて、前記摺動ロツクスリーブの底部にガ
イド孔を設け、前記ホルダー本体の底部には該ガ
イド孔に挿入されるガイドロツドと挿入孔を備え
た底蓋を設け、前記ホルダー本体、摺動ロツクス
リーブ及び底蓋に上下両端部方向に開口し、前記
挿入孔に達するスリツトを設け、前記ホルダー本
体の側部に棚などの物品を直接又は間接に支持す
る物品支持部を設けたことを特徴とする懸吊用ホ
ルダーである。

〔作用〕

本考案の懸吊用ホルダーには、ホルダー本体、
摺動ロツクスリーブ及び底蓋に上下両端部方向に
開口し、前記挿入孔に達するスリツトを設けてい
るので、例えばワイヤーに懸吊用ホルダーを取り
付ける場合は前記摺動ロツクスリーブをバネ力に
抗して押し下げてボール（又はシユー）をテーパ
ー面の大径部に位置させ、ワイヤーを前記スリツ
トを通らせて前記挿入孔に入れるように、即ちワ
イヤーに対して横方向から懸吊用ホルダーをワイ
ヤーに取り付けようとすれば、挿入孔に臨んで設
けられているボールは相互間隔を押し拡げること
ができる位置にあるので、ボール相互間にワイヤ
ーを挿入することができる。その後、前記摺動ロ
ツクスリーブの押し下げをやめると、バネにより
摺動ロツクスリーブはテーパー面部の細径側にホ
ルダー本体に対して相互的に移動し、ボールはテ
ーパー面部により挿入孔に押し出されてワイヤー
を挟持する。また逆の手順によりワイヤーから外
すことができる。

従つて、例えば上下両端を定着して張設した後
のワイヤーに対しても、任意の所望の位置に簡単
に懸吊用ホルダーを取り付けたり取り外したりす
ることができる。

また、本考案の懸吊用ホルダーにはホルダー本
体の側部に棚などの物品を直接又は間接に支持す
る物品支持部を設けているので、懸吊用ホルダー
に対して横方向から物品を取り付けることができ
る。

従つて、例えば既にワイヤーに懸吊されている
棚板と棚板の間にさらに棚板を懸吊すること、反
対に例えば真中の棚板を外すことなどを簡単に行
うことができる。

なお、本考案の懸吊用ホルダーには摺動ロツク
スリーブの底部にガイド孔を設け、ホルダー本体
の底部には該ガイド孔に挿入されるガイドロツド
に挿入孔を備えた底蓋を設けているので、前記摺
動ロツクスリーブが前記ホルダー本体に対して回
転する形状であつても回転を阻止することができ
る。

従つて、摺動ロツクスリーブのスリツトとホル
ダー本体と底蓋のスリツトがずれることがなく、
ワイヤーなどへの挿脱に支障となることはない。

この場合、底蓋にガイドロツド、摺動ロツクス
リーブにガイド孔をもうけているので、底蓋を取
り付ける前に底蓋が取り付けられるホルダー本体
の底部開口からホルダー本体中に摺動ロツクスリ
ーブを収容し、その後、底蓋を圧入、かしめなど
適当な手段によりホルダー本体底部に固着して閉
蓋すればよいので、製作が簡単であり、ガイドロ
ツドやガイド孔が外部にあらわれないので見ばえ
もよい。

また、上述の如く本考案に係る懸吊用ホルダー
を用いて物品を懸吊した後、請求項２の如き、突
出部外周に嵌挿される嵌挿部と、該嵌挿部内面に
設けた底蓋のスリツトに達する嵌合部を有するス
リツト部材を懸吊用ホルダーに取り付ければ、突
出部を誤つて押して、懸吊用ホルダー、従つて物
品のズレ落ちを招いたりすることを嵌挿部により
防止することができるし、嵌合部により例えばワ
イヤーを挿入孔に的確に保持することができる。

ストツパ部材の取り付けに際しては、嵌挿部は
上下両端縁に開口したスリツトを備えているの
で、懸吊用ホルダーの上部のワイヤーに該スリツ
トを利用してストツパ部材を嵌挿し、その後突出
部と嵌挿部、懸吊用ホルダーのスリツトと嵌合部
とをあわせてストツパ部材を懸吊用ホルダーに上
から被せて噛み合せ、ホルダー本体に載置すれば
よい。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１〜８図を用いて説明す
る。

１は円柱体を横にした型のホルダー本体で、中
央に上下方向に中空部が貫通して設けられてい
る。中空部下端には底蓋１３が設けられ、中空部
内周面は上方に向かつて細径となるテーパー面部
２を有し、中空部には摺動ロツクスリーブ（以下
スリーブと略）４が底蓋１３とスリーブ４との間
に配備した圧縮コイルバネにより上向きに付勢さ
れて収容されている。

スリーブ４は中央にワイヤー６の挿入孔７を貫
通して備えた円筒体でテーパー面部２にほぼ一致
するコーン部を備え、上部端部はバネの復元時に
突出する突出部２５を有している。そしてコーン
部に半径方向に貫通するボール挿入孔を３個備
え、各ボール挿入孔にボール３が１個ずつ収容さ
れている。ボール３，３，３は挿入孔７に挿入さ
れたワイヤー６のチヤツク部材で、スリーブ４を
バネに抗してホルダー本体１内に押し込まない状
態において挿入孔７にワイヤー６が挿入されてい
るときはワイヤー６に対してホルダー本体１が矢
印２４（第５図参照）の向きに滑ること、即ち下
方に滑り落ちることを強固に阻止し、スリーブ４
をバネに抗して押し込んだ状態においてはワイヤ
ー６に対して容易に自由に滑らすことができるも
のである。底蓋１３の中心にもワイヤー６の挿入
孔１４が設けられている。

スリーブ４、ホルダー本体１及び底蓋１３には
それぞれ上下両端部方向に開口するスリツト８，
９，２６が連通して設けられ、挿入孔７，１４に
達するスリツトが形成されている。従つて、スリ
ーブ４を上方に付勢する圧縮コイルバネとして２
本の圧縮コイルバネ５，５が挿入孔７からスリツ
ト８，９に至る連通空間を避けて一対設けられ、
またスリツト８，９が連通状態を保持するように
スリーブ４がホルダー本体１に対してまわるのを
防止するガイド部材が設けられる。この実施例で
はスリツト８の反対側のスリーブ４の大径側（下
方側）の端面部に開口してガイド孔１１が、スリ
ツト８とガイド孔１１とから90°離れた位置の外
周面部にバネ挿入溝１２，１２が、それぞれ設け
られている。そしてガイド孔１１に挿入されるガ
イドロツド１０は底蓋１３に突設されて配備され
ている。

ホルダー本体１には外面が曲面の両側部の一方
には上述の如くスリツト９が設けられているが、
外面が平坦面に形成された両側部の一方の側部の
中央には物品支持部として円柱状の支軸部１５が
垂直に突出して一体形成されている。この支軸部
１５は物品を間接的に支持するものであり、第
１，５図に示す如く、支軸部１５には雌ネジ部材
１６がビス１７で回動自在に取り付けられる。そ
して懸吊される物品例えば棚板１８に雄ネジ部材
１９をビス２０で固定しておき、雄ネジ部材１９
に雌ネジ部材１６を螺合することによりワイヤー
６で棚板１８を懸吊支持するようになつている。

２１はストツパ部材で、ホルダー本体１上方に
突出する、スリーブ４の突出部２５に嵌挿してホ
ルダー本体１に載置されるようにしてあり、突出
部２５の外周に嵌挿される円筒状の嵌合部２７
と、嵌挿部２７の内面に設けた、スリツト８，２
６に嵌合する嵌合部２８とからなり、嵌挿部２７
には上下両端縁に開口してスリツト２９が設けら
れている。この実施例の嵌合部２８は突出部２５
のスリツト８及びホルダー本体１のスリツト９に
嵌合する部分まで備えており、外見上からも体裁
のよいものである。

図中２２はバネ座として封入したボール、２３
は底蓋１３に突設したバネガイドピンである。

第６図はホルダー本体１の両側部に設けた物品
支持部が直接物品を支える円柱状の挿通支持部３
０に形成されている例を示し、その他は上述の実
施例と同様の構成を有している。挿通支持部３０
にはネジ穴が形成され、例えば第７図の如く、ハ
ンガー３１を挿通した後、弾性ゴムで形成した、
ネジを有する物品押え具３２を、ハンガー３１を
ホルダー本体１の側部と物品押え具３２とで挟む
深さまで螺着することにより、懸吊用ホルダーに
ハンガー３１を定着するものである。

第８図はホルダー本体１を中空部を有する角柱
体で形成し、一側部に物品支持部を設け、隣接す
る側部にスリツト９を開口させた例を示し、その
他は上述の実施例と同様の構成を有している。物
品支持部は上プレート３３と下プレート３４とか
らなり、下プレート３４にはネジ穴が設けられ、
該ネジ穴には上プレート３３と下プレート３４と
の間の物品挿入空間に進退可能に物品押えボルト
３５が設けられている。例えばガラス板３６を懸
吊する場合はガラス板３６の端縁部を物品挿入空
間に挿入し、物品押えボルト３５でガラス板３６
を上プレート３３に押し付けて懸吊用ホルダーに
ガラス板３６を定着する。

〔考案の効果〕

本考案は懸吊用ホルダーに摺動ロツクスリーブ
の底部にガイド孔を設け、ホルダー本体の底部に
は該ガイド孔に挿入されるガイドロツドと挿入孔
を備えた底蓋を設け、前記ホルダー本体、摺動ロ
ツクスリーブ及び底蓋に上下両端部方向に開口
し、挿入孔に達するスリツトを設け、前記ホルダ
ー本体の側部に棚などの物品を直接又は間接に支
持する物品支持部を設けたので、懸吊用ホルダー
をワイヤーなどの張設の前後を問わず任意の所望
の位置に簡単に取り付けること及び簡単に取り外
すことができ、また、施工時の物品の取り付け、
取り外しは勿論、物品懸吊後に生じる物品の増減
変更にも簡単に対応できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はストツ
パ部材を分離した状態の斜面図で、（雌ネジ部材
１６以下の）物品連結用補助部材も示している。
第２図はストツパ部材を外した状態の底面図、第
３図は第２図−線断面拡大正面図、第４図は
第２図−線断面拡大側面図、第５図は物品へ
の取り付けを示す一部切欠正面図、第６，７図は
別の実施例のそれぞれ第１，５図相当図、第８図
はさらに別の実施例の第１図相当図である。 １……ホルダー本体、２……テーパー面部、３
……ボール、４……スリーブ、５……圧縮コイル
バネ、６……ワイヤー、７……挿入孔、８……ス
リツト、９……スリツト、１０……ガイドロツ
ド、１１……ガイド孔、１２……バネ挿入溝、１
３……底蓋、１４……挿入孔、１５……支軸部、
１６……雌ネジ部材、１７……ビス、１８……棚
板、１９……雄ネジ部材、２０……ビス、２１…
…ストツパ部材、２２……ボール、２３……バネ
ガイドピン、２４……矢印、２５……突出部、２
６……スリツト、２７……嵌挿部、２８……嵌合
部、２９……スリツト、３０……挿通支持部、３
１……ハンガー、３２……物品押え具、３３……
上プレート、３４……下プレート、３５……物品
押えボルト、３６……ガラス板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部に上方に向けて細径となるテーパー面部
   を備えたホルダー本体に、ボール又はシユーを
   保持し中心部に挿入孔を備えた摺動ロツクスリ
   ーブをバネで付勢して収容した懸吊用ホルダー
   において、前記摺動ロツクスリーブの底部にガ
   イド孔を設け、前記ホルダー本体の底部には該
   ガイド孔に挿入されるガイドロツドと挿入孔を
   備えた底蓋を設け、前記ホルダー本体、摺動ロ
   ツクスリーブ及び底蓋に上下両端部方向に開口
   し、前記挿入孔に達するスリツトを設け、前記
   ホルダー本体の側部に棚などの物品を直接又は
   間接に支持する物品支持部を設けたことを特徴
   とする懸吊用ホルダー。 (2) 前記摺動ロツクスリーブは前記ホルダー本体
   上部より突出する突出部を有すると共に該突出
   部外周に嵌挿して前記ホルダー本体に載置され
   るストツパ部材を着脱自在に備え、該ストツパ
   部材は前記突出部外周に嵌挿される嵌挿部と、
   該嵌挿部内面に設けた前記底蓋のスリツトに達
   する嵌合部を有し、前記嵌挿部は上下両端縁に
   開口したスリツトを備えている請求項１記載の
   懸吊用ホルダー。