JPH0441135B2 - - Google Patents
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- JPH0441135B2 JPH0441135B2 JP58229076A JP22907683A JPH0441135B2 JP H0441135 B2 JPH0441135 B2 JP H0441135B2 JP 58229076 A JP58229076 A JP 58229076A JP 22907683 A JP22907683 A JP 22907683A JP H0441135 B2 JPH0441135 B2 JP H0441135B2
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- reaction
- tetrachlorobenzene
- bis
- aminophenoxy
- apb
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
本発明は、1,3−ビス(3−アミノフエノキ
シベンゼンの新規な製造方法に関する。 さらに詳しくは、1,2,3,4−テトラクロ
ロベンゼンおよび/または1,2,4,5−テト
ラクロロベンゼンと3−アミノフエノールを脱塩
化水素剤の存在下で反応させたのち、還元して脱
塩素化させることによる1,3−ビス(3−アミ
ノフエノキシ)ベンゼンの製造方法に関する。 1,3−ビス(3−アミノフエノキシ)ベンゼ
ン(以下、APBと略記する)は、耐熱性高分子
単量体、特にポリアミド、ポリイミドの原料とな
る重要な物質である。 例えば、APB、3,3′,4,4′−ベンゾフエノ
ンテトラカルボン酸二無水物および3−アミノフ
エニルアセチレンから製造されるアセチレン末端
ポリイミドは、ポリイミドの中でも再も高い部類
の耐熱性を有するポリマーであることが知られて
いる(U.S.P.3845018、U.S.P.3879349)。APB
は、従来、レゾルシンと1−ブロモ−3−ニトロ
ベンゼンを縮合させ、還元して製造する方法
(Ger Offen2462112)および3−アミノフエノー
ルと1,3−ジブロモベンゼンを縮合させて製造
する方法(W.Finkら,Helv,Ckim,Acia,51
971(1968)、U.S.P.4222962)が知られている。 上記APBの製造方法において、レゾルシンと
3−ニトロブロモベンゼンとの反応では、まず、
レゾルシンを多量のベンゼン中でナトリウムメト
キシドと処理した後、蒸留によりベンゼンを回収
しながら脱水操作を行なつて、レゾルシンジナト
リウムを生成させ、つぎにこれを多量のピリジン
溶媒中、塩化第一銅存在下で3−ニトロブロモベ
ンゼンとをアルゴン気流下に反応させて、収率41
%で1,3−ビス(3−ニトロフエノキシ)ベン
ゼンを得、ついで、このニトロ化合物を硫酸第一
鉄で還元して目的物を製造している。 また、3−アミノフエノールと1,3−ジブロ
モベンゼンとを縮合させて製造する方法では、銅
粉の存在下、両者を200〜280℃で反応させるかあ
るいは多量のピリジン中、塩化第一銅の存在下に
反応させて目的物を製造しているが、収率は45〜
65%と低い。 このようにAPBの公知の製造法は、ピリジン
のような臭気等から取扱いに難点のある反応溶媒
を多量に使用し、また、加水分解等の副反応を抑
制するために、ベンゼンのような脱水溶剤を多量
に使用して厳密な水分の除去の操作が必要なう
え、銅粉や塩化第一銅等の反応促進剤を使用する
ので、着色や銅イオンの除去等にも注意を払わな
ければならず、かつ、不活性ガス下で反応させる
等、製造作業上、廃棄物の無公害化等の観点から
も、これらの方法を実施するのは極めて困難であ
る。 本発明者らは、上記のような欠点のないAPB
の製造方法について鋭意検討した。その結果、
1,2,3,4−テトラクロロベンゼンおよび/
または1,2,4,5−テトラクロロベンゼンと
3−アミノフエノールを縮合させて得られる1,
3−ビス(3−アミノフエノキシ)ジクロロベン
ゼン類を還元することにより脱塩素化させて
APBを高収率に製造する方法を見出し、本発明
を完成した。 すなわち、本発明の方法は1,2,3,4−テ
トラクロロベンゼンおよび/または1,2,4,
5−テトラクロロベンゼンと3−アミノフエノー
ルを脱塩化水素剤の存在下で反応させたのち、還
元して脱塩素化させることを特徴とする1,3−
ビス(3−アミノフエノキシ)ベンゼンの製造方
法である。 本発明の方法では、まず、テトラクロロベンゼ
ンと3−アミノフエノールを脱塩化水素剤の存在
下に有機溶剤中で反応させ1,3−ビス(3−ア
ミノフエノキシ)ジクロロベンゼンを製造する、
ついでこの1,3−ビス(3−アミノフエノキ
シ)ジクロロベンゼンを単離精製することなく還
元により脱塩素化させてAPBを製造する。 本発明の方法によれば、前述の1,3−ジブロ
モベンゼンと3−アミノフエノールとの反応のよ
うなUllman反応において、一般に反応促進剤と
して使用される銅化合物を用いることもなく、ま
た、簡単な水分を除去する操作により、縮合反応
は温和な条件下で容易に進行し、1,3−ビス
(3−アミノフエノキシ)ジクロロベンゼン類が
選択的に高収率で製造されるので、これを単離精
製することなく還元して脱塩素化により目的物が
得られることが特徴である。 すなわち、本発明のテトラクロロベンゼンと3
−アミノフエノールとの反応では、いずれの場合
もメタ位置にある2個のクロル基がそれぞれ3−
アミノフエノキシ基に置換され1,2,3,4−
テトラクロロベンゼンでは1,3−ビス(3−ア
ミノフエノキシ)−2,4−ジクロロベンゼンが
得られ、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン
では1,5−ビス(3−アミノフエノキシ)−2,
4−ジクロロベンゼンが得られる。これらは、い
ずれも還元して脱塩素化させることにより目的物
であるAPBへと導くことができる。また、1,
2,3,4−テトラクロロベンゼンと1,2,
4,5−テトラクロロベンゼンの混合物では、そ
の混合比に対応した縮合生成物の混合物が得ら
れ、すべてAPBへと導くことができる。3−ア
ミノフエノールは、テトラクロロベンゼンに対
し、2〜5倍モルで使用し、好ましくは2.1〜3
倍モルで使用する。 本発明の方法で使用する脱塩素水素剤は、アル
カリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩およびア
ルコキシド類であり、例えば、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、重炭酸カリ
ウム、重炭酸ナトリウム、カリウムエトキシド、
カリウムイソプロポキシド、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシドおよびリチウムエトキ
シド等が挙げられる。これらは単独は勿論、2種
類以上を併用してもとくに差しつかえない。 これら脱塩化水素剤は、原料の3−アミノフエ
ノールと当量以上あれば良く、好ましくは1〜
1.5当量で十分である。 次に、この方法における反応溶剤としては、非
プロトン性極性溶剤を使用する。この非プロトン
性極性溶剤としては、N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルスルホン、スルホラン、N−メチルピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンお
よびリン酸ヘキサメチルトリアミド等が挙げられ
る。これら溶剤の使用量は、特に限定されない
が、通常原料に対して1〜10重量倍で十分であ
る。 以上の原料および反応剤を用いて1,3−ビス
(3−アミノフエノキシ)ジクロロベンゼンを得
る反応における一般的な実施態様としては、所定
量の3−アミノフエノール、脱塩化水素剤および
溶剤を装入し、3−アミノフエノールをアルカリ
金属塩としたのち、テトラクロロベンゼンを添加
して反応させるか、あるいはあらかじめテトラク
ロロベンゼンを含む全原料を同時に加え、そのま
ま昇温して反応させるかいずれであつても良い。
勿論、これらに限定されるものではなく、その他
の態様により適宜実施できる。 反応系内に水が生成する場合の除去する方法と
して、窒素ガス等を通気させることによつて、反
応中、徐々に系外に排出させる方法があるが、一
般的にはベンゼン、トルエン、キシレン、クロロ
ベンゼン等を少量使用して共沸により系外へと取
り除く方法が多用される。 反応温度は、通常、100〜240℃の範囲である
が、好ましくは120〜200℃の範囲である。 反応終了後、濃縮したのち、あるいはそのまま
水等に排出して目的物を得る。 この反応の終点は、薄層クロマトグラフイーま
たは高速液体クロマトグラフイーにより未反応中
間体(モノアミノフエノキシ体)の減少を見なが
ら決定することができる。 つぎに得られた1,3−ビス(3−アミノフエ
ノキシ)ジクロロベンゼンを脱塩素化する。 この脱塩素化反応は、通常溶剤中で還元触媒の
存在下での、 (イ) 接触還元による脱塩素化、 (ロ) 還元剤を用いる脱塩素化、 の2種類の方法で実施される。 (イ)の接触還元による方法では、前記反応で得ら
れた1,3−ビス(3−アミノフエノキシ)ジク
ロロベンゼンの反応混合物に直接、あるいは濃縮
して他の溶剤に置換する等の操作を加えたのち、
還元触媒を添加して、接触還元、脱塩素化反応を
行なう。この場合、脱塩化水素剤があつてもなく
ても良い。反応はいずれの場合も容易に進行し、
副生物もなく、高収率で目的物を製造することが
できる。 また、(ロ)の還元剤を用いる方法では、(イ)の方法
と同様、1,3−ビス(3−アミノフエノキシ)
ジクロロベンゼンに対して、パラジウム触媒の存
在下でギ酸および/またはギ酸塩、またはヒドラ
ジンを用いて還元し、脱塩素化反応を行なう。こ
の方法でも、反応は容易に進行し、副生物もな
く、高収率で目的物を製造することができる。 (イ)の方法で使用される還元触媒としては、一般
に接触還元に使用されている金属触媒、例えば、
ニツケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニ
ウム、コバルト、銅等を使用することができる。
工業的にはパラジウム触媒を使用するのが好まし
い。(ロ)の方法で使用される触媒はパラジウム触媒
である。 これらの触媒は金属の状態でも使用することが
できるが、通常は、活性炭、硫酸バリウム、シリ
カゲル、アルミナ等の担体表面に付着させて用い
たり、また、ニツケル、コバルト、銅等はラネー
触媒として用いてもよい。触媒の使用量は1,3
−ビス(3−アミノフエノキシ)ジクロロベンゼ
ンに対して金属として0.01〜10重量%の範囲であ
り、通常、金属の状態で使用する場合は1〜10重
量%、担体に付着させた場合では0.05〜1重量%
の範囲である。 (イ)の接触還元反応による方法では、塩化水素が
生成する。この塩化水素を補促する目的で脱塩化
水素剤を使用してもよい。 この脱塩化水素剤としては、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩、重炭酸塩、低級脂肪酸塩またはアンモニアあ
るいは通常の有機アミン類である。 例えば、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、
酸化マグネシウム、重炭酸アンモニウム、酸化カ
ルシウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、炭
酸カリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、
プロピオン酸カリウム、アンモニア、トリエチル
アミン、トリーn−ブチルアミン、トリエタノー
ルアミン、ピリジンおよびN−メチルモルホリン
等があげられる。これらの塩基は必要により、2
種類以上を混合して用いてもよい。 塩基の使用量は、1,3−ビス(3−アミノフ
エノキシ)ジクロロベンゼンに対して2当量以上
あれば良く、通常は、2〜3当量添加して用いら
れる。つぎに、(ロ)の方法における還元剤として
は、ギ酸および/またはギ酸塩、またはヒドラジ
ンであり、これらは水溶液として用いられる。 また、ギ酸塩はギ酸ナトリウムやギ酸カリウム
等のギ酸アルカリ塩、ギ酸エチルアミン等の有機
アミン塩およびギ酸アンモニウムである。 これら脱塩素化反応における反応溶剤として
は、反応に不活性なものであれば特に限定される
ものでなく、例えば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール等のアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール等グリコール
類、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、メチルセロソルブ等のエーテル類、ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルム、
1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N,N′−
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよび
水等が使用できる。溶剤の使用量は、特に限定さ
れないが、通常、1,3−ビス(3−アミノフエ
ノキシ)ジクロロベンゼンに対して0.5〜10重量
倍で十分である。 この反応の一般的な実施態様として(イ)の方法で
は、前記反応における1,3−ビス(3−アミノ
フエノキシ)ジクロロベンゼンの反応混合物が還
元溶剤に溶解状態のもと、触媒を加え、そのまま
所定の温度で接触還元反応を行ない脱塩素化させ
る。一方、脱塩化水素剤を用いる場合も、同様
に、接触還元反応を行なうことができるが、この
場合、あらかじめ脱塩化水素剤を添加して反応さ
せるか、あるいは、反応中逐時添加するかのいず
れの方法でもさしつかえない。 この方法における反応温度は特に限定はない。
一般的には、20〜200℃の範囲、特に20〜100℃が
好ましい。 また、反応圧力は、通常、常圧〜50Kg/cm2でよ
い。反応の終点は、水素吸収量を定量することに
よつて決定することができる。 また(ロ)の方法では、(イ)の方法と同様に、還元溶
剤に溶解状態のもと、ギ酸および/またはギ酸
塩、またはヒドラジンの水溶液と触媒を加え、つ
いで撹拌下、所定の温度で反応を行なう。 反応温度は特に限定はないが、通常、20〜130
℃の範囲である。 反応の進行は薄層クロマトグラフイーまたは高
速液体クロマトグラフイーにより追跡できる。 反応後、(イ)ならびに(ロ)の方法とも、溶解状態に
ある場合は過して触媒等を除き、濃縮、希釈等
の方法で結晶として析出させるか、鉱酸の添加に
よつて鉱酸塩として析出させ中和して目的物を得
る等の方法がある。また、析出状態にある場合は
加熱溶解させ、熱過によつて触媒等を除き、冷
却後、析出した目的物の結晶を得ることができ
る。 以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明
する。 実施例 1 撹拌装置および水分離器を備えた200mlのフラ
スコに3−アミノフエノール12.0g(0.11モル)、
粒状水酸化カリウム(純度86%)7.5g(0.115モ
ル)、N,N−ジメチルホルムアミド50mlおよび
オルエン5mlを装入し、撹拌下に窒素を通気させ
ながら昇温して、トルエンの還流状態で反応系内
の水分を水分離器により除去した。 次にN,N−ジメチルホルムアミド25mlと1,
2,4,5−テトラクロロベンゼン10.8g(0.05
モル)の溶液を1時間かけて加え、系内のトルエ
ンを留去させながら昇温し、温度155〜160℃で5
時間反応させた。 反応終了後、ただちにアスピレーターを用いて
真空度50〜70mmHgの圧力で溶剤のN,N−ジメ
チルホルムアミドを留去させ回収した。ついで、
この反応組成物にメタノール75mlを加え溶解さ
せ、活性炭0.5gを加え過したのち、ガラス製
密閉容器に5%Pd−C触媒(二本エンゲルハル
ド社製)0.5g、28%アンモニア水9.1g(0.15モ
ル)とともに装入した。ただちに、水素を導入し
て激しく撹拌しながら接触還元反応を行なつた。
反応温度25〜30℃で8時間行なつて2150mlの水素
を吸収し、これ以上の吸収が認められなくなつた
ので終了した。つづいて、反応液を過して触媒
等を除き、濃縮すると淡褐色の結晶が析出した。
過、洗浄後乾燥して粗APBを得た。収量12.2
g(収率83.5%) この粗APBをイソプロパノールで再結晶する
ことにより無色プリズム晶の純品が得られた。融
点は106〜107℃で元素分析値は次の通りである。
シベンゼンの新規な製造方法に関する。 さらに詳しくは、1,2,3,4−テトラクロ
ロベンゼンおよび/または1,2,4,5−テト
ラクロロベンゼンと3−アミノフエノールを脱塩
化水素剤の存在下で反応させたのち、還元して脱
塩素化させることによる1,3−ビス(3−アミ
ノフエノキシ)ベンゼンの製造方法に関する。 1,3−ビス(3−アミノフエノキシ)ベンゼ
ン(以下、APBと略記する)は、耐熱性高分子
単量体、特にポリアミド、ポリイミドの原料とな
る重要な物質である。 例えば、APB、3,3′,4,4′−ベンゾフエノ
ンテトラカルボン酸二無水物および3−アミノフ
エニルアセチレンから製造されるアセチレン末端
ポリイミドは、ポリイミドの中でも再も高い部類
の耐熱性を有するポリマーであることが知られて
いる(U.S.P.3845018、U.S.P.3879349)。APB
は、従来、レゾルシンと1−ブロモ−3−ニトロ
ベンゼンを縮合させ、還元して製造する方法
(Ger Offen2462112)および3−アミノフエノー
ルと1,3−ジブロモベンゼンを縮合させて製造
する方法(W.Finkら,Helv,Ckim,Acia,51
971(1968)、U.S.P.4222962)が知られている。 上記APBの製造方法において、レゾルシンと
3−ニトロブロモベンゼンとの反応では、まず、
レゾルシンを多量のベンゼン中でナトリウムメト
キシドと処理した後、蒸留によりベンゼンを回収
しながら脱水操作を行なつて、レゾルシンジナト
リウムを生成させ、つぎにこれを多量のピリジン
溶媒中、塩化第一銅存在下で3−ニトロブロモベ
ンゼンとをアルゴン気流下に反応させて、収率41
%で1,3−ビス(3−ニトロフエノキシ)ベン
ゼンを得、ついで、このニトロ化合物を硫酸第一
鉄で還元して目的物を製造している。 また、3−アミノフエノールと1,3−ジブロ
モベンゼンとを縮合させて製造する方法では、銅
粉の存在下、両者を200〜280℃で反応させるかあ
るいは多量のピリジン中、塩化第一銅の存在下に
反応させて目的物を製造しているが、収率は45〜
65%と低い。 このようにAPBの公知の製造法は、ピリジン
のような臭気等から取扱いに難点のある反応溶媒
を多量に使用し、また、加水分解等の副反応を抑
制するために、ベンゼンのような脱水溶剤を多量
に使用して厳密な水分の除去の操作が必要なう
え、銅粉や塩化第一銅等の反応促進剤を使用する
ので、着色や銅イオンの除去等にも注意を払わな
ければならず、かつ、不活性ガス下で反応させる
等、製造作業上、廃棄物の無公害化等の観点から
も、これらの方法を実施するのは極めて困難であ
る。 本発明者らは、上記のような欠点のないAPB
の製造方法について鋭意検討した。その結果、
1,2,3,4−テトラクロロベンゼンおよび/
または1,2,4,5−テトラクロロベンゼンと
3−アミノフエノールを縮合させて得られる1,
3−ビス(3−アミノフエノキシ)ジクロロベン
ゼン類を還元することにより脱塩素化させて
APBを高収率に製造する方法を見出し、本発明
を完成した。 すなわち、本発明の方法は1,2,3,4−テ
トラクロロベンゼンおよび/または1,2,4,
5−テトラクロロベンゼンと3−アミノフエノー
ルを脱塩化水素剤の存在下で反応させたのち、還
元して脱塩素化させることを特徴とする1,3−
ビス(3−アミノフエノキシ)ベンゼンの製造方
法である。 本発明の方法では、まず、テトラクロロベンゼ
ンと3−アミノフエノールを脱塩化水素剤の存在
下に有機溶剤中で反応させ1,3−ビス(3−ア
ミノフエノキシ)ジクロロベンゼンを製造する、
ついでこの1,3−ビス(3−アミノフエノキ
シ)ジクロロベンゼンを単離精製することなく還
元により脱塩素化させてAPBを製造する。 本発明の方法によれば、前述の1,3−ジブロ
モベンゼンと3−アミノフエノールとの反応のよ
うなUllman反応において、一般に反応促進剤と
して使用される銅化合物を用いることもなく、ま
た、簡単な水分を除去する操作により、縮合反応
は温和な条件下で容易に進行し、1,3−ビス
(3−アミノフエノキシ)ジクロロベンゼン類が
選択的に高収率で製造されるので、これを単離精
製することなく還元して脱塩素化により目的物が
得られることが特徴である。 すなわち、本発明のテトラクロロベンゼンと3
−アミノフエノールとの反応では、いずれの場合
もメタ位置にある2個のクロル基がそれぞれ3−
アミノフエノキシ基に置換され1,2,3,4−
テトラクロロベンゼンでは1,3−ビス(3−ア
ミノフエノキシ)−2,4−ジクロロベンゼンが
得られ、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン
では1,5−ビス(3−アミノフエノキシ)−2,
4−ジクロロベンゼンが得られる。これらは、い
ずれも還元して脱塩素化させることにより目的物
であるAPBへと導くことができる。また、1,
2,3,4−テトラクロロベンゼンと1,2,
4,5−テトラクロロベンゼンの混合物では、そ
の混合比に対応した縮合生成物の混合物が得ら
れ、すべてAPBへと導くことができる。3−ア
ミノフエノールは、テトラクロロベンゼンに対
し、2〜5倍モルで使用し、好ましくは2.1〜3
倍モルで使用する。 本発明の方法で使用する脱塩素水素剤は、アル
カリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩およびア
ルコキシド類であり、例えば、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、重炭酸カリ
ウム、重炭酸ナトリウム、カリウムエトキシド、
カリウムイソプロポキシド、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシドおよびリチウムエトキ
シド等が挙げられる。これらは単独は勿論、2種
類以上を併用してもとくに差しつかえない。 これら脱塩化水素剤は、原料の3−アミノフエ
ノールと当量以上あれば良く、好ましくは1〜
1.5当量で十分である。 次に、この方法における反応溶剤としては、非
プロトン性極性溶剤を使用する。この非プロトン
性極性溶剤としては、N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルスルホン、スルホラン、N−メチルピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンお
よびリン酸ヘキサメチルトリアミド等が挙げられ
る。これら溶剤の使用量は、特に限定されない
が、通常原料に対して1〜10重量倍で十分であ
る。 以上の原料および反応剤を用いて1,3−ビス
(3−アミノフエノキシ)ジクロロベンゼンを得
る反応における一般的な実施態様としては、所定
量の3−アミノフエノール、脱塩化水素剤および
溶剤を装入し、3−アミノフエノールをアルカリ
金属塩としたのち、テトラクロロベンゼンを添加
して反応させるか、あるいはあらかじめテトラク
ロロベンゼンを含む全原料を同時に加え、そのま
ま昇温して反応させるかいずれであつても良い。
勿論、これらに限定されるものではなく、その他
の態様により適宜実施できる。 反応系内に水が生成する場合の除去する方法と
して、窒素ガス等を通気させることによつて、反
応中、徐々に系外に排出させる方法があるが、一
般的にはベンゼン、トルエン、キシレン、クロロ
ベンゼン等を少量使用して共沸により系外へと取
り除く方法が多用される。 反応温度は、通常、100〜240℃の範囲である
が、好ましくは120〜200℃の範囲である。 反応終了後、濃縮したのち、あるいはそのまま
水等に排出して目的物を得る。 この反応の終点は、薄層クロマトグラフイーま
たは高速液体クロマトグラフイーにより未反応中
間体(モノアミノフエノキシ体)の減少を見なが
ら決定することができる。 つぎに得られた1,3−ビス(3−アミノフエ
ノキシ)ジクロロベンゼンを脱塩素化する。 この脱塩素化反応は、通常溶剤中で還元触媒の
存在下での、 (イ) 接触還元による脱塩素化、 (ロ) 還元剤を用いる脱塩素化、 の2種類の方法で実施される。 (イ)の接触還元による方法では、前記反応で得ら
れた1,3−ビス(3−アミノフエノキシ)ジク
ロロベンゼンの反応混合物に直接、あるいは濃縮
して他の溶剤に置換する等の操作を加えたのち、
還元触媒を添加して、接触還元、脱塩素化反応を
行なう。この場合、脱塩化水素剤があつてもなく
ても良い。反応はいずれの場合も容易に進行し、
副生物もなく、高収率で目的物を製造することが
できる。 また、(ロ)の還元剤を用いる方法では、(イ)の方法
と同様、1,3−ビス(3−アミノフエノキシ)
ジクロロベンゼンに対して、パラジウム触媒の存
在下でギ酸および/またはギ酸塩、またはヒドラ
ジンを用いて還元し、脱塩素化反応を行なう。こ
の方法でも、反応は容易に進行し、副生物もな
く、高収率で目的物を製造することができる。 (イ)の方法で使用される還元触媒としては、一般
に接触還元に使用されている金属触媒、例えば、
ニツケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニ
ウム、コバルト、銅等を使用することができる。
工業的にはパラジウム触媒を使用するのが好まし
い。(ロ)の方法で使用される触媒はパラジウム触媒
である。 これらの触媒は金属の状態でも使用することが
できるが、通常は、活性炭、硫酸バリウム、シリ
カゲル、アルミナ等の担体表面に付着させて用い
たり、また、ニツケル、コバルト、銅等はラネー
触媒として用いてもよい。触媒の使用量は1,3
−ビス(3−アミノフエノキシ)ジクロロベンゼ
ンに対して金属として0.01〜10重量%の範囲であ
り、通常、金属の状態で使用する場合は1〜10重
量%、担体に付着させた場合では0.05〜1重量%
の範囲である。 (イ)の接触還元反応による方法では、塩化水素が
生成する。この塩化水素を補促する目的で脱塩化
水素剤を使用してもよい。 この脱塩化水素剤としては、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩、重炭酸塩、低級脂肪酸塩またはアンモニアあ
るいは通常の有機アミン類である。 例えば、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、
酸化マグネシウム、重炭酸アンモニウム、酸化カ
ルシウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、炭
酸カリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、
プロピオン酸カリウム、アンモニア、トリエチル
アミン、トリーn−ブチルアミン、トリエタノー
ルアミン、ピリジンおよびN−メチルモルホリン
等があげられる。これらの塩基は必要により、2
種類以上を混合して用いてもよい。 塩基の使用量は、1,3−ビス(3−アミノフ
エノキシ)ジクロロベンゼンに対して2当量以上
あれば良く、通常は、2〜3当量添加して用いら
れる。つぎに、(ロ)の方法における還元剤として
は、ギ酸および/またはギ酸塩、またはヒドラジ
ンであり、これらは水溶液として用いられる。 また、ギ酸塩はギ酸ナトリウムやギ酸カリウム
等のギ酸アルカリ塩、ギ酸エチルアミン等の有機
アミン塩およびギ酸アンモニウムである。 これら脱塩素化反応における反応溶剤として
は、反応に不活性なものであれば特に限定される
ものでなく、例えば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール等のアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール等グリコール
類、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、メチルセロソルブ等のエーテル類、ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルム、
1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N,N′−
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよび
水等が使用できる。溶剤の使用量は、特に限定さ
れないが、通常、1,3−ビス(3−アミノフエ
ノキシ)ジクロロベンゼンに対して0.5〜10重量
倍で十分である。 この反応の一般的な実施態様として(イ)の方法で
は、前記反応における1,3−ビス(3−アミノ
フエノキシ)ジクロロベンゼンの反応混合物が還
元溶剤に溶解状態のもと、触媒を加え、そのまま
所定の温度で接触還元反応を行ない脱塩素化させ
る。一方、脱塩化水素剤を用いる場合も、同様
に、接触還元反応を行なうことができるが、この
場合、あらかじめ脱塩化水素剤を添加して反応さ
せるか、あるいは、反応中逐時添加するかのいず
れの方法でもさしつかえない。 この方法における反応温度は特に限定はない。
一般的には、20〜200℃の範囲、特に20〜100℃が
好ましい。 また、反応圧力は、通常、常圧〜50Kg/cm2でよ
い。反応の終点は、水素吸収量を定量することに
よつて決定することができる。 また(ロ)の方法では、(イ)の方法と同様に、還元溶
剤に溶解状態のもと、ギ酸および/またはギ酸
塩、またはヒドラジンの水溶液と触媒を加え、つ
いで撹拌下、所定の温度で反応を行なう。 反応温度は特に限定はないが、通常、20〜130
℃の範囲である。 反応の進行は薄層クロマトグラフイーまたは高
速液体クロマトグラフイーにより追跡できる。 反応後、(イ)ならびに(ロ)の方法とも、溶解状態に
ある場合は過して触媒等を除き、濃縮、希釈等
の方法で結晶として析出させるか、鉱酸の添加に
よつて鉱酸塩として析出させ中和して目的物を得
る等の方法がある。また、析出状態にある場合は
加熱溶解させ、熱過によつて触媒等を除き、冷
却後、析出した目的物の結晶を得ることができ
る。 以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明
する。 実施例 1 撹拌装置および水分離器を備えた200mlのフラ
スコに3−アミノフエノール12.0g(0.11モル)、
粒状水酸化カリウム(純度86%)7.5g(0.115モ
ル)、N,N−ジメチルホルムアミド50mlおよび
オルエン5mlを装入し、撹拌下に窒素を通気させ
ながら昇温して、トルエンの還流状態で反応系内
の水分を水分離器により除去した。 次にN,N−ジメチルホルムアミド25mlと1,
2,4,5−テトラクロロベンゼン10.8g(0.05
モル)の溶液を1時間かけて加え、系内のトルエ
ンを留去させながら昇温し、温度155〜160℃で5
時間反応させた。 反応終了後、ただちにアスピレーターを用いて
真空度50〜70mmHgの圧力で溶剤のN,N−ジメ
チルホルムアミドを留去させ回収した。ついで、
この反応組成物にメタノール75mlを加え溶解さ
せ、活性炭0.5gを加え過したのち、ガラス製
密閉容器に5%Pd−C触媒(二本エンゲルハル
ド社製)0.5g、28%アンモニア水9.1g(0.15モ
ル)とともに装入した。ただちに、水素を導入し
て激しく撹拌しながら接触還元反応を行なつた。
反応温度25〜30℃で8時間行なつて2150mlの水素
を吸収し、これ以上の吸収が認められなくなつた
ので終了した。つづいて、反応液を過して触媒
等を除き、濃縮すると淡褐色の結晶が析出した。
過、洗浄後乾燥して粗APBを得た。収量12.2
g(収率83.5%) この粗APBをイソプロパノールで再結晶する
ことにより無色プリズム晶の純品が得られた。融
点は106〜107℃で元素分析値は次の通りである。
【表】
実施例 2〜4
縮合反応における原料、脱塩化水素剤、溶剤お
よび接触還元反応における脱塩化水素剤、触媒、
溶剤を変えて実施例1と同様に反応を行なつて目
的物のAPBを得た。結果を表−1に示す。
よび接触還元反応における脱塩化水素剤、触媒、
溶剤を変えて実施例1と同様に反応を行なつて目
的物のAPBを得た。結果を表−1に示す。
【表】
実施例 5
実施例1と同様の装置に3−アミノフエノール
12.0g(0.11モル)、粒状水酸化ナトリウム(純
度96%)4.6g(0.11モル)、ベンゼン10mlおよび
N−メチルピロリドン50mlを装入し、撹拌下に窒
素を通気させながら昇温して、ベンゼンの還流状
態で反応系内の水分を水分離器により除去した。
次に、N−メチルピロリドン50mlと1,2,3,
4−テトラクロロベンゼン10.8g(0.05モル)の
溶液を加え、系内のベンゼンを留去させながら昇
温し、温度140〜160℃で6.5時間反応させた。反
応終了後、ただちにアスピレーターを用いて真空
度50〜70mmHgの圧力で溶剤のN−メチルピロリ
ドンを留去させ回収した。ついで、この反応組成
物に60%イソプロパノール水溶液75mlおよび5%
Pd−C触媒0.7gを加え、還流状態でヒドラジン
15g(0.3モル)を1時間かけて滴下した。ひき
つづき還流状態で5時間反応を行なつた。反応終
了後、熱過して触媒等を除き放冷すると淡褐色
の結晶が析出した。過、洗浄後乾燥して粗
APBを得た。 収量12g(収率82.1%) この粗APBをイソプロパノールで再結晶する
ことにより無色プリズム晶の純品が得られた。融
点は106〜107℃で、元素分析値は次のとおりであ
る。
12.0g(0.11モル)、粒状水酸化ナトリウム(純
度96%)4.6g(0.11モル)、ベンゼン10mlおよび
N−メチルピロリドン50mlを装入し、撹拌下に窒
素を通気させながら昇温して、ベンゼンの還流状
態で反応系内の水分を水分離器により除去した。
次に、N−メチルピロリドン50mlと1,2,3,
4−テトラクロロベンゼン10.8g(0.05モル)の
溶液を加え、系内のベンゼンを留去させながら昇
温し、温度140〜160℃で6.5時間反応させた。反
応終了後、ただちにアスピレーターを用いて真空
度50〜70mmHgの圧力で溶剤のN−メチルピロリ
ドンを留去させ回収した。ついで、この反応組成
物に60%イソプロパノール水溶液75mlおよび5%
Pd−C触媒0.7gを加え、還流状態でヒドラジン
15g(0.3モル)を1時間かけて滴下した。ひき
つづき還流状態で5時間反応を行なつた。反応終
了後、熱過して触媒等を除き放冷すると淡褐色
の結晶が析出した。過、洗浄後乾燥して粗
APBを得た。 収量12g(収率82.1%) この粗APBをイソプロパノールで再結晶する
ことにより無色プリズム晶の純品が得られた。融
点は106〜107℃で、元素分析値は次のとおりであ
る。
【表】
実施例 6
実施例1と同様の装置に3−アミノフエノール
12.0g(0.11モル)1,2,4,5−テトラクロ
ロベンゼン10.8g(0.05モル)、炭酸カリウム粉
末15.2g(0.11モル)、ベンゼン10mlおよびN,
N′−ジメチルホルムアミド100mlを装入し、撹拌
下に窒素を通気させながら昇温して系内の水分を
ベンゼンとともに共沸留去させた。ひきつづき昇
温して、N,N′−ジメチルホルムアミドの沸点
で還流させながら8時間反応を行なつた。 反応終了後、不溶の無機塩を過して除いたの
ち、86%ギ酸10.7g(0.2モル)と10%Pd−C
0.3gを加え50〜60℃の温度で15時間撹拌を行な
つて還元反応を終了させた。反応液を過して触
媒等を除き、これを水1に投入して粗APBを
タール状物として分離させた。このタール状物を
分離後、6規定塩酸水溶液40gに加熱溶解させて
放冷すると淡褐色針状晶のAPB塩酸塩が析出し
た。過し、イソプロパノールで洗浄後乾燥し
た。 収量12.6g(収率68.9%) このものを含水イソプロパノールで再結晶する
ことにより白色針状晶の純粋なAPB塩酸塩が得
られた。このものの融点は250〜253℃で元素分析
値は次のとおりである。
12.0g(0.11モル)1,2,4,5−テトラクロ
ロベンゼン10.8g(0.05モル)、炭酸カリウム粉
末15.2g(0.11モル)、ベンゼン10mlおよびN,
N′−ジメチルホルムアミド100mlを装入し、撹拌
下に窒素を通気させながら昇温して系内の水分を
ベンゼンとともに共沸留去させた。ひきつづき昇
温して、N,N′−ジメチルホルムアミドの沸点
で還流させながら8時間反応を行なつた。 反応終了後、不溶の無機塩を過して除いたの
ち、86%ギ酸10.7g(0.2モル)と10%Pd−C
0.3gを加え50〜60℃の温度で15時間撹拌を行な
つて還元反応を終了させた。反応液を過して触
媒等を除き、これを水1に投入して粗APBを
タール状物として分離させた。このタール状物を
分離後、6規定塩酸水溶液40gに加熱溶解させて
放冷すると淡褐色針状晶のAPB塩酸塩が析出し
た。過し、イソプロパノールで洗浄後乾燥し
た。 収量12.6g(収率68.9%) このものを含水イソプロパノールで再結晶する
ことにより白色針状晶の純粋なAPB塩酸塩が得
られた。このものの融点は250〜253℃で元素分析
値は次のとおりである。
【表】
実施例 7
実施例5でヒドラジンの変わりにギ酸ソーダー
を用いた以外は、全く同様に行なつて目的物であ
るAPBを得た。 収率80.2%であつた。
を用いた以外は、全く同様に行なつて目的物であ
るAPBを得た。 収率80.2%であつた。
Claims (1)
- 1 1,2,3,4−テトラクロロベンゼンおよ
び/または1,2,4,5−テトラクロロベンゼ
ンと3−アミノフエノールを脱塩化水素剤の存在
下で反応させたのち、還元触媒の存在下に、接触
還元により脱塩素化するか、あるいは、還元剤と
してギ酸、ギ酸塩またはヒドラジンのうち少なく
とも1種を用いて脱塩素化することを特徴とする
1,3−ビス(3−アミノフエノキシ)ベンゼン
の製造法。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58229076A JPS60123453A (ja) | 1983-12-06 | 1983-12-06 | 1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの製造法 |
US06/638,732 US4692554A (en) | 1983-10-18 | 1984-08-07 | Process for producing 1,3-bis(3-aminophenoxy)benzene |
AU31853/84A AU574092B2 (en) | 1983-10-18 | 1984-08-13 | Process for producing 1,3-bis(3-aminophenoxy) benzene |
CA000461121A CA1213909A (en) | 1983-10-18 | 1984-08-16 | Process for producing 1,3,-bis(3-aminophenoxy)benzene |
GB08420848A GB2148279B (en) | 1983-10-18 | 1984-08-16 | Process for preparing 1,3-bis(aminophenoxy) benzene |
FR8412931A FR2554812B1 (fr) | 1983-10-18 | 1984-08-17 | Procede de preparation de 1,3-bis(3-aminophenoxy) benzene |
KR1019840004948A KR870001465B1 (ko) | 1983-10-18 | 1984-08-17 | 1, 3-비스(3-아미노페녹시) 벤젠의 제조방법 |
DE19843430321 DE3430321A1 (de) | 1983-10-18 | 1984-08-17 | Verfahren zur herstellung von 1,3-bis-(3-aminophenoxy)-benzolen |
IT23197/84A IT1177004B (it) | 1983-10-18 | 1984-10-18 | Procedimento per la preparazione 1,3-bis (3-amminofenossi) benzene |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58229076A JPS60123453A (ja) | 1983-12-06 | 1983-12-06 | 1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60123453A JPS60123453A (ja) | 1985-07-02 |
JPH0441135B2 true JPH0441135B2 (ja) | 1992-07-07 |
Family
ID=16886361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58229076A Granted JPS60123453A (ja) | 1983-10-18 | 1983-12-06 | 1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60123453A (ja) |
-
1983
- 1983-12-06 JP JP58229076A patent/JPS60123453A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60123453A (ja) | 1985-07-02 |
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