JPH06100508A - 芳香族アミン化合物および芳香族不飽和イミド化合物 - Google Patents

芳香族アミン化合物および芳香族不飽和イミド化合物

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JPH06100508A
JPH06100508A JP25448592A JP25448592A JPH06100508A JP H06100508 A JPH06100508 A JP H06100508A JP 25448592 A JP25448592 A JP 25448592A JP 25448592 A JP25448592 A JP 25448592A JP H06100508 A JPH06100508 A JP H06100508A
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reaction
compound
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solvent
aromatic
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JP25448592A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Hirano
泰弘 平野
Kazuo Takebe
和男 武部
Yoichi Ueda
陽一 上田
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
Shuichi Kanekawa
修一 金川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】その硬化物の耐熱性を大きく下げることなく、
溶媒に対する溶解性が改良され、また低融点であり、そ
の硬化物が低吸水性である芳香族不飽和イミド化合物お
よびその原料となる芳香族アミン化合物を提供する。 【構成】一般式 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 、R9 、R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のハロ
ゲン化炭化水素基を表す。左右のR9 とR9 およびR10
とR10は同じでも異なっていてもよい。Dは重合可能な
炭素−炭素二重結合を有し、2〜24個の炭素原子をも
つ二価の有機基を表す。)で表される芳香族不飽和イミ
ド化合物およびその原料である芳香族アミン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気、電子分野での積
層板、封止材料、絶縁材料、また合成繊維、繊維強化複
合材料、摺動材料、成形材料、ポリアミドやポリイミド
等の原料となる新規な芳香族アミン化合物およびそれか
ら誘導される不飽和イミド化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、テトラカルボン酸無水物とジアミ
ンとを原料とするポリイミド類は耐熱性に優れることか
らその応用開発検討が進められている。一例として4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルと無水ピロメリット
酸を原料とするポリイミドがあげられる。この様なポリ
イミドは通常不溶不融で加工性に劣る欠点がある。ま
た、熱硬化性の不飽和イミド化合物として4,4’−ジ
アミノジフェニルメタンを原料とするN,N’−4,
4’−ジアミノジフェニルメタンビスマレイミドが公知
である。しかしながらこのイミドは高融点の結晶であ
り、溶融すると硬化が始まるなど溶融成形プロセスには
そぐわないものであった。またこの様な熱硬化性不飽和
イミド化合物から得られる硬化物は耐熱性に優れるもの
の、脆くかつ吸水性も大きいことからその使用用途にも
制限があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】不飽和イミド化合物の
溶媒に対する溶解性を上げる目的で分子に柔軟な動きを
与える骨格を導入すると一般に耐熱性は低下する。高耐
熱を維持するためには分子の主骨格に剛直な構造を導入
する必要がある。しかしながら剛直な構造を導入した結
果、原料アミン化合物の溶媒への溶解性が低下したりポ
リイミドの融点が高くなるなど加工作業性が低下する問
題があった。
【0004】本発明の目的は上記問題を踏まえ、その硬
化物の耐熱性を大きく下げることなく、溶媒に対する溶
解性が改良され、また低融点であり、その硬化物が低吸
水性である新規不飽和イミド化合物を提供することにあ
る。また本発明はその不飽和イミド化合物の原料とな
り、溶媒への溶解性に優れた新規芳香族アミン化合物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
続けた結果、芳香族アミン化合物および不飽和イミド化
合物の主鎖骨格にメタクレゾール骨格を導入することに
より上記の目的を満たすことができることを見いだし、
本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は次のとおりである。 (1)一般式(1)
【0007】
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 、R9 、R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のハロ
ゲン化炭化水素基を表す。左右のR9 とR9 およびR10
とR10は同じでも異なっていてもよい。)で表される芳
香族アミン化合物。 (2)一般式(2)
【0008】
【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 、R9 、R10は一般式(1)のそれと同意義であ
る。Dは重合可能な炭素−炭素二重結合を有し、2〜2
4個の炭素原子をもつ二価の有機基である。)で表され
る芳香族不飽和イミド化合物。
【0009】まず、芳香族アミン化合物の発明について
述べる。一般式(1)で表される芳香族アミン化合物に
おいて、R1 〜R10のハロゲン原子としては塩素、臭
素、ヨウ素、フッ素;炭素数1〜6の炭化水素基として
はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキ
シルの直鎖状または分岐状のアルキル基、シクロヘキシ
ル基、またはフェニル基等があげられる。炭素数1〜6
のハロゲン化炭化水素基としては上記炭化水素基の少な
くとも1つの水素原子をハロゲン原子で置換したもので
ある。一般式(1)で表される芳香族アミン化合物は、
溶媒中で塩基性物質の存在下一般式(3)
【0010】
【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 は一般式(1)のそれと同意義である。)で表され
るフェノール系化合物と、一般式(4)
【0011】
【化6】 (式中、R9 、R10は一般式(1)のそれと同意義であ
り、Xはハロゲン原子またはニトロ基を示し、−NO2
の結合位置はXの結合位置に対し、オルソ、メタ、パラ
のいずれかを示す。)で表されるニトロベンゼン誘導体
との反応を行い、得られる芳香族ニトロ化合物を還元す
ることによって製造できる。
【0012】一般式(3)で表されるフェノール系化合
物としては、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(3−t−ブチル
−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(3−t−ブチル−6−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(3−メチル−6−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1−ビス(3−t−ブチル−6−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(2,3,
5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビ
ス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(2,3,5−トリメチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、ビス(2,3,6−トリメチル−
4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(2,
3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン等があげられる。これらの化合
物は一種または二種以上混合して用いられる。
【0013】一般式(4)で表されるニトロベンゼン誘
導体としては、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン、1
−クロロ−4−ニトロベンゼン、1−ブロモ−4−ニト
ロベンゼン、1−ヨード−4−ニトロベンゼン、1−フ
ルオロ−3−ニトロベンゼン、1−クロロ−3−ニトロ
ベンゼン、1−ブロモ−3−ニトロベンゼン、1−ヨー
ド−3−ニトロベンゼン、1−クロロ−2−メチル−4
−ニトロベンゼン、1−クロロ−3,5−ジメチル−4
−ニトロベンゼン、1−ブロモ−2−t−ブチル−4−
ニトロベンゼン、1−クロロ−2−クロロメチル−4−
ニトロベンゼン、1−クロロ−2−(3’−クロロプロ
ピル)−4−ニトロベンゼン、1,3−ジニトロベンゼ
ン等があげられる。これらは一種または二種以上混合し
て用いられる。
【0014】塩基性化合物の存在下、フェノール系化合
物とニトロベンゼン誘導体とを反応させる手法は公知で
あり、文献を具体的に例示するならOrg.Synt
h.,445,(VolII)、米国特許第45380
06号明細書、J.Org.Chem.,50(2
0),3717(1985)、J.Org.Che
m.,50(17),3091(1985)、特開昭6
1−194055公報、特開昭62−70347公報、
Macromolecules,25,64(199
2)等があげられる。
【0015】ニトロベンゼン誘導体は通常ポリフェノー
ル類に対し1.6倍モルから2.8倍モルを使用し、好
ましくは1.9倍モルから2.2倍モルの量が使用さ
れ、さらに好ましくは1.95〜2.05倍モルの量が
使用される。この量が1.6倍モル未満の時は目的の芳
香族ポリニトロ化合物の他にニトロ化されないフェノー
ル性水酸基をもつものの占める割合が大きくなり製品の
純度が下がる。また使用量が2.8倍モルを超えると未
反応のニトロベンゼン誘導体が製品中に残存しやすくな
るためそれぞれ好ましくない。
【0016】反応に用いる塩基性化合物としては水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムの様な水酸化アルカリ金属
塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの様なアルカリ金属
炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭
酸水素アルカリ金属塩、ナトリウムメチラート、カリウ
ム-t- ブトキシド等のアルコキシド類、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム等の水素化物等が用いられる。こ
れらは単独で用いても良いが、二種以上を併用しても問
題はない。ニトロベンゼン誘導体としてハロゲン化ニト
ロベンゼン類を用いる場合には水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムの様な塩基性の強い水酸化アルカリ金属塩を
用いることが反応時間短縮や水溶性不純物が生成しにく
いこと等から好ましく、ジニトロベンゼン類を用いる場
合では炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの様なアルカリ金
属炭酸塩や炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の
炭酸水素アルカリ金属塩等の弱塩基化合物を用いること
が爆発回避等安全性の面から好ましい。
【0017】反応には公知の触媒を用いることが可能で
ある。例えばOrg.Synth.,445,(Vol
II)に掲載されている方法で調製された活性銅粉ある
いは銅塩を用いることができる。四級アンモニウム塩や
四級リン塩、クラウンエーテル、ポリエチレングリコー
ル等の環状ポリエーテルや鎖状ポリエーテル、またその
末端アルキルエーテル等、含窒素環状ポリエーテルや含
窒素鎖状ポリエーテル、またその末端アルキルエーテル
等の層間移動触媒を用いることができる。これらは単独
で用いても良いが、二種以上を併用しても問題はない。
【0018】使用する溶媒としてはジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、1
−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性溶媒が用
いられる。これらの溶媒の使用量は特に限定はないが通
常、原料に対し1から10重量倍の溶媒を用いる。反応
中に水が生成する場合には系外に水を出すために、水と
共沸するトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の炭化
水素、ハロゲン化炭化水素等を加えて共沸脱水を行なう
手法を併用しても良い。
【0019】原料の仕込み方は全ての原料を予め反応釜
に仕込む方法、塩基成分のみを最後に少しづつ添加する
方法、予めナフタレート塩を調製しておいてからニトロ
ベンゼン誘導体を徐々に添加する方法等が代表的であ
る。反応は50〜200℃までの間で一定温度もしくは
段階的に昇温して反応が終結するまで反応を継続する方
法が一般的である。工業的には反応を進めながら溶媒回
収を同時に行う方法が好ましい。まず第一段階の操作と
して原料のフェノール性水酸基が消失するまでは70〜
90℃で3〜10時間反応を続け、90〜200℃の温
度、760から5Torrの減圧度、3〜30時間で反
応を進行させながら第二段階の操作として反応により生
成する水を回収し、第三段階の操作として反応溶媒を回
収する。
【0020】一例として反応の手順を示すと最初にフェ
ノール系化合物と、ニトロベンゼン誘導体とを反応釜に
仕込み、1 −メチル−2 −ピロリドン等の非プロトン性
溶媒を加え、窒素気流下40〜80℃に加熱して混合物
を溶解させる。次に内温を70〜90℃に保ちながら塩
基性アルカリ金属塩を加えていく。保温を続け原料のフ
ェノール系化合物の消失を薄層クロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー、GPC等の測定装置で確認
してから減圧、昇温操作を行い系内の水を留去し脱水操
作の終了を確認した後に減圧、昇温操作を続け溶媒の回
収を行う。
【0021】流動性を損なわない程度に濃縮された反応
溶液を水、アルコール等の貧溶媒中に排出するかまたは
逆に貧溶媒を濃縮釜内部に滴下して得られた目的物を濾
過する手法で、あるいは溶媒を回収した後に粗結晶また
はガラス状の樹脂として芳香族ニトロ化合物を得ること
ができる。脱塩処理としては溶媒留去前あるいは完全に
溶媒を留去する前に反応溶液を濾過するか、粗結晶また
はガラス状の樹脂を水洗することで容易に反応により生
成した無機塩を除去することができる。通常このまま次
の還元工程を行うが、必要に応じてアルコール系溶媒等
の貧溶媒を加えて加熱撹拌した後に熱時濾過するか、再
結晶することにより精製しても良い。芳香族ニトロ化合
物を製品化する必要の無い場合、続く還元反応は前段の
反応後に製品を単離することなく行うことも可能であ
る。
【0022】上記の反応によって得られる芳香族ニトロ
化合物は次の一般式(5)で表される。
【0023】
【化7】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 、R9 、R10は一般式(1)のそれと同意義であ
る。ニトロ基の結合位置は酸素原子の結合位置に対しそ
れぞれオルソ、メタ、パラのいずれかを示す。)
【0024】上記芳香族ニトロ化合物を還元して一般式
(1)で表される芳香族アミン化合物を製造する方法は
公知の方法を応用して行うことが可能である。例えば、
工業有機化学(東京化学同人)記載の接触還元法等やC
hem.Lett.,259,(1975)に記載の塩
化第二鉄・六水和物の存在下ヒドラジンで処理する方法
があげられる。
【0025】水素を用いる接触還元の場合、反応溶媒と
しては反応に関与しないものであればとくに限定はない
が、例えば、イオン交換水、工業用水等の水、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール
等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メ
トキシエタノール、セロソルブアセテート等のエーテル
類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、ブチルラクトン等の鎖状または環状エステル類、ジ
メチルホルムアミドや1−メチル−2−ピロリドン等の
非プロトン性極性溶媒等が使用される。これらは単独で
用いても良いが、二種以上を併用しても問題はない。
【0026】溶媒の使用量は原料を完全に溶かす量か、
それ以下の量を用いて原料を懸濁させたまま反応を進め
ても良い。通常は原料に対し1〜30重量倍の溶媒が用
いられる。使用される触媒はパラジウム、ニッケル、白
金、コバルト、銅等の金属または担持触媒、ラネー触媒
を、芳香族ニトロ化合物に対し金属として0.001〜
20重量%、好ましくは0.05〜5重量%用いる。触
媒は予め溶媒に懸濁させておくか、反応の進行に合わせ
て徐々に反応系に加えても良い。必要に応じてトリエチ
ルアミン等のアミン類やキノリン、イソキノリン等の含
窒素芳香族類化合物を反応制御のため反応溶媒に対し1
ppm〜1重量%加えることも可能である。反応条件に
ついては通常反応温度は0〜200℃、圧力は常圧〜5
0kg/cm2 の範囲であり、好ましくは温度0〜15
0℃、圧力は常圧〜30kg/cm2 の範囲である。反
応時間は通常4〜24時間程度である。反応後に触媒を
濾別してから反応液を濃縮することで目的物が得られ
る。通常、触媒は繰り返し使用できるが、活性が低下し
てきた場合は触媒の持つ性質に応じて再生処理を行なっ
た後、再使用することができる。
【0027】次にヒドラジンを用いる還元の場合、活性
炭、セライト、アルミナ、シリカゲル等に担持させた塩
化第二鉄・六水和物、白金、パラジウムあるいはラネー
ニッケル等を触媒として使用することが可能である。こ
れらの中でも塩化第二鉄・六水和物を触媒として用いる
方法が副生成物の生成の低さや大過剰のヒドラジンを必
要としない点で好ましい。触媒として使用する塩化第二
鉄・六水和物の量は芳香族ジニトロ化合物類1モルに対
し0.0001〜0.1モル程度であり、好ましくは
0.001〜0.01モルである。また使用する活性炭
の量は芳香族ニトロ化合物に対し1〜20重量%、好ま
しくは5〜15重量%である。還元のためヒドラジン・
一水和物は芳香族ジニトロ化合物1モルに対し化学量論
より3モル以上必要である。通常は3〜6モルの範囲で
あり、好ましくは3.5〜5.0モルである。これらの
範囲より少ないと還元されないニトロ基が残存する。ま
た過剰に過ぎると溶媒を回収する際、回収溶媒中にヒド
ラジンが混入したり洗浄水中に高濃度のヒドラジンが混
入しやすくなりそれぞれ好ましくない。反応温度は通常
40〜120℃で行われるが、60〜90℃の範囲が反
応時間や反応制御の面で好ましい。
【0028】60〜90℃の温度でヒドラジン・一水和
物を1〜10時間の範囲で滴下する。発熱が激しいため
反応スケールが3000ミリリットルを超える時は反応
制御のため2〜5時間の間で滴下するのが好ましい。滴
下終了後、同温で反応が完結するまで保温を続ける。通
常2〜10時間程度で反応は終わる。反応の終点は薄層
クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、G
PC等の測定装置で容易に確認することができる。続い
て濾過操作により活性炭を濾別する。濾液の溶媒を減圧
下に留去し溶媒の回収を行う。製品が結晶状態となる
か、ガラス状態となるかで後処理の方法は異なる。まず
製品が結晶状態となる時には流動性を損なわない程度に
濃縮された反応溶液を水等の貧溶媒中に排出するかまた
は逆に貧溶媒を濃縮釜内部に滴下して生成した結晶を濾
過する手法で、あるいは溶媒を回収した後に粗結晶とし
て芳香族アミン化合物を得ることができる。結晶を水洗
した後、更に高純度化が必要な場合はアミンのまま、も
しくは塩酸塩の様な酸性化合物の塩にしてから再結晶に
より精製することができる。
【0029】次に製品がガラス状態となる場合について
述べる。反応溶媒が水と分液する場合はそのままで、水
溶性の反応溶媒を用いたときは溶媒を減圧下に留去した
後、トルエン等の有機溶媒に溶解してから有機層を水
洗、分液する。Dean−Starkの共沸脱水管等を
用いて有機層中の水分を除去し、溶媒を留去することで
製品化することができる。以上の方法によりメタクレゾ
ールを主骨格に有する新規芳香族アミン化合物が得られ
る。
【0030】次に芳香族不飽和イミド化合物の発明につ
いて述べる。一般式(2)で表される不飽和イミド化合
物は、一般式(1)で表される芳香族アミン化合物と一
般式(6)
【0031】
【化8】 (式中、Dは一般式(2)のそれと同じ意義である。)
で表されるエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物との反
応によって製造することができる。
【0032】一般式(6)で表されるエチレン性不飽和
ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ジクロロ
マレイン酸、無水ピロシンコン酸、無水テトラヒドロフ
タル酸等、あるいはこれら不飽和カルボン酸無水物とジ
エン類とのDiels−Alder反応物、例えばシク
ロペンタジエン、フラン、テルピネンと無水マレイン酸
との環化付加反応物等の少なくとも一種が使用される。
【0033】一般式(1)で表される芳香族アミン化合
物と一般式(6)で表されるエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸無水物とを出発原料とし、一般式(2)で表される
不飽和イミド化合物を製造する方法は、特に限定するも
のではないが、第一段階で一般式アミド酸を調製し、続
いて第二段階で閉環反応を行い対応する不飽和イミド化
合物とする方法が一般的である。
【0034】第一段階のアミド酸の調製方法は一般式
(6)で表されるエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物
の有機性溶液と、一般式(1)で表される芳香族アミン
化合物の有機性溶液とを接触させる方法である。一般的
に用いられる溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、ブチルラクトン等の鎖状または環状エステル類、ジ
メチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジ
メチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、スルホラ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プ
ロトン性溶媒が用いられる。これらは単独で用いても良
いが、二種以上を併用しても問題はない。
【0035】使用される溶媒の量は一般式(6)で表さ
れるエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物と一般式
(1)で表される芳香族アミン化合物との合計重量に対
し、1から30重量倍である。反応温度は−20〜10
0℃の範囲で行われ、好ましくは室温〜60℃の範囲で
ある。温度が低すぎると反応の進行が遅く、高すぎると
ポリマー等の副生成物により目的物の純度が下がる。反
応方法の一例としては、このものに限定されるものでは
ないが、一般式(6)で表されるエチレン性不飽和ジカ
ルボン酸無水物の有機性溶液に、一般式(1)で表され
る芳香族アミン化合物を直接、あるいはその有機性溶液
を窒素気流下撹拌しながら0.5〜6時間かけて添加
し、反応が完結するまで保温、撹拌を続ける。通常反応
は添加終了後、2時間程度で終了する。反応終了後、通
常アミド酸を単離せずに次の工程に使用する。溶媒留
去、濾過等の手法を用いて生成した対応するアミド酸を
単離して精製しても良い。
【0036】第二段階のアミド酸の閉環方法は第一段階
で生成した対応するアミド酸を有機溶媒中で触媒の存在
下、脱水反応を進めることで行う。
【0037】一般的に用いられる有機溶媒は、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリ
ル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢
酸エチル、酢酸ブチル、ブチルラクトン等の鎖状または
環状エステル類、ジメチルホルムアミド、1−メチル−
2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセ
トアミド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン等の非プロトン性溶媒が用いられる。これら
は単独で用いても良いが、二種以上を併用して用いても
良い。
【0038】反応条件は、米国特許第2444536
号、米国特許第3018292号、米国特許第3018
292号、米国特許第3127414号等の明細書に記
載の公知の方法を応用することができる。使用する脱水
剤は通常酸無水物であるが、この中でも無水酢酸が取扱
い、後処理の容易さ、工業的に容易に入手できること等
から好ましい。使用する量はアミド酸1 モルに対し、
1.05〜1.5モルを用いる。触媒としてはトリエチ
ルアミン等の三級アミンをアミド酸1モルに対し、0.
05〜0.8モルを用い、併せて酢酸ニッケル等の酢酸
金属塩をアミド酸1モルに対し、0.005〜0.5モ
ルを用いる。反応時間は通常3〜12時間程度である。
【0039】反応方法の一例としては、この方法に限定
されるものではないが、第一段階で製造された対応する
アミド酸類のアセトン溶液にトリエチルアミンを加え室
温で撹拌した後、酢酸ニッケルを加える。次に窒素気流
下、無水酢酸を室温〜60℃の温度範囲で滴下する。滴
下に要する時間は通常0.5〜3時間程度である。室温
〜60℃の温度範囲で保温と撹拌を続ける。反応終了
後、析出した結晶を濾取する。効率よく結晶を得るため
に反応溶媒を常圧下もしくは減圧下に留去するか、流動
性を損なわない程度に濃縮したり、反応溶液を冷却した
りする手法を必要に応じて併用しても良い。脱水剤由来
の副反応を抑える目的で溶媒の留去は反応温度を上回ら
ない温度を設定することが好ましい。溶媒の留去は反応
を進めながら行っても良い。
【0040】反応終了後、溶媒の種類や量の違いにより
結晶が溶媒に溶けるため析出しない場合も有り得る。こ
の場合には反応溶媒を常圧下もしくは減圧下に留去する
か、もしくは流動性を損なわない程度に濃縮された反応
混合物を水、メタノール等の貧溶媒中に排出するか、あ
るいは、貧溶媒を反応混合物へ滴下することにより結晶
が得られる。使用する貧溶媒の量は反応に用いた溶媒の
0.5〜20倍量が用いられる。上記の操作で得られた
結晶を少量のアセトン等の揮発性有機溶媒で洗浄し、つ
いで水洗を行う。水洗後、メタノール等の貧溶媒で水を
置換しても良い。続いて結晶を常圧もしくは減圧下に乾
燥させることで目的物の不飽和ビスイミドを得ることが
できる。これらのビスイミド系化合物は上記製法で工業
原料として十分の純度を持つが、必要に応じて再結晶に
よる精製を行ってもよい。本発明の芳香族不飽和イミド
化合物は、ポリアミン、特にジアミンと粉体のまま混合
するか、溶融混合した後、200℃でプレス成形するこ
とにより硬化させることで可撓性に優れた耐熱材料を製
造することができる。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0042】実施例1 〔1,1−ビス〔4−(4−ニトロフェノキシ)−3−
t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタンの合成〕温度
計、撹拌装置、および滴下ロートを装着した2リットル
四ツ口フラスコに1,1−ビス(3−t−ブチル−6−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン286.9
g、p−クロロニトロベンゼン240.3g、1−メチ
ル−2−ピロリドン881.1gを仕込み、窒素気流下
50℃で溶解させる。99%粉末苛性ソーダ61.8g
を加え、50℃で半時間保温してから80℃に昇温す
る。80〜85℃で3時間反応を続けると原料のフェノ
ール系化合物が消失した。125℃に昇温後3時間保温
してから内圧を徐々に200Torrまで減圧にし、反
応により生成した系内の水を回収する。次に内圧を注意
深く125Torrまで減圧にし、反応溶媒である1−
メチル−2−ピロリドンを反応混合物の流動性が失われ
ない程度に回収した。純水300gに反応混合物を撹拌
しながら排出し、析出した結晶を濾別し、水300gで
洗浄した。結晶をメタノール600gに懸濁させ、一時
間還流させる。結晶を熱時濾取後、メタノール60gで
洗浄した。得られた結晶を減圧下に加温して乾燥させ
た。収量464.1g(収率99.0%、LC(高速液
体クロマトグラフィー、以下同じ)純度96.8%)
【0043】実施例2 〔1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−
t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタンの合成〕3リ
ットル四ツ口フラスコに実施例1で得られた1,1−ビ
ス〔4−(4−ニトロフェノキシ)−3−t−ブチル−
6−メチルフェニル〕ブタン312.4g、活性炭3
1.5g、塩化第二鉄・六水和物1.6g、2−メトキ
シエタノール1575gを仕込み、窒素気流下、反応溶
液を還流させ溶解させた。70〜80℃でヒドラジン・
一水和物100.1gを3時間かけて滴下し同温で反応
を続けると2時間で原料が消失した。更に3時間反応を
続けた後、熱時濾過により活性炭を濾別した。減圧下に
溶媒を80%留去してから反応混合液を水2kgに撹拌
しながら滴下した。10%苛性水溶液で水層のpHを
7.0〜9.5に調整し、さらに撹拌を続けてから結晶
を濾過した。結晶を水洗してから減圧下に加温して乾燥
させた。収量270.2g(収率95.7%、LC純度
98.0%)
【0044】このものはシクロヘキサン/トルエン混合
溶媒から再結晶できる他、アセトン、メチルエチルケト
ン、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルセロ
ソルブ、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、トルエン等の汎用溶媒に対し室温
で40wt%以上の溶解度を示した。このもののその他
の物性は次のとおりである。
【0045】融点 93〜95℃ 質量スペクトル M+ =5671 H−NMR δ:0.93ppm(t、−CHCH2
CH 2 CH3 )、1.37ppm(s、t−ブチル
基)、1.89ppm(q、−CHCH2 CH2
3 )、2.11ppm(s、メチル基)、3.37p
pm(brs、−NH2 )、4.13ppm(t、−
CH2 CH2 CH3 )、6.5〜7.2ppm(m、
芳香族) アミン当量(滴定法による。)283g/eq 赤外吸収スペクトル 1205cm-1(エーテル結合) 3200、3360、3445cm-1(アミノ結合) 元素分析結果(C38482 2 として計算)
【0046】
【表1】
【0047】実施例3 〔1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−
t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタンの合成〕50
0ミリリットルナス型フラスコに実施例1で得られた
1,1−ビス〔4−(4−ニトロフェノキシ)−3−t
−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタン10.0g、5
%−Pd/C 0.1g、2−メトキシエタノール10
0gを仕込む。フラスコ内を十分脱気した後、水素を導
入する。この操作を三度繰り返して系内を完全に水素で
置換してからマグネティックスターラーで室温で撹拌す
る。終夜撹拌を続け、LCで反応の終了を確認してから
触媒を濾別、濾液を減圧下に留去して目的のアミノ化合
物を8.9g(収率93.3%)得た。このものの融点
は実施例2で得られた標品と一致した。
【0048】実施例4 〔N,N’−1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタンビ
スマレイミドの合成〕2リットル四ツ口フラスコに無水
マレイン酸97.1gとアセトン226.5gを仕込
み、窒素気流下撹拌して溶解させた。温度を室温〜35
℃に保ちながら1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタン
256.5gをアセトン598.5gに溶かした溶液を
二時間で滴下した。さらに三時間撹拌を続けた。トリエ
チルアミン27.3gを加え室温で半時間撹拌した後、
酢酸ニッケル0.95gを加え40℃まで昇温した。無
水酢酸119.9gを一時間で滴下した後、同温度で反
応を続けた。反応終了後、反応混合物を水2.5kgに
排出し、結晶を濾取した。この結晶を水洗、ついでメタ
ノールで洗浄し、減圧下に加温して乾燥し、黄色結晶を
収量306.1g(収率93.9%)で得た。このもの
はメチルセロソルブ/イソプロピルアルコール混合溶媒
から再結晶したものの物性を次に示す。
【0049】融点 127〜130℃ 質量スペクトルM+ =7241 H−NMR δ:0.97ppm(t、−CHCH2
CH 2 CH3 )、1.34ppm(s、t−ブチル
基)、1.92ppm(q、−CHCH2 CH2
3 )、2.17ppm(s、メチル基) 4.13ppm(t、−CHCH2 CH2 CH3 )、
6.65ppm(s、イミド基)、6.8〜7.2pp
m(m、芳香族) 赤外吸収スペクトル:1219cm-1(エーテル結合) 1712cm-1(イミド結合) 元素分析結果(C46482 6 として計算)
【0050】
【表2】
【0051】応用例1 実施例4で得られたN,N’−1,1−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフ
ェニル〕ブタンビスマレイミド(以下、イミド−Aとい
う)と4,4’−ジアミノジフェニルメタン(住友化学
工業(株)製登録商標名スミキュアーM)(以下、DD
Mという)と配合した後、200℃、70kg/cm2
で1時間プレス成形後、200℃で4時間硬化させて2
mm厚の硬化物を得た。応用例の硬化物の物性を表1に
示す。
【0052】比較応用例1 N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド
(住友化学工業(株)製登録商標名ベストレックス B
H−180)(以下、BH−180という)と4,4’
−ジアミノジフェニルメタン(住友化学工業(株)製登
録商標名スミキュアー M)とを配合した後、200
℃、70kg/cm2 で1時間プレス成形後、200℃
で4時間硬化させて2mm厚の硬化物を得た。この硬化
物の物性を次表に示す。
【0053】
【表3】 *1)Tg(ガラス転移点)島津製作所製DT−4熱分
析装置使用 *2)煮沸吸水率(48時間)
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、応用例からも明らかな
とおり分子内にメタクレゾール骨格を含む不飽和イミド
化合物の硬化物は従来の汎用イミド樹脂に比べ、その耐
熱性を維持しながら低吸水性に優れることがわかる。本
発明の不飽和イミド化合物は、電子機器搭載用積層板や
封止材、航空宇宙分野などの先端複合材料用の原料とし
て重要である。また、本発明の芳香族アミン化合物は上
記不飽和イミド化合物の原料として有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】原料の仕込み方は全ての原料を予め反応釜
に仕込む方法、塩基成分のみを最後に少しづつ添加する
方法、予めフェノラート塩を調製しておいてからニトロ
ベンゼン誘導体を徐々に添加する方法等が代表的であ
る。反応は50〜200℃までの間で一定温度もしくは
段階的に昇温して反応が終結するまで反応を継続する方
法が一般的である。工業的には反応を進めながら溶媒回
収を同時に行う方法が好ましい。まず第一段階の操作と
して原料のフェノール性水酸基が消失するまでは70〜
90℃で3〜10時間反応を続け、90〜200℃の温
度、760から5Torrの減圧度、3〜30時間で反
応を進行させながら第二段階の操作として反応により生
成する水を回収し、第三段階の操作として反応溶媒を回
収する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】反応条件は、米国特許第2444536
号、米国特許第3018292号、米国特許第3018
29号、米国特許第3127414号等の明細書に記
載の公知の方法を応用することができる。使用する脱水
剤は通常酸無水物であるが、この中でも無水酢酸が取扱
い、後処理の容易さ、工業的に容易に入手できること等
から好ましい。使用する量はアミド酸1モルに対し、
1.05〜1.5モルを用いる。触媒としてはトリエチ
ルアミン等の三級アミンをアミド酸1モルに対し、0.
05〜0.8モルを用い、併せて酢酸ニッケル等の酢酸
金属塩をアミド酸1モルに対し、0.005〜0.5モ
ルを用いる。反応時間は通常3〜12時間程度である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 充弘 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 金川 修一 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    8 、R9 、R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のハロ
    ゲン化炭化水素基を表す。左右のR9 とR9 およびR10
    とR10は同じでも異なっていてもよい。)で表される芳
    香族アミン化合物。
  2. 【請求項2】一般式(2) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    8 、R9 、R10は一般式(1)のそれと同意義であ
    る。Dは重合可能な炭素−炭素二重結合を有し、2〜2
    4個の炭素原子をもつ二価の有機基である。)で表され
    る芳香族不飽和イミド化合物。
JP25448592A 1992-09-24 1992-09-24 芳香族アミン化合物および芳香族不飽和イミド化合物 Pending JPH06100508A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0710690A3 (en) * 1994-10-28 1996-10-16 Sumitomo Chemical Co Polyimide film
KR100804063B1 (ko) * 2002-01-15 2008-02-18 주식회사 코오롱 광디바이스 보호막용 열경화성 수지 조성물

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0710690A3 (en) * 1994-10-28 1996-10-16 Sumitomo Chemical Co Polyimide film
US5734008A (en) * 1994-10-28 1998-03-31 Sumitomo Chemical Company, Limited Polyimide film
KR100804063B1 (ko) * 2002-01-15 2008-02-18 주식회사 코오롱 광디바이스 보호막용 열경화성 수지 조성물

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