JPH0443559B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は地面の掘削を行なうオーガ装置に関す
る。

［従来技術］ 従来、基礎杭施工、地盤改良工事、および、透
水壁施工等を行なうために、地面を掘削する装置
として、第５図および第６図に示すようなオーガ
装置が用いられていた。該装置は第５図に示すよ
うに地面を掘削する掘削部OP、該掘削部OPを回
転させる駆動部PP、および、上記掘削部OPと駆
動部PPとを支持する支持部QP等から構成されて
いる。上記掘削部OPは円筒堀削部材である円筒
状の外側ケーシングスクリユーOSおよび内部堀
削部材である内側オーガスクリユートIS等から構
成されている。そして上記外側ケーシングスクリ
ユーOSの先端には、堀削刃KHOが設けられ、一
方内側オーガスクリユーISの先端には、堀削刃
KHIが設けられている。すなわち、上記オーガ
装置では、自走部SRおよび支持柱SC等からなる
支持部QPに支持された掘削部OPと、電気モータ
等からなる駆動部PPから構成されて、第５図に
示すように、上記掘削部OPの外側ケーシングス
クリユーOSと内側オーガスクリユーISとが互い
に回転トルクを打ち消す反対方向に、外側ケーシ
ングスクリユーOSの駆動部PPOと内側オーガス
クリユーISの駆動部PPIで回転駆動される。そし
て掘削部OPの堀削刃KHO，KHIが地面ETを掘
削して、上記掘削部OPが矢印YA方向に掘り進
むものである。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら上記従来の技術では、１本の外側
ケーシングスクリユーOSで堀削を行なつていた
ため、最大の堀削深さがオーガ装置の大きさで限
定される問題があつた。すなわち、通常のオーガ
装置では、最大で長さが20m〜25mmの外側ケー
シングスクリユーOSの使用が可能であつた。し
たがつて、さらに深い穴を掘ることができなかつ
た。又、外側ケーシングスクリユーOSの長さが
長くなつた場合には、該ケーシングスクリユー
OS内の土砂の排出が行ない難くなる問題があつ
た。

そこで本発明は、複数の円筒掘削部材を連結し
て、上記問題を解決することができるオーガ装置
用掘削部材のジヨイント構造の提供を目的として
いる。

［問題点を解決するための手段］ そのような本発明にかかるオーガ装置用掘削部
材のジヨイント構造は、 複数の円筒掘削部材を該円筒掘削部材より大径
の円筒状ジヨイント部材に嵌入して成るオーガ装
置用掘削部材のジヨイント構造であつて、 前記円筒掘削部材の外周面に凸設された爪と、 前記ジヨイント部材の一端から所定長さにわた
つて前記ジヨイント部材の内周面において軸方向
に形成された、前記爪を導くための廻り止め溝
と、 前記廻り止め溝に対し円周方向に連設され、前
記円筒掘削部材と前記ジヨイント部材との相対回
転によつて前記爪を受け入れる受入れ溝と、 該受入れ溝が形成された前記ジヨイント部材の
側壁を貫通して成る第一貫通孔と、 前記廻り止め溝が形成された前記ジヨイント部
材の側壁の一部を貫通して成る第二貫通孔と、 前記爪が前記受入れ溝に受け入れられたとき前
記円筒掘削部材の外周面と前記廻り止め溝との間
隙に嵌入される板状の廻り止め部材と、 を備えたことを特徴とする。

［作用及び発明の効果］ このような本発明にあつては、円筒掘削部材を
ジヨイント部材に嵌入するとき円筒掘削部材の外
周面に凸設された爪は廻り止め溝によつて導かれ
る。そして、円筒掘削部材とジヨイント部材とを
相対回転させると、爪は廻り止め溝に対し円周方
向に連設された受入れ溝に受け入れられる。その
後、円筒掘削部材の外周面と廻り止め溝との間
に、板状の廻り止め部材を嵌入することによつ
て、円筒掘削部材とジヨイント部材とが連結され
る。

すなわち、その状態において、爪が受け入れ溝
に受け入れられているので、円筒掘削部材とジヨ
イント部材とは軸方向に相対移動することができ
ない。また、廻り止め部材が円筒掘削部材の外周
面と廻り止め溝との間に嵌入されているので、円
筒掘削部材とジヨイント部材とは円周方向にも相
対回転することができない。

そのようにして、本発明を用いた複数の円筒掘
削部材を連結するためのジヨイント構造は、爪、
廻り止め溝、受入れ溝、廻り止め部材、並びに第
一及び第二貫通孔といつた簡単な構造で実現する
ことができ、しかも簡単な構造なので製造も容易
である。

本発明を用いて複数の円筒掘削部材を連結する
ことにより、深い孔を掘削することができ、また
円筒掘削部材を連結して用いているので、それぞ
れの円筒掘削部材は短く、従つて内部に入つた土
砂の排出も容易である。

またジヨイント部材の側壁には、受入れ溝に対
応した位置に第一貫通孔が形成されているため、
連結の際に爪が受け入れ溝に適切に受け入れられ
たか否かを外部から肉眼で確認することができ安
全である。

さらに、その第一貫通孔及び廻り止め溝に対応
したジヨイント部材の側壁に形成された第二貫通
孔を備えているので、円筒掘削部材とジヨイント
部材との連結前、連結の際又は連結の解体時に、
貫通孔を介して内部を洗浄することができるた
め、土砂などの異物に妨げられずに連結又は解体
を迅速且つ容易に行うことができる。

特に第二貫通孔を設けているため、解体時に第
二貫通孔を介して廻り止め部材に付着した土砂等
の異物を洗浄し、廻り止め部材を容易に引き抜く
ことができる。

加えて、廻り止め部材は板状として形成されて
いるため取扱に便利であり、それ故、廻り止め部
材を廻り止め溝に挿入したり、廻り止め溝から引
き抜いたりすることも容易である。

［実施例］ 本発明の第１実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図は第６図の外側ケーシングスクリユー
OSに相当する本実施例の外側ケーシングスクリ
ユー１０の斜視図である。該外側ケーシングスク
リユー１０は第１ケーシングスクリユー２０、第
２ケーシングスクリユー３０、ジヨイント部材４
０、および、廻り止め部材５０等から構成されて
いる。

上記円筒状の第１ケーシングスクリユー２０に
は、先端部に堀削刃２１が設けられ、かつ、他端
部の外周部に上記ジヨイント部材４０に嵌合する
ための凸状の爪２２ａ，２２ｂが溶接されてい
る。該爪２２ａ，２２ｂは四角いプレートであ
る。そして、該爪２２ａ，２２ｂの中央には、溶
接強度を増すための溶接孔２３が開けられてい
る。

上記円筒状の第２ケーシングスクリユー３０の
下端部の外周部に、上記第１ケーシングスクリユ
ー２０と同様の爪３２ａ，３２ｂが溶接されてい
る。なお、同様に上端部にも爪３２ｃ，３２ｄが
溶接されている。

上記円筒状のジヨイント部材４０は、外筒部４
１と該外筒部４１の内周に嵌合された内筒部４３
とから構成されている。該外筒部４１には、上記
第１、第２ケーシングスクリユー２０，３０と上
記ジヨイント部材４０との連結時に、上記爪２２
ａ，２２ｂ，３２ａ，３２ｂが外部に露出するよ
うな第１貫通孔としての外筒嵌合孔４２ａ〜４２
ｄが開けられている。そして、上記外筒嵌合孔４
２ａは、廻り止め部材５０の下端部５２が外部に
露出するような長孔であり、第二貫通孔としての
機能も併せ持つている。さらに、該外筒部４１の
上端には、上記廻り止め部材５０の引き手、およ
び、ストツパを兼ねる取手５４が納まる切り欠き
部４１ａが設けられている。上記内筒部４３に
は、該内筒部４３の筒が切り欠かれて、図中に点
線で示す廻り止め溝４４と上記外筒部４１の外筒
嵌合孔４２ａ〜４２ｄに面する受入れ溝としての
内筒嵌合孔４５ａ〜４５ｄとが設けられている。

上記廻り止め部材５０は、取手５４が取り付け
られているプレートであつて、上記廻り止め溝４
４に挿入される部材である。

以上に説明した上記各部材は以下に示す手順で
組み立てられて、第２図に示すような態様にな
る。すなわち、第１図に示すように矢印YB方向
に移動して、ジヨイント部材４０が第１ケーシン
グスクリユー２０に嵌合され、次いで、該ジヨイ
ント部材４０が矢印RA方向に回転されて、上記
爪２２ａ，２２ｂが上記内筒嵌合孔４５ａ，４５
ｂに嵌合される。次いで、矢印YB方向に第２ケ
ーシングスクリユー３０がジヨイント部材４０に
挿入され、そして該第２ケーシングスクリユー３
０が矢印RA方向に回転されて、上記爪３２ａ，
３２ｂが上記内筒嵌合孔４５ｃ，４５ｄに嵌合さ
れる。そして、上記廻り止め部材５０が矢印YC
方向に、上記廻り止め溝４４に挿入されて、上記
第１、第２ケーシングスクリユー２０，３０と上
記ジヨイント部材４０とが連結される。

次に第３図に上記廻り止め溝４４、外筒嵌合孔
４２ｃ、内筒嵌合孔４５ｃ、および爪３２ａの嵌
合状態の断面図を示す。すなわち、該図に示すよ
うに上記爪３２ａが内筒嵌合孔４５ｃに嵌合さ
れ、かつ、上記外筒嵌合孔４２ｃで外部に露出し
ている。

以上に説明したように本第１実施例により外側
ケーシングスクリユー１０が多段に連結可能にな
る。さらに、連結時に爪２２ａ，２２ｂ，３２
ａ，３２ｂおよび、廻り止め部材５０の下端部５
２がジヨイント部材４０の外部に露出する。した
がつて、内筒嵌合孔４５ａ〜４５ｄに、それぞれ
爪２２ａ，２２ｂ，３２ａ，３２ｂが適切に受け
入れられたか否かを外部から肉眼で確認すること
が安全である。しかも、堀削時に上記ジヨイント
部材４０と廻り止め部材５０との間に入つた土砂
等の異物を上記外筒嵌合孔４２ａ，４２ｂ，４２
ｃ，４２ｄから取り除くことができる。この結
果、上記廻り止め部材５０の引き抜きが容易にな
る。またケーシングスクリユー１０を多段に連結
する際、外筒嵌合孔４２ａ〜４２ｄを介してジヨ
イント部材４０内を洗浄しながら連結させること
ができ、連結作業を迅速且つ容易に行うことがで
きる。さらに、第１実施例は、第１ケーシングス
クリユー２０の外周部に爪２２ａ，２２ｂを溶接
し、及び第２ケーシングスクリユー３０の外周部
に爪３２ａ，３２ｂを溶接し、外筒嵌合孔４２ａ
〜４２ｄを設けた外筒部４１の内周に嵌合される
内筒部４３を切り欠いて廻り止め溝４４と内筒嵌
合孔４５ａ〜４５ｄを形成する、という簡単な構
造であり、しかも製造することも容易である。加
えて、廻り止め部材５０は板状として形成されて
いるため取扱に便利であり、従つて廻り止め部材
５０を廻り止め溝４４に挿入したり、廻り止め溝
４４から引き抜いたりすることも容易である。以
上に説明したように本第１実施例により、外側ケ
ーシングスクリユー１０の長さが自由に調整でき
るので、深い堀削穴が掘れる。そのうえ、堀削深
さに応じて第２ケーシングスクリユー３０を連結
することにより、該堀削深さが浅い間は第１ケー
シングスクリユー２０のみで掘れるので、土砂の
排出が容易になる。

次に第２実施例を第４図に示す。本実施例は第
１実施例とほぼ同様であるがケーシングスクリユ
ーの一端部にジヨイント部材が溶接されているも
のである。すなわち、本実施例の外側ケーシング
スクリユー１１０は、先端部に堀削刃１２１を有
する第１ケーシングスクリユー１２０と先端部に
爪１３２ａ，１３２ｂを有する第２ケーシングス
クリユー１３０とから構成されている。そして、
上記第１、および第２ケーシングスクリユー１２
０，１３０には、ジヨイント部材２４０，３４０
が溶接されている。上記ジヨイント部材２４０，
３４０には点線で示すような嵌合構２４４，３４
４が設けられている。

したがつて、本実施例では矢印YH方向に第２
ケーシングスクリユー１３０を第１ケーシングス
クリユー１２０に挿入し、次いで該第２ケーシン
グスクリユー１３０を矢印RH方向に回転して、
上記爪１３２ａ，１３２ｂを第１ケーシングスク
リユー１２０の内筒嵌合孔１４５ａ，１４５ｂに
嵌合する。そして、廻り止め部材１５０を上記嵌
合溝２４４に矢印YI方向に挿入して、上記第１
ケーシングスクリユー１２０と上記第２ケーシン
グスクリユー１３０とを連結する。

以上に示すように本実施例により第１実施例と
ほぼ同様に第２ケーシングスクリユー１３０を多
段に連結することで、外側ケーシングスクリユー
１１０が長くなる。さらに、本実施例ではケーシ
ングスクリユーにジヨイント部材が溶接されてい
るので、連結強度が大きくなり、かつ、連結が容
易になる。そのうえ、上記廻り止め部材１５０の
下端部が外筒嵌合孔１４２ａにより外部に露出し
ているので、ジヨイント部材内の異物が該嵌合孔
１４２ａから容易に排除できる。

したがつて、本実施例により第１実施例と同様
に深い穴を掘ることができ、かつ、排土が容易に
なることに加え、強度の高い外側ケーシングスク
リユーの提供が可能になる。

また第２実施例も、連結状態を外部から確認で
きて安全な点、簡単な構造である点、製造が容易
である点、及び廻り止め部材１５０が板状である
ため取扱が便利な点は、第１実施例と同様であ
る。

なお、本発明により第１ケーシングスクリユー
２０、又は、１２０を極めて短くして、磨耗の大
きい堀削刃のみを交換可能にすることができる。

さらに、内側オーガスクリユーISを外側ケーシ
ングスクリユーと同様にジヨイント式にすること
ができる。

次に第３実施例を第７図に示す。本実施例は、
第２実施例とほぼ同様であるが、１つのジヨイン
ト箇所に複数（ここでは２個）の廻り止めの働き
をする部分（廻り止め溝、および、嵌合溝等）が
軸対称に構成されるものである。

次に本実施例の構成を説明する。本実施例の外
側ケーシングスクリユー１１１０のジヨイント部
材１２４０には、該ジヨイント部材１２４０の中
心軸に対称に、Ａ嵌合溝１２４４Ａ、Ａ内筒嵌合
孔１１４５aA，１１４５bA等とＢ嵌合溝１２４
４Ｂ、Ｂ内筒嵌合孔（図示省略）等が形成されて
いる。一方、第２ケーシングスクリユー１１３０
には、上記嵌合孔１１４５aA，１１４５bA等に
嵌合されるＡ爪１１３２aA，１１３２bAおよび
Ｂ爪（図示省略）が形成されている。上記の構成
により、本実施例では、第１ケーシングスクリユ
ー１１２０に連結されているジヨイント部材１２
４０に第２ケーシングスクリユー１１３０を挿入
して、次いで第２ケーシングスクリユー１１３０
を回転して、Ａ爪１１３２ａ，１１３２bA、お
よび、Ｂ爪（図示省略）円Ａ内筒嵌合孔１１４５
aA，１１４５bA、および、Ｂ内筒嵌合孔（図示
省略）に嵌合する。次いで、Ａ廻り止め部材１１
５０Ａ、およびＢ廻り止め部材１１５０Ｂを上記
Ａ記嵌合溝１２４４Ａ、および、Ｂ嵌合溝１２４
４Ｂに嵌入して、第１ケーシングスクリユー１１
２０と第２ケーシングスクリユー１１３０との連
結を完了する。

以上に説明したように本実施例により第２実施
例とほぼ同様に、第１ケーシングスクリユー１１
２０と第２ケーシングスクリユー１１３０とをジ
ヨイント部で連結して、外側ケーシングスクリユ
ー１１１０を長くすることができる。しかも、本
実施例ではジヨイント部材１２４０に２箇所の廻
り止めが設けられているので、第１ケーシングス
クリユー１１２０と第２ケーシングスクリユー１
１３０との連結強度が大きくなる。しかも、上記
２箇所の廻り止めが軸対称であることから、第１
ケーシングスクリユー１１２０から第２ケーシン
グスクリユー１１３０に回転力が均等に伝達され
る。

また第３実施例も、連結状態を外部から確認で
きて安全な点、簡単な構造で製造が容易である
点、嵌合孔１１４５aA，１１４５bA等を介して
ジヨイント部材１２４０内を洗浄可能であるため
連結や取り外しが容易である点、及び廻り止め部
材１５００Ｂが板状であるため取扱が便利な点、
は第１実施例と同様である。

なお、本実施例ではジヨイント部材に２箇所の
廻り止めを構成したが、この廻り止めを軸対称に
複数設けてもよい。該軸対称に複数設けることで
より大きな回転力を伝えることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例の外側ケーシング
スクリユーの分解斜視図、第２図は本発明の第１
実施例の外側ケーシングスクリユーの斜視図、第
３図は本実施例の外側ケーシングスクリユーの断
面図、第４図は第２実施例の外側ケーシングスク
リユーの斜視図、第５図は従来例のオーガ装置の
全体図、第６図は従来例の動作を説明するための
説明図、第７図は第３実施例の外側ケーシングス
クリユーの斜視図である。 １０，１１０，１１１０…外側ケーシングスク
リユー、２０，１２０，１１２０…第１ケーシン
グスクリユー、３０，１３０，１１３０…第２ケ
ーシングスクリユー、４０，１２４０…ジヨイン
ト部材、５０，１５０ａ…廻り止め部材、２２
ａ，２２ｂ，３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄ，
１３２ａ，１３２ｂ…爪、４２ａ，４２ｂ，４２
ｃ，４２ｄ，１４２ａ…外筒嵌合孔、４４，２４
４，３４４…嵌合溝、４５ａ，４５ｂ，４５ｃ，
４５ｄ，１４５ａ，１４５ｂ…内筒嵌合孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数の円筒掘削部材を該円筒掘削部材より大
   径の円筒状ジヨイント部材に嵌入して成るオーガ
   装置用掘削部材のジヨイント構造であつて、 前記円筒掘削部材の外周面に凸設された爪と、 前記ジヨイント部材の一端から所定長さにわた
   つて前記ジヨイント部材の内周面において軸方向
   に形成された、前記爪を導くための廻り止め溝
   と、 前記廻り止め溝に対し円周方向に連設され、前
   記円筒掘削部材と前記ジヨイント部材との相対回
   転によつて前記爪を受け入れる受入れ溝と、 該受入れ溝が形成された前記ジヨイント部材の
   側壁を貫通して成る第一貫通孔と、 前記廻り止め溝が形成された前記ジヨイント部
   材の側壁の一部を貫通して成る第二貫通孔と、 前記爪が前記受入れ溝に受け入れられたとき前
   記円筒掘削部材の外周面と前記廻り止め溝との間
   隙に嵌入される板状の廻り止め部材と、 を備えたことを特徴とするオーガ装置用掘削部材
   のジヨイント構造。