JPH0671235U - ドアトリムの衝撃吸収構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コストが安く、スペースを要さないドアトリ
ムの衝撃吸収構造を提供することにある。 【構成】 ドアトリム１の芯材２の内面に、側面衝撃を
吸収する複数の傾斜したリブ６を芯材２と一体に設け
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車のドアトリムの衝撃吸収構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のドアトリムには、乗員に対する側面からの衝撃を吸収するために、緩 衝材が取付けられているものがある。

【０００３】 以下に従来のドアトリムの衝撃吸収構造について説明する。

【０００４】 図８及び図９において、ドアトリム１は芯材２と表皮３とが一体に成形されて いて、芯材２の内面にＰＰ（ポリプロピレン）、ＰＥ（ポリエチレン）などの成 形品である緩衝材４が接着剤によって貼着されて、側面衝突時の衝撃から乗員を 保護している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記の従来の構成では、緩衝材４が芯材２とは別物であるために コストが高く、またドアパネルとドアトリム１との間に緩衝材４を入れるスペー スの確保が必要であって、このために設計上の制約が大きいなどの問題点を有し ていた。

【０００６】 本考案は上記従来の問題点を解決するもので、その目的とするところは、コス トが安く、スペースを要さないドアトリムの衝撃吸収構造を提供することにある 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために本考案のドアトリムの衝撃吸収構造は、ドアトリム の芯材の内面に、側面衝撃を吸収する複数の傾斜したリブを芯材と一体に設けた 構成を有している。

【０００８】 また、好ましくは前記リブに複数の切り欠きを設けた構成を有している。

【０００９】

【作用】

この構成によって、芯材と一体に設けられたリブが側面からの衝撃を吸収する ので、別物の緩衝材を廃止または縮小することができて、コストが安く、スペー スを要さない。

【００１０】 また、切り欠きによって、リブが破壊して衝撃力を吸収するので、別物の緩衝 材を廃止または縮小することができてコストが安くなる。

【００１１】

【実施例】

（実施例１） 以下本考案の一実施例について、図１乃至図４を参照しながら説明する。

【００１２】 図１はドアトリムの正面図、図２はドアトリムの断面を示すものである。尚、 従来例で示した部品と同じ部品には同符号を付してある。

【００１３】 図において、ドアトリム１の芯材２はＰＰ（ポリプロピレン）、ＡＢＳ（アク リロニトリルブタジェンスチレン）などの樹脂が、インジェクションモールドま たはプレスモールドによって表皮３と一体に成形されている。この芯材２の乗員 の肩部と腰部に当たるインパクトエリア５の内面には、適宜の間隔をおいて二本 の傾斜したリブ６が水平方向に芯材２と一体に設けられている。

【００１４】 以上のように構成された衝撃吸収構造は、リブ６が傾斜しているので、側面か らの衝撃があるとリブ６がさらに傾斜することによって衝撃力を吸収し、衝撃力 が大きいときはリブ６が破壊することによって吸収するので、別物の緩衝材を廃 止または縮小することができてコストが安くなり、ドアトリム１の内面にスペー スを要さない。

【００１５】 またリブ６の巾や板厚、数などを変えることにより、衝撃吸収力を調整するこ とができる。

【００１６】 またリブ６は水平方向のみならず、垂直方向のリブであっても同様な効果が得 られる。

【００１７】 さらに、図４及び図５に示すようにリブ６の断面形状が屈折していたり、図６ に示すようにリブ６の断面形状が湾曲していても、側面からの衝撃を傾斜によっ て吸収して同様な効果が得られる。

【００１８】 （実施例２） 以下本考案の第二の実施例について、図７を参照しながら説明する。

【００１９】 本考案はリブ７を根元に行くに従って厚肉とし、リブ７の下面に複数の切り欠 き８を設けた点が図２の構成と異る。そして切り欠き８部の肉厚ａ、ｂ、ｃ、ｄ は根元に行くに従って厚くなっている。

【００２０】 以上のように構成された緩衝吸収構造は、側面からの衝撃を傾斜を増すことに よって吸収し、衝撃力が大きいときはリブ７が先端から破壊し、衝撃力が大きく なるに従って根元の方が破壊して衝撃を吸収するので、別物の緩衝材を廃止また は縮小することができてコストが安くなる。

【００２１】 またリブ７の巾や板厚、切り欠き８部の肉厚などを変化させることにより、衝 撃吸収力を調整することができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように本考案は、ドアトリムの芯材の内面に、側面衝撃を吸収する複数 の傾斜したリブを芯材と一体に設けることにより、リブが側面からの衝撃を傾斜 を増すことによって吸収し、衝撃力が大きいときはリブ７が破壊して衝撃を吸収 するので、別物の緩衝材を廃止または縮小することができて、コストが安く、ド アトリムの内面にスペースを要さない。

【００２３】 また、前記リブに複数の切り欠きを設けることにより、切り欠きによって、リ ブが破壊して衝撃力を吸収するので、別物の緩衝材を廃止または縮小することが できてコストが安くなる。

【００２４】 さらに、リブの巾や板厚を変えることにより、衝撃吸収力を調整することがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例における衝撃吸収構造を備え
たドアトリムの正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図３】同要部斜視図である。

【図４】同衝撃吸収構造の断面図である。

【図５】同要部拡大断面図である。

【図６】同他の要部拡大断面図である。

【図７】本考案の第二の実施例における衝撃吸収構造の
要部拡大断面図である。

【図８】従来の側面衝撃吸収構造を備えたドアトリムの
斜視図である。

【図９】同断面図である。

【符号の説明】

１ ドアトリム ２ 芯材 ６ リブ ７ リブ ８ 切り欠き

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドアトリムの芯材の内面に、側面衝撃を
   吸収する複数の傾斜したリブを芯材と一体に設けたこと
   を特徴とするドアトリムの衝撃吸収構造。
2. 【請求項２】 前記リブに複数の切り欠きを設けたこと
   を特徴とする請求項１記載のドアトリムの衝撃吸収構
   造。