JPH0445986Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両のボデイの補強構造、詳しくは板
金製のボデイ本体におけるセンターピラーよりも
後方に位置する車室の上部と両側部とを、合成樹
脂から形成した樹脂ボデイにより覆つた車両のボ
デイの補強構造に関する。

（従来技術） 近年、車両の軽量化を図るために、例えば実開
昭60−44870号公報に示されているごとく、板金
製のボデイ本体におけるセンターピラーよりも後
方に位置する車室の上部と両側部とを、合成樹脂
から形成した樹脂ボデイにより覆つた車両が開発
されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで以上の車両にあつては、車室の中央に
は剛性の高いセンターピラーが配設されているに
しても、該センターピラーよりも後方に位置する
車室は、樹脂ボデイで覆われているだけであり、
そのため、以上の樹脂ボデイを補強して剛性を高
める必要があるのは勿論のこと、車室後部に配置
するシートベルトのシヨルダアンカを前記樹脂ボ
デイに直接組付けることも強度の面から不可能で
ある。

本考案は以上の実情に鑑みて開発したもので、
目的とするところは、簡単な構成で樹脂ボデイの
補強が行えながら、車室内の美観の向上を図り、
しかもシヨルダーアンカの取付剛性をも充分確保
することの出来るボデイの補強構造を提供するに
ある。

（問題点を解決するための手段） しかして本考案は、板金製のボデイ本体におけ
るセンターピラーよりも後方に位置する車室の上
部と両側部とを、合成樹脂から形成した樹脂ボデ
イにより覆つた車両において、前記車室の後端部
において前記樹脂ボデイの両側部と上部とに沿つ
て配設する門型のメインパイプと、このメインパ
イプの上部両側から前記樹脂ボデイの両側部に沿
つて前方に延びるサブパイプとを備え、前記メイ
ンパイプの両端部をボデイ本体に固定する一方、
前記樹脂ボデイに前後方向に延びる凹所を設け、
該凹所内に前記サブパイプを配設して、該サブパ
イプの前端部を前記センターピラーに固定すると
共に、前記凹所の開口をリインホースメントで閉
鎖して、シートベルトのシヨルダアンカを、前記
リインホースメントを介して前記サブフレームに
取付けたことを特徴とするものである。

（作用） 本考案によれば、樹脂ボデイが前記メインパイ
プ及びサブパイプにより補強されるのは勿論のこ
と、前記リインホースメントにより断面閉鎖状と
した前記樹脂ボデイにおける前記凹所形成部位が
サイドメンバの役割を果たすので、該樹脂ボデイ
の剛性がより一層高くなるし、それでいながら前
記凹所に前記サブパイプが内装されるので、車室
の美観も向上する。

また前記シヨルダアンカが前記凹所の開口部に
組付けたリインホースメントを介して前記サブパ
イプに固定されているので、該シヨルダアンカの
取付剛性も一層高くなるのである。

（実施例） 以下本考案にかかるボデイの補強構造の一実施
例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案を適用する自動車のボデイを透
視して示したもので、基本的には、フロントサイ
ドドア１１を組付け該フロントサイドドア１１の
後部にセンターピラー１２を設けてなるボデイ本
体１を板金から形成する一方、該ボデイ本体１に
おける前記センターピラー１２よりも後方に位置
する車室の上部と両側部上半分とを、合成樹脂か
ら形成した樹脂ボデイ２により覆い、該樹脂ボデ
イ２で覆われた車室内にリヤシート（図示せず）
を配設したものである。

前記樹脂ボデイ２は、車室の側部を覆う一対の
サイドパネル部２１，２２と、該両サイドパネル
部２１，２２の上端間に組付けられて車室の上部
を覆うルーフパネル部２３とに分割して、前記ル
ーフパネル部２３の両側端を前記両サイドパネル
部２１，２２の上端にボルト止めすると共に、前
記両サイドパネル部２１，２２の下端を、前記ボ
デイ本体１に設けたトツプレール１３にボルトで
固定している。

また前記両サイドパネル部２１，２２には、ア
ツパサイドウインドを構成する開口部２４とロア
サイドウインドを構成する開口部２５とを形成
し、これら各開口部２４，２５にそれぞれウイン
ドガラス２６，２７を組付ける一方、前記サイド
パネル部２１，２２における前記両開口部２４，
２５間に、車室側に開口する断面コ字状の凹所２
８を形成して、該凹所２８の開口側に、該開口を
閉鎖するリインホースメント２９を組付けてい
る。

また図において３は前記ボデイ本体１と前記樹
脂ボデイ２の後部に形成した後部乗降口、３０は
該後部乗降口３を開閉するバツクドアであつて、
図に示す実施例では、前記樹脂ボデイ２における
前記後部乗降口３の周囲に、インナパネル４１と
アウタパネル４２とから形成した側面から見て門
型のオープニングフレーム４をブラケツト４３を
介して組付け、該オープニングフレーム４の両下
端を前記ボデイ本体１の前記トツプレール１３に
ボルト４４を介して固定している。

しかして以上の構成からなる車両において、図
に示す実施例では、前記樹脂ボデイ２で覆われた
車室の後端部に、前記樹脂ボデイ２の両側部後端
と上部後端とに沿つて配設する門型に屈曲形成し
たメインパイプ５を設け、該メインパイプ５の両
端を前記ボデイ本体１に固定している。

具体的には前記メインパイプ５を円筒状の金属
パイプから形成して、その長さ方向中間部に複数
の固定ブラケツト５１を溶接で固着すると共に、
該メインパイプ５を、前記オープニングフレーム
４における前記アウタパネル４２とインナパネル
４１とで囲まれた空間内に配設して、前記固定ブ
ラケツト５１を前記両パネル４１，４２の接合フ
ランジ４１ａ，４２ａ間に挟んでサンドイツチ状
に固着する一方、該メインパイプ５の両下端を、
前記オープニングフレーム４の両下端に溶接で固
着している。

一方、前記メインパイプ５の両側上部に連結ブ
ラケツト６０を溶接で固着して、該連結ブラケツ
ト６０に、円筒状の金属パイプから形成したサブ
パイプ６ａ，６ｂの一端をボルト６１止めすると
共に、該サブパイプ６ａ，６ｂを前記サイドパネ
ル部２１，２２に形成した前記凹所２８内に配設
して、その前端を前記センターピラー１２にボル
ト止めしている。

そして前記サブパイプ６ａ，６ｂ並びに前記リ
インホースメント２９の長さ方向中間部位にボル
ト孔６２を形成して、該ボルト孔６２に、シート
ベルト７のシヨルダアンカ７０に枢着した支持ボ
ルト７１を螺着することで、該シヨルダアンカ７
０を前記リインホースメント２９を介して前記サ
ブパイプ６ａ，６ｂに枢着している。

以上の構成からなるボデイの補強構造によれ
ば、前記メインパイプ５が前記オープニングフレ
ーム４内に介装されており、また前記サブパイプ
６ａ，６ｂがリインホースメント２９で閉鎖され
た凹所２８内に介装されていることから、これら
パイプ５，６ａ，６ｂが車室内に露出することが
なく、従つて車室内の美観及び車室空間を損なう
ことがないのである。

しかも斯くのごとく配設された前記メインパイ
プ５により、前記樹脂ボデイ２の後端両側から上
部に至る外周囲が補強されるし、前記両サブパイ
プ６ａ，６ｂにより、前記車室ボデイの両側が補
強されるし、しかも前記樹脂ボデイ２に形成した
前記凹所２８形成部位と、該凹所２８の開口に組
付けた前記リインホースメント２９とで、前後方
向に延びる断面閉鎖状のサイドメンバが構成さ
れ、該樹脂ボデイ２の剛性が一層確保されるので
ある。

また前記樹脂ボデイ２を補強している前記サブ
パイプ６ａ，６ｂに前記リインホースメント２９
を介して前記シヨルダアンカ７０を組付けている
ので、該シヨルダアンカ７０に大きな荷重が作用
しても、該シヨルダアンカ７０が外れたりあるい
は前記樹脂ボデイ２が破損するような虞はない。

（考案の効果） 以上のごとく本考案は、板金製のボデイ本体に
おけるセンターピラーよりも後方に位置する車室
の上部と両側部とを、合成樹脂から形成した樹脂
ボデイにより覆つた車両において、前記車室の後
端部において前記樹脂ボデイの両側部と上部とに
沿つて配設する門型のメインパイプと、このメイ
ンパイプの上部両側から前記樹脂ボデイの両側部
に沿つて前方に延びるサブパイプとを備え、前記
メインパイプの両端部をボデイ本体に固定する一
方、前記樹脂ボデイに前後方向に延びる凹所を設
け、該凹所内に前記サブパイプを配設して、該サ
ブパイプの前端部を前記センターピラーに固定す
ると共に、前記凹所の開口をリインホースメント
で閉鎖して、シートベルトのシヨルダアンカを、
前記リインホースメントを介して前記サブフレー
ムに取付けたことにより、樹脂ボデイが前記メイ
ンパイプ及びサブパイプにより補強されるのは勿
論のこと、前記リインホースメントにより断面閉
鎖状とした前記樹脂ボデイにおける前記凹所形成
部位がサイドメンバの役割を果たすので、該樹脂
ボデイの剛性がより一層高くなるし、それでいな
がら前記凹所に前記サブパイプが内装されるの
で、車室の美観も向上することが出来る。

しかも前記シヨルダアンカが前記凹所の開口部
に組付けたリインホースメントを介して前記サブ
パイプに固定されることから、該シヨルダアンカ
の取付剛性も充分確保することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるボデイの補強構造を適
用した車両のボデイの透視図、第２図は要部を拡
大して示す斜視図、第３図はメインパイプとサブ
パイプの結合部位の斜視図、第４図は第１図−
線拡大断面図、第５図は第１図−線拡大断
面図である。 １……ボデイ本体、２……樹脂ボデイ、５……
メインパイプ、６ａ，６ｂ……サブパイプ、７…
…シートベルト、１２……センターピラー、７０
……シヨルダアンカ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板金製のボデイ本体におけるセンターピラーよ
   りも後方に位置する車室の上部と両側部とを、合
   成樹脂から形成した樹脂ボデイにより覆つた車両
   のボデイの補強構造であつて、前記車室の後端部
   において前記樹脂ボデイの両側部と上部とに沿つ
   て配設する門型のメインパイプと、このメインパ
   イプの上部両側から前記樹脂ボデイの両側部に沿
   つて前方に延びるサブパイプとを備え、前記メイ
   ンパイプの両端部をボデイ本体に固定する一方、
   前記樹脂ボデイに前後方向に延びる凹所を設け、
   該凹所内に前記サブパイプを配設して、該サブパ
   イプの前端部を前記センターピラーに固定すると
   共に、前記凹所の開口をリインホースメントで閉
   鎖して、シートベルトのシヨルダアンカを、前記
   リインホースメントを介して前記サブフレームに
   取付けたことを特徴とする車両のボデイの補強構
   造。