JPH0443384Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は自動車用インストルメントパネルに係
り、特に補強用リブを設けた衝撃吸収型のインス
トルメントパネルに関する。

ｂ 従来の技術とその問題点 一般に自動車用インストルメントパネルは、断
面くの字型に運転席側に突出しており、従つて自
動車の衝撃時等に急激な衝撃が加わつた場合に前
部シートの乗員は前屈し、頭部がインストルメン
トパネルに激突することになる。このため、第６
図および第７図に示すように、従来のインストル
メントパネル１の車室内側の表面には、これを覆
う衝撃吸収用のパツト２が設けられ、パツト２に
よつて乗員の頭部に与える衝撃を緩和せしめるよ
うにしている。

ところが、上記インストルメントパネル１のパ
ネル本体３は樹脂製の一体成形品であるため、剛
性を高める必要からその裏面には補強用リブ４が
一体的に配設されている。しかして、乗員の頭部
がインストルメントパネル１に衝突した場合に、
リブ４の基部４ａにおけるパネル本体３の変形が
少なくなり、パツト２を介しても大きな衝撃力を
乗員の頭部に与えることになる。

そのため、従来のインストルメントパネル１に
あつてはリブ４の肉厚を薄くしたり、リブ４の高
さを低く形成したりして衝撃力の低減を図つてい
た。しかしながらこのような構成にすると、イン
ストルメントパネル１のパネル本体３の剛性が低
下し、インストルメントパネル１に必要な強度が
充分得られなくなり、この結果補強用のステーな
どを別個に設けなければならず、製品のコスト高
を招来していた。

本考案はこのような実状に鑑みてなされたもの
であつて、その目的は、上述の如き問題点を解消
し得る自動車用インストルメントパネルを提供す
ることにある。

ｃ 問題点を解決するための手段 上記従来技術の有する問題点を解決するため
に、本考案においては、車室内側の表面を衝撃吸
収用のパツトで覆うとともに、裏面に補強用リブ
を一体的に設けてなる自動車用インストルメント
パネルにおいて、前記補強用リブを配設したパネ
ル本体に貫通孔を設ける一方、該貫通孔と対応す
る前記補強用リブの基部を一部切欠いている。

以下、本考案に係る自動車用インストルメント
パネルの一実施例につき第１図〜第５図を参照し
て詳細に説明する。なお、第１図〜第５図におい
て、第６図および第７図に示す従来例と共通する
部分には同一の符号を付している。

本実施例においては、第１図〜第３図に示すよ
うに、インストルメントパネル１を構成するパネ
ル本体３の車室内側の表面に凹部５が長手方向に
沿つて形成されており、この凹部５には対応する
形状に形成された衝撃吸収用のパツト２が嵌着さ
れ、これを覆うようになつている。

また、上記パネル本体３の裏面には、板状の補
強用リブ４が所定の間隔を置いて複数個一体的に
配設され、さらにパネル本体３における凹部５の
底面５ａには長方形の貫通孔６が補強用リブ４と
対応する位置に設けられている。一方、上記補強
用リブ４の基部４ａはその一部が切り欠かれてお
り、該切欠き７によつて前面を覆うパツト２と切
り欠かれた補強用リブ４との間隔が大きく取れる
ようになつている。

上記構成の自動車用インストルメントパネル１
に第４図および第５図に示した矢印Ｐ方向から乗
員の頭部などによつて衝撃力が加わると、先ずパ
ネル本体３に設けたパツト２が凹み、次いで貫通
孔６を設けたパネル本体３自体もパツト２により
簡単に変形して凹む。すなわち、衝撃エネルギは
パツト２およびパネル本体３によつて吸収され
る。そして吸収された衝撃エネルギは、パネル本
体３の塑性変形に使われ、矢印Ｐ方向と反対方向
への反発力が生じることはない。

以上、本考案の一実施例につき述べたが、本考
案は既述の実施例に限定されるものではなく、本
考案の技術的思想に基づいて各種の変形および変
更が可能である。

例えば、既述の実施例において貫通孔６は長方
形に形成したが、補強用リブ４の基部４ａに沿つ
た長円形状に形成してもよい。

ｄ 考案の効果 上述の如く、本考案に係る自動車用インストル
メントパネルは、補強用リブを配設したパネル本
体に貫通孔を設ける一方、該貫通孔と対応する補
強用リブの基部を一部切欠いたので、パネル本体
を補強する補強用ステー等を特別に設けることな
く、必要かつ充分な剛性を確保したまま衝撃吸収
性能の向上が図れるとともに、部品コストを低減
できる。

また、本考案の自動車用インストルメントパネ
ルは、型スライド機構を用いることなく製作で
き、それに加えて従来の様に剛性と衝撃吸収性と
いう相反する２要素のバランスを保持しつつリブ
形状を決定する煩雑な設計開発および実験の工程
削減が可能となり、経済的に極めて有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用インストルメン
トパネルの一実施例を部分的に示す分解斜視図、
第２図は第１図におけるＡ−Ａ線断面図、第３図
は第１図におけるＢ−Ｂ線断面図、第４図および
第５図は上記インストルメントパネルに矢印Ｐ方
向より衝撃力が加わつたときの状態を示す第１図
におけるＡ−Ａ線断面図およびＢ−Ｂ線断面図、
第６図は従来の自動車用インストルメントパネル
を示す斜視図、第７図は第６図におけるＣ−Ｃ線
断面図である。 １……自動車用インストルメントパネル、２…
…パツト、３……パネル本体、４……補強用リ
ブ、４ａ……基部、６……貫通孔、７……切欠
き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室内側の表面を衝撃吸収用のパツトで覆うと
   ともに、裏面に補強用リブを一体的に設けてなる
   自動車用インストルメントパネルにおいて、前記
   補強用リブを配設したパネル本体に貫通孔を設け
   る一方、該貫通孔と対応する前記補強用リブの基
   部を一部切欠いたことを特徴とする自動車用イン
   ストルメントパネル。