JP2024005326A - 衝撃吸収部材および乗物用内装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃吸収性能を低下させることなく衝撃吸収部材の取り付けの自由度を高める。【解決手段】外郭部36は、外壁部34の一部が中空内部側に窪んで構成される溝部50を有し、その溝部50は、外壁部34の乗物室内外方向に延びて対向壁部32に開口する形状をなしている。複数の取付部の1つ40aは、乗物室内外方向から視て、溝部50によって構成された対向壁部42の開口52と重なる領域に設けられている。対向壁部32に乗物室内外方向に貫通する貫通孔82を形成するとともに延設壁部38の乗物室外側部分に貫通孔82に連通する切欠部84を形成する穴部80を設け、その穴部80が、外壁部34のうち溝部50を形成している溝部形成部34eに開口する構成とする。【選択図】図3
Description
本発明は、衝撃吸収部材に関し、また、その衝撃吸収部材を含んで構成される乗物用内装材に関する。
下記特許文献1には、車両の衝突時の衝撃を吸収するために設けられる衝撃吸収部材、および、その衝撃吸収部材を備えた車両用内装材が記載されている。この衝撃吸収部材は、乗物室内外方向に延びる壁部が座屈変形することで、衝突時の衝撃を吸収するものである。なお、この衝撃吸収部材は、車両用内装材を構成する主体となる部材(内装部材)に、取り付けるための取付部が、箱状の外郭部(中空殻状体)の外周面から外側に突出するように形成される。
衝撃吸収部材は、例えば、乗員への衝撃を軽減するために、乗員の乗車位置等に応じて適切な位置が定まることになる。しかしながら、内装部材の裏面側には、種々の部品が配されたり、内装部材が複数の部材からなる場合にそれらを締結するための締結部等が設けられたりするため、衝撃吸収部材を適切な位置に配置することが難しい場合がある。特に、取付部が、外郭部の外周面から突出して形成されていると、衝撃吸収部材を取り付けるために広いスペースが必要となるという問題がある。
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、衝撃吸収性能を低下させることなく衝撃吸収部材の取り付けの自由度を高めることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の衝撃吸収部材は、
乗物のボデーを構成するパネルを乗物室内側から覆う内装部材の乗物室外側に取り付けられる衝撃吸収部材であって、
前記パネルと対向配置される対向壁部と、前記対向壁部の外縁から前記内装部材に向かって延びる外壁部と、からなる中空状の外郭部と、
前記外郭部の内部に形成され、前記対向壁部から前記内装部材に向けて延びるとともに前記外壁部と連結される延設壁部と、
前記内装部材に取り付けるための複数の取付部と、
を備え、
前記外郭部は、前記外壁部の一部が中空内部側に窪んで構成される溝部を少なくとも1つ有し、
前記溝部は、前記外壁部の乗物室内外方向に延びて前記対向壁部に開口する形状をなしており、
乗物室内外方向から視て前記溝部によって構成された前記対向壁部の前記開口と重なる領域に、前記取付部が設けられ、
当該衝撃吸収部材は、前記対向壁部に乗物室内外方向に貫通する貫通孔を形成するとともに前記延設壁部の乗物室外側部分に前記貫通孔に連通する切欠部を形成する穴部を備え、
前記穴部は、前記外壁部のうち前記溝部を形成している溝部形成部に開口していることを特徴とする。
乗物のボデーを構成するパネルを乗物室内側から覆う内装部材の乗物室外側に取り付けられる衝撃吸収部材であって、
前記パネルと対向配置される対向壁部と、前記対向壁部の外縁から前記内装部材に向かって延びる外壁部と、からなる中空状の外郭部と、
前記外郭部の内部に形成され、前記対向壁部から前記内装部材に向けて延びるとともに前記外壁部と連結される延設壁部と、
前記内装部材に取り付けるための複数の取付部と、
を備え、
前記外郭部は、前記外壁部の一部が中空内部側に窪んで構成される溝部を少なくとも1つ有し、
前記溝部は、前記外壁部の乗物室内外方向に延びて前記対向壁部に開口する形状をなしており、
乗物室内外方向から視て前記溝部によって構成された前記対向壁部の前記開口と重なる領域に、前記取付部が設けられ、
当該衝撃吸収部材は、前記対向壁部に乗物室内外方向に貫通する貫通孔を形成するとともに前記延設壁部の乗物室外側部分に前記貫通孔に連通する切欠部を形成する穴部を備え、
前記穴部は、前記外壁部のうち前記溝部を形成している溝部形成部に開口していることを特徴とする。
本願に開示の衝撃吸収部材は、対向壁部に直交する方向(乗物室外側)からの視点において、複数の取付部のうちの少なくとも1つは、溝部が形成されている両脇の外壁部を結んで形成される壁面より内側に位置するように設けられている。つまり、本願に開示の衝撃吸収部材は、対向壁部に直交する方向(乗物室外側)からの視点において、複数の取付部のうちの少なくとも1つが、外側に突出することなく設けられている。しかしながら、その溝部を形成するための壁部が存在することで、その溝部の剛性が高くなることになる。本願に開示の衝撃吸収部材は、延設壁部の剛性を低下させるための切欠部を形成する穴部が、溝部を形成する壁部をも切り欠いたような構成となっている。そのような構成により、本願に開示の衝撃吸収部材は、溝部の剛性が低下させられており、効果的に衝撃吸収を行うことが可能となっている。本願に開示の衝撃吸収部材によれば、例えば、内装部材が2以上の部材を組み付けて構成される場合に、2つの部材の見切り部分に近い位置に、その溝部の内側に設けた取付部を利用して取り付けることが可能となる。また、内装部材の裏面側に他の部品が固定されるような場合であっても、その部品の近傍に、本願に開示の衝撃吸収部材を取り付けることが可能となる。
なお、本願に開示の衝撃吸収部材において、穴部の形状は特に限定されず、溝部の位置と延設壁部の切欠部の位置との位置関係を考慮して定めることができる。また、溝部形成部の開口形状は、特に限定されないが、例えば、射出成形によって当該衝撃吸収部材を成形する場合、型抜きの方向が乗物室内外方向となるため、穴部とともに成形する溝部形成部の開口形状は、乗物室内外方向に延びて貫通孔に連通するスリット状のものとすることができる。
上記構成において、前記溝部形成部に形成された開口の乗物室内外方向における寸法が、前記延設壁部の前記切欠部の寸法より大きくされている構成とすることができる。
溝部形成部は、取付部の周りを、一方向を除いて囲むような形状の壁部を形成するため、平板状の延設壁部に比較して剛性が高くなりやすい。この構成の衝撃吸収部材は、溝部形成部に形成された開口の、乗物室内外方向における対向壁部からの寸法が、延設壁部の切欠部の深さに比較して大きくされている。それにより、この構成の衝撃吸収部材は、衝突時におけるパネルの変位に応じて、延設壁部とともに溝部形成部の変形も許容されるため、効果的に衝撃吸収を行うことができる。
上記構成において、前記延設壁部は、乗物室内側から視て、互いに交差して十字状をなす形で連結された4つのリブによって構成されており、前記穴部は、前記4つのリブの連結部分に形成されるとともに、前記溝部形成部まで延びて前記溝部形成部に開口している構成とすることができる。
この構成の衝撃吸収部材は、延設壁部が十字状をなす形状とされていることで、比較的小さな荷重に対しては、ほとんど変形することなくしっかりとその衝撃荷重を受け止め、比較的大きな衝撃に対しては、衝突による自身の変形量が大きくなるにしたがって発生荷重が大きくなるような事態を抑制すること、換言すれば、変形量が大きくなっても発生荷重が大きくならないようにすることができ、効果的に衝撃吸収を行うことができる。
上記構成において、前記穴部は、乗物室外側から視て、前記4つのリブの連結部分を中心として十字形状とされ、十字形状をなすうちの1つの延出した部分が、前記溝部形成部に形成された開口に連通している構成とすることができる。
この構成の衝撃吸収部材は、射出成形における型抜きを容易に行ことができ、対向壁部の貫通孔、延設壁部の切欠部、溝部形成部の開口を、容易に成形することができる。
上記構成において、前記外郭部は、乗物室内外方向から視て、概して方形状のものとされ、前記取付部は、4つの辺の各々に対して4つ設けられており、前記4つのリブの各々は、乗物室内側から視て対向する辺に設けられた2つの前記取付部を結んだ2本の直線の交点から前記取付部の各々に向けて放射状に延びて形成されることで、十字状をなしている構成とすることができる。
この構成の衝撃吸収部材は、延設壁部が取付部を結ぶ方向に延びているため、大きな衝荷重に対しては、各リブを効果的に座屈変形させることができ、効果的に衝撃吸収を行うことができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の乗物用内装材は、
上述した構成の衝撃吸収部材と、前記衝撃吸収部材が取り付けられる板状の内装部材と、を含んで構成された乗物用内装材であって、
前記内装部材は、第1ボード部材と、前記第1ボード部材に取り付けられる第2ボード部材と、を備え、
前記第2ボード部材は、本体部と、前記本体部から前記第2ボード部材の裏面側に延び出して前記第2ボード部材を取り付けるための取付片部と、を有し、
前記取付片部に乗物室外側に向かって突出する取付ボスが形成され、
前記衝撃吸収部材は、前記溝部の内側に設けられた前記取付部の挿通孔に前記取付ボスを挿通させた状態で、前記第1ボード部材に対して取り付けられている。
上述した構成の衝撃吸収部材と、前記衝撃吸収部材が取り付けられる板状の内装部材と、を含んで構成された乗物用内装材であって、
前記内装部材は、第1ボード部材と、前記第1ボード部材に取り付けられる第2ボード部材と、を備え、
前記第2ボード部材は、本体部と、前記本体部から前記第2ボード部材の裏面側に延び出して前記第2ボード部材を取り付けるための取付片部と、を有し、
前記取付片部に乗物室外側に向かって突出する取付ボスが形成され、
前記衝撃吸収部材は、前記溝部の内側に設けられた前記取付部の挿通孔に前記取付ボスを挿通させた状態で、前記第1ボード部材に対して取り付けられている。
この構成の乗物用内装材は、内装部材に対する衝撃吸収部材の取付構造が限定されている。この構成の乗物用内装材は、2枚のボード部材の見切り位置に、衝撃吸収部材の取付部が設けられている。従来の衝撃吸収部材のように、取付部が外郭部から外側に突出しているような場合には、衝撃吸収部材が適切な位置に配置できなかったり、2つの部材に跨って取り付けるような事態となったりすることになるが、この構成の乗物用内装材は、衝撃吸収性能を低下させることなく、衝撃吸収部材を適切な位置に配置することができる。
本発明によれば、衝撃吸収性能を低下させることなく衝撃吸収部材の取り付けの自由度を高めることができる。
本発明の実施形態として、本発明の衝撃吸収部材を備えた乗物用内装材である車両用のドアトリム10を例示する。本実施形態のドアトリム10は、車両のサイドドアを構成するものであり、図1に示すように、内装部材としてのトリムボード12を主体として構成され、車体(乗物のボデー)を構成するサイドドアのインナパネル14(図5および図6参照)を車室内側から覆う形で配されている。ちなみに、トリムボード12には、アームレスト16、ドアポケット17、インサイドハンドル18などが設けられている。また、トリムボード12は、複数の板状のボード部材が組み付けられた構成とされている。具体的には、トリムボード12は、メインボード20と、そのメインボード20の上下方向における中間部に配されて上記アームレスト16を形成するためのアームレストボード22と、そのアームレストボード22の上方に配されたオーナメントボード24と、が組み付けられたものとなっている。
本実施形態のドアトリム10は、本発明の一例である衝撃吸収部材30を備えている。本実施形態の衝撃吸収部材30は、トリムボード12の車室外側に取り付けられている。本衝撃吸収部材30は、例えば、車両のシートに着座した乗員の腰部に対向する位置に配されている。なお、その衝撃吸収部材30は、図1および図2に示すように、メインボード(第1ボード部材)20とアームレストボード(第2ボード部材)22との見切り位置に、上端が重なるような位置に配されている。
衝撃吸収部材30について、図2~図7を参照しつつ詳しく説明する。衝撃吸収部材30は、車室内側に開口する箱型形状のものとされている。具体的には、衝撃吸収部材30は、インナパネル14と対向配置される対向壁部32と、対向壁部32の外縁から車室内側に延びる外壁部34と、からなる中空状の外郭部36を主体とするものとなっている。また、衝撃吸収部材30は、外郭部36の内部に形成された延設壁部38と、トリムボード12に自身を取り付けるための4つの取付部40a,40b,40c,40dと、を備えている。なお、本衝撃吸収部材30は、例えば合成樹脂(ポリプロピレンなど)を材料として射出成形によって製造される。本衝撃吸収部材30を製造する際の成形型の開閉方向は、車室内外方向(図6の左右方向)である。
外郭部36は、図2に示すように、車室外側からの視点において、概して方形状をなしている。詳しく言えば、下側の一方側(車両後方側,図2における左側)の角部は、面取りされた形状とされているが、対向壁部32は、その外縁が、大きく分けて、4つの辺32a,32b,32c,32dからなる。なお、対向壁部32は、衝撃吸収部材30の車室外側の端面である天面部を構成するものとされる。また、外壁部34は、対向壁部32の外縁から車室内側に延びており、大きく分けて、対向壁部32の4つの辺32a,32b,32c,32dの各々からそれぞれ延びた4つの壁面部34a,34b,34c,34dからなる。各壁面部34a,34b,34c,34dは、図3および図4に示すように、車室内側に向かうにつれて、幅(対応する辺32a,32b,32c,32dが延びる方向の寸法)が小さくなる形状をなしている。
4つの取付部40a,40b,40c,40dは、4つの壁面部34a,34b,34c,34dに、それぞれ設けられている。上側の壁面部34aに設けられた取付部40aを除いて、車両の前後(図2における左右)の壁面部34b,34dおよび下側の壁面部34cに設けられた3つの取付部40b,40c,40dは、同様の構造となっている。
まず、同様の構造とされている3つの取付部40b,40c,40dについて、説明する。これら取付部40b,40c,40dは、壁面部34b,34c,34dの車室内側の端部から外郭部36の外側に突出する形で設けられている。取付部40b,40c,40dは、図5および図6に示すように、トリムボード12(メインボード20)に設けられた取付ボス20aに取り付けるための片部42と、その片部42と壁面部34b,34c,34dの車室内側の端部とを連結する連結部44と、を有する。片部42には、取付ボス20aが挿通される挿通孔42aが形成されている。
なお、取付ボス20aは、メインボード20の裏面(車室外側面)から車室外側に向かって突出する形状とされ、その取付ボス20aの周囲には、複数の当接リブ20bが形成されている。そして、取付ボス20aは、先端部が、超音波溶着等の溶着手段によって溶着(熱カシメ)されており、平坦化された取付ボス20aの先端と当接リブ20bとの間で、取付部40b,40c,40dの片部42を締結する構造となっている。
また、片部42は、壁面部34b,34c,34dの車室内側の端部より、車室外側に位置する状態で、車室外側に向かって湾曲した連結部44によって連結されている。その連結部44には、図4に示すように、当てリブ44aが設けられており、その当てリブ44aが、メインボード20の裏面(車室外側面)に当接するようになっている。そのような構成により、サイドドアへの衝突があった場合には、壁面部34b,34c,34dは、車室内側の端部である当てリブ44aを基準として折れ曲がる。この結果、壁面部34b,34c,34dの変形に伴って、衝撃吸収部材30の締結箇所(取付ボス20aおよび片部42)に作用する荷重を低減することができるようになっている。
それに対して、上側の取付部40aは、取付部40b,40c,40dのように外郭部36の外側に突出しておらず、図2に示すように、壁面部34aより内側に位置している。詳しく言えば、外郭部36は、図2および図3に示すように、外壁部34の一部が中空内部側に窪んで構成される溝部50を有している。溝部50は、壁面部34aにおいて車室内外方向に延びて対向壁部32に開口する形状をなしている。つまり、この溝部50によって、外壁部34の一部である断面半円状の壁面である溝部形成部34eが形成されるとともに、対向壁部32に半円状の開口52が形成される。そして、取付部40aは、図2に示すように、車室外側から視て、開口52と重なる領域に設けられているのである。
取付部40aは、溝部形成部34eの車室内側の端部を繋ぐように、換言すれば、溝部50の開口52とは反対側を塞ぐように形成された平板状のものである。この取付部40aには、メインボード20に設けられた取付ボス54が挿通される挿通孔56が形成されている。図2および図6に示すように、メインボード20は、意匠面を形成する本体部58と、その本体部58から外側(上側)に張り出したフランジ部(取付片部)60と、を有している。フランジ部60は、アームレストボード22の車室外側において重畳し、各種の取付部において互いに組み付けられる。取付部40aを取り付けるための取付ボス54は、このフランジ部60から車室外側に突出して形成されている。つまり、本衝撃吸収部材30は、上端が、メインボード20とアームレストボード22との見切り位置に位置する状態で、メインボード20に取り付けられているのである。
上記のように形成された外郭部36の内部に、対向壁部32から車室内側(メインボード20)に向かって延びるようにして、延設壁部38は形成されている。この延設壁部38は、図4および図7に示すように、車室内側から視て、互いに交差して十字状をなす形で連結された4枚の板状のリブ70a,70b,70c,70dによって構成されている。詳しく言えば、4枚のリブ70a,70b,70c,70dは、上側の取付部40aと下側の取付部40cとを結んだ直線と、前側の取付部40bと後側の取付部40dとを結んだ直線との交点から、各取付部40a,40b,40c,40dに向けて、放射状に延びて形成されている。そして、第1リブ70aは、上端において溝部形成部34eの内面に連結されている。第2リブ70bは、前端において前側の壁面部34bの内面に連結されている。第3リブ70cは、下端において下側の壁面部34cの内面に連結されている。第4リブ70dは、後端において後側の壁面部34dの内面に連結されている。
また、第1リブ70aと第3リブ70cとは、上側の取付部40aと下側の取付部40cとを結ぶ上下方向に延びる直線状に沿って配されており、第1リブ70aと第3リブ70cとによって、1枚の板状のリブが形成されていると考えることもできる。また、第2リブ70bと第4リブ70dとは、前側の取付部40bと後側の取付部40dとを結ぶ前後方向(横方向)に延びる直線状に沿って配されており、第2リブ70bと第4リブ70dとによって、1枚の板状のリブが形成されていると考えることもできる。
なお、これら4枚のリブ70a,70b,70c,70dは、図5および図6に示すように、車室内側の端部から車室外側の端部に向かうにつれて、その板厚が大きくなるものとされる。また、溝部形成部34eに連結される第1リブ70aを除いて、3枚のリブ70b,70c,70dには、その表面に、車室内外方向に延びる補強リブ72が形成されている。それら補強リブ72は、車室外側に向かうにつれてリブ70b,70c,70dの表面からの突出高が大きくなる形状とされ、車室外側の端部において対向壁部32に連結されている。
本衝撃吸収部材30には、車室外側に、凹状に切り欠いたような穴部80が形成されている。穴部80は、図2に示すように、車室外側からの視点において、十字形状のものとされている。その穴部80は、十字の中心が、4枚のリブの70a,70b,70c,70dの連結部分と一致する位置に形成されている。つまり、この穴部80によって、対向壁部32には、十字形状の貫通孔82が形成されるとともに、4枚のリブの70a,70b,70c,70dの車室外側の部分に貫通孔82に連通する切欠部84が形成されている。
また、穴部80は、十字形状をなすうちの上側に延出した部分である上方延出部80aが、溝部形成部34eまで延びて溝部形成部34eに開口している。それにより、図3に示すように、溝部形成部34eには、車室内外方向に延びて、貫通孔82に連通するスリット86が形成されている。なお、図6に示すように、穴部80は、上側部分(溝部形成部34e側の部分)の深さ、つまり、車室内外方向における対向壁部32からの寸法が、下側部分より、大きくされて、段付状に形成されている。つまり、3枚のリブ70b,70c,70dの切欠部84b,84c,84dの深さD1が、同じで、ほぼ一定の深さであるのに対して、上側の第1リブ70aの切欠部84aは、上側部分84a1が下側部分84a2に比較して深さが大きい段付形状となっている。そして、この切欠部84aの上側部分84a1は、スリット86に連通しており、溝部形成部34eに開口しているのである。なお、溝部形成部34eに形成されたスリット86は、その長さL(車室内外方向における寸法)が、この第1リブ70aの切欠部84の上側部分84a1の深さD2と同じ寸法とされている。
以上のように本実施形態のドアトリム10は、衝撃吸収部材30が、対向壁部32に直交する方向(乗物室外側)からの視点において、1つの取付部40aは、壁面部34aから外側に突出せず、その壁面部34aより内側に位置するように設けられている。それにより、この取付部40aが、トリムボード12を構成する2つのボード部材であるメインボード20とアームレストボード22との見切り位置に重なるように、衝撃吸収部材30を取り付けることが可能とされている。
車両の衝突時においては、延設壁部38が座屈変形することで、衝撃を吸収することができる。ここで、延設壁部38の座屈変形が進行すると、折れ曲がった延設壁部38の各部分同士が干渉し合うことで、その変形が妨げられ、衝撃吸収性能が低下することが懸念される。ところで、延設壁部38の板厚が車室内側の端部から車室外側の端部に向かうにつれて大きく設定されていると、射出成形によって延設壁部38を成形した際の型抜きが可能となる。その反面、延設壁部38の座屈変形が先端側から起こり易くなる結果、延設壁部38の座屈変形が進行した際には、相対的に板厚が高い部分(車室外側の部分)が変形することになる。この場合、延設壁部38の座屈変形が進行した際の衝撃吸収性能の低下がより顕著となる。本実施形態のように、延設壁部38に車室外側に向かって開口する切欠部84を形成することで、延設壁部38の車室外側の端部を変形させ易くすることができ、延設壁部38の座屈変形が進行した際に、衝撃吸収性能が低下する事態を抑制することができる。
ところで、上述した取付部40aの周囲は、外壁部34の一部である溝部形成部34eによって、上方を除いて囲まれた形状となり、取付部40aの周囲(溝部50)の剛性が高くなり易い。しかしながら、本実施形態の衝撃吸収部材30は、延設壁部38の剛性を低下させるための穴部80が、この溝部形成部34eも切り欠いたような構成となっており、溝部形成部34eの剛性も低下させられている。さらに言えば、溝部形成部34eに形成されたスリット86は、その長さLが、延設壁部38の切欠部84における主体となる箇所(4枚のリブ70a,70b,70c,70dの連結部分を含むほぼ全域)の深さD1より大きくされている。これにより、溝部形成部34eも、延設壁部38ととともに、座屈変形し、効果的に衝撃吸収を行うことができる。
なお、図8に、本実施形態のドアトリム10が採用された車両の側突時における、車室内側への変位量(変形量)に対する発生荷重の変化を示している。このグラフからも分かるように、比較的小さな荷重に対しては、あまり変形することなくしっかりとその衝撃荷重を受け止めることができる。そして、比較的大きな衝撃に対しては、衝突による自身の変形量が大きくなるにしたがって発生荷重が大きくなるような事態(発生荷重が右肩上がりに上昇するような事態)を抑制すること、換言すれば、変形量が大きくなっても発生荷重が大きくならないようにすることができ、効果的に衝撃吸収を行うことができる。
以上のような構成とされることで、本実施形態の衝撃吸収部材30は、衝撃吸収性能を低下させることなく取り付け位置の自由度を高めることができるのである。
<他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態において、衝撃吸収部材30は、外郭部36が車室内外方向から視て概して方形状のものとされていたが、それに限定されず、長方形状であっても、多角形状であってもよい。さらに言えば、湾曲した曲面状の外壁部を有する形状であってもよい。
(2)上記実施形態において、衝撃吸収部材30は、延設壁部38が車室内側から視て十字形状をなしていたが、それに限定されず、外郭部の形状に合わせて、適宜変更可能である。
(3)上記実施形態において、衝撃吸収部材30は、外郭部36に形成された穴部80が、車室外側から視て十字形状とされていたが、それに限定されず、円形状でも、四角形状であっても良い。さらに言えば、延設壁部の形状に合わせて、適宜変更可能である。
(4)上記実施形態において、外郭部36に形成された溝部50は、1本であり、その溝部50に設けられた取付部は1つとされていたが、それに限定されず、2以上の取付部に対して、同様の構造が用いられた構成とすることもできる。
(5)上記実施形態において、衝撃吸収部材30は、その一端が2つのボード部材の見切り位置に重なるように取り付けられていた。その他にも、本実施形態の衝撃吸収部材30は、ドアトリム10の車室外側に、照明装置等の機能部品が配されていたり、インナパネル14側に突出するような部分が存在したりする場合があるが、その機能部品や突出部分に近接して取り付けることが可能である。
(6)上記実施形態において、本発明の乗物用内装材は、車両(自動車)に提供されるものとされてたが、それに限定されず、本発明の乗物用内装材は、種々の乗物において提供されるものに適用することができる。
10…ドアトリム〔乗物用内装材〕、12…トリムボード〔内装部材〕、14…インナパネル、20…メインボード〔第1ボード部材〕、22…アームレストボード〔第2ボード部材〕、30…衝撃吸収部材、32…対向壁部、34…外壁部、34e…溝部形成部、36…外郭部、38…延設壁部、40a,40b,40c,40d…取付部、50…溝部、52…開口、54…取付ボス、56…挿通孔、58…本体部、60…フランジ部〔取付片部〕、70a,70b,70c,70d…リブ、80…穴部、82…貫通孔、84…切欠部、86…スリット
Claims (6)
- 乗物のボデーを構成するパネルを乗物室内側から覆う内装部材の乗物室外側に取り付けられる衝撃吸収部材であって、
前記パネルと対向配置される対向壁部と、前記対向壁部の外縁から前記内装部材に向かって延びる外壁部と、からなる中空状の外郭部と、
前記外郭部の内部に形成され、前記対向壁部から前記内装部材に向けて延びるとともに前記外壁部と連結される延設壁部と、
前記内装部材に取り付けるための複数の取付部と、
を備え、
前記外郭部は、前記外壁部の一部が中空内部側に窪んで構成される溝部を少なくとも1つ有し、
前記溝部は、前記外壁部の乗物室内外方向に延びて前記対向壁部に開口する形状をなしており、
乗物室内外方向から視て前記溝部によって構成された前記対向壁部の前記開口と重なる領域に、前記取付部が設けられ、
当該衝撃吸収部材は、前記対向壁部に乗物室内外方向に貫通する貫通孔を形成するとともに前記延設壁部の乗物室外側部分に前記貫通孔に連通する切欠部を形成する穴部を備え、
前記穴部は、前記外壁部のうち前記溝部を形成している溝部形成部に開口していることを特徴とする衝撃吸収部材。 - 前記溝部形成部に形成された開口の乗物室内外方向における寸法が、前記延設壁部の前記切欠部の寸法より大きくされている請求項1に記載の衝撃吸収部材。
- 前記延設壁部は、乗物室内側から視て、互いに交差して十字状をなす形で連結された4つのリブによって構成されており、
前記穴部は、前記4つのリブの連結部分に形成されるとともに、前記溝部形成部まで延びて前記溝部形成部に開口している請求項1または請求項2に記載の衝撃吸収部材。 - 前記穴部は、乗物室外側から視て、前記4つのリブの連結部分を中心として十字形状とされ、十字形状をなすうちの1つの延出した部分が、前記溝部形成部に形成された開口に連通している請求項3に記載の衝撃吸収部材。
- 前記外郭部は、乗物室内外方向から視て、概して方形状のものとされ、
前記取付部は、4つの辺の各々に対して4つ設けられており、
前記4つのリブの各々は、乗物室内側から視て対向する辺に設けられた2つの前記取付部を結んだ2本の直線の交点から前記取付部の各々に向けて放射状に延びて形成されることで、十字状をなしている請求項3に記載の衝撃吸収部材。 - 請求項1または請求項2に記載の衝撃吸収部材と、前記衝撃吸収部材が取り付けられる板状の内装部材と、を含んで構成された乗物用内装材であって、
前記内装部材は、第1ボード部材と、前記第1ボード部材に取り付けられる第2ボード部材と、を備え、
前記第1ボード部材は、本体部と、前記本体部から前記第2ボード部材の裏面側に延び出して前記第2ボード部材を取り付けるための取付片部と、を有し、
前記取付片部に乗物室外側に向かって突出する取付ボスが形成され、
前記衝撃吸収部材は、前記溝部の内側に設けられた前記取付部の挿通孔に前記取付ボスを挿通させた状態で、前記第1ボード部材に対して取り付けられている乗物用内装材。
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JP2022105461A JP2024005326A (ja) | 2022-06-30 | 2022-06-30 | 衝撃吸収部材および乗物用内装材 |
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- 2022-06-30 JP JP2022105461A patent/JP2024005326A/ja active Pending
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