JPH0442087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、プレート取付装置に関するもので
あり、特にプレストレストコンクリート円柱体の
型枠端板に取付けられるべき緊張用プレート取付
装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、此種プレストレストコンクリート円柱体
の製造作業は、先ず両端に端板を介して組立てら
れた鉄筋篭を二つ割型枠の下型枠内に挿入する。
そして、双方の端板に緊張用プレートを吊りボル
トで緊締し、上型枠を蓋装して上下型枠をボルト
締めする。然るのち、PC鋼材に所定の初期緊張
量を与え、コンクリートを注入して遠心力成形に
より製造している。尚、前記緊張用プレートはク
レーンで懸垂し、双方の端板の吊りボルト用孔と
該プレートのボルト孔とを合致させてインパクト
レンチでボルト締めしていた。

［考案が解決しようとする課題］ 従来は、下型枠内に鉄筋篭を挿入した場合、該
鉄筋及びPC鋼材等の重量によつて双方の端板が
内側に傾倒してしまつた。依つて、之等端板に緊
張用プレートを固着するに際し、吊りボルト孔の
位置合わせや上型枠の型合わせが困難であり、突
出部が上型枠に押圧されて変形したり、或は、緊
張作業が円滑に行えない等の虞れがあり、その都
度人力によつて修正する必要があつた。そこで、
この考案は前記端板の傾倒を機械的手段によつて
修正し、且つ、緊張用プレートをクレーンを使用
せずして前記端板へ取付けるための装置を提供す
ることを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ この考案は、上記目的に鑑み、これを達成せん
として提案せられたものであり、プレストレスト
コンクリート円柱体の型枠端板に取付けられるべ
き緊張用プレート取付装置に於て、台車上に載置
された芯高調整具の上部に油圧シリンダを固設
し、該油圧シリンダへ緊張用プレート吊下げ用の
ローラと端板起立用爪の基部とを取付けて、前後
に出没自在に形成すると共に、前記基部に端板起
立用爪を倒回自在に設けたことを特徴とするプレ
ート取付装置を提供せんとするものである。

［作用］ 予め下型枠内に、両端に端板を介して組立てら
れた鉄筋篭を載置しておき、本案装置のプレート
吊下げ用のローラへ緊張用プレートの上部を挿入
して吊下げる。そして、芯高調整具を作動させて
前記ローラを上下し、緊張用プレートの軸高を端
板と合致するように調整する。更に、台車を前進
させて緊張用プレートを前記端板に当接し、双方
のボルト孔位置を合致させてボルト数本を締付け
る。そして、前記ローラを下げ台車を後退せしめ
た後、残りのボルトを緊締する。然るのち、端板
起立用爪を前方に倒回し、台車を前進させて該端
板起立用爪を前記端板の内側部へ係止させた後、
油圧シリンダを収縮して傾倒している前記端板を
緊張用プレート側に引き寄せる。依つて、前記端
板を垂直に起立させて上型枠を下型枠に合接し、
円柱体の型枠を構成する。

而して、端板の傾倒を機械的な手段によつて修
正でき、且つ、緊張用プレートを端板へ取付ける
に際して、クレーンを使用せずして行うことがで
きるのである。

［実施例］ 以下、この考案の一実施例を別紙添付図面に従
つて詳述する。第１図に於て、符号１は二つ割型
枠の下型枠を示したものであり、台車２上に載置
されている。この下型枠１内には、両端に端板
３，３を介して組立てられた鉄筋篭４が挿入され
ており、該鉄筋篭４は螺旋状の鉄筋５とPC鋼材
６，６……とによつて編成されている。尚、上記
鉄筋５及びPC鋼材６，６の自重によつて、前記
端板３，３は内側に引張されてやや傾倒した状態
となつている。

次に、第２図及び第３図に於て、台車７上にガ
イドポスト８が立設されており、パンタグラフ状
の交差リンク９の上部にフレーム１０を設けてあ
る。このフレーム１０の左右両側には転動ローラ
１１，１１が枢着され、油圧シリンダ１２の伸縮
によつて該フレーム１０が上下に移動自在に形成
されて芯高調整具１３を構成している。前記フレ
ーム１０の上面には油圧シリンダ１４を固設して
あり、該油圧シリンダ１４の先端部に緊張用プレ
ート吊下げ用のローラ１５と端板起立用爪の基部
１６とを取付けてある。この基部１６の前部に端
板起立用爪１７を固着すると共に、該基部１６は
ピン１８を中心に上方へ回転自在に取付けられて
いる。又、前記台車７上の後部には、台車移動用
の減速機付モータ１９並びに油圧ポンプ用のモー
タ２０が設けられており、該減速機付モータ１９
によつて車輪２１，２１が駆動され、前記台車７
はレール２２，２２上を移動できる。尚、台車７
の前部に車輪２３，２３を枢設すると共に、台車
７上に正面視Ｖ字状の反力受け具２４を固設す
る。

而して、本実施例に於ては前記端板起立用爪１
７を上方に跳上げておき、吊下げ用のローラ１５
へ緊張用プレート２５の上部を挿入して吊下げ
る。そして、前記芯高調整具１３を作動させて該
ローラ１５を昇降し、緊張用プレート２５の軸高
を端板３と合致させる。然るのち、台車７を前進
させて緊張用プレート２５を前記端板３に当接
し、双方のボルト孔位置を合致させてボルト数本
を仮締めする。そして、前記ローラ１５を下げ台
車７を後退させたのち、残りのボルトをインパク
トレンチ等で緊締する。而して、前記端板起立用
爪１７を前方に倒回し台車７を前進させて、該端
板起立用爪１７を鉄筋篭４の端板３内側部へ係止
させる。更に、油圧シリンダ１４を収縮して、傾
倒している前記端板３を緊張用プレート２５側に
引き寄せ、垂直に起立させて上方から上型枠（図
示せず）を下型枠に合接して取付ける。

斯くして、人力に依らず端板３の傾倒を修正で
き、ボルト孔の位置合わせが容易となり、且つ、
上型枠を蓋装する際に突出部か変型することもな
い。而も、クレーンを使用せずして前記緊張用プ
レート２５を該端板３へ取付けでき、労力を軽減
し作業効率を向上させることができる。

［考案の効果］ この考案は、上記一実施例に詳述したように、
台車上に芯高調整具を載置し、その上部に設けら
れた油圧シリンダに吊下げ用のローラを取付けた
ことによつて、該ローラに吊下げた緊張用プレー
トの軸高を端板に合致するように調整自在となつ
ている。又、前記油圧シリンダに取付けられた端
板起立用爪を端板の内側部へ係止して、該端板を
起立させて上型枠を下型枠に合接し、円柱体の型
枠を構成することができる。依つて、従来人手を
労していた端板の修正作業を機械的な手段で為す
ことができ、労力の軽減を計ることが可能とな
り、且つ、クレーン作業も不要となつて工程を短
縮しコストダウンにも寄与できる等正に諸種の実
用的価値ある考案である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示したものである。第
１図は型枠に挿入された鉄筋篭の一部切欠側面
図、第２図はプレート取付装置の正面図、第３図
は同側面図である。 ３……端板、４……鉄筋篭、７……台車、１３
……芯高調整具、１４……油圧シリンダ、１５…
…吊下げ用のローラ、１６……基部、１７……端
板起立用爪、２５……緊張用プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレストレストコンクリート円柱体の型枠端板
   に取付けられるべき緊張用プレート取付装置に於
   て、台車上に載置された芯高調整具の上部に油圧
   シリンダを固設し、該油圧シリンダへ緊張用プレ
   ート吊下げ用のローラと端板起立用爪の基部とを
   取付けて、前後に出没自在に形成すると共に、前
   記基部に端板起立用爪を倒回自在に設けたことを
   特徴とするプレート取付装置。